Windows 7以降の『拡大鏡』は生まれ変わっていた

 VistaからWindows 10に移行したら、『拡大鏡』がとても使いやすいアプリケーションに変身していることに驚きました。少し調べてみると、Windows 7からそうなっていたようです。これを知っていればもっと早くVistaから乗り換えていたかも?と思うくらい便利です。

生まれ変わった『拡大鏡

 『拡大鏡』自体は古くからWindowsに標準で搭載されているアプリケーションですが、昔は画面の一部を使って拡大部分を表示する方式でした。表示できる面積が少なかったし、表示部を辺に固定するとウィンドウのサイズが変わってしまったり、デスクトップのアイコンが移動してしまったりするなどの副作用があり、使いにくいアプリケーションでした。

 Windows 7以降は画面全体が拡大される方式が採用され、ディスプレイ全面を使って拡大できます。起動も終了もショートカットキー一発で、副作用も特にありません。便利に気軽に使えるアプリケーションに生まれ変わっています。

『拡大鏡』のショートカットキー

 『拡大鏡』を使う際は、ショートカットキーを使うと便利度がさらに上がります。特に覚えておきたいショートカットは次の通りです。

[Windows] + [Esc]:拡大鏡を終了する
一番最初に覚えておくべきショートカット。間違って『拡大鏡』を起動してしまったときのためにも覚えておきたい。
[Windows] + [;]:拡大鏡を開始する
[;](セミコロン)は[Shift]を押しながら押すと「+」を入力するキーですが、[Shift]は押さなくてもOK。また、[Num+](テンキーの[+])でも可。
[Windows] + [;]・[-]:表示を拡大・縮小する
起動したら、あとはこれらのキーで拡大・縮小も自由自在。これも、[Num+]・[Num-](テンキーの[+]・[-])でも可。
[Ctrl] + [Alt] + [方向キー]:表示領域を移動する
重要。拡大範囲の位置調節は、マウスを使うよりもこのキー操作を使う方がびしっと決まります。ただし、環境によってはこのショートカットは「画面の回転」が優先されてしまいます。あらかじめ画面の向きを変えるホットキーを無効にしておきましょう。

 その他にもショートカットがいくつかありますので、以下のページを紹介します。

『拡大鏡』の使い方のコツ

 自分が使っていて思った『拡大鏡』の使い方のコツをいくつか。

「拡大/縮小によって画面表示が変更される部分の割合」は25%に

 オプションの「拡大/縮小によって画面表示が変更される部分の割合」で、一度にどれくらい拡大・縮小できるかを設定できます。最小の25%にした方が拡大率を微調整できるので良いと思います。

※バージョン1709から最小5%になりました。

「マウス ポインターの動きを追う」は外す

拡大鏡のオプションウィンドウ 拡大/縮小によって画面表示が変更される部分の割合 ほか

 オプションの「追跡」は、初期設定では「マウス ポインターの動きを追う」になっていますが、マウスによる位置調整は意外とやりにくいです。また、不意にマウスを動かしてしまってせっかく微調整した拡大位置がずれてしまうこともあります。位置調整は先ほど紹介した[Ctrl] + [Alt] + [方向キー]でやることにして、「マウス ポインターの動きを追う」のチェックは外した方が扱いやすいと思います。

 自分は「テキスト挿入位置に拡大鏡を合わせる」だけにチェックを入れています。3つとも外したいくらいなのだけど、3つとも外そうとすると、ご丁寧に「追跡オプションを少なくとも1つ選択する必要があります。」と怒られます。外せても問題ないと思うのだけど……。

※バージョン1709からすべて外せるようになりました。

ウィンドウの位置を調節する手もある

 位置調整は、『拡大鏡』での表示領域を調節するより、ウィンドウの位置を調節した方が楽な場合もあります。このとき、キーボードでウィンドウの位置を移動する方法を覚えておくと、タイトルバーが隠れてしまった場合でも移動できるので便利です。

  • ウィンドウの移動のショートカット
    [Alt] + [Space] → [M] → [方向キー]
    ※カーソルキーを押した後はマウス移動でも動かせます。

拡大しすぎると見づらくなる?

