日本カーリング選手権2018女子で優勝した富士急の名シーン

 もうすぐ平昌五輪が開幕しますが、その前に第35回日本カーリング選手権が開催されました。今年は五輪代表チームであるSC軽井沢クラブLS北見が出場しないし、NHKの中継は3試合しかなかったけれど、やはり始まってしまうと見てしまうね。YouTubeの中継も少しは見れました。

 そしてこの大会、女子は富士急が優勝しました! 強気な若手スキップ・小穴桃里選手とベテランの闘将・西室淳子選手がおもしろくて、個人的に以前から注目していたチームです。そのチームがついに優勝。まあ、過去の3大会は3位・2位・3位だし、今回はLS北見が出場していないのだから、意外な結果と見るべきではないかもしれません。しかし、過去の予選リーグは4勝4敗でギリギリ通過だったり強豪相手には負けていたりするので、順位の割には強いチームという印象がありませんでした。強豪相手には序盤から連続スチールされて差を付けられた試合も多かったし……。今回も、予選リーグは中部電力北海道銀行の強豪2チームに負けて6勝2敗の3位通過。期待はするけど、プレイオフを勝ち抜くのは難しいかなと思っていました。それが優勝。

 というわけで、この大会の富士急のハイライトシーンを、局面図を使って振り返ってみます。

レイオフ3位-4位

 プレイオフ初戦は予選3位と4位の対戦。富士急-青森Jr。青森Jrは予選リーグ最終戦中部電力を破って、大逆転でのプレイオフ進出。勢いに乗っていて怖い相手でした。試合はクロスゲームのままエキストラエンドまでもつれる接戦の末、7-6で富士急が勝利、準決勝進出を決めました。

女子プレーオフ3位-4位 青森Jr - 富士急
チーム名 H 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 EE
青森Jr   0 1 0 2 0 1 0 0 1 1 0 6
富士急 2 0 1 0 1 0 1 1 0 0 1 7

準決勝 中部電力-富士急

5エンド

女子準決勝 中部電力-富士急 05エンド 黄・先攻富士急 スキップ2投目

 迎えた準決勝の相手は中部電力。3エンドにスチールされますが、4エンドに3点取って一気に逆転。とはいえ、試合はこれから。

 5エンド。先攻・黄・富士急のスキップ小穴桃里の2投目、相手のナンバー1をはじき出して投げた黄はハウス入り口の味方の石の裏、というヒットロールを完璧に決める。ナンバー1・2・3・4まで取る。

 中部電力はラストストーンを青に入れないとスチールされるし、手前のガードに引っかけようものなら4点スチールもあり得るプレッシャーのかかるドロー。実際、手前のガードにかすってナンバー4を取るにとどまり、富士急が3点スチール! 6-2となり一気に大優勢となりました。

7エンド

女子準決勝 中部電力-富士急 07エンド 黄・後攻富士急 スキップ2投目

 6-3の富士急リードで試合は7エンド。後攻富士急のラストストーンは、相手の石をテイクして投げた石は残れば2点取れる場面。ここでまさかのスルー! 思わずテレビの前で「ああーーーーーー」って声を出しましたよ。これを決めてれば勝ってたのに……。決まっていれば2点のところが、逆に1点スチール。差し引き3点を失うショットになってしまった。ここで、すかさずコーチ席にいる西室淳子のおかんむりな表情(←かなりバイアス入ってます)を抜いたNHKの中継はナイス。

実況「西室淳子選手も、なんでそのショットになってしまったんだろうという、悔しそうな顔をしていました」

 しかし、冷静に見れば6-4の2点リードで8エンド後攻だから、まだだいぶ有利。この後、むしろ中部電力の方にミスが出たりして、きわどいシーンもなくそのまま富士急勝利、決勝進出となりました。

女子準決勝 中部電力 - 富士急
チーム名 H 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
中部電力 0 1 1 0 0 1 1 0 1 - 5
富士急   0 0 0 3 3 0 0 3 0 - 9

