2021年セ・リーグ首位打者争いの折れ線グラフ

※このページの折れ線グラフは随時更新していました。2021/11/2


本塁打王争いの折れ線グラフも作りました。

 今年のプロ野球セ・リーグはいつになく首位打者争いが熱い!

2021年セ・リーグ首位打者争い
(10月11日現在)
選手名 打率 残り試合 所属チーム
坂倉将吾 .323 12 広島
鈴木誠也 .318 12 広島
桑原将志 .316 10 横浜DeNA
近本光司 .310 11 阪神
佐野恵太 .303 10 横浜DeNA
オースティン .303 10 横浜DeNA

 9月7日に坂倉将吾が規定打席に到達して打率ランキングトップに躍り出たが、その途端に6試合連続無安打で急降下。オースティンが再度トップになったが、9月後半からこちらも急降下。昨年首位打者の佐野恵太はなかなか上げきれない。桑原将志、近本光司も打率をキープする中、実績は一番の鈴木誠也がジリジリと上げてきてやはり誠也かと思ったが、ここ数試合で坂倉将吾が一気に再浮上。坂倉将吾・鈴木誠也桑原将志・近本光司の4人の争いとなってきた感じもあるがどうなるか? というところです。

 というわけで、これまでどんな経過をたどってこうなったのか確認したくなったので、昨年の本塁打王グラフに引き続き、2021年セ・リーグ首位打者争いの折れ線グラフを作ってみました。なお、グラフには規定打席に到達していない部分も含んでいます。

docs.google.com

 上記のリンクから別ウィンドウで折れ線グラフを開いて、[F11]キーでブラウザを最大化して再読み込みするとより面白く見られると思います。

 打率なんて10試合あれば1分くらいは変わるし、本塁打などと違って上下するので、プラス・マイナス合わせればまだ2分くらいは逆転可能。まだまだ予断を許しません。

 ただ、近本光司以外は優勝にもAクラス争いにも絡んでいないチームなので、欠場だったり醜い敬遠合戦が始まったりしないかが心配なところ。記録は勝ちを追求したプレーの結果として生まれるからこそ価値がある。恣意的に操作して作られた記録など何の価値もない。プロ野球の価値を自ら下げるような行為は行われないと信じたいです。

参照したデータ

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『バルサスの要塞』の謎?

 『バルサスの要塞』の謎というか、『ファイティング・ファンタジー・コレクション』の『バルサスの要塞』をプレイした感想 & メモ集です。

 かなりネタバレなので未プレイの方は注意して下さい。

飲める液体?

 食料貯蔵庫でのイベント。97番で喉が渇いてしまって「液体で飲めるものが見つかるまで」技術点-1というシーンがあります。この液体は選択肢で存在している必要はなく、(液体が)「部屋に存在している記述があるだけでよい」という特殊な処理になっています。選択肢に関すること以外で文章を注意して読ませる面白い仕掛けです。

 ……と思ったのだけど、この処理があまりうまくいっていないような……。このあと飲める液体ってあまり出てこないんだよね。397番の監房の食事と、56番と242番のワインくらいしか見つからない。

 359番の完熟したトマトは喉を潤すほどでは……。13番のスープはとても飲む機会がない。235番の魔法の飲み薬をここで飲むのは? 下水はダメだよねえ……。

 58番の記念碑の杯は印象に残るシーンだがもちろんこれより前だし、385番のエールが喉が渇いた後は通らないシーンなのが惜しい。

 そう言えば、56番で意味ありげにワインの壜を持って行けるけど、この後使うシーンないですよね。

次に魔法を使う機会?

 何かと難しい処理の多い食料貯蔵庫。313番で〈沈黙の果実〉を食べたことにより「次の呪文の選択肢があっても無視する。その後、きみは正常に回復する」とありますが、これは「呪文を使うか?」という選択肢があれば回復するのか? それとも、具体的な呪文名が書かれた選択肢がある必要があるのか?

 この解釈はとても重要です。なぜなら、このあと監獄送りになった場合の生死に関わるからです。前者の解釈なら、397番で「この状況から脱出できそうな呪文をかけようとするか」を選択できない(193番に行けない)ことにより回復するので、このあと69番を経由して193番で呪文を使うことができます。ところが後者の解釈だと、193番で初めて呪文名の選択肢が登場するので、呪文を選べず283番のENDになってしまいます。*1

 さて、どちらの解釈が正しいのでしょうか?

オシェイマスの口調?

 『バルサスの要塞』で最も印象に残るシーンである(断言)210番、レプラコーンのオシェイマスとの出会い。社会思想社版では一人称が「あっし」だったのですが、『コレクション』版では「ぼく」になっています。

 これは思い切った変更。たしかに、オシェイマスはいたずら小僧のイメージで「ぼく」の方が自然というのは言われてみればそうですが。でも、「あっしはレプレコーンのオシェイマスでさ!」ゲームブック界の決まり文句だったからなあ……。

オシェイマスの論理クイズ?

 68番。3つの扉を前にして、オシェイマスに助言を頼んだ時の返答。

「銅の取っ手の左にある二つ目の扉は選ばないし、青銅の右手にあるやつも取らないよ」*2

 選択肢は真鍮・銅・青銅の3つ。

 ……いかにも論理クイズっぽい内容だが、よく考えると意味が分からない。そもそも3つの扉の並び順が書かれていないし。選択肢の順番だとしても、存在しない扉を指していることになったりして解釈のしようがない。実際、この選択って(2回とも)どれを選んでも大差ないし……。オシェイマスのいたずらの一環と考えるのが妥当か……。

魔法のお守りは……?

 102番で「斥候人」*3からもらえる〈光の宝石〉が埋め込まれた「魔法のお守り」。多くのプレイヤーが苦労するガンジーの部屋を通過できるアイテムで、要塞奥深くにある上に、いくつかの選択肢を経た上で意味ありげに渡されるので、いかにも重要アイテムだと思わせられます。

 しかし、実はここを通るともう一つの難関であるバルサスの部屋の回転錠の番号が入手できないというトラップルートでもあります。当時、これを先に見つけたが故に、このルートにこだわって苦労したプレイヤーは多かっただろうと推測します。

 というか、自分もこちらが正解ルートだと思っていたのだけど……。社会思想社版はクリアしたはずなのに、もう一つのガンジーの部屋の通過アイテムはまったく記憶から抜け落ちていた。『タイタンふたたび』の知識と混ざっていたのかもしれない。

魔法のお守りのお返し?

