女子カーリング世界選手権2016の3位決定戦が熱かった

 前回に引き続き、もう一つ女子カーリング世界選手権2016の話。3位決定戦のロシア-カナダ戦が好ゲームだったと思います。前回も7エンドの局面を次の一手形式で紹介しましたが、1エンドの攻防もおもしろかったので局面図を作ってみました。

ロシア-カナダ3位決定戦先攻セカンド2投目

 ロシアは3年連続銅メダルが、カナダは7年連続のメダルがかかった3位決定戦。世界ランキングはロシアが5位、カナダが1位。

 序盤はまだお互い氷の状態を掴めていないので様子見になることも多い。双方とも打ち合って石が溜まらない展開。このままブランクでこのエンドは終わると思ったが、先攻カナダ(赤)のセカンド2投目のストーンはハウスの外に残った。ここから突然試合は動き出す。

ロシア-カナダ3位決定戦後攻セカンド2投目

 後攻ロシア(黄)のセカンド2投目。ハウス左際のガードの後ろにカムアラウンド。これが完璧に決まる。

ロシア-カナダ3位決定戦先攻サード1投目

 先攻サード1投目。黄を直接打ち出すことはできないので、黄の石にフリーズを狙う。ガードの後ろには半分隠れたが、ぴったり付けることはできず。

 ナンバー1がどちらかが微妙。黄がナンバー1なら、黄は次にハウス右側に置けば2点パターンになるのだが。

ロシア-カナダ3位決定戦後攻サード1投目

 後攻サード1投目。ロシアは赤がナンバー1と見て赤を少し外に押し出そうとする。しかし、これがスルーになってしまう。

ロシア-カナダ3位決定戦先攻サード2投目

 先攻サード2投目。カナダも赤がナンバー1と見て、左側には触らずハウスの反対側に石を置く。少しウエイトが足りなそうだったが、2人スイープでハウスまでは届いた。

ロシア-カナダ3位決定戦後攻サード2投目

 後攻サード2投目。1投目と同じ狙いをもう一度。黄も少し動いたが、赤を押し出してナンバー1を取ることには成功した。

ロシア-カナダ3位決定戦先攻スキップ1投目

 先攻スキップ1投目。相手のナンバー1を打ち出して、ナンバー1を取り、ガードの後ろに隠れる。完璧に決まった。

ロシア-カナダ3位決定戦後攻スキップ1投目

 後攻スキップ1投目。ナンバー1の赤を打ち出そうとしても、後ろの赤か黄に当たって残ってしまう可能性が高い。左側はあきらめて、右側の赤の後ろに隠す。ティーラインより後ろになってしまったが、赤の後ろには完璧に隠れた。

ロシア-カナダ3位決定戦先攻スキップ2投目

 先攻スキップ2投目。いま投げられた黄の手前に付ける狙い。ぴったり付ければロシアが1点を取らされるエンドになる。

 しかし、手前の赤にギリギリ当たってしまった。途中までは良さそうだったが、ハウスの手前で急に曲がったように見えた。

ロシア-カナダ3位決定戦後攻スキップ2投目

 後攻スキップ2投目。最後は黄が打ち出して止めて、黄がナンバー1・2。後ろの黄に当たってしまう可能性あったが、きっちり決めた。ロシアが2点を先制した。

 1エンドからこんな石の溜まる攻防で、この後も簡単に石を打ち合って終わるというエンドは皆無。全エンドで石が溜まる展開。そんなことをしているものだから、最後は双方とも危うく持ち時間が切れそうになるほどの熱戦でした。

3位決定戦 ロシア-カナダ
チーム名 H 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
カナダ   0 2 0 0 0 2 2 0 2 0 8
ロシア 2 0 1 1 1 0 0 3 0 1 9
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女子カーリング世界選手権2016に見る実戦・次の一手

 もう先々週のことになりますが、女子カーリング世界選手権の中継をずっと見てました。今年は日本選手権の中継が1試合しかなくて心配していたのですが、世界選手権は日本戦全試合完全生中継という大盤振る舞いで全部見るのが大変でした(^_^;) 日本代表のLS北見が五輪・世界選手権を通じて過去最高の銀メダルという快挙を成し遂げたのはご存じの通りです。

 さて、今回の世界選手権で印象に残った局面を図にしてみました。まず、その石を投じる前の図を載せて、次に実際に投じた図を載せるという、いわゆる「次の一手」形式にしました。スクロールする前に少し考えてみるとおもしろいかもしれません。と言っても、実戦では、自分たちや相手の技量・調子、氷の状態なども含めて考えるので、局面図だけではわからないこともありますが。全部で4題あります。

日本0-0ドイツ第2エンド赤:後攻スキップ2投目その1

1題目

2エンド 赤0-0黄 後攻・赤のスキップ2投目

 日本(赤)-ドイツ(黄)。日本の予選8試合目。

 先攻ドイツのスキップ2投目がミスになって、ラストストーンを投げる前にすでにナンバー1・2を持っているという大チャンス。当然、真ん中にドローして3点目を作るよね?

