カーリング観戦沼ビンゴ

カーリング沼ビンゴを作りました

 「カーリングで見たことのある場面(観戦歴チェック)」というビンゴを作りました。要するにカーリング沼ビンゴ。

mekepon.com

 カーリングで起こりえる珍しい場面を見たことがあればチェック(または現地観戦などをしたことがあれば)。カーリング観戦歴が長ければ長い人ほどチェックが増えるはず。めざせ全チェック!

 説明文にも書きましたが、「見たことがある」の定義はプレイする人それぞれにお任せします。自分は、「現地または生中継で見た試合か、録画をあまり時間を置かずに見た試合で」という条件にしました。その結果……。

カーリングで見たことある場面(観戦歴チェック) プレイ結果

 まさかの0ビンゴ!(>_<) もう10年以上(無料の)テレビで放送される試合は欠かさず見ているのだけど……。

 エキストラエンドがブランク、1試合14点以上、時間切れ負けあたりはありそうで見たことないなあ。エイト・エンダーはテレビで中継されるレベルの試合ではなかなか……。メジャー関連では、同距離判定と目視測定は見たことないですね。

 ビンゴをプレイすると、それぞれのマスを何パーセントの人がチェックしたのか表示されるので、そのシーンのレア度アンケートにもなっています。やはり最難関は「プレー中に石が割れる」ですかね。

自分が見たことがある・知っているレアシーン

 自分が見たことがある・知っている珍しい場面をいくつか紹介します。

エキストラエンドがブランク

 2021年世界選手権女子、日本-ドイツ。NHK BS1で放送予定でしたが、中継スタッフに新型コロナ感染が出たためテレビ中継は中止。YouTube「カーリングYAMAチャンネル」で、公式サイトの「Shot by Shot」という1投ずつ更新される図を使って生配信されていました(自分も見てました)。

youtu.be

 しかも、ドイツの選手にも新型コロナ感染が出たため、ドイツは3人で試合をしているという別のレアシーンを見られた試合でもありました。この試合が中継されていれば、多くの人が2つのチェックを獲得できたことでしょう。

時間切れ負け

 2016年PACC女子、決勝の中国-韓国。

youtu.be

 ダブルテイクが決まれば優勝の中国ラストストーンを前に、厳しい顔のキム・ウンジョン(メガネ先輩)と、時間切れに気がついた瞬間の王氷玉の表情が見物。

 また、2021年ミックスダブルス日本代表決定戦、吉田・松村-竹田・竹田。竹田・竹田が残り17秒で「いや、やってみよう」と最終エンド突入して、これは時間切れが見られるぞと思ったら、間に合いやがった(^_^;)

 先攻なので1投目は0秒で投げて、2~4投目を17秒以内で投げきって、最後はタイムアウトを使って0秒投球。残り時間は2秒でした。

エイト・エンダー

 2021年世界選手権女子、スイス-デンマーク

 世界選手権でエイト・エンダーは空前絶後で間違いないと思うが、前述のコロナ禍の影響があった大会なので、断片的な映像しか残っていない。残念でならない。

3人で試合をしている

 つい最近。2022年世界選手権女子、スイス-日本。コロナ禍の影響で日本が石郷岡・鈴木・北澤の3人で試合をした。NHK BS1の中継もありました。

 また、自分が最も印象に残っているのが、2015年日本選手権女子、チームフジヤマ-青森県協会。3人で試合をした青森県協会が勝ちました(^_^;) チームフジヤマは後の富士急で、まだ4強と呼ばれる前のこと。小穴や西室という選手はこの試合で初めて知りました。青森県協会には、先日行われた2022年日本選手権にも出場した木原(フィロシーク青森)と兼田(札幌協会)も所属していました。

6点差以上を逆転勝ち

 自分が知っているのは2010年バンクーバー五輪女子、日本-ロシア。

 自分がはっきり「この試合を見た」と覚えている一番古い試合です。実況が「6点という点差はカーリングでは逆転可能ですか?」のような質問をして、解説が「難しいが不可能ではない」のように答えていたと記憶しています。自分は「1点取らせて2点取るのがセオリー」というのは知っていたので、いやいや6点は返らないでしょうと思って見ていたら、本当に、しかも結構すぐに追いついたので、本当に6点くらい逆転するものなんだとしばらく思っていましたが……。

 いや、やっぱり6点差逆転は相当ないですよ。「じりったー」のデータでも、-6点はすべて勝率0%です。

投げる順番を間違える

 投げる石の色を間違えるのは時々あるのだけど、順番を間違えるのは1回しか見たことないと思う。でも、これは見たことある人も多いんじゃないかな? 注目されている試合で大々的にやらかしましたから。

y-koutarou.hatenablog.com

 2019年日本選手権女子、プレーオフ1位-2位の中部電力-ロコ・ソラーレ。9エンド、中部電力のサード2投目、松村が投げるはずのところで、フォースの北澤が投げてしまいました。NHK BS1の中継があった試合だったので、ひとしきり話題になりました。

プレー中に石が割れる

 そんなことあるのかな? でも、ちゃんとルールブックに書いてあるので、きっと起こりえる事態なんでしょう(^_^;)

R2. ストーン

(c) ストーンがプレー中に割れた場合、「カーリング精神」に基づいて代替のストーンを置きなおす。合意が得られない場合は、エンドをやり直す。

 

「カーリング、9エンドの戦術の考え方」は正しかったのか?

「AIじりつくん」のカーリング勝率テーブル

 「AIじりつくん」というTwitterアカウントで、カーリングの勝率テーブルが公開されています。過去の試合結果を集計して、ある残りエンド数・点差・先攻/後攻である場合に、その試合を何パーセント勝っていたかを表にしたものです。

 この表を使うと、例えば、試合開始時の後攻の勝率は何パーセントか? 9エンド1点ダウンの後攻は、2点取りとブランクのどちらを選択した方が良いのか? などを調べることができます。

 9エンドの選択と言えば、自分は以前「9エンドの戦術の考え方」という記事を書いたことがあります。

y-koutarou.hatenablog.com

 僅差の9エンドでどのような狙いで試合を進めるのが良いのか、9エンドはそれまでのエンドとは点数の価値が大きく異なる場合がある、ということを書いた記事です。しかし、この記事での勝率は自分の観戦体感に基づいて書いたので、主観的でいまいち根拠に欠けました。

 「AIじりつくん」の勝率テーブルを見れば、自分の考えていた9エンドの戦術が正しかったかどうかわかるじゃないか。というわけで調べてみます。

勝率テーブル(先攻/後攻まとめ版)

 まず、後攻と先攻の勝率テーブルは1つの表にまとめた方が見やすいと思ったので、そのような表を作ってみました。*1

勝率テーブル(先攻/後攻まとめ版)

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カーリング勝率テーブル(先攻/後攻まとめ版)

 まず、試合開始時の後攻の勝率を調べてみましょう。試合開始時ということは、残りエンドは10*2、点差は0です。よって、縦は左端の「10」の列、横は「0」の「後」の行を見ます。すると、後攻の勝率は60.4%であることが分かります。試合開始の時点で後攻の勝率が60%以上あるというのは、注目すべき点です。