 もう一つ、魔法のお守りについて。

 102番で魔法のお守りをもらった際に、金貨か魔法の品*4を代わりに渡すように促されます。

 『コレクション』版ではお返しを渡さない場合は「お守りを相手に返して二七〇へ進む」と書いてあるのですが、社会思想社版では「お守りを相手に返して」という指示がないので、お返しをしなくても270番へ行けます。これは大きな違い。なんでこんな差が生じたんだろう?

 『コレクション』版の方がゲーム的には自然な処理だし、正しいのだと思うけど、社会思想社版の、何かお返しをしても(しかも、金貨をあげる場合と品物をあげる場合で経由するパラグラフが異なるという手の込んだ構成で)「君は友を得たのだ」となるだけ、という方が好きだなあ。

魔法合戦?

 バルサスとの戦いはこんなにパラグラフ数使ってたんですね。社会思想社版をプレイした時は記憶から抜け落ちていました。次々と魔法が飛びかい、目まぐるしく展開が変わる戦闘で、いかにも魔法使い同士の決戦という感じで格好いい。こんな名シーンがあったとは。と思って一つ一つパラグラフを追うフローチャートを作ってしまったのは前回書いたとおり。

y-koutarou.hatenablog.com しかし、この名シーンがゲーム上はあまり生かされていないのがもったいない。最善手(剣での戦いではなく)を選ぶと中盤パートをすっ飛ばして、大してパラグラフ数を通過せずに倒せるので、逆にあっさりとしたという印象さえありました。しかも、そんなに難しい選択ではないと思う。今回、『コレクション』版をプレイしたときも、一発でそのルートを通りました。その魔法が残っていれば比較的選びやすいルートじゃないかなあ。社会思想社版をプレイした時もそのルートを通ったから印象に残っていなかった気がする。

警報とは……?

 86番。冒頭の正門の衛兵との戦闘で《浮遊》を使うと要塞内に侵入できるが、以下のように警告されます。

しかし、気をつけよう!二体はきっと、要塞の衛兵に警報を伝えるだろう。

 いかにも、今後の展開が厳しくなるような書き方だが、しかし実際はこれによるペナルティはまったくない。こけおどしに過ぎない。技術点-1とかの処理があっても良かった気がするけど……。

携帯如意棒?

 272番。酒倉の黒エルフから入手できる〈携帯如意棒〉*5。面白そうなアイテムですが、活躍シーンはあまりない。ヒドラの部屋を抜けられる数少ないアイテムですが、成功率は3分の1で失敗するとEND。バルサスとの戦いでは技術点+4(!)の〈太陽の剣〉に変身しますが、これはゲームブック界随一のがっかりアイテムといっても良いでしょう。ミクにあげるのが一番の働き所という不遇のアイテム。

壜の中のクモ男?

 アイテムと言えば、印象深いのが89番で入手できるクモ男のはいった壜。入手するのに結構苦労する上、比較的通りやすいルートにあるので入手する機会が多く、使う機会も多いのですが、その使用機会すべてでまったく役に立たず、むしろマイナス効果のことが多いというとんでもないアイテム。つーか、そもそもこれって何なの?

空き項目?

 258番はどの番号からも来られない「空き項目」です。『火吹山の魔法使い』の192番も空き項目でしたが、『バルサス』の258番は他のパラグラフでは見ない描写がしっかり書かれているので興味深い。内容的には、3番に「他の物をあげるなら二五八へ」という指示があったのが削除されたと考えるのが妥当か?

誤植?

 35番と365番に〈幻覚〉と書かれているが、呪文の名前は《幻影》です。誤植だと思うけど、呪文名は二重山括弧なのに、〈幻覚〉は2箇所とも山括弧なのが気になる。

プレイ記録(Twitter

*1:呪文が使えないのは一時的なはずなのに、永久に監獄から脱出できないというのも理不尽ですが……。なお、監獄送りになった直後にカラコルムに話しかけると、どちらの解釈でも193番が最初の呪文を使う機会になるのでENDが確定してしまいます。

*2:ちなみに社会思想社版では「あっしなら銅の把手の扉から左へ二つ目の扉は避けるし、青銅の把手の右側のもやめとくな」となっている。

*3:社会思想社版では「付人」。

*4:「魔法の品」(「アーティファクト」とふりがなが振ってある)というのは、魔法と関係がある品という意味ではなく、単に冒険中に入手した品と解釈するのが妥当でしょう。社会思想社版では「他で見つけた品物」となっています

*5:社会思想社版では「携帯用万能棒」。

『バルサスの要塞』の手描き地図 & テキストマップ

 『ファイティング・ファンタジー・コレクション』の手描きマップ&テキストマップ。『火吹山の魔法使い』に引き続き、今回は『バルサスの要塞』のものを作ってみました。言うまでもなくややネタバレです。

手描き地図

 社会思想社版の文庫本を遊んだ時に作った手描きの地図です。『火吹山の魔法使い』と違って物理的な空間のつながりはわかりにくいので*1、イベントのつながりを重視して作りました。要塞に入ってから大食堂に至るまでの道のりは複雑でなかなか苦労した思い出。また、いま見るとやや間違っている部分があります(^_^;)

地図C:〈黒い塔〉

f:id:y_koutarou:20210920061959p:plain

バルサスの要塞』手描きマップC:黒い塔

地図B:要塞(地上・地下)

f:id:y_koutarou:20210920061849p:plain

バルサスの要塞』手描きマップB:要塞

地図A:中庭

f:id:y_koutarou:20210920061747p:plain

バルサスの要塞』手描きマップA:中庭

テキストマップ

 今回改めて作ったテキストマップです。こちらも空間のつながりよりイベントのつながり重視。手描きマップとは少し構成を変えて、要塞内部の1階部分と地下を分離しました。また、バルサス・ダイアとの戦いは、今回プレイし直してその展開の多様さに「こんなにパラグラフ数使っていたのか!」と驚いたので、1つ1つパラグラフを追う形でのフローチャートも作りました。