日本0-0ドイツ第2エンド赤:後攻スキップ2投目その2

答え

 日本の選択はダブルロールイン。ハウス手前の赤に軽く当てて、投げた赤と当てた赤を両方ハウスに入れてしまうという作戦。狙い通りに決まって、序盤早々4-0という大量リードを奪って優位に立った。

 この場面、スキップの藤澤五月はこの手に気がついておらず、バイススキップ吉田知那美が藤澤が投げる前に気がついて作戦を変えた。

知那美「さっちゃん、ダブルロールもあるけどそこまでしなくていいか」
藤澤「あーいいよ、やってみよう」
知那美「やる?」
藤澤「うん」

日本2-0スイス第5エンド:黄後攻スキップ2投目その1

2題目

5エンド 黄0-2赤 後攻・黄のスキップ2投目

 日本(黄)-スイス(赤)。日本の予選6試合目。

 スイスはスキップ1投目の時に、1試合に1回しか取れないタイムアウトを早くも取るという力の入ったエンド。赤にナンバー1・2を見せられて黄は苦しい。2点負けていて後攻なので、できれば2点ほしい。真ん中にドローすれば1点は確保できるが、それも簡単ではないショットだ。

日本2-0スイス第5エンド:黄後攻スキップ2投目その2

答え

 まだ、ナンバー1・2を両方はじき出すダブルテイクアウトの道があった。しかし、失敗すると赤が残ってスチールされてしまう可能性もある。この局面は日本の作戦会議も時間をかけた。このとき選手同士の会話が聞けるのもカーリング中継の醍醐味。解説の敦賀信人ダブルテイクアウト推し

敦賀「ここは思い切って狙ってほしいですね」
藤澤「ここ(ドロー)か、これダブルで2点か3点」(とチームメイトに説明)
敦賀「ダブルで思い切って、勢いをつけるショットをやってほしいですね」
?「ドローもムズいっちゃムズいのか」
?「でもドローはゆうみちゃんやってるからわかるよね」
?「3点もある」
藤澤「うまくいけばね」
敦賀「3点は難しいですけど(笑)2点は絶対ありますね」

 4人が集まって相談して、いったんはドローで決まりかけたが、その後でまた作戦を変えた。

「こっちから見ると行けそうな感じがするんだけど」
「あーダブル行けそうだね」
「うん」
「ブラシ1本分も離れてないんだ」

 見事にダブルテイクアウトが決まって、日本が同点に追いついた。

ロシア5-4カナダ第7エンド:黄後攻スキップ1投目その1

3題目

7エンド 黄5-4赤 後攻・黄のスキップ1投目

 ロシア(黄)-カナダ(赤)。3位決定戦。

 メダルがかかった一戦。第1エンドから白熱の攻防が続き、接戦のまま終盤へ。ハウス手前がガードだらけで真ん中へドローする道がない。このままだと、カナダ(赤)は次のスキップ2投目でどこかの赤に当てて中央を狙ってくる。

ロシア5-4カナダ第7エンド:黄後攻スキップ1投目その2

答え

 ハウス右上の赤の前にガードかと思いましたが、ロシアのスキップ、アンナ・シドロワの狙いはこれ!

 1点リードしている場面でこれ行きますか! 赤がナンバー1ならともかく、現時点では黄がナンバーワン持ってるのに。シドロワさんは積極策ですねー。

 しかしこの勝負手が実際はどうなったかというと……。

ロシア5-4カナダ第7エンド:黄後攻スキップ1投目その3

 なんと自分のナンバー1だけなくなってしまいました。やはりちょっと難しかったか?

 もしかしてロシアは、次のカナダ(赤)のスキップ2投目で左上から赤→赤→黄で出されて赤をナンバー1・2・3で残されるのを嫌ったのでしょうか? そうなったらロシアは全部テイクアウトするのは難しいし、中央にドローする道もないし、苦しそうだ。そうなるくらいなら今チャレンジした方がいいということでしょうか?

 ロシアは最後も難しいショットが決まらず、カナダに2点スチールされるエンドになってしまいました。

日本2-1スウェーデン第4エンド:黄後攻スキップ2投目その1

4題目

4エンド 黄1-2赤 後攻・黄のスキップ2投目

 スウェーデン(黄)-日本(赤)。日本の予選7試合目。

 ナンバー1はすでに持っているが、先攻日本のスキップ2投目でハウス中央へのドローを決められてナンバー2を押さえられた。後攻だし、1点負けているので2点目を作りたいところだが。

日本2-1スウェーデン第4エンド:黄後攻スキップ2投目その2

答え

 スウェーデンの選択はスルー! 2点目を入れるルートも難しいし、下手に触ると赤をナンバー1にしてしまうかもしれない。まだ4エンド、先はあるのでここは無理をせず1点を守るという選択をした。

 カーリングは戦術が深いスポーツで「氷上のチェス」とも呼ばれるけれど、チェスのようなマインドスポーツと決定的に違うのが、プレイ自体にミスが起こること。プラン通りに進むことも多いから考えないと負けてしまうのだけど、どんなに考えても想定外のミスが結構起こる。緻密に作戦を積み重ねて、最後の一投を決めるだけという局面で、その一投でとんでもないスルーをしてしまう。世界に名だたるスキップがそれをやってしまう。その辺の戦術の深さと危うさのバランスがカーリングの魅力の一つかなと思って観戦しています。

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スワローズ検定1級に合格するにはどうすればいいか

 前回は第2回スワローズ検定1級の答え合わせと問題分析をしてみましたが、今回はもう少し具体的に、スワローズ検定1級に合格するにはどうしたらいいかを考えてみます。

事前に知っておける問題は逃さない

 事前の準備で重要なのが、試験に出る問題をできるだけ知っておくことです。事前に知っておければその問題はほぼ100%正解できますから。

 前回も少し書きましたが、今回の1級の試験問題では、結果的に事前に知っていた問題がいくつもありました。問題を知るルートは主に3つ。1つ目は過去問。2つ目は『笑福亭べ瓶のスワいち!』で放送された問題。3つめが公募問題です。

