2017-2018年シーズンのこれまでのカーリングシーンを振り返る

 いよいよ平昌五輪が近づいてきました。自分が注目なのはもちろんカーリングです(他の競技も見るけど)。男子は長野以来20年ぶりの五輪出場、女子は長野五輪からずっと6回連続の五輪出場。男女ともに出場するのは嬉しいことですが、カーリングの試合は2時間半くらいかかるので見るのが大変です。日本戦だけでも予選9試合*2はある。もちろんタイブレークや決勝トーナメントもあるし、日本以外の試合もできるだけ見たい。これは大変だ。気合いを入れて計画的に見なければ(^_^;)

 というわけで、今シーズンのこれまでの試合で印象に残ったシーンを振り返って、気分を盛り上げておこうと思います。

平昌五輪カーリング女子代表決定戦

 女子は日本選手権を、2016年はLS北見、2017年は中部電力が優勝したため、2017年9月に両チームによる五輪代表決定戦が行われました。結果は3勝1敗でLS北見が制して五輪代表に決定。内容は、わりとLS北見が完勝というイメージでした。

 なお、男子はSC軽井沢クラブが2016・2017年と日本選手権を連覇していたため、代表決定戦なしで平昌五輪代表に決定しています。 

パシフィックアジアカーリング選手権2017

 2017年11月はパシフィックアジアカーリング選手権(PACC)が開催されました。女子はLS北見が臨んだのですが……、内容は冴えませんでした。大会全体で韓国には0勝3敗、中国には1勝2敗。結果は準優勝だったけれど、勝敗からは「アジア3位」というしかない。こんなことでは五輪メダルは遠いぞ。  

女子決勝 日本 - 韓国

 PACC2017 女子決勝 日本-韓国 4エンド 赤・後攻日本 スキップ2投目

 せっかくなので良かったシーンを1つ紹介します。女子決勝の4エンド、スコアは1-3とリードされた状況で、スキップ藤澤五月のラストストーン。ガードの後ろにある中央の黄をはじき出せないとスチールされる状況だったが、2つのガードの間をギリギリかわすテイクアウト。投げた石も残して2点を取る。平昌五輪ではこんなスーパーショットを連発してくれよ。

 男子の方は予選は8戦全勝でしたが、肝心の準決勝で韓国に負けて3位。ギリギリ世界選手権出場は確保しましたが、ちょっと不安の残る結果でした。

軽井沢国際カーリング選手権大会2017

 12月は軽井沢国際が行われました。ワールドカーリングツアーで唯一日本で開催される大会で、海外から有力選手も多数出場するので注目度が高い大会です。

女子予選 チーム・シドロワ(ロシア) - LS北見

軽井沢国際2017 女子予選 ロシア-LS北見 4エンド 黄・先攻LS北見 スキップ1投目

 4エンド。黄・先攻LS北見スキップ1投目。赤が中央に3つ。しかも1つは2つのガードの裏。黄に厳しい状況かと思ったが、LS北見のスキップ・藤澤五月はあざやかなトリプルテイクアウトを決める。

軽井沢国際2017 女子予選 ロシア-LS北見 4エンド 黄・先攻LS北見 スキップ2投目

 続いて、ロシアのスキップ、アンナ・シドロワ1投目は2つのガードの裏で黄にフリーズ。いい位置に置かれた。しかし、日本のスキップ藤澤五月の2投目はガードをギリギリかわして赤だけはじき出すテイクアウト。

 ま、この試合はLS北見が負けたのだけど。

女子予選 チーム・シドロワ - LS北見
チーム名 H 1 2 3 4 5 6 7 8
チーム・シドロワ   0 3 0 1 1 0 1 - 6
LS北見 1 0 2 0 0 1 0 - 4

 ところで、近年の五輪と世界選手権のロシア代表は、ずっとシドロワのチームが出場していましたが、今回の平昌五輪ではなんと国内予選で敗れて五輪出場を逃してしまいました。ドーピング問題で出場できるかどうか微妙だったのですが、その問題は乗り越えたと思ったら、こんな形で五輪出場を逃すとは……。ここ4年間の世界選手権では3位・3位・3位・2位で、今回こそ五輪メダルと思っていたでしょうに。