〈黒い塔〉

   ┏━━━━━┓ ┏━━━━━━━━━┓  
 ┌→┃374鉤爪獣 ┠→┃77バルサス・ダイア┃  
 │ ┗━━━━━┛ ┗━━━━━━━━━┛  
┏┷━━━━┓ ┏━━━━━┓         
┃229回転錠 ┃←┨328ヒドラ ┃         
┗━━━━━┛ ┗━━━━━┛         
           ↑     【〈黒い塔〉】
      ┏━━━━┷━┓          
    ┌→┃182ガンジー ┃←┐        
    │ ┗━━━━━━┛ │        
   ┏┷━━━┓  ┏━━━┷┓       
   ┃25島の箱┃←─┨104ミク ┃       
   ┗━━━━┛  ┗━━━━┛       
       ↑    ↑           
      ┏┷━━━━┷┓          
  ┌──→┃  140   ┃←────┐    
  │   ┗━━━━━━┛     │    
  │       ↑        │    
┏━┷━━┓ ┏━━┷━━┓ ┏━━━┷━━━┓
┃292奥方 ┠→┃64子供部屋┃←┨304ガーゴイル ┃
┗━━━┯┛ ┗━━━━━┛ ┗━━━━━━━┛
  ↑ │     ↑     ↑  ↑    
  │ └─────│─────┘  │    
  │   ┏━━━┷━━━┓    │    
  └───┨363バルコニー ┠────┘    
      ┗━━━━━━━┛         
          ↑ ┏━━━━━┓     
          └─┨169大食堂 ┃←※E   
            ┗━━━━━┛     

地下

      ┏━━━━━━┓      
   ※Eへ←┨257岩の怪物 ┃←※D    
      ┗━━━━━━┛      
          ↑         
        ┏━┷━┓       
   ┌───→┃ 367 ┃←──┐   
   │    ┗━━━┛   │   
   │      ↑     │   
┏━━┷━┓ ┏━━┷━━┓┏━┷━━┓
┃90洗濯女┃←┨386ロープ ┃┃144酒倉 ┃
┗━━━━┛ ┗━━━━━┛┗━━━━┛
   ↑      ↑     ↑   
   │    ┏━┷━━┓  │   
   └────┨188絶叫 ┠──┘   
        ┗━━━━┛      
          ↑         
      ┏━━━┷━━━━┓    
      ┃210レプラコーン ┃    
   ※B  ┗━━━━━━━━┛    
   ↓      ↑         
 ┏━━━━┓ ┏━┷━┓   【地下】
 ┃234監房 ┠→┃7・174┃←※C     
 ┗━━━━┛ ┗━━━┛       

要塞内部

   ┌───────→※Eへ ←──────┐   
   │     ↑      ↑     │   
┏━━┷━┓┏━━┷━━┓┏━━┷┓ ┏━━┷━━┓
┃52遊戯室┃┃132図書室 ┃┃13台所┃←┨281斥候人 ┃
┗┯━━━┛┗━━━━┯┛┗┯━━┛ ┗━━━━┯┛
 │ ↑     ↑ │  ↓ ↑     ↑ │ 
 │ │ ┏━┓ │ │ ※Dへ┏┷━━━━━┷┓│ 
 │ └─┨99┠─┘ │   ┃196食料貯蔵庫 ┃│ 
 │   ┗━┛   ↓   ┗━━━━━━━┛│ 
 └────↑───────────────↑→│ 
   ┏━━┷━━┓          ┏━┷┓│ 
   ┃352ガーク ┃┌─────────┨343 ┃│ 
   ┗━━━━┯┛│         ┗━━┛│ 
      ↑ └─↓───────────↑→│ 
【要塞内部】│ ┏━━┓   ┏━━━━━┓│ │ 
      └─┨243 ┠──→┃2殴り書き ┠┘ │ 
        ┗━━┛   ┗━━━━┯┛  │ 
    ※Cへ   ↑←──────┐ ↑└──→│ 
    ↑    │  ┌─────→│    │ 
   ┏┷━┓ ┏┷━━┷┓ ┏━┷━┷━┓  ↓ 
 ※A→┃177 ┠→┃5呼び鈴 ┠→┃316円盤人 ┃  ※Bへ
   ┗━━┛ ┗━━━━┛ ┗━━━━━┛    

中庭

    ※Aへ←┐               
    ┏━━┷━━━┓           
  ┌→┃218正面入口 ┃←──────┐   
  │ ┗━━━━━━┛       │   
┏━┷━━┓ ↑┏━━━━┓ ┏━━━┷━━┓
┃79木の実┃ └┨156触手 ┃┌┨245つむじ風 ┃
┗━━━━┛  ┗━━━━┛│┗━━━━━━┛
  ↑       ↑   ↓ ↑  ↑   
┏━┷━━┓  ┏━┷━━━━┓│┏━┷━━┓
┃14深い穴┃  ┃ 209記念碑 ┃│┃269短剣 ┃
┗━━━━┛  ┗━━━━━━┛│┗━━━━┛
  ↑       ↑  ↑  │ ↑  ↑ 
┏━┷━━━━┓┏━┷━┓│┏━┷━┷━┓│ 
┃222うめき声 ┃┃179矢 ┃└┨339焚き火 ┃│ 
┗━━━━━━┛┗━━━┛ ┗━━━━━┛│ 
  ↑       ↑      ↑   │ 
  │     ┏━┷━━┓ ┏━┷┓  │ 
  └─────┨251中庭 ┠→┃321 ┠──┘ 
        ┗━━━━┛ ┗━━┛    
   ┏━━━┓  ↑            
   ┃1正門 ┠──┘   【中庭】     
   ┗━━━┛               