 まず過去問。第1回2級から14問出題されました。自分はまったく同じ問題が出るとは思わず、復習をおろそかにして1問落としてしまったのは前回も書いた通り。次回は、今回の1級試験から再び出題される問題もあるかもしれません、過去問のチェックは真っ先にやるべきでしょう。

 ただ、今回は第2回なので、今回1級を受験した人の多くは第1回2級を受験していたと思います。しかし、次回からの1級受験者は「第1回2級合格・第2回1級不合格」「第1回2級不合格・第2回2級合格・第2回1級併願不合格」「第1回受験せず、第2回2級合格」など、さまざまなパターンが想定できます。それぞれに知っている過去問が異なることになります。いろいろな試験の過去問から出題されるとすれば、できるだけ多くの試験を受験していた人が有利です。また、友人間などで受験していない過去問についての情報交換ができれば非常に有利ということになります。ちょっと不公平な感じがします。

 過去問集が発売されればこのような有利・不利は解消されることになりますが、過去問がそのまま試験に出題される状況を見ると難しいのかもしれません。それにしても、過去問集は出してほしいけど。受験すれば問題と解答は知ることができるけれど、解答の根拠はわからない。公式テキストのような問題の解説が読みたい。正直、いまだに納得できない問題もあるんだけど(^_^;)

 次に、『スワいち!』で放送された問題について。全部で9問出題されました。この9問はこの番組を見ていればほとんど正解できます。この番組を見ていなかった人はそれだけでかなり不利と言えます。不公平な感じがしないこともないですが、スワローズ検定の勉強をしようと思ってネットで検索すれば知ることは可能な情報です。このくらいは知っておくべきということでしょう。

 また、個人が独自に作った問題がブログなどにアップされていますが、それに近い問題が何問か出題されていました。主催者側も問題作成には苦労しているようなので、ネット上で簡単に見つかって問題にしやすそうな情報は、やはり出題されやすいということです。ネット検索は怠れません。

 3つ目の公募問題ですが、これは釈然としない気持ちが残ります。自分も応募して、しかも1級に2問も採用されてしまったので「お前が言うな」状態ですが、これってずるくないですか? 問題を応募した人だけが問題を事前に知っているわけですから。過去問や『スワいち!』の放送と違って、ほかの受験者がその問題に触れるチャンスがほぼないので不公平感が強くなります。自分も含めて、採用された人は18人、そのうち2問以上採用された人が6人、最大5問採用された人もいます。

 問題公募という試みはおもしろいと思います。スワローズ検定に「問題を作る」という楽しみ方を生み出している面もあります。しかし、自分で問題を作成した試験を受験するというのはやはり不自然です。不公正と言われても仕方がないと思います。公募するにしても何かしらの制限をつけるべきだと思います。たとえば、すでに合格した級にしか出題できないとか、自分が受験する級には出題できないとか、1人1問に限るとか。実際にどう実行するか難しい面もありますが。

 2級・3級では今回も公式テキストから多くの問題が出題されたようですので、これが合格への足がかりとなります。しかし、今回の1級では公式テキストからの出題は1問もありませんでした。新しい公式テキストが発売されない限り、1級では今後も公式テキストからの出題はないと予想します。

古い問題ばかりとは限らない

 1級(2級も)では国鉄以来のスワローズ全史が出題範囲となっています。古い時代の問題が難しいと考える人が多いでしょう。実際に試験問題を解いた人からもそういう声をよく聞きます。「1級は難問揃い」と聞くと「国鉄時代や初優勝以前の古い時代の難問が数多く出題されたのだろう」という印象を持つかもしれません。

 しかし、実際に問題を調べてみると、そうでもありません。次の表は第2回1級の時代別問題数と自分の正解数です。時代の分類は前回書いた通りです。

第2回1級試験の時代別問題数
分類 西暦 問題数 正解数 正解率
歴史 ~1949 2 2 100.0%
国鉄 1950~1965 11 8 72.7%
アトムズ 1965~1973 9 8 88.9%
V1時代 1974~1984 10 6 60.0%
土橋関根 1985~1990 9 5 55.6%
黄金時代 1991~2005 19 14 73.7%
古田小川 2006~2014 11 7 63.6%
現代 2015~ 12 5 41.7%
総合 - 17 11 64.7%

 この通り、各年代から満遍なく出題されています。黄金時代の出題数が多いのは、優勝というのは球団史として重要な出来事だから当然です(単純に分類上の年数が長いというの理由もありますが)。問題の難度も、あくまで自分の場合ですが、古い問題の方が正解率が低いということはなく、むしろ最近の問題の正解率の方が低い傾向があります。自分の勉強が古い時代のものに偏っていた嫌いもあります。古い問題は、記録にしてもエピソードにしても、ある程度有名な・目立つ・問題にしやすいものからしか出題されないのに対して、最近の問題はどこから出題されるかわからないので、事前対策がしにくいという面もあります。

 現代という短い期間から12問も出題されたというのも注目です。次回の試験でも同程度出題される可能性が高いでしょう。その年の出来事であれば過去問で対策することもできません。現在のヤクルトの動向も日々追っていくことも、1級合格には必要となります。

日本シリーズは最重要

 今回の1級試験では、日本シリーズ関連の問題が数多く出題されました。特に目立ったのが日本シリーズのスコアを示して、どの年の何試合目だったかを問う問題です。例えば、こんな問題。

次のスコアは何年の日本シリーズの第何戦のスコア?