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勝率テーブル:部分図

 次に、1エンドがブランクになった場合の後攻の勝率を調べてみます。点差は0のまま、先攻後攻も変わらないので、すぐ右の列を見れば良いことになります。勝率は61.5%です。ブランクにすると少しだけ勝率が上がることが分かりました。

 そして、2エンドは後攻が1点取ったとしましょう。1点アップになりますが、1点取ったので先攻になります。したがって右上の「+1」の「先」の行を見ます。勝率は58.0%。後攻が1点取ると勝率が少し下がることが分かります。

 逆に、2エンドは先攻に1点スチールされた場合の勝率はどうなるか? 1点ダウンになったので点差は-1、点を取られたので後攻のままです。右下の「-1」の「後」の行を見ると42.0%。1点スチールされると、1点取らされた場合と比べても勝率を大きく落とすことが分かります。

後攻の勝率変化表

 表をもう1種類作りました。ある点差の後攻が、どの残りエンドで・何点取ると(取られると)勝率がどれくらい変化するかを、勝率テーブルを見て計算して表にしたものです。

 表は後攻から見て1点アップ・同点・1点ダウン・2点ダウンの4種類作りました。横がそのエンドを終えての残りエンド数、縦が後攻が取った点数です*3

後攻の勝率変化表:1点アップ

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後攻の勝率変化表:1点アップ
後攻の勝率変化表:同点

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後攻の勝率変化表:同点
後攻の勝率変化表:1点ダウン

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後攻の勝率変化表:1点ダウン
後攻の勝率変化表:2点ダウン

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後攻の勝率変化表:2点ダウン

 例えば、試合開始直後(=同点)の1エンド(=残り9エンド)の後攻は、ブランクにすると勝率が1.1上がる*4、2点取ると12.7上がる*5、1点取らされると5.7下がる*6ことが分かります。

 この表を見ると、その得点を取ることの価値がどれくらいか、またその価値が他の点差・エンドと比べて大きいか少ないかが分かりやすいと思います。

「9エンドの戦術の考え方」の内容は正しかったのか?

 以上の表を使って、「カーリング、9エンドの戦術の考え方」で書いたことが正しかったかどうか調べてみましょう。

序盤~中盤はやはり原則通り

 序盤~中盤のそれほど点差が離れていないエンドについて、「9エンドの戦術の考え方」では次のように書きました。

  • 後攻:2点取り > ブランク > 1点取り > 1点スチール
  • 先攻:1点スチール > 1点取らせ > ブランク > 2点取られ

 この原則が正しいことは、勝率テーブルからも読み取れます。ほとんどのエンド・点差で、後攻にとっては1点取りよりブランクが、ブランクより2点取りが勝ります。極めて少数の例外*7を除いて上記の関係が崩れることはありません。

 というわけで、この点に関しては自分が思っていたとおりでした。

10エンド1点ダウンの後攻は結構不利

 しかし、10エンドの状況は自分が思っていたものとは違いました。「9エンドの戦術の考え方」では次のように書きました。

10エンド同点の後攻が勝つ確率は2/3~3/4という感覚です。
  • 10エンド同点なら後攻有利
  • 10エンド後攻1点ダウンなら互角
  • 10エンド後攻2点ダウンなら先攻有利

 まず、10エンド同点の後攻の勝率が自分のイメージと異なりました。勝率テーブルによると、10エンド同点の後攻の勝率が75.0%もあります。「2/3~3/4」と書いた上限ぎりぎりです。思ったより高いという印象です。

 そして、後攻1点ダウンは先攻・後攻とも互角という点も、勝率テーブルによると違いました。

  • 10エンド1点ダウンの後攻:42.3%
  • 10エンド1点アップの先攻:57.7%

1点アップ先攻の方が有利というデータです。しかも、結構大きな差があります。これは意外でした。

 なお、「2点ダウンの後攻」と「同点の先攻」の比較では、次のように書きましたが、

「2点ダウンの後攻」より「同点の先攻」の方が有利です。
  • 10エンド同点の先攻:25.0%
  • 10エンド2点ダウン後攻:14.5%

2点ダウンの後攻より同点の先攻の方が勝率が高い。これについては、自分が思っていたとおりでした。

9エンドの戦術にもズレが……

 これに伴い、9エンドの戦術の話も修正が必要になります。「9エンドの戦術の考え方」では、9エンド同点の場合について、次のように書きました。

9エンド同点

後攻:2点取り > ブランク >>> 1点取らされ = 1点スチール
ブランクの価値が高い。2点取るのも良いが、ブランクでも十分有利。1点スチールは怖くない。
先攻:1点スチール = 1点取らせ >>> ブランク > 2点取られ
狙いはほぼ1点取らせのみ。スチールの価値が低い。

要するに、同点の後攻はブランクの価値が高く、1点スチールされても問題ないという事です。

 しかし、勝率テーブルによると、9エンド同点の後攻の勝率は次のようになります。

  • 2点取り:85.5%
  • ブランク:75.0%
  • 1点取らされ:57.7%
  • 1点スチール:42.3%

 ブランクの価値が高いのは確かですが、2点取りの価値もブランクより十分高いように思えます。また、1点取らされと1点スチールを比べても、1点スチールの方が十分痛いように見えます。

 後攻の勝率変化表を見ても、同点の残り1エンド(=9エンド)をブランクで終えると+9.0となっています。8エンドのブランクはわずか+0.1ですし、それより前のブランクも高くても+3くらいなので、9エンド同点のブランクの価値が高いのは確かです。しかし、同じエンドで2点取りなら+19.5。ブランクの+9.0よりかなり大きいです。

 また、1点取らされは▲8.3と、それまでのエンドと比べてマイナスが大きいのは確かですが、1点スチールは▲23.7とそれ以上に大きい。「1点スチールは怖くない」は言い過ぎのように思えます。

 1点ダウン後攻の場合も似たような感じです。「9エンドの戦術の考え方」の記述は以下の通りです。

9エンド後攻1点ダウン/先攻1点アップ

後攻:2点取り = ブランク >>> 1点取らされ > 1点スチール
狙いはほぼブランク。2点取りのメリットがない。
先攻:1点スチール > 1点取らせ >>> ブランク = 2点取られ
1点スチールか1点取らせ。2点取られは怖くない。

後攻は2点取りの価値が低く、ブランクの価値が高いと思っていました。しかし、9エンド1点ダウンの後攻の勝率は、勝率テーブルによると次の通りです。

  • 2点取り:57.7%
  • ブランク:42.3%
  • 1点取らされ:25.0%
  • 1点スチール:14.5%

 ブランクにして1点ダウンの後攻を維持するよりも、先攻になってでも2点取って逆転してしまった方が勝率が高くなります。「2点取りのメリットがない」なんてことはありません。

 また、先攻としても1点取らせの価値は高いですが、簡単にブランクにできるところを、1点取らせを狙って失敗して2点取られてしまう損もそれなりに大きいです。1点取らせのチャレンジをする場合は、成功率を考える必要があるということになります。

 総じて、勝率テーブルから読み取れることは、カーリングの後攻・先攻の狙いの原則――

  • 後攻:2点取り > ブランク > 1点取り > 1点スチール
  • 先攻:1点スチール > 1点取らせ > ブランク > 2点取られ

――は、ほとんどの場合に有効であるということです。多少の違いは生じますが、極端に大きな違いはない。後攻は2点取りを狙う。できないならブランクを狙う。先攻は1点取らせ、できれば1点スチールを狙う。接戦の終盤でも、この原則は変わりません。

その他の勝率テーブルから読み取れること

 これまで見てきた以外で、勝率テーブルを見て思ったことをいくつか書きます。

「偶数エンドの後攻を持つと有利」は本当か?