 これは環境や個人の感覚による部分が大きいと思いますが、目的のウィンドウなどを拡大しすぎると視線の移動が多くなってかえって見づらいと感じることがあります。ディスプレイいっぱいに拡大することにこだわらず、自分が見やすいと感じる程度の拡大を心がけた方が良い気がします。

ブラウザなら[Ctrl] + [;]・[-]の方が楽

 なお、ブラウザの表示だけ拡大できればいい場合は、『拡大鏡』を使うまでもなく、ブラウザ自体の拡大縮小機能を使う方が便利だと思います。

 操作は『拡大鏡』と似ています。フルキー側、テンキー側どちらでも有効です。『Microsoft Edge』『Internet Explorer』『Mozilla Firefox』『Google Chrome』でほぼ共通の操作です。『Mozilla Firefox』には「文字サイズのみ変更」というオプションもあります。

  • [Ctrl] + [;]・[-]か[Num+]・[Num-]:拡大縮小
  • [Ctrl] + [0]か[Num0]:元のサイズに戻す

 ただし、『Internet Explorer』と『Microsoft Edge』の[Ctrl] + [Num0]だけは無効です。

『拡大鏡』は古いゲームをプレイするときに便利

 自分が特に『拡大鏡』を便利に使っている場面が、古いゲームをプレイするときです。画面解像度が800x600が多かった時代に作られたフリーゲームなどは、ウィンドウが非常に小さいものも多く、1920x1080などのディスプレイでプレイしようとするとものすごく画面を無駄に使った表示になってしまいます。また、フルスクリーン表示に対応したものでも、ワイドスクリーンで全画面表示にすると横に引き伸ばされた表示になってしまうこともあります(対応策はあるようですが*1)。

 いままで自分は、ウィンドウが小さいゲームをプレイするときは、画面解像度を変更するという方法を使っていました。しかし、画面解像度を変更すると、デスクトップのアイコンの配置が変わってしまう、たまに(なぜか)画面解像度が元に戻せなくなる(再起動すれば直る)など、いくつか問題がありました。

 『拡大鏡』なら、このような問題もなくサッと起動してサッと終了できるので、とても助かっています。中でも、『タイプウェル』(ミラー)のようなタイピングゲームをプレイする際には欠かせないアプリケーションになっています。

2019/10/13(日)追記:バージョン1709でもう一度生まれ変わっていた

 2017年10月18日から配信されたWindows 10 Fall Creators Update(バージョン1709)から、拡大鏡がバージョンアップされていたことに今さら気がつきました。

拡大鏡の設定画面1709。拡大レベルが5%から設定できる。拡大鏡を合わせる項目をすべてOFFにできる。
大鏡 Fall Creators Update バージョン1709

 オプションが「Windows 10の設定」の一部に取り込まれて、内容がやや変更されました。自分が使っていた部分では大きな変更はありません(今まで気がつかなかったくらいだからね(^_^;))。

 「これは」と思った変更点は以下の2つ。

拡大量の増減が5%刻みで変更できるようになった

 今までは「拡大/縮小によって画面表示が変更される部分の割合」は最少25%刻みでしか変更できませんでしたが、バージョン1709からの「拡大レベルの増減量を変更する」は最少5%刻みで変更できるようになりました。

 より細かく設定できるようになったのは嬉しいところですが、5%刻みだとさすがに大きく拡大率を変更したい時にまどろっこしいかもしれないのでお好みで。

追跡オプションをすべて外せるようになった

 今までは「追跡」の3つオプションは、少なくともどれか1つはチェックする必要がありましたが、バージョン1709からの「拡大鏡を合わせる」の4つオプションは、すべてオフにすることができるようになりました。

 先にも書いたとおり、拡大範囲の位置の調整は[Shift] + [Alt] + [方向キー]で行うことにしていて、勝手に移動してほしくないので、この変更は嬉しい。さっそくすべてオフにしました。

*1:

Windows 10で、いつの間にかIMEが切り替わっている?

いつの間にかIMEが切り替わっている問題

 前回の記事Windows 10に『ATOK 2014』をインストールしたわけですが、ATOKで文章を入力していると……あれ? なんか変換が変だな。よく見ると、右下の通知領域からATOKアイコンが消えていて、代わりに『Microsoft IME』のアイコンが表示されている……。なぜ? いつの間に?