 この大会の富士急は、結成時からチームを支えていた西室淳子がリザーブに回っていて(大会期間中に妊娠中であることが明らかになった)、チームに加入して間もない現役高校生、小谷有理沙がリードに入り、その影響で石垣真央がリード→セカンド、小谷優奈がセカンド→サード、小穴桃里がサード→フォースと玉突き式にポジションを変更していました。同じオーダーで臨んだ軽井沢国際は、内容は悪くなかったようですが、結果は4戦全敗。「さすがに西室抜きで難しいか」と思っていたので、準決勝に進出してテレビで中継が見られただけでもう満足という気持ちでした(^_^;) それがもう1試合見られることになって嬉しい……(←まだ優勝できるは思っていない)。

決勝 北海道銀行-富士急

3エンド

女子決勝 北海道銀行-富士急 03エンド 赤・後攻北海道銀行 スキップ2投目

 富士急名シーンと言いながら対戦相手のナイスショットも紹介します。先攻・富士急のスキップ2投目でハウスの入り口をふさぐ石を置き(ハウス上部の右の黄)、センターガードの赤を使う道もない。北海道銀行のラストストーンは角度のある難しいランバックを狙うしかない状況。「こんなの決まるわけがない」と思って見ていたら、これが決まってしまう。2点スチールもあり得た大ピンチで2点を取るビッグショット。さすが小笠原歩、ホントに劇場型スキップだなあ。

4エンド

女子決勝 北海道銀行-富士急 04エンド 黄・後攻富士急 スキップ2投目

 後攻・富士急スキップ小穴のラストストーン。ナンバー1・2・3を見せられたプレッシャーのかかるドローだったが、見事にナンバー1を取る。

9エンド

女子決勝 北海道銀行-富士急 09エンド 黄・後攻富士急 スキップ2投目

 8エンドは2-2の同点。後攻・北海道銀行はラストストーンでブランクもできたが、1点取る方を選択する。

 9エンド1点リードで後攻の富士急。ここはブランクにするか、2点以上取りたい。1点取らされて10エンド同点先攻になってしまうと不利。

 しかし、このエンドは北海道銀行のショットが上回っていて、ラストドローで1点取るしかない、むしろ1点取るのも難しい展開になってしまう。それでも、失敗すればスチールされてしまう厳しいドローを、これも完璧に決める。

10エンド

女子決勝 北海道銀行-富士急 10エンド 黄・先攻富士急 スキップ2投目

 同点で最終エンド。先攻の富士急が勝つにはスチールするしかない。

 先攻・富士急スキップ小穴桃里の2投目。最後のドローの場所を狭くするハウス内ガードを完璧に置いた。

 このあと、北海道銀行はプレッシャーのかかるラストドローをいま置かれた石に当ててしまいナンバー1を取れず、富士急がスチール。富士急優勝。

 4エンドや9エンドもそうだったけれど、今回の富士急はこのような重要な状況でのドローを決めた場面が何回かありました。それまで何回も決めていたドローが、プレッシャーがかかるここ一番で失敗するという場面はカーリングでは頻繁にあります。テイクアウトのような派手さはないけれど、こういうプレッシャーのかかるドローショットカーリングの醍醐味だと思います。今回の富士急はそのドローショットを、チーム内でコミュニケーションを取ってよく決めていました。

女子決勝 北海道銀行 - 富士急
チーム名 H 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
北海道銀行 0 0 2 0 0 0 0 1 0 0 3
富士急   0 0 0 1 1 0 0 0 1 2 5

 ところで、この試合の最後は、先にも書いたとおり北海道銀行のラストストーンがナンバー1になれず試合が決まりました。その際、ナンバー1・2が富士急なのは明白なので富士急優勝はストーンが止まった瞬間にわかりましたが、ナンバー3がどちらの石か微妙だったので、選手がその確認をしていました。しかも、実況アナがその状況をうまく伝えることができず、「やったー! 優勝だー!」という感じにならない。もやっとした終わり方になりました。