バルサス・ダイアとの戦い《フローチャート

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃              400脱走について                ┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
   ↑     ↑                      ↑    ↑ 
┏━━┷━━┓┏━┷━┓┏━━┓┏━━┓ ┏━━┓     ┏━┷┓┏━━┷┓
┃337    ┃┃353  ┃┃208 ┃┃119 ┃←┨191 ┃←──┐ ┃124 ┃┃351  ┃
┃剣技の指輪┃┃光る剣┃┃● ┃┃● ┃ ┃複製┃   │ ┃陽光┃┃白兵戦┃
┗━━━━━┛┗━━━┛┗━━┛┗━━┛ ┗━━┛   │ ┗━━┛┗━━━┛
 ↑   ↑   ↑   ↑   ↑↑   ↑     │   ↑    ↑ 
 │   │   │  ┏┷━━┓││┏━━┷━━┓┏━┷━┓ │┏━━┓│ 
 │   │   │  ┃330  ┠┘│┃315    ┃┃76  ┃ │┃369 ┃│ 
┏┷━┓┏┷━┓ │  ┃クモ男┃ │┃携帯如意棒┃┃木の実┃ │┃● ┃│ 
┃381 ┃┃117 ┃ │  ┗━━━┛ │┗━━━━━┛┗━━━┛ │┗━━┛│ 
┗━━┛┗━━┛ │     ↑  │   ↑     ↑   │ ↑  │ 
 ↑   ↑   │    ┏┷━━┷━━━┷┓    │   │┏┷━┓│ 
 │   │ ┌─│───→┃  277     ┠────┘   │┃324 ┃│ 
 │   │ │ │┌──→┃  魔法の品  ┃←──────┐│┗━━┛│ 
 │   │ │┏┷┷━━┓┗━━━━━━━━┛       ││ ↑  │ 
┏┷━━━┷┓│┃44・274 ┃ ┏━━━━━━┓ ┏━━━┓ ┏┷┷━┷━┓│ 
┃ 318後ろ ┠┘┃ 武器棚 ┃ ┃335テーブル ┠→┃342● ┃ ┃  78窓  ┃│ 
┗━━━━━┛ ┗━━━━┛ ┗━━━━━━┛ ┗━━━┛ ┗━━━━━┛│ 
   ↑      ↑       ↑←───────────↑──┐↑ │ 
   │      │←──────│────────────│─┐││ │ 
   │     ┏┷━━━━━━━┷┓           │┏┷┷┷┓│ 
   └─────┨  279《浮遊》  ┠───────────┘┃ 12 ┃│ 
         ┗━━━━━━━━━┛            ┗━━━┛│ 
 ┏━━┓  ┏━━┓ ↑   ┏━━━┓  ┏━━┓  ┏━━━┓↑  │ 
 ┃65●┃←─┨155 ┃ │ ┌→┃199● ┃┌→┃72●┃┌→┃153● ┃│  │ 
 ┗━━┛  ┗━━┛ │ │ ┗━━━┛│ ┗━━┛│ ┗━━━┛│  │ 
   ↑     ↑  │ │    ┏━┷┓  ┏━┷┓ ┏━━━┷━┓│ 
   └───┐ │  │ │  ┌→┃232 ┠─→┃111 ┠→┃347銀の鏡 ┃│ 
┏━━━━┓┏┷━┷┓ │ │  │ ┗━━┛  ┗━━┛ ┗━━━━━┛│ 
┃148否● ┃┃256呑 ┃ │┏┷━━┷━━━━━━┓  ┏━━━━┓ ┌─→│ 
┗━━━━┛┗━━━┛ │┃157・48・80ゴルゴン ┃←─┨388・145┃ │┏━┷┓
 ↑↑┏━━━┓↑↑  │┗━━━━━━━━━━┛  ┗━━━━┛ │┃355 ┃
 │└┨358脅 ┠┘│  │ ↑  ↑        ┌───↑───┘┗━━┛
 │ ┗━━━┛ │  │ │┏━┷━━┓ ┏━━━┷┓ ┏┷━━━━┓ ↑ 
 └──┐↑┌──┘  │ │┃332   ┃←┨320   ┠→┃113    ┃ │ 
   ┏┷┷┷━┓   │ │┃《幻影》┃ ┃《心話》┃ ┃《弱体化》┃ │ 
 ┌→┃373返事 ┃←┐ │ │┗━━━━┛ ┗━━━━┛ ┗━━━━━┛ │ 
 │ ┗━━━━┛ │ │ │  ↑      ↑       ↑  ┌→│ 
┏┷━━━━━┓┏━┷┓│ │ ┏┷━━━━━━┷━━━━━━━┷━━┷┓│ 
┃314《幻影》 ┃┃115 ┃│ │ ┃       377次の攻撃       ┃│ 
┗━━━━━━┛┗━━┛│ │ ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛│ 
 ↑        ↑ │┏┷━━━━━━┓ ↑   ┏━━━━┓  ↑ │ 
 │  ┏━━━━━┷┓│┃349      ┃┏┷━┓ ┃46   ┃ ┏┷┓│ 
 └──┨187《心話》 ┠┘┃《魔物写し身》┃┃195 ┃←┨《火炎》┠→┃74┃│ 
    ┗━━━━━━┛ ┗━━━━━━━┛┗━━┛ ┗━━━━┛ ┗━┛│ 
       ↑         ↑           ↑       │ 
┏━━━━━━┷━━━━━━━━━┷━━━━━━━━━━━┷━━━━━━━┷┓
┃              77バルサス・ダイア              ┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛

バルサスの要塞』の構成について思ったこと

注意:以下、地図以上にネタバレです。

 テキストマップを作ってみて改めて思ったのですが、任務達成までの道のりの長さが選択によってかなり変わるんですね。『火吹山の魔法使い』では、大きな分岐があるのは4つのパートのうちの2つ目と3つ目ですが、どの道を選んでも全体の道のりの長さはあまり変わりませんでした。