 Windows 10で『ATOK』や『Google 日本語入力』をインストールして複数のIMEが存在する状態になると、このような「いつの間にかIMEが切り替わっている問題」が多発するようになりました。

[Windows] + [Space] Microsoft IME、ATOK 2014、Google 日本語入力

 この問題の原因の一つは、[Windows] + [Space]の押し間違いだと思います。Windows 10では(8から?)[Windows] + [Space]でIMEを切り替えることができるようになりました(入力言語の切り替え)。まるで[Alt] + [Tab]のウィンドウ切り替えのようにサクサク替わる。ショートカットキーでIMEの切り替えができるのは悪くないですが、ここまでサクサク替えられる必要はないと思います。もう少し無難なキーに設定を変えたいのだけど、設定項目が見つかりません。

[Windows] + [Space]を無効にしたいのに

 まず、Windows 10での状況を見る前に、Windows VistaでのIMEの切り替え方法を復習しておきますIMEの切り替えは、初期設定で[左Alt] + [Shift]に割り当てられています。これを間違って押すとIMEが勝手に切り替わってしまいます。

 しかし、このキー割り当てはコントロールパネルの「キーボードまたは入力方法の変更」で無効にしたりほかのキーに変更できます。したがって、Vistaでは「いつの間にかIMEが切り替わっている問題」は設定次第で回避することができました

 また、特定のIMEに切り替えるキーという設定もできます。自分は[左Alt] + [Shift] + [1]を『ATOK』、[左Alt] + [Shift] + [2]を『Microsoft IME』、[左Alt] + [Shift] + [3]を『Google 日本語入力』に割り当てていました。以上がVistaでの話。

 Windows 10でも、上記の内容は大体そのまま受け継がれています。以下の手順でVistaと同じようにIMEの切り替えキーを設定することができます。

  • コントロールパネル → 時計、言語、および地域の「入力方法の変更」 → 「詳細設定」 → 入力方式の切り替えの「言語バーのホットキーの変更」 → 「キーの詳細設定」タブ

 ところが、このあたりには[Windows] + [Space]というキー操作を変更できる項目はありません。[左Alt] + [Shift]の「入力言語を切り替える」を無効にしても、IMEごとのキーシーケンスを設定しても、[Windows] + [Space]は依然として有効です。また、先の操作の途中の「詳細設定」 の「既定の入力方式の上書き」で既定のIMEを指定できますが、[Windows] + [Space]を間違って押してしまったらIMEが替わってしまうのは同じことです。

 とにかく、[Windows] + [Space]を無効にしたい! 何かないのか?

AutoHotkeyで#Space::を設定するしかないようです。

 えー!? 要するに、Windows側では[Windows] + [Space]は無効にできないということ? それはひどい。Windows 10でWindows キーを使うショートカットがさらに追加されて、Windows キーを押す機会が増えたのに。こんなの誤爆しまくるよ。昔あった「いつの間にかローマ字入力とかな入力が切り替わっている問題」を思い出す。

 しょうがないから『のどか』で設定しますか……。

y-koutarou.hatenablog.com

「いつの間にかローマ字入力とかな入力が切り替わっている問題」は解決したのに

Alt+ひらがなキーが押されました。

 なお、Windows XP以前は大問題だった「いつの間にかローマ字入力とかな入力が切り替わっている問題」のWindows 10での事情は、Windows Vistaの場合と同じようです。Vistaでの事情は以前、次のページに書きました。

 [Alt] + [ひらがな]を押すとダイアログが表示されるので、このキーを間違って押していつの間にか変わってしまう心配はありません。[Ctrl] + [Shift] + [ひらがな]ならダイアログを表示することなく切り替えるのもVistaと同じです。ダイアログを表示させるという親切設計を導入したVistaはすごいね、えらいね、と思っていました。この思いやりを[Windows] + [Space]にも発揮してほしかった。

Windows 10では言語バーはなくなったの?