富士急は世界選手権へ

 日本選手権に優勝した富士急は、3月15~25日にかけて行われる女子カーリング世界選手権にも出場することになりました。あの富士急が世界選手権に出場するとは、楽しみでなりません。今回の世界選手権は、アジアの国が最下位になってしまうと次回の世界選手権のアジア出場枠が1つ減ってしまうそうなので、最下位だけは避けてほしいと思いつつ、世界を相手にどこまでやれるのか楽しみでありつつ。五輪が終わっても忙しくなりそうですね(^_^;)

パシフィックアジアカーリング選手権2017の男子決勝の大逆転劇を詳しく

 前回に引き続き、もう一つ今シーズンのカーリングの話。

 パシフィックアジアカーリング選手権の男子決勝は韓国と中国の対戦でしたが、スコアを見たらこんなスコアでした。

決勝 中国 - 韓国
チーム名 H 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
中国   0 1 0 3 1 0 1 0 2 0 8
韓国 0 0 0 0 0 4 0 3 0 2 9

5エンド終了時5 - 0で中国リードから韓国が逆転勝利。5点差逆転はなかなか見ない展開です。しかも決勝戦でこれが出るか。どんな試合だったのかと思って動画を見てみたら、これがすごい試合でした。中国も良いショットを決めていたのですが、韓国がそれを上回るスーパーショットを連発していました。

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6エンド

男子決勝 中国-韓国 06エンド 赤・先攻中国 セカンド2投目

 逆転の端緒となったのは、やはり韓国が4点を取った6エンドです。おもしろい攻防だったので、詳しく紹介します。

 セカンド1投目までの展開は――赤ボタンドロー → 黄左へコーナーガード → 赤センターガード → 黄中央赤へフリーズを狙うが左へずれて後方へ → 赤ずれた黄をピール(投げた石も打った石もなくなるショット) → 黄もう一度中央赤へフリーズ。左やや手前で止まる――で、左の局面の投球前の形になりました。

 赤・先攻中国のセカンド2投目。中央の黄のテイクアウトを狙うが、中央の赤に当たって形が変わる。まあ、ここまではよくある流れでしたが……。

男子決勝 中国-韓国 06エンド 黄・後攻韓国 セカンド2投目

 黄・後攻韓国セカンド2投目。大量点を取りたい韓国はコーナーガードの裏に置いて得点源になる石を作る。

男子決勝 中国-韓国 06エンド 赤・先攻中国 サード1投目

 赤・先攻サード1投目。大量失点を防ぎたい中国は相手の石を減らす。

男子決勝 中国-韓国 06エンド 黄・後攻韓国 サード1投目

 黄・後攻サード1投目。ハウスの奥に置く。それほど強い位置でなくてもテイクアウトされないことが優先。手前に赤があるので出されにくい。

男子決勝 中国-韓国 06エンド 赤・先攻中国 サード2投目

 赤・先攻サード2投目。中央へドロー。センターガードの裏でTラインの前。理想的な位置かと思ったが……。

男子決勝 中国-韓国 06エンド 黄・後攻韓国 サード2投目

 黄・後攻サード2投目。相手の石だけ3つはじき出して自分の石は3つとも残すスーパーショット。しかも投げた石もコーナーガードの裏。大量点の形を作った。

男子決勝 中国-韓国 06エンド 赤・先攻中国 スキップ1投目

 赤・先攻スキップ1投目。センターガードの裏へのドローを狙ったが、ガードに当たってしまう。

 ここで韓国はタイムアウトを取った。

男子決勝 中国-韓国 06エンド 黄・後攻韓国 スキップ1投目

 黄・後攻スキップ1投目。せっかくタイムアウトを取ったのに、センターガードの裏を狙ったショットは、はるか手前で止まってしまうミスショット。

男子決勝 中国-韓国 06エンド 赤・先攻中国 スキップ2投目

 赤・先攻スキップ2投目。センターガードの裏で相手の石の前に置いてナンバー1を取る。黄としては、この手前に置いて1点を取ってもしょうがないので、打ち出しに行くしかない。後ろの黄がバックガードになっているので難しいかと思ったが……。