 よく「偶数エンドの後攻を持つと有利」と言われます。お互いに後攻で得点を取るとすると、交互に後攻エンドが回ってくる。すると、偶数エンドで後攻を持つ方が後攻エンドが1回多くなり、より多く得点できるということです。

 偶数エンドで後攻を持った方が有利ということは、後攻にとって、奇数エンドをブランクにする価値が高い、また偶数エンドで得点を取る価値が高い、となっているはずです。

 後攻の勝率変化表を見ると、確かにそう読み取れる部分もあります。例えば、1点ダウンの表の0点(ブランク)の行を見ると、ちょうど残り5・3・1エンドではプラス、残り4・2エンドではマイナスになっています。つまり、5・7・9エンドをブランクにして偶数エンドを後攻で迎えると勝率が上がるが、6・8エンドをブランクにして奇数エンドを後攻で迎えても勝率は下がるということです。

 また、同点の表の1点取りの行でも、残り4・2エンド=6・8エンドで1点取っても勝率の減少はわずかですが、残り3・1エンド=7・9エンドで1点取ってしまうと6・8エンドで1点取るよりも大きく勝率が下がります。

 しかし、偶数エンドか奇数エンドかによる勝率変化の差は、それほど大きくありません。そして、偶数エンドでも奇数エンドでも、2点取れば勝率は大きく上がります。例えば、1点ダウンの後攻の9エンドをブランクにすると+7.0。これはブランクによる勝率アップとしては大きな数字ですが、しかし、同じエンドで2点取れば+22.4。ブランクよりもかなり大きいです。その他の部分を見ても、どのエンドでも2点取ると、ブランクや1点取りの場合と比べて勝率は大きく上がります。

 こう見ると、結果的に偶数エンドが後攻になるのは悪くありませんが、それを積極的に狙うほどの大きな得はないように思えます。たとえば、奇数エンドの後攻だからといって、2点取る可能性をなげうってまで最初からブランク狙いに行くのは、損をしている可能性が高いと思います。

8エンド同点のスチールは価値が高い

 そんな中、大きな違いがあると言えると思うのが、同点の表の残り2エンドの-1点。つまり、8エンド同点の1点スチールです。▲30.6(先攻から見れば+30.6)という大きな勝率変化になっています。1点取らせでは▲1.2ですので、表の他の部分と比べてもその差は大きいです。同じ8エンドスチールでも、同点以外ではそこまで大きな差はありません。

 8エンドを同点で迎えた先攻は、1点取らせで満足せず、何が何でもスチールを狙う価値は十分あると思います。逆に、後攻は悪くても1点は取る。とにかくスチールは避けたい。

 また、8エンド1点ダウンの後攻も似たような数字になっています。2点取りは+23.7、ブランクは▲5.7なので、2点取りの価値がすごく高い。ブランクでは不十分。

 9エンドを迎えた時点で、先攻なら1点リード、後攻なら同点。ここがその試合を勝てるかどうかの境目のスコアという事でしょう。*8

やっぱりスチールは痛い

 後攻の勝率変化表のほとんどの部分で、スチールされると後攻の勝率は大きく下がります。やはり後攻にとってスチールされるのは痛いことがわかります。

 5ロックルールになって後攻の価値が高くなったと考えると、1点スチールして不利な先攻のままでいるよりも、1点取らせて後攻になって次に3点以上を狙う方が良いのでは?と思うこともありました。しかし、表から読み取れるデータではそんな事はありません。序盤でも終盤でも、勝っていても負けていても、スチールできるならスチールするに越したことはないということです。

本当にこの勝率なの?

 ここまで書いてきましたが、本当にこのデータは実際の試合の勝率を表わしているのか?という疑問は少しあります。

 先日まで行われていた北京五輪男子準決勝のスウェーデン-カナダの試合の中継の中で、こんな場面がありました。8エンドを終えて、4-3でスウェーデンリード。9エンド後攻はカナダ。つまり、9エンド後攻1点ダウンという状況です*9。解説は両角友佑。実況はTBSの熊崎風斗。

実況「9エンド目カナダが点数を取ると今度10エンド目スウェーデンが後攻になると考えますと、カナダはここ確実に複数得点ですよね?」
両角「もしくは、ブランクという手もありますね」
実況「はあー! なるほど」
両角「要は、複数得点が取りやすい後攻であれば、1点ダウンの状態で最終エンドを迎えるというのも選択肢の一つに入ってくるので」
実況「なるほど」
両角「逆に言うと、いま5ロックルールというのになってから、1ダウンで最終エンドを後攻で迎える方が、いいって思ってるチームもいるので。逆にここで2点を取ることによって、自分が1ダウン(筆者注:アップの言い間違い)の先攻になってしまう方が不利と捉えるチームの方がいま多いんですよね」
実況「そういうことなんですね」
両角「なのでここは複数得点を狙うよりも、おそらく気持ちはブランク側に……をしたいという思いの方が強いのではないかと思いますね。
 逆に言うと、スウェーデンはここ2点取られてもいいので多少無理できるんですよね」

 実際、このエンドのカナダはテイクを多用する守備的な戦術で、解説通りのブランクになっています。

 勝率テーブルによると、先にも紹介したとおり、10エンド1点アップの先攻の勝率は57.7%、1点ダウンの後攻の勝率は42.3%。両角解説によると、1点アップの先攻の方が不利と考えるチームの方が多いという話ですが、勝率テーブル上はそうなっていません。これは、選手たちの感覚の方が正しいのか、この勝率テーブルを見たら考えが変わるのか、あるいは違うデータを見ているのか。*10

 冒頭に紹介したAIじりつくんのツイートによると、この勝率テーブルは「女子トップチームの過去3シーズンの2000試合以上」を調べた結果だそうです。2000試合というのは十分な試合数のようにも思えますが、勝率テーブルを見ると、理屈の上ではおかしな部分がいくつかあります。例えば、「残り1エンド同点(=10エンド同点)」と「残り0エンド同点(=エキストラエンド)」は勝ち負けの条件は同じなので、勝率は近い数字になるはずです。しかし、残り1エンド同点の勝率は75.0%、残り0エンド同点の勝率は81.5%、無視できない差があるように思えます。この差はサンプル数を増やせば解消するのでしょうか?