 ついでに、Windows 10のIME関連の話をもう一つ。Windows 10では(8から?)言語バーは表示しないのが初期設定になったのですね。Windows 98のころはWindowsの象徴と言えるくらい存在感があった(?)IMEツールバーですが、Vistaのころからかだんだん影が薄くなっていった印象があります。実際、表示しておくのは現在の入力モードだけでいいよね。[Ctrl] + [F10]などで必要なメニューは呼び出せるし。

 Windows 10でも言語バーを表示させることはできます。

  • コントロールパネル → 時計、言語、および地域の「入力方法の変更」 → 「詳細設定」 → 入力方式の切り替えの「使用可能な場合にデスクトップ言語バーを使用する」にチェック

 でも、先に書いたとおり、言語バーを表示しておく必要性はあまりないと思います。これに関しては、表示しない方を初期設定にしたWindows 10の決断をたたえたいです。

ATOKの設定を新PCに引き継ぐ

ATOKの引き継ぎ方法は4種類ある

 先日、新しいPCを買ったわけですが、旧PCでは『ATOK 2014』を使っていました。新PCでももちろん使います。旧PCで使っていたATOKのデータや設定を新PCに引き継ぎたいところです。

 というわけでATOKのプロパティなどを見ていると、それらしい項目がいくつも見つかります。ATOKの新PCへの引き継ぎ方法は大きく分けて4種類も用意されていました。

  1. バックアップツール
    スタートメニュー → ATOK 2014ツール(オプションで「すべて」か「学習情報のみ」を選択できます)
  2. 辞書ユーティリティ
    通知領域の「あ」を右クリック → ATOKメニュー → 辞書メンテナンス
  3. プロパティ登録編集
    プロパティ([Ctrl] + [F12]か、通知領域の「あ」を右クリック → ATOKメニュー → プロパティ(環境設定)) → 右上の「プロパティ登録編集」ボタン
  4. スタイル操作
    プロパティ([Ctrl] + [F12]か、通知領域の「あ」を右クリック → ATOKメニュー → プロパティ(環境設定)) → 「キー・ローマ字・色」タブ → 左下の「スタイル操作」ボタン

方法によって、何が引き継がれるのかが変わります。普通はバックアップツールを使えば良いでしょう。電子辞典もユーザー辞書プロパティの設定内容も、すべて丸ごと移行できます(電子辞典もバックアップする場合は、容量も時間もそれなりにかかります)。

 しかし、自分の場合、ユーザー辞書は変な学習をいったんリセットしたい気がしたし、プロパティの内容も初期設定からもう一度見直したいという気分になりました。キーカスタマイズはいくつか独自の変更をしていて変えるつもりはない。というわけで、旧PCで「スタイル操作」のファイル出力だけして新PCに持ってきました。ちなみに、そのキーカスタマイズは次のページを参照。

電子辞典を改めてセットアップする

 『バックアップツール』を使わなかったので、電子辞典などは改めてセットアップし直します。電子辞典をインストールするためのファイルは保存しているので、それをインストールしていくだけです。ちなみに、ダウンロード購入商品は『Just MyShop』で再ダウンロードすることもできます。

セットアップ可能なATOKが存在しません。

 ただし、電子辞典などの中には対応している『ATOK』のバージョンが決まっているものがあります。例えば『ATOK 2007[プレミアム]』のころに配布されていた『すいすい省入力データ 2007年x月版』などを『ATOK 2014』にセットアップしようとすると「セットアップ可能なATOKが存在しません。」と表示されてセットアップできません。

 電子辞典は同じPCでATOKをバージョンアップする際はだいたい引き継がれるので、次のような手順を踏めば使うことは可能だと思います。すなわち――『ATOK 2007』をインストールする→『ATOK 2007』対応の辞典などをセットアップする→『ATOK 2014』にバージョンアップする――です。でも、さすがに2007年のものはもういいか。面倒だし。

 『ATOK 2007[プレミアム]』とセットだった『明鏡国語辞典』と『ジーニアス英和/和英辞典』は『ATOK 2014』に直接インストールできました(『ジーニアス英和/和英辞典』は『ATOK 2014[プレミアム]』にも含まれていますが)。

 インストールした電子辞典などは以下の通り。

 このように、数多くの電子辞典をインストールできるのが『ATOK』の手放せないところです。Web検索するよりも簡単に言葉の意味を調べることができるし、複数の辞典を見比べるのも手間がかかりません。

ATOKの設定の見直し

 そのほか、「プロパティ」でいくつか設定を変更した点があるので書いておきます。

「テンキーからの入力を必ず半角にする」と「確定文字で入力する」

 「入力・変換」タブ → 「入力補助」 → 「テンキーからの入力を必ず半角にする」と「確定文字で入力する」をオン。

 日本語入力中でも半角数字を使うことは多い。半角数字を入力したい場合はそこから変換して使うことはまずない。この設定にすると、IME ONのままで半角数字を確定文字で入力できる。テンキーの威力倍増。他のIMEでは、『Google 日本語入力』はできる。『Microsoft IME』は必ず半角で入力することはできるが、確定文字で入力することはできない。