 『バルサスの要塞』では、中庭部分は、「焚き火」を通るかどうかで変わるし、「つむじ風」まで行ってから「記念碑」に行くルートがある。イベント数は最短で行けば2つですが、最長だと「焚き火」→「短剣」→「つむじ風」→「記念碑」→「触手」と5つのイベントに遭遇します。

 もっと大きく変わるのが要塞内部の「大食堂」までの道のり。地上部分だけ、あるいは最初から地下に行くとイベント数3つくらいで「大食堂」までたどり着きますが、地上部分から「監房」送りになって地下に行くルートがあります。地上の後半で監房に落ちると(しかも、わりとそうなりやすい)「地上」+「監房」+「地下」になるので、イベント数は倍以上になることもあります。FFシリーズ2作目にしてこんな大胆な作りだったのか。

 バルサス・ダイアとの戦いでも、《心話》→《浮遊》と使うとあっさり後半パートまで行けるのに対し、《魔物写し身》を使うとゴルゴンパート、《火炎》を使うとさらに一展開あった後にゴルゴンパートに行って、そこをクリアして(結構厳しい)やっと後半パートにたどり着くので、選択によって長さがだいぶ変わる。返事パートや魔法の品パートがデッドエンドブロックになっているのも特徴*2スティーブ・ジャクソン(英)のデッドエンドブロックと言えば『地獄の館』と『モンスター誕生』だと思っていましたが、この頃からすでにその片鱗は見せていたのですね……。*3

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*1:

そう言えば、AFFリプレイ『タイタンふたたび』に「バルサスの要塞」の空間のつながりがわかる地図が載っていました。リプレイには登場しない地下部分の地図もちゃんと載っている。「こんな作りになっていたのか」と感心しましたが、同時に「こんなのわからないよなあ」と思ったのを思い出しました。

*2:〈太陽の剣〉とは何だったのか……。

*3:でも、白兵戦で最短で勝てるチャンスがあるところにまだ優しさを感じます(^_^;) 技術点11以上あればチャンスある。魔法の投げ短剣(敵の体力点-2)とオシェイマスの剣(攻撃力+1)を持ってチャレンジ!(魔法の胸甲(敵の攻撃力-2)があるともっと良いですが……)

ゲームブックのパラパラサイコロは本当にランダムか?

 『ファイティング・ファンタジー・コレクション』を少しずつプレイしています。前も書いたとおり、1冊ごとの重さはそれほどでもないので、主に外出時に少しずつ、ケータイでメモを取りながらプレイしています。

 外で遊ぶ場合、サイコロを振るスペースがない場合が多いので、サイコロの代わりにページ下部に印刷されている「パラパラサイコロ」を使うことになります。各本の「冒険のはじめ方」に次のように書かれています。

手元にサイコロがなければ、サイコロのペアが本書の下部に書かれている。本をぱらぱらとめくり、どこかのページで止めるとランダムにサイコロを振った結果を出すことができる。サイコロを一個だけ振る場合も、印刷されたサイコロの最初の目だけを採用すること。二個振る場合、サイコロ二個を合計する。

 ゲームブックではおなじみの手法ですが、この「パラパラサイコロ」は実際にサイコロを振るのと同じ確率の結果が得らているのか?という疑問が浮かびました。サイコロを2個振った場合の出目は6*6=36通りあります。よって、少なくとも36ページからランダムに選ばれる必要があります。パラパラとてきとうにめくった結果、36ページもの中から選ばれているでしょうか? そもそも、サイコロは確率通り均等に印刷されているのか?

 というわけで調べてみました。

パラパラサイコロの出目の印刷は均等か?

 まず、『ファイティング・ファンタジー・コレクション』の各本に印刷されているパラパラサイコロの出目をすべて書き出して、2つの目の組み合わせの出現数を数えてみました。

各本の2つの目の出現数

2つの目の出現数『火吹山』

1 2 3 4 5 6
1 3 3 3 3 3 3 18
2 3 4 3 3 3 3 19
3 3 3 3 3 3 3 18
4 3 2 3 3 3 3 17
5 3 3 3 3 3 3 18
6 3 3 3 3 3 3 18
18 18 18 18 18 18 108
2つの目の出現数『バルサス』

1 2 3 4 5 6
1 3 3 3 3 3 3 18
2 3 3 3 3 3 3 18
3 3 3 3 3 3 3 18
4 3 3 3 3 3 3 18
5 3 3 3 3 3 3 18
6 3 3 3 3 3 3 18
18 18 18 18 18 18 108
2つの目の出現数『盗賊都市』

1 2 3 4 5 6
1 3 3 3 2 4 3 18
2 3 3 3 3 3 2 17
3 3 3 3 3 4 4 20
4 3 3 3 3 4 3 19
5 3 3 2 3 2 3 16
6 3 3 3 3 3 3 18
18 18 17 17 20 18 108
2つの目の出現数『モンスター誕生』

1 2 3 4 5 6
1 4 4 4 4 4 4 24
2 4 5 3 4 4 4 24
3 4 4 4 4 4 4 24
4 4 4 4 4 4 4 24
5 4 4 4 4 4 4 24
6 4 4 4 4 4 4 24
24 25 23 24 24 24 144
2つの目の出現数『火吹山ふたたび』

1 2 3 4 5 6
1 3 2 5 2 2 3 17
2 4 2 3 5 1 3 18
3 1 3 2 4 3 2 15
4 4 3 2 3 4 3 19
5 3 2 2 3 4 2 16
6 2 2 2 3 3 3 15
17 14 16 20 17 16 100

 ご覧の通り、2つの目の組み合わせは、各本ともほぼきれいに均等に印刷されていることが分かります。『火吹山の魔法使いふたたび』だけ少し偏りがありますが、まあいいでしょう。*1

左の目と右の目の出現数

左の目と右の目の出現数
火吹山 バルサ 盗賊都市 モンスター誕生 ふたたび
 
1 18 18 18 18 18 18 24 24 17 17
2 19 18 18 18 17 18 24 25 18 14
3 18 18 18 18 20 17 24 23 15 16
4 17 18 18 18 19 17 24 24 19 20
5 18 18 18 18 16 20 24 24 16 17
6 18 18 18 18 18 18 24 24 15 16