男子決勝 中国-韓国 06エンド 黄・後攻韓国 スキップ2投目

 黄・後攻スキップ2投目。見事にバックガードをかわして打ち出して、しかも投げた石は止める。黄・韓国が4点取って一気に試合はわからなくなった。

 赤の中国としては、サード2投目あたりから、とにかくテイク・テイク・テイクで、できれば2点、最悪でも3点に抑えるという作戦に切り替えた方が良かった気がします。まあ、この大会で優勝してもメリットないので、これが平昌五輪だったら違う作戦をとったよという話なのかもしれませんが……。

 この試合、このあともおもしろい攻防が続きました。

8エンド

男子決勝 中国-韓国 08エンド 黄・後攻韓国 サード1投目

 7エンドは中国に1点取らせて、再び黄・韓国後攻で8エンド。

 このエンドは韓国にスルーがあったりして、途中まではビッグエンドになるようにはとても見えませんでした。セカンド2投目終了時で左の図の投球前。センターガード3つの裏で赤が縦にナンバー1・2。完全に赤の形かと思った。しかし、黄はたった1投で打開する。

 黄・韓国サード1投目。ガードの石の中の石もすべて吹き飛ばすテイクアウト。

男子決勝 中国-韓国 08エンド 黄・後攻韓国 サード2投目

 それでも赤・先攻サード2投目はガードの裏に再び置いていい形を作り返すが、またもスーパーショットが出る。

 黄・後攻サード2投目。ランバックからのダブルテイクアウト。しかもランバックに使った石はコーナーガードの裏で味方の石へフリーズ。実況の外国人も

「Wow!」
「Hahahahahahahahahahahahaha」

って笑ってたよ。

 このエンドは黄の韓国が3点を取る。5エンド終了時は0-5から、8エンド終了時で7-6と逆転した。

10エンド

男子決勝 中国-韓国 10エンド 黄・後攻韓国 スキップ1投目

 9エンドは中国がきれいに2点を取って再び逆転。中国8-7韓国。最終エンドで1点ビハインド側が後攻という、カーリングで最もきわどい展開。

 先攻スキップ1投目まで終えて、赤・中国がナンバー1・2。しかもナンバー2は前後を石に挟まれて打ち出されにくそう。赤が優位かと思ったが、黄・後攻韓国スキップ1投目。ナンバー1を打ち出し、角度を変えてナンバー2も押し出す。

男子決勝 中国-韓国 10エンド 黄・後攻韓国 スキップ2投目

 中国も負けていない。赤・スキップ2投目で再び前後を石に挟まれたいい位置にナンバー1を置く。これを外に押し出してナンバー1・2を取るのは難しいかと思った。

 しかし、黄・後攻韓国スキップ2投目はまたも中国を上回る。ナンバー1を横に少し押し出して、投げた石は中央でナンバー1。ナンバー2は微妙だったがメジャーで黄。このエンド2点を取って韓国が逆転勝利、PACC優勝となった。 

決勝 中国 - 韓国
チーム名 H 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
中国   0 1 0 3 1 0 1 0 2 0 8
韓国 0 0 0 0 0 4 0 3 0 2 9

余談

 ……というようなすごい試合だったのですが、最後の最後でツッコミどころが2か所。

 その1。赤・先攻中国のスキップ2投目は先ほども紹介したようにナイスドローだったのですが、なんと黄色の石を投げてました。石の色を間違って投げるのは何回か見たことありますが、この大詰めでやるか? 石を入れ替えて何事も無かったかのように試合再開しました。