  1 2 3 4 5 6 7 8 9  
西武 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
ヤクルト 0 0 0 1 0 0 0 0 X 1
  1. 1992年第4戦
  2. 1992年第2戦
  3. 1993年第4戦
  4. 1997年第1戦

 この問題を見て「1試合ごとのスコアなんて覚えてない」と思うかもしれません。でもこの問題、スコアを覚えていなくても解けます。

 まず、日本シリーズの対戦相手と勝敗は覚えておく必要があります。

東京ヤクルトスワローズ日本シリーズ勝敗表
相手 勝敗
1978 阪急 ●○●○○●○
1992 西武 ○●●●○○●
1993 西武 ○○●○●●○
1995 オリックス ○○○●○
1997 西武 ○●○○○
2001 大阪近鉄 ○●○○○
2015 福岡ソフトバンク ●●○●●

 白黒だけを見て覚えようとすると大変ですが、「1978年は阪急有利と言われて、序盤は黒星先行したが、中盤で逆転し第7戦までもつれて大杉勝男の一発で上田利治監督猛抗議」、「1992年は杉浦享の代打サヨナラ満塁本塁打から始まるが、その後は下馬評通り西武が勝ってやはりダメかと思ったら第7戦までもつれて岡林洋一熱投」というようなストーリーを思い浮かべると比較的楽に覚えられます。1995年は「小林宏-オマリーの14球」がどんな状況だったか、2015年は山田哲人の3連発がどんな状況だったかを思い浮かべましょう。

 そして「その試合がどの球場だったか(≒どちらが先攻か)」「先発投手は誰か」「その先発投手はそのシリーズでどのくらい活躍したか」を覚えておきましょう。球場はその年のどこか1試合わかれば全部わかります。先発の順番はその年のレギュラーシーズンの活躍と関連づけると覚えやすいと思います。

 ここまでわかっていれば、この問題はスコアを知らなくてもまず解けます。まず勝敗の時点で3と4の2択になります(実は、2は先攻・後攻が逆なだけで同じスコアなので、勝敗がわからないと難しくなります)。そして4はヤクルトが先攻なので、これだけで3で確定です。

 先攻・後攻が分からない場合でも、1993年4戦のヤクルトの先発は川崎憲次郎で、このシリーズで川崎憲次郎はMVPを受賞していることを思い出せればヒントになります。1997年第1戦先発の石井一久も1-0完封ですが、1997年第1戦については、公式テキストの142問目でテータムが8回に均衡を破る本塁打を打ったという問題があるので、これを思い出せれば。

 というように、日本シリーズのスコア問題は、そのシリーズに関する総合的な知識が問われ、しかもさまざまなアプローチで答えにたどり着ける良問だと思います。

 このような日本シリーズスコア問題は全部で3問ありました。それも含めて日本シリーズに関する問題は全部で13問出題されました。日本シリーズはしっかり勉強しておく必要があるでしょう。

 それに対して、もう一つのポストシーズンであるクライマックスシリーズ(CS)に関する問題は、なんと1問も出題されませんでした。昨年は久々に日本シリーズに出場できましたが、それまでは近年のヤクルトのポストシーズンと言えばCSでした。名場面もたくさんあったと思うのに1問も出ないとは。意外だし、個人的に思い入れが強い試合が多いので残念だし、だから出題されれば正解できたと思うのでその点でも残念でした。比較的新しい出来事なので、1級の問題としては難度が足りないと判断されたのかもしれません。

 第1回2級で難問として猛威を振るった「順番問題」、つまり「次の4選手のうち、○○が×番目に多いのは?」という形式の問題(第1回2級の記事で何問か引用しました)は1問も出題されませんでした。通算成績1位を当てる問題が1問出題されたのみです。なんでだろう? スワローズに対する総合的な知識が問える良い問題だと思うのだけど。特に、通算成績は意外な数字にはなりにくいので、丸暗記しなくても成績への理解があると正解できる可能性が高くなる。良問を作りやすいと思います。

スワローズ検定1級合格に一番重要なこと

 以上を踏まえて、1級試験合格にはどういう勉強をすればいいか。まず、Web検索。『スワいち!』はレギュラー番組としては(今日で!)終了するようなので来年以降はどうなるか分かりませんが、出題されるかもしれないと告知されているものがないかどうか必ず調べておきましょう。また、告知されていなくてもWeb上の情報を参考に試験問題が作られる可能性は高いので、個人で練習問題を作っている方のブログなどは要チェックです。Wikipediaから出題される可能性も高いので、東京ヤクルトスワローズのページはもちろん、スワローズ関連の選手・事柄などに関するページは読んでおいて損はないです。有名なシーンはYouTubeなどに動画がアップされていることも多いので、見ておく印象に残りやすいと思います。

 球団史に関することは『東京ヤクルトスワローズ公式サイト』で得ることができます。「球団のあゆみ」「球団アーカイブ」、「40周年記念サイト」、つい先日公開された「MEDIA GUIDE」は役に立つ資料です。直接ここの情報から作られたと思われる問題も多いです。

 本も読んでおく必要があるでしょう(DVDなども)。2級以上は試験範囲が国鉄時代から現代まですべてなので、スワローズ関連であればどんなものでも有用です。古い時代の話で入手しやすいのは『国鉄スワローズ1950-1964 400勝投手と愛すべき万年Bクラス球団』です。『スワローズ激動の歩み』『ヤクルトスワローズ球団史〈1992年度版〉』はおもしろい本ですが入手困難。『東京ヤクルトスワローズまるわかり!大百科』は役に立つと思いますが、自分はまだ読んでないんだよね(^_^;) あと、長谷川晶一氏が『哀愁のスワローズ全史』という本を執筆中らしいので、来年以降は必読の本になるかもしれません。(その後、『いつも、気づけば神宮に 東京ヤクルトスワローズ「9つの系譜」』という書名で出版されました。)