 ただし、サンプル数を増やそうとする場合は、問題が1つ。カーリングはルールが変わることです。少し前には、2018-2019年シーズンからフリーガードゾーンのルールが4ロックから5ロックルールに変更されたという事がありました。当然、変更前と変更後では、戦術選択やその結果、勝敗に変化があったことでしょう。

 そして、2022年の世界カーリング選手権(女子は3月19日から、男子は4月2日から)では、ウィック禁止ルール(センターライン上にある石は、フリーガードゾーンルールが明けるまでセンターラインから外してはいけない)が採用されるそうです。

 ということは、これからデータの取り直しをする必要があるということですか? データを集めるというのも本当に大変なことです。

*1:残り0エンド・-1エンドで点差がある場合の勝率を入れています(100%か0%)。

*2:10エンド制の試合の場合。以下、この記事では試合は10エンド制であることにします。

*3:なお、ほとんどの場合で1点取るよりブランクの方が勝率が高くなるので、「0」の行を「1」の行の上に配置しています。

*4:60.4%→61.5%。

*5:60.4%→73.1%。

*6:60.4%→45.3%

*7:例えば、2点ダウンの残り8エンドの後攻は、ブランクにすると22.2%、1点取ると27.7%なので、1点取る方が勝率が上がるということになっています。また、当然ながら、残り1エンド同点の後攻は、ブランクよりも1点取る方が勝ります。

*8:なお、8エンド同点の後攻は、ブランクにできるところを1点取る必要はありません。9エンド1点アップの先攻より、9エンド同点の後攻の方が勝率は(少しですが)高いので。

*9:次のリンク先で試合動画を見ることはできますが、紹介した解説部分は含まれていません。

*10:男子と女子では異なるということもかも知れませんが。

北京五輪カーリング女子、予選リーグの勝敗表(将棋の順位戦風)

 平昌五輪の時に引き続き、北京五輪のカーンリグ女子、予選リーグの順位表をテキスト形式で作ってみました。

女子予選リーグ


■女子┃10朝 10夜 11昼 12朝 12夜 13昼 14朝 14夜 15昼 16朝 16夜 17昼
スイス┃ ○  ○  ○     ○  ○     ●  ○  ○     ○ 
☆ 8-1┃イギ 中国 ROC ―― デン カナ ―― スウ アメ 韓国 ―― 日本
スウェ┃ ○  ●     ○  ●  ○     ○  ○     ○  ○ 
☆ 7-2┃日本 イギ ―― カナ 中国 アメ ―― スイ デン ―― ROC 韓国
イギリ┃ ●  ○  ●     ○  ○     ●  ○  ●     ○ 
☆ 5-4┃スイ スウ 韓国 ―― アメ デン ―― カナ 日本 中国 ―― ROC 
日本 ┃ ●     ○  ○  ○     ○  ●  ●     ○  ● 
☆ 5-4┃スウ ―― カナ デン ROC ―― 中国 韓国 イギ ―― アメ スイ
カナダ┃    ○  ●  ●     ●  ○  ○     ○  ●  ○ 
▼ 5-4┃―― 韓国 日本 スウ ―― スイ ROC イギ ―― アメ 中国 デン
アメリ┃ ○  ○  ○     ●  ●  ○     ●  ●  ●    
▼ 4-5┃ROC デン 中国 ―― イギ スウ 韓国 ―― スイ カナ 日本 ――
中国 ┃ ●  ●  ●     ○  ○  ●     ●  ○  ○    
▼ 4-5┃デン スイ アメ ―― スウ 韓国 日本 ―― ROC イギ カナ ――
韓国 ┃    ●  ○  ○     ●  ●  ○     ●  ○  ● 
▼ 4-5┃―― カナ イギ ROC ―― 中国 アメ 日本 ―― スイ デン スウ
デンマ┃ ○  ●     ●  ●  ●     ○  ●  ‐  ●  ● 
▼ 2-7┃中国 アメ ―― 日本 スイ イギ ―― ROC スウ ―― 韓国 カナ
ROC┃ ●     ●  ●  ●     ●  ●  ○     ●  ● 
▼ 1-8┃アメ ―― スイ 韓国 日本 ―― カナ デン 中国 ―― スウ イギ
■女子┃10朝 10夜 11昼 12朝 12夜 13昼 14朝 14夜 15昼 16朝 16夜 17昼

 左端の国名(3文字表記)の下の数字は、左が現在の世界ランキング、右が勝敗数。世界ランキングは確定し次第予選リーグ通過表記に変える予定(☆は予選通過、▼は予選敗退

 よくある対戦相手を縦軸に取る形式ではなく、将棋の順位戦で採用される形式で作りました。この形式だと、これまでの勝敗の流れと今後の対戦相手が分かりやすく、順位順に並べ替えるのも容易なので、自分はこの形式が好きなのです。

 日程としては、10日から17日の8日間で1チーム9試合。朝(10:05)・昼(15:05)・夜(21:05)の3つの時間帯で試合が行われます*1。「朝・夜」に試合をする日と「昼」に試合をする日が交互に訪れます。ただし、各チーム抜け番が3回あります。よって、1日2試合ある日がある一方、1試合も試合がない日があるチームもあります。日本の場合、12(土)と14(月)が1日2試合、13(日)が試合がない日となっています。

*1:時間は日本時間での試合開始時間。

『ルパン三世ゲームブック さらば愛しきハリウッド復刻版』のテキストマップ

 昨秋に復刊されたルパン三世ゲームブック さらば愛しきハリウッド復刻版』*1のテキストマップを作りました。

 『ルパン三世ゲームブック』は1985~1991年に掛けて19作発売されています。自分は何冊かは持っていますが、1冊も読んだことはありませんでした(^_^;) 今回が初プレイ。

 軽快な読み口で、まさに金曜ロードショーのテレビスペシャルの感じ。19作続く人気シリーズになったのもうなずける。読む前は「ルパンはアニメの動きと声があってこそだろ」と思う気持ちもあったが、読んでみると本当にアニメのルパンを見ている感覚でした。

 それほど難度は高くなく、サクサク進みます。サイコロ要素はなく、記録する必要があるのは体力・武器・情報の3つのポイントのみです*2。後半になっても必要とされるポイントはそれほど高くならないので、序盤でマイナスを食らわなければ、後半はポイントでENDになる可能性は低いです。さらに、ENDになっても〈再チャレンジは○○へ〉と戻るべきパラグラフが用意されている親切設計。*3

 ゲーム的な難度が低いので、展開を想像して、おもしろい選択肢を選ぶというゲームブックの醍醐味が十分味わえます。状況が(数字ではなく)文章によって提示されて、文章の選択肢を選ぶというのがゲームブックの最大の特徴だと思う。最近、デッドエンドになった回数を自慢するようなゲームブックばかりやっていたから新鮮だ。

 以下、ネタバレなのでまだ読んでいない方は注意して下さい。

テキストマップ

 ゲームよりもストーリーを楽しむ面が強いゲームブックなので、イベント選択では大きな分岐はなく、基本的に一本道です。イベント選択の分岐よりも、一つのイベントの中での分岐が多いタイプのゲームブックです。

