前回に引き続き、もう一つ女子カーリング世界選手権2016の話。3位決定戦のロシア-カナダ戦が好ゲームだったと思います。前回も7エンドの局面を次の一手形式で紹介しましたが、1エンドの攻防もおもしろかったので局面図を作ってみました。
ロシアは3年連続銅メダルが、カナダは7年連続のメダルがかかった3位決定戦。世界ランキングはロシアが5位、カナダが1位。
序盤はまだお互い氷の状態を掴めていないので様子見になることも多い。双方とも打ち合って石が溜まらない展開。このままブランクでこのエンドは終わると思ったが、先攻カナダ(赤)のセカンド2投目のストーンはハウスの外に残った。ここから突然試合は動き出す。
後攻ロシア(黄)のセカンド2投目。ハウス左際のガードの後ろにカムアラウンド。これが完璧に決まる。
先攻サード1投目。黄を直接打ち出すことはできないので、黄の石にフリーズを狙う。ガードの後ろには半分隠れたが、ぴったり付けることはできず。
ナンバー1がどちらかが微妙。黄がナンバー1なら、黄は次にハウス右側に置けば2点パターンになるのだが。
後攻サード1投目。ロシアは赤がナンバー1と見て赤を少し外に押し出そうとする。しかし、これがスルーになってしまう。
先攻サード2投目。カナダも赤がナンバー1と見て、左側には触らずハウスの反対側に石を置く。少しウエイトが足りなそうだったが、2人スイープでハウスまでは届いた。
後攻サード2投目。1投目と同じ狙いをもう一度。黄も少し動いたが、赤を押し出してナンバー1を取ることには成功した。
先攻スキップ1投目。相手のナンバー1を打ち出して、ナンバー1を取り、ガードの後ろに隠れる。完璧に決まった。
後攻スキップ1投目。ナンバー1の赤を打ち出そうとしても、後ろの赤か黄に当たって残ってしまう可能性が高い。左側はあきらめて、右側の赤の後ろに隠す。ティーラインより後ろになってしまったが、赤の後ろには完璧に隠れた。
先攻スキップ2投目。いま投げられた黄の手前に付ける狙い。ぴったり付ければロシアが1点を取らされるエンドになる。
しかし、手前の赤にギリギリ当たってしまった。途中までは良さそうだったが、ハウスの手前で急に曲がったように見えた。
後攻スキップ2投目。最後は黄が打ち出して止めて、黄がナンバー1・2。後ろの黄に当たってしまう可能性あったが、きっちり決めた。ロシアが2点を先制した。
1エンドからこんな石の溜まる攻防で、この後も簡単に石を打ち合って終わるというエンドは皆無。全エンドで石が溜まる展開。そんなことをしているものだから、最後は双方とも危うく持ち時間が切れそうになるほどの熱戦でした。
チーム名 | H | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 計 |
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カナダ | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | 2 | 2 | 0 | 2 | 0 | 8 | |
ロシア | ○ | 2 | 0 | 1 | 1 | 1 | 0 | 0 | 3 | 0 | 1 | 9 |