 片方の目だけを使う場合もあるので、左右個々の目の出現数もまとめておきます。言うまでもなく、各目(1~6)の出る確率はすべて1/6(約16.7%)で同じです。各本ともほぼ均等に印刷されていることが分かります。

2つの目の合計の出現率

2つの目の合計数の出現数・出現率
本来 火吹山 バルサ 盗賊都市 モンスター誕生 ふたたび
2 2.8% 3 2.8% 3 2.8% 3 2.8% 4 2.8% 3 3.0%
3 5.6% 6 5.6% 6 5.6% 6 5.6% 8 5.6% 6 6.0%
4 8.3% 10 9.3% 9 8.3% 9 8.3% 13 9.0% 8 8.0%
5 11.1% 12 11.1% 12 11.1% 11 10.2% 15 10.4% 12 12.0%
6 13.9% 14 13.0% 15 13.9% 16 14.8% 20 13.9% 15 15.0%
7 16.7% 18 16.7% 18 16.7% 18 16.7% 24 16.7% 14 14.0%
8 13.9% 15 13.9% 15 13.9% 14 13.0% 20 13.9% 13 13.0%
9 11.1% 12 11.1% 12 11.1% 14 13.0% 16 11.1% 11 11.0%
10 8.3% 9 8.3% 9 8.3% 8 7.4% 12 8.3% 10 10.0%
11 5.6% 6 5.6% 6 5.6% 6 5.6% 8 5.6% 5 5.0%
12 2.8% 3 2.8% 3 2.8% 3 2.8% 4 2.8% 3 3.0%

 FFルールでよく使うのはサイコロ2個の合計なので、この表が一番重要です。

 2つの目の合計は2~12ですが、各数が出る確率は同じではありません。2つのサイコロの出目の組み合わせは36通りあります。2が出るのは2つのサイコロが「1・1」の場合の1通りしかないので1/36(約2.8%)です。7は「1・6」「2・5」「3・4」「4・3」「5・2」「6・1」の6通りあるので6/36(約16.7%)となります。2つの目の合計は7が出る確率が一番高く、7から離れるほど確率は低くなります。表の左端の縦に本来の確率を入れました。

 サイコロを複数振る場合は、この確率の構造が再現されているかどうかが重要です。各本とも多少の違いはあれど、おおむね本来の確率に近い数字になっています。ファイティング・ファンタジー・コレクション』のパラパラサイコロは、きちんとサイコロを2個振る場合の特徴を再現した印刷になっていると言えます。

パラパラサイコロを実際に振ってみた結果

 しかし、パラパラサイコロが実用に耐えるかどうかは、印刷されている目を見ただけでは不十分です。印刷は均等でも、実際にパラパラめくった場合は偏るということも考えられます。

「指を挟んだまま」か「本を閉じてからめくる」か

 というわけで、『ファイティング・ファンタジー・コレクション』の『火吹山の魔法使い』を使って、実際にパラパラサイコロを振ってみました。

 パラパラサイコロ振る方法は、2通りの方法を別々に集計しました。1つは、右ページのパラグラフ番号303のページに左手の指を挟んだ状態で、残ったページを右手で、ばらけるようになど意識せずてきとうにめくる。もう1つは、いったん本を閉じて、できるだけページがばらけるように意識してめくる、というものです。各方法で100回めくってみました。

実際に振った2つの目の出現数
(指を挟んだままてきとうに)

1 2 3 4 5 6
1 0 0 4 0 0 10 14
2 0 0 5 8 11 8 32
3 2 0 14 5 2 4 27
4 2 1 1 6 1 0 11
5 1 0 3 2 0 10 16
6 0 0 0 0 0 0 0
5 1 27 21 14 32 100
実際に振った2つの目の出現数
(本を閉じてばらけるように)

1 2 3 4 5 6
1 1 4 1 3 3 4 16
2 0 3 4 2 1 3 13
3 6 1 7 3 4 1 22
4 2 1 4 1 3 2 13
5 0 1 6 5 1 5 18
6 3 3 5 2 2 3 18
12 13 27 16 14 18 100

 指を挟んだままてきとうにめくった場合は、かなり偏ることが分かります。パラパラサイコロを振ったのは100回ですが、出たページは23種類しかありませんでした。これでは偏るのも当たり前です。

 一方、本を閉じてばらけるようにめくった場合は、偏りはあるものの、てきとうにめくった場合の比べると偏りは少ないです。出たページは59種類でした。

 そして、現実のサイコロを振った場合でも均等に出るわけないなと思ったので、どれくらい偏るのか現実のサイコロを100回振って出目を調べてみました。左右は、振った結果少しでも左側に止まったサイコロの方を左の目ということにしました。

現実のサイコロ

1 2 3 4 5 6
1 1 1 4 2 1 4 13
2 6 1 2 1 4 4 18
3 3 4 4 1 4 3 19
4 3 5 3 3 2 2 18
5 4 1 2 2 2 4 15
6 3 3 4 2 3 2 17
20 15 19 11 16 19 100

 こんな感じ。36通りすべての目が出るなど思ったより偏らなかったという感じがします。まあ、100回くらいではやるたびに結果は変わると思います。

実際にめくった場合の左の目と右の目の出現数

実際にめくった場合の左の目と右の目の出現数
指を挟んだままてきとうに 本を閉じてばらけるように 現実のサイコロ
 
1 14 5 16 12 13 20
2 32 1 13 13 18 15
3 27 27 22 27 19 19
4 11 21 13 16 18 11
5 16 14 18 14 15 16
6 0 32 18 18 17 19

 目を覆うような結果です。指を挟んだままてきとうにめくった場合は、左の目は100回振って6が1回も出ていないなど、ひどい偏りがあります。とても看過できるものではありません。