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━┓     
┃400『リターン・オブ・ニンジャ』  ┃     
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     
    ↑            ↑      
┏━━━┷━━━┓ ┏━━━━━┓│      
┃315カールゼン ┃←┨395挑戦状 ┃│      
┗━━━━━━━┛ ┗━━━━━┛│      
             ↑   │      
┏━━━━━━━━┓ ┏━┷━━━┷┓     
┃351カーチェイス ┠→┃262大統領  ┃     
┗━━━━━━━━┛ ┗━━━━━━┛     
    ↑                   
┏━━━┷━━┓                
┃271マシュー ┃                
┗━━━━━━┛                
    ↑                   
┏━━━┷━━━━━━┓            
┃150アッシュフォード ┃←──┐        
┗━━━━━━━━━━┛   │        
    ↑          │        
┏━━━┷━━━━━┓ ┏━━┷━━┓     
┃100シャーマン戦車 ┠→┃45武器倉庫┃     
┗━━━━━━━━━┛ ┗━━━━━┛     
    ↑                   
┏━━━┷━━━━━━━━━┓         
┃132『さらば愛しき巴里よ』 ┃         
┗━━━━━━━━━━━━━┛         
    ↑                   
┏━━━┷━━━━━┓             
┃364フィルム保存庫 ┃             
┗━━━━━━━━━┛             
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┃323侵入 ┃←──────┨130銃撃戦 ┃    
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┏━━━┷━━━━┓ ┏┷━━┷━━┓     
┃101フィルム倉庫 ┠→┃377傭兵部隊 ┃     
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┃223反撃開始 ┃                
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┃9ギャグニー ┃←─────┐         
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    ↑         │         
┏━━━┷━━━━━┓ ┏━┷━┓       
┃117天守閣スタント ┠→┃343毒 ┃       
┗━━━━━━━━━┛ ┗━━━┛       
 ↑  ↑                   
 │┏━┷━━━━━━━━━━━━┓      
 │┃92日本レストラン「OTAFUKU」 ┃      
 │┗━━━━━━━━━━━━━━┛      
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┏┷━━┷━━━┓    ┏┷━━━━━━━━┓
┃382五ェ門の薬 ┃←──┐┃115不二子の見舞い ┃
┗━━━━━━━┛   │┗━━━━━━━━━┛
    ↑       │ ↑         
┏━━━┷━━━━┓ ┏┷━┷┓        
┃113水中スタント ┠→┃88入院┃        
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    ↑       ↑           
┏━━━┷━━━━━━━┷┓ ┏━━━━━━┓ 
┃200石垣スタント     ┃←┨186ワニの餌 ┃ 
┗━━━━━━━━━━━━┛ ┗━━━━━━┛ 
    ↑            ↑      
┏━━━┷━━━━━━━━━━━━┷┓     
┃254キャッシーとミスター・ヤマモト ┃     
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     
    ↑                   
┏━━━┷━━━━━┓             
┃140ガーブスリップ ┃             
┗━━━━━━━━━┛             
    ↑                   
┏━━━┷━━━━━━┓            
┃2グローバル本社ビル ┃            
┗━━━━━━━━━━┛            
    ↑                   
┏━━━┷━━━┓    ┏━━━━━┓    
┃360ハリウッド ┃←───┨63パトカー┃    
┗━━━━━━━┛   ↑┗━━━━━┛    
 ↑  ↑       │   ↑       
 │┏━┷━━━┓  ┏┷━━━┷━━┓    
 │┃195積み荷 ┠─→┃127街の近くで ┃    
 │┗━━━━━┛  ┗━━━━━━━┛    
 │  ↑         ↑   ↑     
┏┷━━┷━━━━━┓ ┏━┷━━┓│     
┃216ドライブ・イン ┠→┃162背後 ┃│     
┗━━━━━━━━━┛ ┗━━━━┛│     
    ↑             │     
┏━━━┷━━━━━━━━┓    │     
┃161アボットコステロ  ┠────┘     
┗━━━━━━━━━━━━┛          
    ↑       ↑           
┏━━━┷━━━━┓ ┏┷━━━━━━━┓   
┃1砂漠の田舎道で ┠→┃380ガラガラヘビ ┃   
┗━━━━━━━━┛ ┗━━━━━━━━┛   

感想など

 以下、プレイした感想などをいくつか。かなりネタバレです。

序盤が難しい

 先ほど「それほど難度は高くなく」と書きましたが、まったく難しいところがないというわけではありません。

 特に難しいのが序盤。このゲームブックで一番難しいのは、最初のいくつかの選択肢だと思います。どちらもありそうな迷う選択肢が続くし、ポイントマイナスも大きい。特に、283番→65番で体力ポイント-2・武器ポイント-1って厳しすぎません? こんな一気にポイントマイナスを食らうのはここだけだし。序盤でこのマイナスを食らうと、162番・52番・350番で〈再チャレンジ〉を使っても先に進めないハマリ状態になる危険が高くなります。

 TBSラジオ「たまむすび」でこの本が取り上げられた際、パーソナリティの赤江珠緒が最速バッドエンドを引いたと聞き「さすが赤江珠緒!(ポンコツ!)」と思いましたが、撤回します(^_^;) このゲームブック、このENDが一番陥りやすいよ!

www.tbsradio.jp

謎な選択肢

 なんでこんな選択肢があるんだろう?という箇所が2つあります。

 1つ目。五ェ門に「日本料理を食いに行こう」と誘われるシーン(5番)。当然、日本料理屋に行くのが普通の展開。しかし、ここで「君がもし、日本料理が口に合わず、ついていかないというのなら(ただし情報ポイントが2低下します)」という選択肢が存在します。五ェ門の誘いを断る理由がないし、情報ポイント-2なんてべらぼうなペナルティを払ってこんな選択肢を選ぶわけがない。

 2つ目。アッシュフォードのガードマンに取り囲まれて捕まるシーン(150番)。一度敵に捕まった後に一展開あるというよくあるパターンですが、ここで「どうしても捕まるのがいやなら必死の反撃を試みてみよ(体力ポイント3とひきかえに)」という選択肢が存在します。この状況で反撃するなんて極めて不自然だし、体力ポイント-3というペナルティも厳しすぎて(実際、この後ENDになる可能性が高い)、こんな選択をするわけがない。しかも、この選択肢を選ぶと不二子の登場シーンがすっ飛ばされるので矛盾が生じるし。

 どちらも、この選択を選ぶことは物語的にもゲーム的にも意味がないし、この選択肢を選ぶプレイヤーがいるとは思えない。無くても十分成立するし、無い方が自然。何でこんな選択肢を作ったんだろう?

マシューに会ったことある?

 後半のマシューの登場シーン(135番)で、ルパンはマシューのフルネームを知っていることになっていますが、知る機会あったかなあ?

 パトカーでハリウッドに来た場合はもちろん知っていますが(63番)、それ以外の手段で来る場合もあります。グローバル本社(2番)で、「あの警官」であることはわかりますが、パトカーに乗って来なかった場合は名前はわからない。入院中は、「M・M」に心当たりがなければもちろんわからない(88番)。日本料理屋で銭形がマシューと呼んでいるシーンはありますが(89番)、フルネームはわからない。他にマシューの名前が出てくるシーンはなかったと思うけど……。

35の結末が君を待つ?