 そして、現在の東京ヤクルトスワローズをしっかりと見ておくこと。1級でも現在から多くの問題が出題されます。現在のヤクルトの試合内容や試合風景、新聞やテレビを見ておきましょう。

 何よりも重要なのは「スワローズ愛」があることです。基本的に受かっても何の役にも立たない検定ですから、勉強の動機になるものは、それぞれあるでしょうが、突きつめると結局はスワローズ愛ということになると思います。現在のスワローズの動向を追いかけるにしても、スワローズ関連の本を読んだりネットの記事を読むにしても、スワローズのことが好きでないと続かないでしょう。

 それと、現在2級を持っていなくて1級まで取りたいという場合は、1級・2級を併願した方がいいと思います。1級と2級は試験範囲がほとんど同じです。先に2級を取得してしまうと、1級試験で再び同じ範囲の勉強をしなくてはならなくなります。自分は今回、それでモチベーションが上がらず苦労しました。1級と2級の唯一の違いは、(第2回では)2級は公式テキストから問題が出題される点ですが、公式テキスト程度の知識は身につけておかないと1級も2級も受からないと思いますので、試験範囲としては大した違いにはなりません。

次回のスワローズ検定1級予想問題

 最後に、次回のスワローズ検定1級の問題をズバリ予測しましょう(^_^;) 5問作りました。解答は書きませんので、興味がある方は自習しておいて下さい。最後の問題は公式テキストにも書いてあるし。

2020/07/12(日)追記:解答書きました。


問001 2013年9月15日、バレンティンは日本プロ野球シーズン新記録となる56号本塁打を放った。その時の相手投手は誰?

  1. 大竹寛
  2. 野村祐輔
  3. 榎田大樹
  4. メッセンジャー

問002 2015年の時点で、いままで神宮球場で行われたクライマックスシリーズは全部で何試合?

  1. 3試合
  2. 4試合
  3. 7試合
  4. 8試合

問003 高津臣吾が現役選手として最後に所属した球団はどこの国の球団?

  1. 日本
  2. アメリ
  3. 韓国
  4. 台湾

問004 次のスコアは何年の日本シリーズの第何戦のスコア?

  1 2 3 4 5 6 7 8 9  
0 2 0 1 1 0 0 0 0 4
ヤクルト 2 0 1 0 2 0 0 3 X 8
  1. 1978年第2戦
  2. 1993年第1戦
  3. 2001年第3戦
  4. 2015年第3戦

問005 内藤尚行に「ギャオス」というニックネームを付けたのは誰?

  1. 石岡康三
  2. 野村克也
  3. 尾花高夫
  4. 小谷正勝

2020/07/12(日)追記:予想問題解答

 その後、時間もだいぶ経って、スワローズ検定も開催されなくなったし、いつまでも宿題にしておくのも何なので、答えを書いておきます。


問001 3. 榎田大樹

 なお、タイ記録の55号は大竹寛、現最多記録の60号はメッセンジャーから。


問002 3. 7試合

 2015年までヤクルトがクライマックスシリーズに出場したのは、2009・2011・2012・2015年の4回。うち、神宮球場で試合があったのはレギュラーシーズン2位の2011年と、優勝した2015年。

 2011年はファーストステージの3試合が神宮開催。2勝1敗で勝ち抜けるが、ナゴヤドームに舞台を移したファイナルステージで2勝4敗で敗退。このクライマックスシリーズはヤクルト球団史屈指の名場面。そんな記事も書きました

 2015年はファイナルステージから登場。4勝1敗(アドバンテージ1勝を含む)で日本シリーズ進出。

 というわけで、3試合(2011年)+4試合(2015年)の計7試合が正解。


問003 1. 日本

 通算セーブ数のNPB記録を更新(当時)するなど、長らくヤクルトのクローザーとして活躍した高津臣吾だが、MLB移籍後は打って変わって世界を股に掛けたジャーニーマン野球人生を送ることになる。

 高津臣吾のプロ入り後の選手経歴は以下の通り。

 現役最後に所属したのはBCリーグ新潟アルビレックスなので、日本の球団。

「辞めるのがこわい。どうなっちゃうんだろうって思うんです。きびしい場面で打者に向き合ったときと似ている。想像もしたくない」


問004 4. 2015年第3戦

 山田哲人が3打席連続本塁打を放った試合。5回までの5得点はすべて山田の本塁打。このスコアの「先制‐勝ち越し‐逆転」の展開を見れば、ヤクルトファンなら何年経ってもこの試合だと思い出せることでしょう。

 しかし、この日本シリーズでヤクルトが勝ったのはこの1試合だけ。1勝4敗でソフトバンクに敗退した。ヤクルトは5試合とも先発が5回もたずに降板。シーズン中は「ゆとりローテ」で何とかやりくりしていたが、ソフトバンクには通用しなかった。


問005 4. 小谷正勝

 『スワローズ検定公式テキスト』118ページ。

「ギャオス」のニックネームを付けられたのは、マウンドで雄叫びを上げる姿を小谷正勝投手コーチから「ギャーギャーうるさい。怪獣映画のギャオスみたいだ」と言われたことが理由だ。」


第2回スワローズ検定1級の敗因分析

 先日行われた第2回スワローズ検定1級では、試験後行われた「答え合わせ会」で解答が配布されました。というわけで自己採点をしました。66点でした(前回とTwitterで65点と書きましたが、1つ採点ミスしていました)。公式サイトの実施概要「合格基準 各級ともに概ね70%以上の正解で合格」と書かれています。“概ね”という言葉はありますが、やはり不合格だったとみるべきでしょう。