 本を閉じてばらけるようにめくった場合は、それと比べると比較的均等に出ています。現実のサイコロと遜色ありません。

実際にめくった場合の2つの目の合計の出現率

実際にめくった場合の2つの目の合計の出現数・出現率
本来 指を挟んだままてきとう 本を閉じてばらける 現実のサイコロ
2 2.8% 0 0.0% 1 1.0% 1 1.0%
3 5.6% 0 0.0% 4 4.0% 7 7.0%
4 8.3% 6 6.0% 10 10.0% 8 8.0%
5 11.1% 7 7.0% 10 10.0% 11 11.0%
6 13.9% 24 24.0% 13 13.0% 15 15.0%
7 16.7% 27 27.0% 16 16.0% 16 16.0%
8 13.9% 19 19.0% 17 17.0% 16 16.0%
9 11.1% 7 7.0% 14 14.0% 11 11.0%
10 8.3% 0 0.0% 5 5.0% 6 6.0%
11 5.6% 10 10.0% 7 7.0% 7 7.0%
12 2.8% 0 0.0% 3 3.0% 2 2.0%

 こちらも、指を挟んだままてきとうにめくった場合はひどい結果。特に10が0回、11が10回というのがひどすぎます。表の左端の「本来」の確率と比べると、本来の確率からかけ離れているのが分かります。

 本を閉じてばらけるようにめくった場合、多少偏りはあるものの、1回も出なかった数はないなど、ある程度本来の確率に近い結果が出ています。現実のサイコロと大差ありません。

本を閉じてからパラパラサイコロを振ろう

 調べた結果をまとめると、次のようになります。

  1. ファイティング・ファンタジー・コレクション』のパラパラサイコロは、ほぼ本来のサイコロ2個振りの確率通りに印刷されている。
  2. 指を挟んだ状態でてきとうにめくると、出目は極端に偏る。
  3. いったん本を閉じて、できるだけばらけるようにめくれば、実際にサイコロを振った時に近い結果が得られる。

 というわけで、いったん本を閉じて全ページ出る可能性がある状態にして、できるだけ止める場所が偏らないようにしてパラパラサイコロを振るのが重要という結果になりました。それでも、「どの辺をで止めるか」を意識してしまうととうてい1/36の確率は実現できないと思います*3が、「自分の意識の中でできるだけランダムで止める」ということでいいでしょう。一人用のゲームでのことですから。

 実は、自分は今まで「指を挟んだままてきとう」に近いスタイルでパラパラサイコロを振ってました。やっぱり、その戦闘が起こっているパラグラフから指を離したくないよね*4。でも、それは確率的にとんでもないことを引き起こしているということが今回の調査で分かりました。これからは、パラパラサイコロを振る際は、現在のパラグラフは覚えておいて、一回本を閉じてからめくろう、と反省しました。

 それと、パラパラサイコロを使う場合の問題点として、「本に開くクセが付いてしまって特定のページが出やすくなってしまう」というものがあります。今回実際にパラパラサイコロを振ってみた『火吹山の魔法使いファイティング・ファンタジー・コレクション版)』は自分はけっこうやり込んだあとでしたが、その現象は見られませんでした。とはいえ、もっと読み込んだ本だとこの現象が起こることもあります。この現象は、パラパラサイコロを使う限り避けらないと思います。やはり理想は現実のサイコロを使うことでしょう。

 自分も、自宅などスペース+音に配慮する必要がない時は現実のサイコロを使います。前にバックギャモンの大会に参加した時に買ったプレシジョンダイスがあるので、それを使っています。やっぱり現実のサイコロを使った方が結果に納得感があるよね(^_^;) サイコロ振るのが楽しいし。

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*1:どうも『火吹山の魔法使いふたたび』だけパラパラサイコロの印刷が不自然な気がする。他の4冊は印刷されている数が108または144というのは36の倍数なのに、『火吹山の魔法使いふたたび』だけ100で終わっている。まだページはあるのに……。誤植じゃないの?

*2:リンク先の「パラグラフ」は、めくった結果の右のページの最初のパラグラフ番号です。『ファイティング・ファンタジー・コレクション』は本編の部分にはページ番号が書かれていないので。

*3:偏る可能性もありますし、逆にばらけて止めるように意識するあまり、現実のサイコロより均等に出過ぎてしまうという可能性もあります。

*4:ひどい時だと、他のパラグラフにも指が挟まっていることも……(..;

『火吹山の魔法使い』を改造する遊び方

 この記事、「それぞれの遊び方の展開と難度」以下は完全にネタバレになるので、一番言いたいことであるこの記事の最終段落を先に引用しておきます。

 推奨能力値は、《ウォーロック版改造》・《非公式改造コード版》ともに

  • 技術点 7点
  • 体力点 24点
  • 運点 11点

とします。これでギリギリの勝負になると思う。技術点7での戦闘を、サイコロ運と運だめしを駆使して切り抜けるのはなかなかの味。オススメです。

ウォーロック版改造》と《非公式改造コード版》

 前回の記事でも少し触れましたが、元の『火吹山の魔法使い』(以下《原版》と呼びます)を少し改造するという遊び方をTwitter経由で知りました。しかも2種類。

 一つは、雑誌『ウォーロック』の第1号と第2号にに分割されて掲載された「火吹山の魔法使い」を元にしたもの。内容はほとんど《原版》と同じですが、少しだけ異なる部分があって、その結果クリアまでの道のりは《原版》とはかなり異なるものとなります。《原版》の一部を書き換えて、その「ウォーロック版」になるように改造するという遊び方です(以下、《ウォーロック版改造》と呼びます)。

ウォーロック版改造》の変更内容
パラグラフ 変更内容
75 鍵の数字を99に変更
145 鍵を金貨6枚に変更
186 行き先を182に変更
200 行き先を198に変更
201 青銅色の鍵125を追加
203 銅色の鍵111を追加
288 行き先を169に変更
302 行き先を182に変更
321 行き先を182に変更
322 鍵を銀の投げ矢に変更
335 行き先を198に変更
361 鍵の数字を66に変更

 もう一つが、それと同じ手段で作られた、《ウォーロック版改造》と異なる改造です(以下《非公式改造コード版》と呼びます)。

 これで、《原版》の『火吹山の魔法使い』とはひと味違った冒険が楽しめます。

 なお、これらの改造をするためには本に書き込みをするなどする必要があります。自分は本に直接書き込みます。あとで消せるようにエンピツで。本は、汚して、折って、書き込んで読むもの。だから紙の本を買う価値がある。