「Shift+スペース」を「常に半角」

 「入力・変換」タブ → 「入力補助」 → 「スペースキーで入力する空白文字」 → 「Shift+スペース」を「常に半角」にする。

 日本語入力中でも半角スペースを入力したい場合は多い。この設定にすれば、とにかく半角スペースを入力したい場合は[Shift]を押しながら入力すれば良い。逆に、半角文字を入力しているときに全角スペースを使うことはほとんどないので、「スペースの逆」よりスペースの入力が安定する。

「句読点変換」をすべてオン

 「入力・変換」タブ → 「句読点変換」をすべてオン。

 句読点は必ず文の切れ目だし、「!」「?」は自分的には句点の代替という感覚。いい機能だと思うのだけど、初期設定ではオフなのですね。なお、句読点を入力する以外のタイミングでも、変換したいと思ったら[Space]を押します。

「カーソル位置に入力モードを表示」を「簡易表示」

 「入力・変換」タブ → 「表示」 → 「カーソル位置に入力モードを表示」を「簡易表示」にする。

 通知領域に目をやらなくても入力モードを確認できるので便利、と言いたいところだけど、常に表示されているわけではないので不十分。特に、他のウィンドウからテキストエディタなどに戻ってきたときに表示されないのが残念。というわけで、自分は『SetCaretColor』というフリーソフトも併用しています。

「確定履歴」は「よく使う履歴だけファイルに保存する」

 「入力・変換」タブ → 「推測変換」 → 「確定履歴」 → 「確定履歴の保存方法」を「よく使う履歴だけファイルに保存する」にする。

 「確定履歴」は、うまくはまると便利だが、邪魔な候補も増やしまくる諸刃の剣。その下にある「確定履歴の編集」ボタンを押すとどんな候補が登録されているのか確認できます。自分の感覚では「ファイルに保存する」は明らかに過剰だと思う。かといって「メモリに保存する」は蓄積されないので寂しい。というわけでこの設定。邪魔な候補が増えてきたと思ったら、思い切って「確定履歴のクリア」をしても意外と大丈夫。

その他のこといくつか

 ついでに、『ATOK』に関して思うことをいくつか書いておきます。

いくつかのアプリケーションで『ATOK 2014』の再変換が利かない

 新PCになって困ったことが一つ。旧PC(Vista、32ビット)では再変換できたアプリケーションでも、新PC(10、64ビット)では再変換できないものがあります。例えば『TeraPad』や『EdMax』のエディタ部分で再変換できません。『メモ帳』や『Mozilla Firefox』の検索窓など普通に再変換できるものも多くあります。ほかのIMEでは、『Google 日本語入力』は同様に再変換できませんが、『Microsoft IME』なら再変換できます。

 原因がWindows 10なのか64ビットなのかわかりません。32ビットアプリか64ビットアプリかも関係ありそうな気がしますが、法則がわかりません。

「スペース変換で候補に追加する」をむやみにオンにしない

 新PCとは関係ありませんが、気がついたことを一つ。旧PCのとき、英単語の綴りの変換候補がやたらと表示されるという現象が、いつからか発生していました。今回、ATOKのプロパティを見直していて気がつきました。「辞書・学習」タブのあらゆる辞書セットで「スペース変換で候補に追加する」のチェックが入っていたのが原因でした。ATOKの設定をいろいろいじっている間に変更してしまったようです。

 変換候補なんて多い方がいいと思っていたこともありましたが、多すぎると思わぬ変換候補が上位に来たりしてかえって不便だと思うようになりました。初期設定で「広辞苑変換辞書」が(標準辞書セットではなく)オプション辞書セットに入っているのもそういう理由でしょう。個人的には便利に使っている「はてなキーワード変換辞書」も人によっては善し悪しあると思います。

 スペースで変換する候補は最小限に留め、場合によって[F2]~[F5]を使い分ける方が良い、と改めて思いました。具体的には次のような感じです。

  • [F2]:人名が変換できないとき
  • [F3]:地名が変換できないとき。郵便番号←→住所の変換をしたいとき
  • [F4]:英語の綴りで変換したいとき。英訳した言葉に変換したいとき。記号・顔文字に変換したいとき
  • [F5]:その他。難しめの漢字が変換できないときなど