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 どうして合格できなかったのか反省しておきましょう。ということで、今回も試験の自分の回答と自信度などを一覧表にしてみました。自信度は、今回は高い順に「高・中・低・無」の表記にしました。おおむね次のような意味です。

  • 高:9割以上。自信あり。ほぼ正解だと思う。
  • 中:2/3ほど。1つかなり有力だと思う選択肢があるか、2択に絞れて一方が有力だと思う。
  • 低:5割以下。2択に絞れないか、2択に絞れても有力だと思う選択肢がない。
  • 無:1/3以下。まったくわからない。良くて3択。ほぼ偶然でしか当たらない。

 出題元は次の通り。

  • スワ検:スワローズ検定実行委員会のこと。要するに普通に試験主催者側が作った問題です。
  • 公募:公式サイトで事前に募集された問題。出題者名は試験問題に掲載されます。問題掲載者は事前に公表されましたが、それ以外の出題者の問題も出題されました。また、『スワいち!』で募集した問題からも出題されています。『スワいち!』募集問題だが放送されていない問題は「公募」に含めました。
  • 2級:第1回2級で出題された問題。数字は第1回2級の問題番号です。
  • スワいち:ニコニコ動画『笑福亭べ瓶のスワいち!』という番組で2016年1月25日の放送で出題された問題。番組では全部で(明かなネタ問題を除いて)14問出題されました。

 なお、第1回の2級では半分あった公式テキストからの出題は、今回の1級では1問もありませんでした。

 どの年代から出題されたかも調べてみました。分類は次の通り。

問題年代の分類
年代 西暦 備考
歴史 ~1949 国鉄誕生以前
国鉄 1950~1964  
アトムズ 1965~1973 サンケイスワローズも含む
V1時代 1974~1984 荒川・広岡・武上監督
土橋関根 1985~1990 野村監督の初期も含む
黄金時代 1991~2005 野村・若松監督
古田小川 2006~2014 古田・高田・小川監督
現代 2015~ 現役選手などに関する問題はこれに分類
総合 - 複数の年代の知識を問う問題

 一応、以上のような分類ですが、判断に迷う問題も多いので、だいたいの目安と考えて下さい。複数の年代にまたがる問題は、古い方の年代にしたり、正解になっている選手が活躍した年代にしたり、「総合」にしたりと、適当に分類しました。