 冒頭の「ゲームブックの遊び方」で、「この本では読者のために、それぞれ異なった三十五の結末が用意されています。」と書かれていますが、「END」で終わるパラグラフは37個あったような……。*4

 311番や400番はカウントしないのかな?とも思ったけど、そのあとに「結末のうち、読者を満足させるハッピーエンド、ベターエンドはごくわずかです」とも書かれているし……。

情けないエンド

 それらのENDの中でも自分が大好きなのが355番。あっさり敵の手裏剣の餌食になるなんとも情けないEND。文章が短いのがまたいい。そりゃそうなるよな。

 これまでは選択ミスでENDになる場合でも、その前か後にポイントによる救済がある場合が多かったが、ここでは選択ミス一発でENDになる。ゲーム後半になっていよいよ殺しにきてるなと実感するイベント。

2つのグッドエンド

 もう一つ、印象的なENDが311番。「END」と書かれているが、そのあと400番へ行けるようになっている。自分としては、こちらのルートの方が好きだな。

甘酒進上

 「甘酒進上」という言葉、初めて知ったなあ(206・278番)。要するに「やーい、ここまでおいで」に続けて相手をからかう言葉か。『火吹山の魔法使いふたたび』の「多多益益弁ず」に続いて、ゲームブックは勉強になります(?)。

入院シーンを通らないのはもったいない

 ルパンがケガをして入院するシーン(88番)。謎の花束が贈られてきたり、不二子が謎の行動を取ったりと面白い場面・面白い選択肢が続くこのゲームブック屈指の名シーン。しかし、基本的にポイントが基準以下か、選択ミスで来るシーンなので、最善の選択肢を選んでいると通らない。ここを通らないでクリアできてしまうのはもったいない。

 また、後半の傭兵部隊との銃撃戦のシーン(130番)も、弾倉交換や不発などかっこいい場面が多く、なかなか複雑な分岐をするイベントだが、赤外線警報装置を爆破しようとして敵に気づかれた場合にしか通らない。武器ポイントが3~4の場合しか来られないというレアイベントになっている。

分岐も合流もないパラグラフが多い

 このゲームブックの欠点として指摘しておかなければいけないのが、分岐も合流もないパラグラフがかなり多いこと。つまり、ゲームブックの構造上は分割する必要がないのに複数のパラグラフに分割されている箇所が多い。これをされると、パラグラフを探す回数が無意味に多くなって読む手間が掛かる。こういうパラグラフはできるだけ1つにまとめてほしかった。

 この点は、この本の「資料編2 ゲームブックの作り方」でも書かれて「時間経過や場面転換表現として《中略》演出的に次の項目に移動するのはアリということにはなっていました」(265ページ)とあります。多少はありだと思いますが、それにしても。

一番美しいルート?

 このゲームブックは簡単すぎて歯ごたえがないと思っている方へ。こんな遊び方はいかが?

 以下の項目をすべて達成した上でクリアできるか? なお、〈再チャレンジ〉は使わない。また、ポイントの初期値は最低1(0は不可)で、開始後は0やマイナスもあり得るとします。

  1. パトカーでハリウッドに行く(381番)
  2. 水中スタントを行う(113番)
  3. 入院中に不二子と会う(115番)
  4. 手裏剣でケガをする(157番か212番)
  5. ルパンから「君」への呼びかけを受ける(253番)

 これらのポイントを通るのが物語的に美しいルートだと思う。パトカーに乗らないとマシューとの接点が薄い。水中スタントは前半の難所。入院して不二子と会うシーンはこのゲームブック屈指の名場面。手裏剣でケガをしないと複線を回収できない。400番への道はいくつかあるけど、253番は特別感があるよね。というわけで、これらを通過するルートでクリアしてみようというチャレンジ。

 この遊び方の攻略ポイントを挙げると、最大の難所は天守閣スタント(28番)。ここで体力+武器+情報ポイントが11以下であることが必須となる。12以上あると手裏剣を回避してしまうので「手裏剣でケガをする」が達成できない。よって、序盤はあえてポイントマイナスを食らう・ポイントプラスを取らない選択をする必要がある。

 しかし、ポイントが低ければ良いというものではない。最終的には体力ポイント4以上・武器ポイント6以上が必須となる。28番を合計11ポイント以下で通過した後でこれを実現できるか? 28番以降で体力ポイント-1は確定だし、武器ポイントが高すぎると取れないプラスもある。1ポイントも無駄にはできない。

 序盤の抜け方も難所。基本的に体力ポイントと武器ポイントが不足しがちなので、その2つに初期値を割り振りたいところ。しかし、その2つが高すぎると、ドライブ・イン(294番)の23番で体力+武器ポイント7以上だとトレーラーでハリウッドに行ってしまい「パトカーでハリウッドに行く」を達成できない。しかし、23番を回避して44番へ行くと、その場合は情報ポイントが低いはずなので、44番で情報ポイント3以上ないとENDになってしまう。ここを抜けるには?

 また、水中スタントを経て入院するには、石垣スタント(200番)を抜けた上で水中スタントで武器ポイント3以上(220番)が必須なので、ここでも工夫が必要。

 コツとしては、情報ポイントは序盤から上がりやすく、プラス・マイナスを取るかどうか選べる場合が多いので、ここで調整する。それでも条件はかなり厳しい。最善の選択肢を選ぼうとするプレイではなかなか通らないルートを使う必要もあるので、ひと味違ったプレイにもなると思う。興味のある方はぜひ挑戦して下さい。

*1:ところで、Amazonのページではタイトルが『ルパン三世ゲームブック さらば愛しきハリウッド復刻版 (ゲームブックシリーズ 1)』と、“(ゲームブックシリーズ 1)”がついた形になっています。しかし、“ゲームブックシリーズ 1”は旧版のタイトルであって、確かに復刻版の表紙にも書いてあるけれど、それは旧版の表紙をそのまま取り込んだデザインだから載っているだけであって、復刻版のタイトルとしては“ゲームブックシリーズ 1”は含まれていないですよね? 要するに、Amazonは復刻版が2・3……と続いていくと考えているに違いない(^_^;)

*2:まれに、行動記録メモを取るように指示されますが、記憶に頼っても十分な程度です。

*3:これを使っても先に進めなくなることもありますが……。

*4:「END」で終わる項目番号を列挙しておきます。

  1. 13
  2. 35
  3. 38
  4. 22
  5. 181
  6. 141
  7. 359
  8. 139
  9. 236
  10. 163
  11. 210
  12. 194
  13. 193
  14. 328
  15. 355
  16. 373
  17. 335
  18. 301
  19. 21
  20. 317
  21. 147
  22. 202
  23. 320
  24. 229
  25. 137
  26. 285
  27. 239
  28. 136
  29. 244
  30. 265
  31. 296
  32. 204
  33. 234
  34. 311
  35. 114
  36. 231
  37. 400

『火吹山の魔法使いふたたび』の謎?

 今回も、『火吹山の魔法使いふたたび』をプレイし終わっての感想・疑問点などをつらつらと書いてみます。

 かなりネタバレなので、まだ読んでいない方は注意して下さい。

火吹山の魔法使いふたたび』の謎

ムースは味方?

 開始直後、いきなり主人公を追いかけて警告を伝えに来るアンヴィルの酒場〈二つの月〉亭の主人ムース。自ら抜き身の剣を片手に走ってくる姿があまりにウソっぽくて、初回のプレイでは無視してしまいましたw その時の彼の心境やいかに……。

 その後、ヤズトロモの偽物の情報を伝えてくれたので(40番)、どうやら信用できそうだということで、次の回はついて行きましたが、闇狩人を倒した時の行動がまた不自然(306番)。

ムースはポケットを空にするだけでは満足せず、闇狩人のブーツを脱がせて振り動かす。折りたたまれた一片の茶色く汚れた紙が地面に落ちる。「俺はそんな臭いものには触らないよ」ムースが笑いながら言う。「あんたが欲しけりゃ、持ってったらいい」

 見事にムースの策略?にはまってザゴールの呪いで技術点-2を食らいました。やられた……。よく考えたら、自分からブーツを探っておいて「そんな臭いものには触らないよ」っておかしくない? やっぱり俺はまだ信用してないぞ。結局、闇狩人の逃走を阻止したのって意味なかったし。

君はランタンを持っているか?