「英語入力ON」を設定できるようにしてほしい

 新PCとは関係ありませんが、『ATOK』で不満な点を一つ。『ATOK』の「英語入力モード」(「全角英字」か「半角英字」。「全角英数」や「半角英数」とは違うモードです)は英単語に対して推測変換やスペルチェックが働くので便利だと思うのです。

 しかし、キーカスタマイズで「英語入力ON」という設定がありません。もちろん、「英語入力ON/OFF」はありますが、かな入力モードと英語入力モードは別々のキーでオンにする方が使いやすいと思うのです。「日本語入力ON」と「日本語入力OFF」は別々にできるし、「入力文字種全角ひらがな(あ)」という設定もあるのだから、その必要性はATOKの中の人もわかっているはず。ぜひ、「英語入力ON」も設定できるようにしてほしいです。

Windows 10で、ファイル・フォルダ・URLをタスクバーにピン留めできる

クイック起動(Quick Launch)がなくなった?

 Windows Vistaでは、「クイック起動」に設置したショートカットは、タスクバーから簡単にアクセスできるだけでなく、[Windows] + [数字キー]というわかりやすいショートカットキーで起動できるのでとても便利に使っていました。自分は「Note.txt(覚え書き用のテキストファイル)」『EdMax』(メールソフト)「Twitter」「Live Dowang Leader」などを設置していました。

 Windows 10では「クイック起動」はなくなりました*1。その代わりに、右クリックメニューに「タスクバーにピン留めする」という設定が加わりました。タスクバーにピン留めすれば、従来のクイック起動とほぼ同じ挙動になります。

 しかし、タスクバーへのピン留めはアプリケーション(ショートカットも含む)に対してしかできません。自分の場合、『EdMax』はアプリケーションなのでピン留めできますが、「Note.txt」はファイル、「Twitter」と「Live Dowang Leader」はWebページなのでピン留めできません。これは困る。また、フォルダはスタート画面へのピン留めはできますが、タスクバーへのピン留めはやはりできません。

起動するアプリケーションも含めたショートカットならピン留めできる

 ファイルやURLもピン留めできないできないものかと情報を探しているうちに、解決策を見つけました。*2

 要するに、まず起動するアプリケーションのパスを指定して、次に開くファイル・フォルダ・URLのパスを指定するショートカットを作成すれば良いということです。なるほどー。

 ショートカットを右クリックするなどでプロパティを開いて「ショートカット」タブの「リンク先」を見ると、次のように書かれています(Eドライブ直下の"NOTE.txt"のショートカットの場合の例)。

"E:\NOTE.txt"

これをこう書き換えます。

"C:\WINDOWS\system32\notepad.exe" E:\NOTE.txt

こうすると「notepad.exe」すなわち『メモ帳』で「E:\NOTE.txt」を開くという意味のショートカットになります。これだと『メモ帳』というアプリケーションへのショートカット扱いになるので、右クリックすると「タスク バーにピン留めする」がばっちり表示されます。ちなみに、パスの取得は、exeファイルなどを[Shift]を押しながら右クリックして「パスのコピー」を選ぶと楽です。

 フォルダを開くショートカットの場合は、起動するアプリケーションはエクスプローラー(C:\Windows\explorer.exe)です。

 この方法を使えば、ファイルでもフォルダでもURLでも、好きなものをタスクバーへピン留めできます。

 URLのショートカットを作る場合は、一つ注意する点があります。リンクファイルの種類は「ショートカット」である必要があります。「インターネット ショートカット」はパスにURLしか指定できないのでアプリケーションのパスを書き加えることができません。ショートカットのプロパティを開いたときのタブが「Web ドキュメント」なっていたらダメです。「デスクトップで右クリック→新規作成→ショートカット」などで作成しましょう*3

タスクバーへピン留めできるショートカットの設定例

 タスクバーへピン留めできるショートカットの作成例をいくつか書いてみます。

 前半のアプリケーションを指定しているパスと、後半のファイルなどを指定しているパスの間は、半角スペースで区切ります。

 パスに半角スペースが含まれている場合は""(半角ダブルクォテーション)で囲む必要があります。たとえば「C:\Program Files (x86)」は「Program」と「Files」の間に半角スペースがあるので、そのままだと「C:\Program」で区切られていると判断されてうまく動きません。""で囲めば囲んだ部分全体がパスであると認識されます。なお、「パスのコピー」でコピーしたパスは自動的に""で囲まれています。