第2回スワローズ検定1級の回答、問題分析
回答 正誤 自信度 出題元 年代 備考・コメント
1 4 × 公募 現代 いきなり個人的には今回一番の難問。過去の登場曲まで把握している必要がある。音楽に強い人か、神宮球場に通い詰めている人でないと正解できないのでは
2 3 × 公募 古田小川 良問。近年のプロ野球で最も重要な事件に関する問題
3 4 スワいち 国鉄
4 3 2級037 総合 問題文にわずかに変更あり。第1回2級問題だが、忘れていた
5 4 スワ検 土橋関根 その年の開幕投手がわかればOK
6 3 スワ検 アトムズ 予習ズバリ。やはり基本情報は押さえておくべき。第1回2級で近い問題も出ていた
7 4 スワ検 土橋関根 詳しくは「第2回スワローズ検定1級でパニックになった問題」
8 1 × 公募 総合 「“サイクルホームラン”を打った選手はいない」というところまでしか知らなかった
9 2 2級001 国鉄
10 4 スワ検 黄金時代 その試合でどちらが勝ったかと、イチローではないことはわかったので消去法で
11 3 2級027 歴史
12 2 スワ検 国鉄 Web上に似た問題あり。良問。これが唯一の選手なんですね
13 2 × スワ検 現代 正解すべき問題その1
14 3 公募 V1時代 試験後に1978年の若松勉はシーズン当初は不調でその後盛り返したことを思い出して“しまった”と思っていたが、これで正解だった
15 1 スワ検 黄金時代 開幕投手は必修
16 1 スワ検 V1時代
17 4 2級014 古田小川
18 2 2級045 V1時代
19 4 × スワ検 V1時代 2人は明らかに年代が違うので2択までは絞れるが、代打で活躍と言ったら伊勢孝夫船田和英だと思うじゃん
20 2 スワ検 現代 偶然の正解。良問。熱心にヤクルトの試合を見ている人ほど正解できると思う。あれ以来出てないのか……
21 1 × 公募 総合 難問。問題としては、1991年以降に限らない方が面白いと思う
22 2 スワ検 アトムズ
23 3 スワいち 黄金時代
24 4 × スワ検 国鉄 正解すべき問題その2。これは知らないとダメだ。『スワローズ激動の歩み』にもしっかり書いてある
25 2 スワ検 黄金時代 日本シリーズ表彰選手は予習したがうろ覚え。石井一久は受賞しているはず、外国人選手はいなかった気がして、かろうじて正解
26 1 公募 アトムズ
27 1 × スワ検 国鉄 正解すべき問題その3。有名なエピソード問題は覚えやすいので、知らないのは勉強不足
28 3 × 公募 現代 難問。どんな勉強をすれば正解できるか想像できない
29 1 スワ検 黄金時代 昨年の予習ズバリ。重要な試合は相手の情報も重要
30 3 スワ検 アトムズ Web上に似た問題あり
31 4 スワいち 国鉄
32 1 公募 土橋関根 知らなかったが素直に選んで正解。池山隆寛は覚醒前だし、杉浦享は翌年カムバック賞
33 1 スワ検 総合 「長打力がある選手」「早打ちではない選手」を基準に選んだ。結果的には正解だったが僅差
34 4 × スワ検 土橋関根 主催者側の意図を読めれば……
35 2 スワ検 現代
36 4 公募 黄金時代
37 3 公募 古田小川 偶然の正解。石井弘寿志田宗大、ユウキの引退試合は現地で観戦しているのだが、覚えてないもんだな
38 1 × スワ検 V1時代 良問。正解すべき問題その4。完投だとは思ったので、先発投手さえ覚えておけば正解できたのに
39 3 × スワ検 古田小川 同期とか意識しないなあ
40 3 スワいち 古田小川
41 3 スワ検 現代
42 4 スワ検 黄金時代
43 4 × 公募 土橋関根 言われてみれば、名前がかすかに記憶にあるような……
44 1 スワいち 古田小川
45 2 スワ検 土橋関根
46 4 × 公募 黄金時代 1級らしい奇問。ググっても正解がわからない
47 1 × スワ検 総合 良問。こういう選手のことは知っておきたい
48 1 × 公募 古田小川
49 1 × スワ検 古田小川
50 3 公募 総合
51 2 スワ検 総合
52 2 × スワ検 土橋関根 このころ相手の胴上げを見ることが多かった記憶はあるけど、内容までは覚えてなかった
53 3 × 公募 黄金時代 問題とは直接関係ないけど、生え抜き以外で引退セレモニーが行われるのは珍しくないと思う。鈴木健とか城石憲之とかユウキとか
54 3 スワ検 黄金時代 日本シリーズスコア問題その1。まず、その年の勝敗を書き出せるか。次に、先発投手がわかるか。そして、その投手はそのシリーズでどのくらい活躍したか
55 1 × 2級016 総合 正解すべき問題その5。昨年は正解したのに間違えてしまった
56 1 スワいち 国鉄
57 2 スワ検 アトムズ 偶然の正解
58 2 × スワ検 総合
59 1 公募 古田小川 偶然の正解。Wikipediaに書いてあるとはいえ、どうアプローチしたら正解の知識を得られるのか……
60 2 × スワ検 土橋関根
61 1 2級012 黄金時代 問題文に一部変更あり
62 3 × 公募 V1時代
63 1 2級026 歴史
64 3 スワいち 現代
65 2 × 公募 現代 良問。今しか出せない問題
66 2 2級007 V1時代
67 2 スワ検 土橋関根
68 4 公募 古田小川 当時「やはりこの男だったか」と思ったものだ(^_^;)
69 4 スワ検 黄金時代
70 2 スワ検 総合
71 4 × スワ検 現代
72 3 スワいち 国鉄
73 1 公募 アトムズ
74 3 スワ検 黄金時代 日本シリーズスコア問題その2
75 3 × スワ検 現代
76 2 スワ検 古田小川 自信満々だったが偶然の正解。坂元弥太郎ではない自信はあったが、高津臣吾のことは忘れていた
77 2 × スワ検 黄金時代
78 2 × 公募 アトムズ ヤクルト投手が打たれた記録と言えば王貞治の756号が有名だが、これは知らなかった
79 1 2級003 アトムズ
80 2 × 公募 黄金時代
81 3 × スワ検 国鉄
82 3 スワ検 国鉄
83 2 スワ検 アトムズ 「優勝した1978年は安田猛」「7年連続だったはず」の2つの記憶で答えにたどり着けた
84 2 スワ検 総合
85 4 スワ検 総合
86 1 × スワ検 現代 正解すべき問題その6。昨年のプロ野球で最も話題になった事項なのに
87 1 2級017 総合
88 1 × 公募 総合 良問。正直、背番号は枝葉の情報だと思うが、着眼点がおもしろい
89 3 スワ検 黄金時代
90 4 2級035 総合
91 3 2級008 V1時代 問題文に一部変更あり(問098ののヒントになってしまうためか?)
92 3 スワ検 黄金時代 シリーズ史上に残るビッグプレー。Wikipediaで「概要」に書かれているほど。でも動画が見つからない……。→2019/10/22(火)追記:その後見つかりました。https://www.youtube.com/watch?v=7hVXMr2Ctw4
93 1 スワ検 総合 選択肢が1人・2人・3人・4人だったら確実に間違えていた。「ライアン以外いたっけ?」と思ったもの
94 2 × スワ検 黄金時代
95 2 公募 国鉄
96 2 スワ検 V1時代 ペピトーンからマニエルにつながるエピソードを思い出せればわかる
97 3 スワ検 現代
98 1 × スワ検 V1時代 日本シリーズスコア問題その3。正解すべき問題その7。なぜか7戦目である可能性を考えなかった
99 2 スワいち 総合
100 1 2級023 黄金時代 厳密には第1回2級とは違う問題だが

 問題は難しかったですが、歯が立たないほど難しいというわけではなく、いい準備ができていれば7割は正解できたはずだという思いがあります。よく考えれば、あるいは事前に少しでも知っておけば正解できたはずの問題が5問くらいありました。もっとも、偶然に正解してしまった問題も同じくらいありました。確率的にはそのくらいは偶然当たってもいいのかも知れません。合格できたとしてもギリギリのラインでしょう。

 今回の試験で思い知ったのが、記憶には波があるということ。今回も試験前に公式テキストの問題は勉強しました。昨年も今年も間違えた問題のページを折っていました。今年は多くのページですでに折り目が付いているわけですが、今回の勉強では折り目が付いていないページの問題で間違えました。つまり、昨年は1回読んで簡単に覚えられて、その後も1度も間違わなかった問題で間違えたということです。