 ディープ・シーの店(116番)で買えるアイテムの一つであるランタンは、買わなくても持っているという解釈でいいよね? ルールにはっきりこう書いてあるのだから……(259ページ)。

装備
冒険の開始時、きみは稼業に必要な基本的なものを持っている。上質の剣、旅にうってつけの服、発見した財宝を入れる背負い袋、行き先を照らすランタンだ。

短剣を手に入れた?

 49・196番では短剣を入手した(306番で手に入る短剣とは別に)という解釈でいいのでしょうか? 文章としてはそう読み取れるけど、どういう経過であれ、306番で入手する短剣は闇狩人が持っていたものなので、たどる経路によって入手できる短剣の本数に差が出るのは不自然ではある。131番の戦闘では短剣の本数は大切なので、ここの解釈は重要。

 あと、131番の戦闘では、ディープ・シーの店で買える銀の短剣も投げていいよね、この際。「投擲用」とは書かれていないけれど、306番で入手できる鋼の短剣も「投擲用」とは書かれていないし。

投擲用ダガー

 ついでにもう一つ短剣の謎。後半、3つのパラグラフで投擲用ダガーをブーツの差し込んでいるかどうかを聞かれるけど*1、ここで言う短剣・ダガーは70・220番で入手できるもののみ有効で*2、49・196・306番で入手できる短剣やディープ・シーの店で買える銀の短剣を持っていても無効という解釈でいいよね? それらの短剣は「ブーツに差し込む」という描写はないので。131番で「投擲用の短剣」という言葉が出てくるのでややこしくなっている。

 『火吹山の魔法使いふたたび』は登場アイテム数が非常に多く、まったく役に立たないアイテムも多数ある中、この投擲用ダガーは2ヶ所で必須になるという超重要アイテム。

多多益益弁ず

 「多多益益弁ず」って言葉、初めて知ったなあ(316番)。ここでは、要するに「多ければ多いほど良い」という意味か。勉強になります。でも、「少なくとも二つは必要」はミスリードですよね、ヤズトロモさん。

別の剣を見つけるまで技術点-2

 348番で剣を失うと、別の剣を見つけるまで技術点-2となります。この「別の剣」は4ヶ所で入手できます。

  • 355番 ダークブレード・スカルバイダーの剣
  • 190番 ゴブリンの剣
  • 227番 オークの剣
  • 225番 骸骨の剣

 225番以外は技術点2点回復とは書かれていないけれど、225番は忘れないように厚意で書いてくれているだけと解釈して良いでしょう。

 また、343番の戦闘では「剣を持っていないなら、きみは技術点から二点引いて」と書かれているけれど、これも厚意で書いてくれているだけで、348番の技術点-2とは別に引く必要はないでしょう。他にも剣がない状態での戦闘は多数発生するので、ここだけこの記述があるのはかえって不自然。

 剣を失うシーンは後半にもう一つあります(202番)。この際の、340・358番「剣を持っていないなら、この戦闘の間、一時的に技術点を二点減らさなくてはならない」の指示は、202番では技術点を引くという指示はないし、202番以降の(剣を使った)戦闘は340・358番しかないので、必要で妥当な指示です。

目まぐるしい展開

 『火吹山の魔法使いふたたび』で最も印象的なシーンが36番。このゲームブックでは、ただ通り過ぎるだけのパラグラフ(分岐も合流もないパラグラフ)がないように作られているので、様々な出来事が起こるパラグラフがいくつかあります。その最たるものが36番。「パラグラフジャンプ成功」→「ズート・ジンマーのその後」→「同行」→「〈黄金の竜牙〉入手」→「罠発動」→「ショートカットルート終了」と1つのパラグラフで次々と事件が起こるので唖然としてしまう。なんと不幸なズート・ジンマー……。

ダイアモンドとは?

 12番の「思いもかけぬ死」とはいったい……。いずれ無防備な状態でダイアモンド・センティネルに襲われるということだろうか……。このパラグラフを通過した上で任務達成した場合は、どういう気持ちになったらいいのだろう? ここは400番の次のパラグラフを用意してほしかった。

木の球を持っている?

 382番でマインドベンダーの口の中に木の球を詰め込むけれど、木の球なんて持ってましたっけ? 33番で木の球と積み木を入手できるけれど、ここを通らなくてもここまで来る展開もあると思うけど……。鉄の鍵の方とセットで入れておけばよかったのに。

3つの鍵?

 331番。3つの鍵の選択。「お? 火吹山の宝箱の再来か!?」と色めき立ったが、ただの三択だった。なーんだ。でも、ここで1つは正解があるのがリビングストン作品の優しさ。スティーブ・ジャクソン作品だったら、3つ全部体力点-2だったことでしょうw

兜はどこ?

 65番。盾・兜・胸甲を身につけていれば有利になるのだけど、盾と胸甲はわかるけど、兜なんて出てきたかなあ?

 ……と思っていたが、まさか、298番の〈混乱の兜〉のことか!? あれば65番の一発死の確率が16.7%下がるのですごく重要だけど、さすがにこれは……。そもそも、運だめしに失敗しないと〈混乱の兜〉を入手するルートに入れないし。文章をよく読むと、一度かぶっただけでその後は外しているので、これではないのかなあ。

 〈混乱の兜〉が入手可能だとしても、『火吹山の魔法使いふたたび』には技術点回復ポイントが数えるほどしかないので、技術点-3は痛すぎる。唯一大きく技術点を回復できるチャンスが167番のプロバブスの幸運のお守りだが、ここまでも技術点が必要な戦闘は多数あるし、ここは体力点の方を回復させたいところだし……。 

盾の出番

 前項で盾はわかると書いたけど、ここで盾の出番が来るというのも結構トリッキーで驚いた。盾は開始直後に入手できるアイテム(82番)。すぐに役立つのでここで出番は終わりと思わせておいて(374番)、終盤に2ヶ所でデッドエンド回避に働く(169・65番)。「火」の箱入手の為に捨ててしまった回もありました(307・67・293番)。

パラグラフジャンプの処理が雑

 335番からのザゴールとのエレメンタル合戦。これまで集めた〈黄金の竜牙〉と『竜の目』のページの情報を使って、パラグラフジャンプを立て続けに4回させる趣向なのだけど、ここの処理がちょっと雑で、正しくないパラグラフジャンプをしているのに正しいと誤解させる余地が生じていると思います。ここはもう少していねいに処理してほしかった。

 趣旨としては――ザゴールが召喚したエレメンタルに対応するエレメンタルを呼び出す必要がある。エレメンタルを呼び出すには4つの〈黄金の竜牙〉を使うのだが、どの牙にどのエレメンタルの力が込められているのかはわからない。〈黄金の竜牙〉には番号が刻印されている。『竜の目』のページに、どの番号の〈黄金の竜牙〉にどの元素が込められていて、どの元素に対して有効かが書かれているので、この情報を元に正しい順番で4つの〈黄金の竜牙〉を使う――というものです。