 その2。ラストストーンは先ほども紹介したようにメジャーになったのですが、韓国のスキップがメジャーの最中にトイレ?に行きました。判定が出て勝敗が決まって相手と握手しているときにアイスの上にいないという珍事態。戻ってきて、中国チームが帰りかけているところをあわてて追いかけて握手していました。

(コアキュゥト) Koaきゅぅと ストーンヘアゴム (茶A)

2017-2018年シーズンのこれまでのカーリングシーンを振り返る

 いよいよ平昌五輪が近づいてきました。自分が注目なのはもちろんカーリングです(他の競技も見るけど)。男子は長野以来20年ぶりの五輪出場、女子は長野五輪からずっと6回連続の五輪出場。男女ともに出場するのは嬉しいことですが、カーリングの試合は2時間半くらいかかるので見るのが大変です。日本戦だけでも予選9試合*2はある。もちろんタイブレークや決勝トーナメントもあるし、日本以外の試合もできるだけ見たい。これは大変だ。気合いを入れて計画的に見なければ(^_^;)

 というわけで、今シーズンのこれまでの試合で印象に残ったシーンを振り返って、気分を盛り上げておこうと思います。

平昌五輪カーリング女子代表決定戦

 女子は日本選手権を、2016年はLS北見、2017年は中部電力が優勝したため、2017年9月に両チームによる五輪代表決定戦が行われました。結果は3勝1敗でLS北見が制して五輪代表に決定。内容は、わりとLS北見が完勝というイメージでした。

 なお、男子はSC軽井沢クラブが2016・2017年と日本選手権を連覇していたため、代表決定戦なしで平昌五輪代表に決定しています。 

パシフィックアジアカーリング選手権2017

 2017年11月はパシフィックアジアカーリング選手権(PACC)が開催されました。女子はLS北見が臨んだのですが……、内容は冴えませんでした。大会全体で韓国には0勝3敗、中国には1勝2敗。結果は準優勝だったけれど、勝敗からは「アジア3位」というしかない。こんなことでは五輪メダルは遠いぞ。  

女子決勝 日本 - 韓国

 PACC2017 女子決勝 日本-韓国 4エンド 赤・後攻日本 スキップ2投目

 せっかくなので良かったシーンを1つ紹介します。女子決勝の4エンド、スコアは1-3とリードされた状況で、スキップ藤澤五月のラストストーン。ガードの後ろにある中央の黄をはじき出せないとスチールされる状況だったが、2つのガードの間をギリギリかわすテイクアウト。投げた石も残して2点を取る。平昌五輪ではこんなスーパーショットを連発してくれよ。

 男子の方は予選は8戦全勝でしたが、肝心の準決勝で韓国に負けて3位。ギリギリ世界選手権出場は確保しましたが、ちょっと不安の残る結果でした。

軽井沢国際カーリング選手権大会2017

 12月は軽井沢国際が行われました。ワールドカーリングツアーで唯一日本で開催される大会で、海外から有力選手も多数出場するので注目度が高い大会です。

女子予選 チーム・シドロワ(ロシア) - LS北見

軽井沢国際2017 女子予選 ロシア-LS北見 4エンド 黄・先攻LS北見 スキップ1投目

 4エンド。黄・先攻LS北見スキップ1投目。赤が中央に3つ。しかも1つは2つのガードの裏。黄に厳しい状況かと思ったが、LS北見のスキップ・藤澤五月はあざやかなトリプルテイクアウトを決める。

軽井沢国際2017 女子予選 ロシア-LS北見 4エンド 黄・先攻LS北見 スキップ2投目

 続いて、ロシアのスキップ、アンナ・シドロワ1投目は2つのガードの裏で黄にフリーズ。いい位置に置かれた。しかし、日本のスキップ藤澤五月の2投目はガードをギリギリかわして赤だけはじき出すテイクアウト。

 ま、この試合はLS北見が負けたのだけど。

女子予選 チーム・シドロワ - LS北見
チーム名 H 1 2 3 4 5 6 7 8
チーム・シドロワ   0 3 0 1 1 0 1 - 6
LS北見 1 0 2 0 0 1 0 - 4