男子予選 チーム・ペッツ(スイス) - SC軽井沢クラブ

軽井沢国際2017 男子予選 スイス-SC軽井沢 7エンド 黄・後攻SC軽井沢 スキップ1投目

 4-4で迎えた第7エンド。赤にガードの後ろでナンバー2・3を作られているが、後攻SC軽井沢スキップ両角友佑の1投目、ダブルテイクアウトを決める。このエンド4点を取って試合を決める。

男子予選 チーム・ペッツ - SC軽井沢クラブ
チーム名 H 1 2 3 4 5 6 7 8
チーム・ペッツ   0 2 0 1 0 1 0 - 4
SC軽井沢クラブ 1 0 2 0 1 0 4 - 8

女子決勝 LS北見 - 中部電力

 女子決勝は日本勢対決。平昌五輪代表決定戦で対決した両チームが早くも再戦。

 第1エンド。先攻中部電力スキップ松村千秋の1投目。ガードから飛ばすダブルテイクアウトを決める。石郷岡が出るか出ないかギリギリの石に対して、「出ろ、出ろ」と言いながらブラシで仕草(相手の石なのでスイープできない)。解説は市川美余

実況「市川さん。中部電力の石郷岡選手、いま『出ろ、出ろ』って。よくご存じの選手だと思いますが」
市川「そうですね。彼女も、ちょっと天然なところがあるんですけど」

 試合ははLS北見の完勝。

女子決勝 LS北見 - 中部電力
チーム名 H 1 2 3 4 5 6 7 8
LS北見 2 0 2 0 2 0 4 - 10
中部電力   0 1 0 1 0 1 0 - 3

男子決勝 チーム・キム(韓国) - SC軽井沢クラブ

軽井沢国際2017 男子決勝 韓国-SC軽井沢 3エンド 黄・先攻SC軽井沢 スキップ1投目

 男子はSC軽井沢クラブが全勝で決勝進出。相手はPACCで優勝した韓国のチーム・キム。

 第3エンド。赤のサード2投目がナイスドロー。ガードの真裏でナンバー1といういい位置を取られた。しかし、黄・SC軽井沢のスキップ両角友佑は距離がある難しいランバックを完璧に決める。赤だけテイクアウトして黄色はそのまま。

軽井沢国際2017 男子決勝 韓国-SC軽井沢 3エンド 黄・先攻SC軽井沢 スキップ2投目

 赤のスキップ1投目で再び同じ位置にナイスドロー。あのランバックを連続で決めるのはさすがに難しいだろうと思ったが、今度は先ほどより石1個分距離があるので、遅めのウェイトで直接テイクアウトするラインがあった。ぎりぎりガードをかわして、またも赤だけはじき出す。

 その後、試合は同点で最終の8エンド。同点で先攻の韓国はスチールするしかないが、韓国リード1投目でガードを置くはずの石がハウスに入ってしまう痛いミス。解説の市川美余からも「絶対にやってはいけないミスですね」と厳しくダメ出しされる。

 後攻SC軽井沢リード2投目。ウィックを狙った際の解説陣。

市川「良さそう。良さそうだけど……」
石崎琴美「ギリギリ、ナイ……ス。あー触った」
市川「あー惜しい。決まったと思いましたね」 

 しかし、リード1投目のミスはやはり痛く、SC軽井沢クラブが無難に1点を取って勝利。

男子決勝 チーム・キム - SC軽井沢クラブ
チーム名 H 1 2 3 4 5 6 7 8
チーム・キム   1 0 1 0 0 1 1 0 4
SC軽井沢クラブ 0 2 0 1 1 0 0 1 5

 というわけで、この大会は、PACCとは打って変わって男女とも日本の五輪代表チームが優勝するという結果に終わりました。日本で開催された大会なのでその分は差し引いてみるべきでしょうが、いい感じに仕上がっていそうで何よりです。平昌五輪でもこの調子でお願いします。

(コアキュゥト) Koaきゅぅと ミニカーリングベル (青)

関連する記事

y-koutarou.hatenablog.com