 しかし、〈黄金の竜牙〉に刻まれている番号がジャンプ先のパラグラフ番号そのものなので、どの〈黄金の竜牙〉を使っても「〈黄金の竜牙〉を使って相手のエレメンタルを攻撃しようとする」という場面にジャンプします。一見すると正しいジャンプをしたように見えてしまいます。文章をよく読めば相手のエレメンタルの元素が異なるのでおかしいことは分かりますが、ここまででプレイヤーが得ている情報量は場合により様々です。〈黄金の竜牙〉や『竜の目』がいくつあるかや、〈黄金の竜牙〉と元素の対応があること、相手の元素に対して有効な元素があることさえ知らずにここまで来てしまう可能性もあります。気がつかずに読み飛ばしてしまう危険は十分あると思います。

 〈黄金の竜牙〉に刻印する番号はジャンプ先ではない数字にして、「現在のパラグラフ番号から使用する〈黄金の竜牙〉に刻まれた番号を加えた(引いた)パラグラフへ進め」などという処理にするべきだったと思います。

 また、『竜の目』のページにどの〈黄金の竜牙〉にどの元素が込められているかが書かれていますが、その〈黄金の竜牙〉の判別方法が刻印されている番号(つまりジャンプ先の番号)なので、〈黄金の竜牙〉を入手していなくても『竜の目』だけでジャンプ先の番号が分かってしまいます。番号が刻印された〈黄金の竜牙〉を持っていないとパラグラフジャンプをしてはいけないのですが、「一見〈黄金の竜牙〉に見えるが実はそうではない」というトラップアイテムがあるので*3それを正しいアイテムと誤解して『竜の目』に書かれた番号へジャンプしてしまう可能性があると思います……というか、自分はそれをやってしまいました。*4

 〈黄金の竜牙〉と元素の対応を特定する方法は、番号の刻印とは別にマークを刻印するなど、パラグラフジャンプに使う番号とは別の情報で行うべきだったと思います。

サイコロ運が必要な主な場面

 後期のリビングストン作品なので覚悟はしていたけれど、やっぱり任務達成には運に頼る場面が多すぎるな。サイコロ運が必要な主な場面は以下の通り。

159番 ドッペルゲンガー
ラウンド勝者が2Dを振りゾロ目が出れば勝ちという特殊ルール。体力点や運点は使えない。つまり技術点9なら勝率50%。偶然性も高いので技術点12でも安心できない。
5番 拷問室のトラップ
必須ルートなのに、2Dで技術点以下を振れないと一発で終了。
231番 ゴルゴンとの戦い
鏡があっても運だめしに失敗すると、1Dで4-6を振ると終了。1-3でも実質技術点12の相手との戦闘になる。運だめしに失敗するとかなりきつい。
  • ゴルゴン 技術点10 体力点8 ※こちらの技術点-2
326番 羊の目大食い大会
サイコロを使う特殊ルールイベントだが、要するに確率的には以下の通り(悪い順)。
  1. 50% バーバリアンとの賭けに負ける → 〈黄金の竜牙〉を取り逃す
  2. 25% 優勝以外でバーバリアンとの賭けに勝つ → バーバリアンとの戦闘に勝つ必要がある
  3. 25% 優勝(バーバリアンとの賭けにも勝つ)
50%で必須アイテムを取り逃し、25%で技術点10の敵に勝つ必要があるという厳しいイベント。
  • バーバリアン 技術点10 体力点10
194番 カオス・ウォリアー戦
倒さないと、必須アイテムの本の一ページ・銀貨2枚・革の鞭を取り逃がす。
  • カオス・ウォリアー 技術点10 体力点10
212番 プレイグ・ベアラー戦
倒さないと、必須アイテムの本の一ページを取り逃す。
  • プレイグ・ベアラー 技術点6 体力点4 ※1ラウンドでも負けたら終了
加えて、ここで「プロバブスの幸運のお守り」での体力点全回復を得ないと体力点が厳しいので、ここで運点9点以上あることが必須に近い。
34番 ゴブリンがレバーを引くのを阻止
2Dで技術点以下を振れないと必須ルートへ行けず終了。
65番 デス・ロードの鋼の球
盾と胸甲があっても1Dで1か2を振ると(確率33%)終了。
27番 ザゴール戦
言うまでもなく必須戦闘。
  • ザゴール 技術点11 体力点18

 サイコロ一発で即死・デッドエンド確定のイベントも多いし、単純に技術点勝負の戦闘も多い。

 今回の推奨能力値は、次の通りとします。

  • 技術点 11点
  • 体力点 24点
  • 運点 12点

 全能力最大の最強モードでもいいくらいですが、さすがにそれは味気ないので技術点だけ1点減らしました。これでも、ゴルゴン、バーバリアン、マミーあたりと戦闘になってしまうと、体力点がかなりきついです。運点は温存して、ゴルゴン、マミーとの戦闘は絶対回避。できるだけ体力点・運点を残した状態で最終決戦にたどり着く必要があります。

 今回のルールは魔法のポーションや食料はないのだけど、今回こそこのルールが必要だったのでは……。

火吹山の魔法使いふたたび』の一番の見所は……

 というわけで、『火吹山の魔法使いふたたび』は、ゲームブックとしての面白さとしては、『ファイティング・ファンタジー・コレクション』に収録された他の作品と比べるといまいちだと思いました。火吹山の内部が『火吹山の魔法使い』と同じ構造だったり、ザゴールの伝説に新たな一幕が加えられたというという背景があってこその作品でしょう。

 そういう意味でも、『火吹山の魔法使いふたたび』の一番の見所は、一番最初、「背景」のこの記述で間違いない。

その一人がザゴールという名で知られた(また、恐れられた)火吹山の悪名高き魔法使いだった。そして、ある勇敢な冒険者が、ザゴールの邪悪な魔術からアランシアを救うために、その手下や死の罠の危険を顧みず火吹山の奥深くに踏み入った。

 これ、真っ赤なウソですよね。『火吹山の魔法使い』にザゴールが「悪名高き魔法使い」なんて書いてなかったし、「ザゴールの邪悪な魔術からアランシアを救うため」って、『火吹山の魔法使い』の主人公って、ザゴールの財宝目的の押し込み強盗だったじゃん。

 400番で、火吹山の宝物をさも当然かのように要求するアンヴィルの村人たちの行動も気になる。この宝物って、別にアンヴィルから盗まれたものではないですよね? やはりムースは信用できん。というか、この物語自体が本当のことだったのかどうか……。

プレイ記録(Twitter

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*1:

  • 257番「ブーツに短剣を差しているなら」
  • 142番「投擲用ダガーをブーツに差し込んでいるなら」
  • 315番「投擲用ダガーをブーツに差し込んでいるなら」

*2:

  • 70番「ブーツの側面に短剣を差し込む」
  • 220番「ブーツの側面に投擲用ダガーを差し込む」

*3:308・253番の〈青銅の竜牙〉と241番の金の竜牙。

*4:てっきり『竜の目』を読んで、消されてしまった〈黄金の竜牙〉の刻印番号を読み解くものだとばかり……。