 ところで、近年の五輪と世界選手権のロシア代表は、ずっとシドロワのチームが出場していましたが、今回の平昌五輪ではなんと国内予選で敗れて五輪出場を逃してしまいました。ドーピング問題で出場できるかどうか微妙だったのですが、その問題は乗り越えたと思ったら、こんな形で五輪出場を逃すとは……。ここ4年間の世界選手権では3位・3位・3位・2位で、今回こそ五輪メダルと思っていたでしょうに。

男子予選 チーム・ペッツ(スイス) - SC軽井沢クラブ

軽井沢国際2017 男子予選 スイス-SC軽井沢 7エンド 黄・後攻SC軽井沢 スキップ1投目

 4-4で迎えた第7エンド。赤にガードの後ろでナンバー2・3を作られているが、後攻SC軽井沢スキップ両角友佑の1投目、ダブルテイクアウトを決める。このエンド4点を取って試合を決める。

男子予選 チーム・ペッツ - SC軽井沢クラブ
チーム名 H 1 2 3 4 5 6 7 8
チーム・ペッツ   0 2 0 1 0 1 0 - 4
SC軽井沢クラブ 1 0 2 0 1 0 4 - 8

女子決勝 LS北見 - 中部電力

 女子決勝は日本勢対決。平昌五輪代表決定戦で対決した両チームが早くも再戦。

 第1エンド。先攻中部電力スキップ松村千秋の1投目。ガードから飛ばすダブルテイクアウトを決める。石郷岡が出るか出ないかギリギリの石に対して、「出ろ、出ろ」と言いながらブラシで仕草(相手の石なのでスイープできない)。解説は市川美余

実況「市川さん。中部電力の石郷岡選手、いま『出ろ、出ろ』って。よくご存じの選手だと思いますが」
市川「そうですね。彼女も、ちょっと天然なところがあるんですけど」

 試合ははLS北見の完勝。

女子決勝 LS北見 - 中部電力
チーム名 H 1 2 3 4 5 6 7 8
LS北見 2 0 2 0 2 0 4 - 10
中部電力   0 1 0 1 0 1 0 - 3

男子決勝 チーム・キム(韓国) - SC軽井沢クラブ

軽井沢国際2017 男子決勝 韓国-SC軽井沢 3エンド 黄・先攻SC軽井沢 スキップ1投目

 男子はSC軽井沢クラブが全勝で決勝進出。相手はPACCで優勝した韓国のチーム・キム。

 第3エンド。赤のサード2投目がナイスドロー。ガードの真裏でナンバー1といういい位置を取られた。しかし、黄・SC軽井沢のスキップ両角友佑は距離がある難しいランバックを完璧に決める。赤だけテイクアウトして黄色はそのまま。

軽井沢国際2017 男子決勝 韓国-SC軽井沢 3エンド 黄・先攻SC軽井沢 スキップ2投目

 赤のスキップ1投目で再び同じ位置にナイスドロー。あのランバックを連続で決めるのはさすがに難しいだろうと思ったが、今度は先ほどより石1個分距離があるので、遅めのウェイトで直接テイクアウトするラインがあった。ぎりぎりガードをかわして、またも赤だけはじき出す。

 その後、試合は同点で最終の8エンド。同点で先攻の韓国はスチールするしかないが、韓国リード1投目でガードを置くはずの石がハウスに入ってしまう痛いミス。解説の市川美余からも「絶対にやってはいけないミスですね」と厳しくダメ出しされる。

 後攻SC軽井沢リード2投目。ウィックを狙った際の解説陣。

市川「良さそう。良さそうだけど……」
石崎琴美「ギリギリ、ナイ……ス。あー触った」
市川「あー惜しい。決まったと思いましたね」 

 しかし、リード1投目のミスはやはり痛く、SC軽井沢クラブが無難に1点を取って勝利。

男子決勝 チーム・キム - SC軽井沢クラブ
チーム名 H 1 2 3 4 5 6 7 8
チーム・キム   1 0 1 0 0 1 1 0 4
SC軽井沢クラブ 0 2 0 1 1 0 0 1 5