それぞれの遊び方の展開と難度

注意! 以下、完全にネタバレです。

 自分のプレイ経験を踏まえて、それぞれの版がどのような展開になるか、どのくらいの難度が見込まれるかを書いておきます。

《原版》

 『火吹山の魔法使い』を改めてプレイして思ったのが、鉄のサイクロプス戦が――ここだけが――厳し過ぎる、ということです。

 最初の作品だし、有名な「真の道」*1の記述――

ただ一つの真の道の危険度は最小限で、どんな人でも、最初のサイコロの目がどんなに悪くてもかなり楽に通り抜けられる。

――の印象が強かったので、能力値がかなり低くてもクリアできると思い込んでいました。しかし、クリアとなると技術点10・体力点10の鉄のサイクロプスに自力で勝つ必要があります。技術点が最低9・できれば10以上ないとかなりきつい。

 逆に、鉄のサイクロプスさえ倒せれば、ほかの強敵は、技術点7・体力点6他のゾンビ軍団と、技術点9・体力点9のミノタウロス(その前に原技術点+2の魔法の鋼の剣を入手できる)くらい。ドラゴン・魔法使いは瞬殺できるし、ヴァンパイア・ワイト・グールなどとは戦う必要がないので、技術点7でも十分いけます。むしろ、技術点9や10以上あると楽勝すぎてつまらない。鉄のサイクロプスのバランスの悪さが際立っています。ここさえなんとかできれば「真の道」も本当のことになっていたのに……惜しい。

 まあ、「真の道」の記述は宝箱にたどり着くまでの話、と解釈するのが妥当でしょう。宝箱にたどり着くだけなら技術点7・体力点14・運点7でもいける。複数回プレイ前提のゲームなので、何回もキャラを作り直してプレイして「たった一つの道」を探し出して、技術点10以上が出た時にクリアを狙うというのが想定された遊び方なのでしょう。

ウォーロック版改造》

 正しい鍵の場所が異なるので、鉄のサイクロプスに勝つ必要がない。《原版》より技術点が低くてもクリアできる可能性は高まります。技術点は8あれば十分(9以上は楽勝)。しかし、技術点7だとなかなかスリリングです。

 最大の難関は地底川を渡った直後。技術点7・体力点6のヘルハウンド、技術点8・体力点8の人狼、技術点7・体力点6他のゾンビ軍団を連破する必要があります。今まであまり気にしたことがなかった、ゾンビの部屋に入る時の体力点-2もけっこう痛い。

 さらに、その後も体力点回復手段があまりないので、技術点9・体力点9のミノタウロスに勝つためには、ケインレッシュ・マの聖水が必要になる可能性が高いです。つまり、体力点が減った状態で、技術点8・体力点7のグールに勝つ必要があります(原技術点+2の魔法の鋼の剣は入手済み)。

 地底川を渡った直後からグール戦まで、体力点24で、こちらの攻撃が当たった時の運だめしは全部成功する前提でも、体力点が残るかどうかギリギリのラインとなります。

 ポイントは、川渡りの時に体力点を最大まで回復させること。「泳ぐ」を選択して、直後の体力チェックに失敗すればすぐに戻って食事が取れるし、成功してもピラニア(技術点5・体力点5)に向かって勝てば戻って食事が取れる。これで食事を繰り返して体力点を回復させます。

 なお、開始時に体力のポーションを選択すれば体力点は楽になりますが、それはできません。金の鍵を取る時の技術チェックに失敗(技術点7だと41.7%)すると技術点-2を食らう。これは致命的。よって、このフォローのため技術のポーションを選択せざるを得ません。

 魔法使い戦は、〈サイクロプスの瞳〉は入手できません。運だめしでも勝てますが、運だめしには失敗する前提で、ここはぜひ〈不可視のポーションで勝ってほしいな。ほかのルートではあまり使わない手段だし。

《非公式改造コード版》

 《原版》とも《ウォーロック版改造》とも異なるルートになります。どちらかというと《ウォーロック版改造》の方に似ています。技術点8あれば十分ですが、7だとギリギリなのは共通。鉄のサイクロプスに勝つ必要がない点や、川渡りで食事する機会を何度も得て体力回復、金の鍵取得時の技術点マイナスに備えて技術のポーションを選択するのも同じ。

 ヘルハウンドと人狼に勝つ必要がないので、後半は《ウォーロック版改造》よりだいぶ楽(ゾンビに勝って魔法の鋼の剣を入手する必要があるのは同じ)。

 厳しいのは前半、技術点8・体力点10のオーガーに勝つ必要があるところ。体力点が十分にあれば勝てますが、この前に体力点回復ポイントがほとんどないのがつらい。オークやゴブリン相手にそんなに体力点減るか?と思うかもしれませんが、こちらは技術点7なので少しは削られるし、技術点7・体力点6のオークの族長が強敵。箱の罠の体力点-1Dも痛烈。

 よって、〈不可視のポーション〉は取りに行かず、体力点を温存した方が良いと思います。魔法使い戦が運だめし一発頼みになってしまうのが美しくないですが、仕方がありません。*2


 推奨能力値は、《ウォーロック版改造》・《非公式改造コード版》ともに

  • 技術点 7点
  • 体力点 24点
  • 運点 11点*3

とします。これでギリギリの勝負になると思う。技術点7での戦闘を、サイコロ運と運だめしを駆使して切り抜けるのはなかなかの味。オススメです。

プレイ記録(Twitter

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*1:コレクション版では「たった一つの道」。

*2:オークの族長戦後に食堂で体力回復を狙う(食事と合わせて9点回復可能)手もあるが、逆に減ってしまう可能性もあるのでリスキー。魔法使い戦の運だめし成功に賭ける方が有利だと思う。

*3:運点は12点でもいいかもしれないけど、魔法使い戦が運だめしで必勝になってしまうのが美しくないなあ……と。