 さらに、今回の1級試験では第1回2級と同じ問題がいくつか出題されましたが、なんと前回は正解したのに間違えてしまった問題がありました。前回の答え合わせのコメントで「予習ズバリ、と言いたいところだがうろ覚えだった」と書いた問題です(16問目)。やはり何か自分の中で覚えにくい要素があるのでしょう。復習してすぐは覚えた気になっていても、時間が経つと忘れてしまう。


 1級試験は今回が初めて開催されたので、どの程度の難度の問題が出題されるのか気になっていました。合計では66問正解でしたが、事前に知っていた問題も出題されたので、真の難易度を測るにはその問題を除外して考えた方がいいでしょう。

 まず、第1回の2級試験と(ほぼ)同じ問題が全部で14問ありました。これは意外でした。前回は2級で今回は1級ですし、まさか同じ問題が出るとは思わず、第1回2級の復習はあまりやりませんでした。前回2級で今回1級で出題されたということは、2級試験としては難しすぎた、すなわち前回の2級試験で正解率が低かった問題ということでしょうか? だとしたら興味深いところです。2級でもっと難しい問題はあった気がするけど……。

 そして、『スワいち!』で放送された問題からも9問出題されました。自分は放送時は14問中9問正解しましたが、放送時に間違えた5問のうち4問が1級試験で出題されました。ということは、この放送を見ただけで4点プラスされたことになります。これはかなり大きなアドバンテージです。これを生かせなかったのは悔しい。

 第1回2級から14問。『スワいち!』の問題から9問。さらに、公募で自分が応募した問題が2問。計25問は事前に知っていた問題でした。そのうち24問正解。残る75問が初見の問題で、そのうち42問正解。正解率は56%でした。前回の2級の試験では50問が公式テキストからの問題で、初見の問題は50問。そのうち35問正解(1問マークミス?がありましたが)。正解率70%でした。したがって、やはり1級の方が難しかったということになります。試験後の印象ではむしろ第1回2級の初見問題の方が難しかった気がしたのだけど、そんなことはありませんでした。

 次回、今回の問題分析を元に、スワローズ検定1級に合格するのはどうすればいいのかを、もう少し具体的に考えてみます。

第2回スワローズ検定リンク集
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東京野球ブックフェア2016春に行ってきた

 うっかりしたことに、こんなおもしろいイベントがあることを今まで知りませんでした。2011年からやっているのですね。

 というわけで「東京野球ブックフェア2016春」に行ってきました。

number.bunshun.jp

 会場は変遷があるようですが、今回は世田谷ものづくり学校。学校の校舎をほぼそのまま使ったような建物でした(旧池尻中学校舎だそうです)。

 このイベントの存在を知ったのが直前だったため、どんなイベントなのかよく調べもせず場所も詳しく調べずのこのこ出かけました(今回は無事着けました)。内容は、野球関連の新刊書籍などの即売会と古本市という感じ。古本市の方は1階。新刊書籍の方は2階で開かれていました。新刊書籍などのブースにはだいたい著者の方がおられるので、サインをもらったり少し会話することもできます。2階の会場は土足禁止で、入り口で靴を脱いで持って入るスタイルでした。それはあらかじめ言ってほしかった(自分が見落としただけかもしれないけど)。それならスリッパ持っていったのに。靴下だとまだ足元から冷えるよ。

 とりあえず、ひととおり見て回って、少し立ち読みさせていただいたりしつつ、興味があったけれどもなんとなく買いそびれていた本を何冊か購入しました。サインもいただきました。立ち読みをしている間、著者によって反応がさまざま。「それを読むなら先にこれを読んだ方がいい」とか「この本はこれこれこういう本で……」など熱心に話しかけてくる方、黙って見ている方などそれぞれで、こういうイベントならではの味わいでした。 購入した本は以下の通り。

 セイバーメトリクス関連の本を多数出されている鳥越規央氏の本を2冊。『スポーツを10倍楽しむ統計学』は野球以外のスポーツ、『勝てる野球の統計学』は野球関連の話です。

 『Number Web』の「野次馬ライトスタンド」がおもしろい村瀬秀信氏の横浜ベイスターズ本。2013年発売の本ですが、今年1月に文庫版が発売されたことをこのイベントで知りました。

 ブログ『野球の記録で話したい』を毎日更新されている広尾晃氏の本。(画像は電子書籍版ですが、現地で買ったのは当然紙の本です。帯の付いている画像が電子書籍版しかなかったので)

 えーと、個展に行った時にもう買いましたが、ながさわたかひろ缶バッチが欲しかったので2冊目(^_^;)

 長谷川晶一氏のサイン本もほしかったのだけど、イベントの司会の時間だったようでいませんでした残念。

 ほかに、トークイベントも開かれていたようです。「【奇跡のツーショット】八重樫幸雄×杉浦享 クロストーク」なんてイベントが開かれていたようで。なんだそのヤクルトファンホイホイは。そんなの見たいに決まってるじゃないですか。知らなかった。まあ早々に定員になったそうなので、少し早く知ったくらいでは参加できなかったと思うけど。

 会場はかなり賑わっていましたが、午前中はもっと混んでいたようです。それほど広いスペースではないので、目的にもよりますが小一時間もあればすべて見て回れると思います。早い者勝ちの古本がほしいというのでなければ、あえて遅い時間に行くのもいいかも知れません。

 来年も開催されると思うので、次回はどんな方がブースを出すのかなど、もう少し下調べをしてから行きたいと思います。