 というわけで、この大会は、PACCとは打って変わって男女とも日本の五輪代表チームが優勝するという結果に終わりました。日本で開催された大会なのでその分は差し引いてみるべきでしょうが、いい感じに仕上がっていそうで何よりです。平昌五輪でもこの調子でお願いします。

(コアキュゥト) Koaきゅぅと ミニカーリングベル (青)

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e-typingのショートカットキー一覧表(新下駄配列対応バージョン付)

 昨日に引き続き、「e-typing」 の話をもう一つ。

www.e-typing.ne.jp

 e-typingにはショートカットキーがいくつか用意されています。タイピングゲーム中はキーボードの上に手があるはずですから、いちいちマウスに触ることなくキーボードで操作すると快適度が上がります。e-typingのショートカットキーは以下の通りです。*1

e-typingショートカットキー一覧
【テーマ表示画面】 キー 新下駄:かな 新下駄:ローマ字
ローマ字表示 [R] - [V]る
かな表示 [K] [A]の [D]か
ビープ音 [S] [S]と [L]し
【タイピング画面】 キー 新下駄:かな 新下駄:ローマ字
開始 [スペース] [スペース] [スペース]
開始(LT機能)*2 [0]~[3] [0]~[3] [0]~[3]
開始(小書きのかな単独可)*3 [L] - [G]っ
中断 [Esc] [Esc] [Esc]
【結果表示画面】 キー 新下駄:かな 新下駄:ローマ字
ツイート*4 [W] [N]て [SN]わ
ミスだけ [M] [FK]も [X]ま
もう1回(リトライ) [R] [Z]す [V]る
登録 [T] [D]か [S]と
閉じる [Q] [M]た (なし)
結果画面の全体表示*5 [F] [E]は [RK]ふぃ
【ダイアログ】 キー 新下駄:かな 新下駄:ローマ字
はい [Y] [F]ん [DI]よ
いいえ [N] [DO]み [A]の
OK [O] [SJ]ら [S]と
  • 2020/12/03更新

 さて、ここから先がこの記事の核心です(^_^;)

 新下駄配列でe-typingをプレイしている人の中に、「新下駄配列でプレイしているとキーを入れ替えている状態になるのでショートカットキーが利かない」とお嘆きの方はいませんか? そんな事はありません。新下駄配列でプレイしていてもショートカットキーを使うことはできます。

 上の表に「新下駄(かな)」「新下駄(ローマ字)」という項目があります。これが新下駄配列でe-typingをプレイしている時のショートカットキーです。そのキーを押すとそのショートカットキーを押したことになります。

 具体的に書くと――例えば、新下駄配列では[Z]で「す」を入力します。「す」はかな入力では[R]で入力しますから、新下駄配列でe-typingのかなタイピングをプレイする時は、「す」を入力すると[R]が押されたことになります*6。つまり、[Z]を押すと[R]が押されたことになります。これはすべての入力で有効ですから、結果表示画面で[Z]を押すと[R]、すなわち「もう1回」のショートカットキーが押されたことになる――という仕組みです。

 まあ、こんな回りくどいことをしなくても、[Shift]を押しながら本来のショートカットキーを押せばそのショートカットは発動します(配列の実装方法にもよります)。とはいえ、たいていの場合は[Shift]を使うよりも新下駄配列でのショートカットの方が楽に押せると思います。よく使うものは覚えた方が良いでしょう。特に、「もう1回」の[Z]と、「登録」→「はい」→「OK」の[D]→[F]→[SJ]の流れは頻繁に使うので、覚えておく価値ありです。

 この記事、きっとこの情報が役に立つ人がいると信じて書いてます(^_^;)

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*1:テーマ表示画面でスタートボタンを押すショートカットが見つからないのだけど……。ないのでしょうか?

*2:開始時に押したキーの数字の回数を超えてミスすると強制終了となる。なぜ「LT機能」というのかは公式でも不明。

*3:ローマ字タイピングのみ。通常は、「っ」=LTU、「つぁ」=TULAなどの入力はできないが、それができるようになる。

*4:ブラウザのショートカットである「次のタブ」([Ctrl] + [Tab])や「タブを閉じる」([Ctrl] + [W])もあわせて使うと便利です。

*5:e-typing plus」を使用。

*6:そのような機能のあるアプリケーションを使うか(「姫踊子草」「DvorakJ」など)、そのように設定したファイルを使うか(「やまぶきR」「のどか」などの場合)して実現します。

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「e-typing」でスペースを押しすぎてもスクロールしない方法を発見した!

 2018年早々、大発見をしたので報告します!

 「e-typing」で、スペースキーを押した拍子に下の方にスクロールしてプレイ画面がウィンドウから外れてしまうという現象に悩んでいました。e-typingがスペースキーの入力を受け付けていないときにスペースキーを押すと、ブラウザにスペースキーの入力が伝わってスクロールしてしまう、ということだと思います*1

www.e-typing.ne.jp

 例えば、プレイ開始時に[スペース]を連打していると、1回目の入力はプレイ開始になるのでスクロールされませんが、2回目以降の入力はカウントダウン中なのでe-typingは[スペース]の入力を受け付けていません。よって、[スペース]がブラウザへのショートカットキーの入力になってどんどんスクロールしてしまう、という現象が発生します。

 「連打する方が悪い」と思うかもしれませんが、[スペース]を押すタイミングが早すぎて反応しないことがあるので、つい連打してしまいます。1回押してもなかなか始まらないのでもう1回押したら、実は1回目の入力が有効で処理がもたついてカウントダウンが始まらなかっただけだったのでスクロールしてしまうこともあるし(´・ω・`) スクロールしてしまうと、いちいち上にスクロールして位置を調節し直す必要がある。タイピングの興を削がれること甚だしい。

 しかし、この問題を解決する方法を発見しました。

 まず、e-typingのサイトで、[Tab]を何回か押してやりたいタイピングの開始ボタンにフォーカスを合わせます。フォーカスされたものは点線で囲まれるので、目的のボタンにフォーカスが合うまで[Tab]を押して点線を移動させます。[Tab]を押しすぎた時は[Shift] + [Tab]を押すと1つ前にフォーカスが戻ります。下の画像では「今すぐチェック!」ボタンにフォーカスが合った状態になっています。

e-typingのサイト 「今すぐチェック」が点線で囲まれている

 そして、目的のボタンにフォーカスを合わせたまま、[スペース]や[PageDown]などで一番下までスクロールさせます

e-typingのサイト それ以上スクロールしないまでスクロールさせる

 そして[Enter]を押します。先ほどフォーカスを合わせたタイピングが開きます。

一番下にスクロールした状態のまま「腕試しレベルチェック」を開いた状態

 この状態ならば、すでに一番下までスクロールされているので、スペースキーをいくら誤打してもスクロールすることはありません

 これだけなんですけどね(^_^;) でも、1月2日から開始のかなタイピング腕試しレベルチェックの「いろはかるた」でテーマ別自己記録を大幅に更新できたのは、この方法で快適にタイピングできるようになったお陰と言ってもいいでしょう。俺的には、2018年これ以上はないだろうという大発見でした。

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*1:ただし、環境によっては発生しないこともあるようです。自分が試したところでは、「Firefox」「Internet Explorer」「Microsoft Edge」では発生しましたが、「Google Chrome」では発生しませんでした。「Internet Explorer」でも昔は発生しなかったと思うのだけど……。2017年7月頃から突然発生するようになった。何がきっかけだったんだろう?