 なお、タスクバーにピン留めしたショートカットの実体は下記の場所にありますが、このフォルダを直接いじってもうまくいかないようです。

C:\Users\(ユーザー名)\AppData\Roaming\Microsoft\Internet Explorer\Quick Launch\User Pinned\TaskBar

2017/11/02(木)追記あり:解決しました ← 残る課題:『Microsoft Edge』で開くショートカットをタスクバーへピン留めしたい

 まだ実現できてないことが1つあります。『Microsoft Edge』でWebサイトを開くショートカットをタスクバーへピン留めしたいのですが、方法がわかりません。

 既定のブラウザが何であれ『Microsoft Edge』で開くURLのショートカットは、次のような形式にすれば作れます。

 しかし、これだとアプリケーションへのショートカット扱いにはならないようで、タスクバーへピン留めできません。また、『Microsoft Edge』の実体は下記の場所にありますが、このexeファイルを実行したり、ショートカットのパスに指定したりしても『Microsoft Edge』は起動しません。

C:\Windows\SystemApps\Microsoft.MicrosoftEdge_8wekyb3d8bbwe\MicrosoftEdge.exe

下記のページを読むと、いままでのデスクトップアプリとは異なる扱いになっているという感じはします。でも、どうしたらいいんだろう?

『Microsoft Edge』の右上の設定ボタンから「タスク バーにこの項目をピン留めする」を選択する

《ここから2017/11/02(木)追記》

 ……と書いていたのですが、Windows 10 Fall Creators Update バージョン 1709 (OS ビルド 16299.19)からできるようになりました。なんと『Microsoft Edge』自体にタスクバーにピン留めする機能が搭載されました。

 タスクバーにピン留めしたいWebページを『Microsoft Edge』で開いて、右上の方の「…」と表示されている「設定など」のボタンから「タスク バーにこの項目をピン留めする」を選択するだけ。

 かんたんで良い機能ですね。むしろ、なんでこの機能を最初から付けなかったのかが疑問。これが最初から付いていれば、もう少しEdgeを使う気になったかもしれないのに。もっと言えば、ショートカットならなんでもタスクバーにピン留めできるようにしてほしいのだけど。

*1:Windows 10でも「クイック起動」はフォルダとしては存在おり(C:\Users\(ユーザー名)\AppData\Roaming\Microsoft\Internet Explorer\Quick Launch)、「新規ツールバー」で作ればタスクバーにショートカットを置くことはできます。しかし、[Windows] + [数字キー]で開けないので、代替手段としては不十分です。

*2:2022/12/04追記:そのWebページは削除されました。

*3:なお、『Internet Explorer』で開ければいいなら、『Internet Explorer』でピン留めしたいページを表示して、タブをタスクバーにドラッグするだけでURLをピン留めできます。この方法でピン留めすると『Internet Explorer』でしか開けません。

Windows 10の「ファイル履歴」のバックアップが失敗している?

 Windows 10の「ファイル履歴」という機能が、軽くて楽でフォルダ指定も除外指定もできて便利そうだと思ったので使ってみました([Windows] + [I] → 「Windowsの設定」 → 「更新とセキュリティ」 → 「バックアップ」 → 「その他のオプション」)。

 しかし、何日かそのまま使いましたが、まったくバックアップされていない気がします。「FileHistory」フォルダ以下のファイルが1つも増えていない。実験で1つのフォルダだけバックアップしたときはうまくできたのに。

 この問題はあちこちで言及されていました。例えば次のページ。

次の手順で、ファイル履歴でバックアップした記録を確認します。
《中略》
「スタート」ボタンを右クリックし、表示されるメニューから「イベントビューアー」をクリックします。
《中略》
イベントID:201
C:\Users\(ユーザー名)\AppData\Local\Microsoft\Windows\FileHistory\Configuration\Configでユーザー ライブラリの変更のスキャンと変更されたファイルのバックアップを実行できません
この内容が表示される場合、ファイル履歴のデータは正しくバックアップされていません。

 『イベントビューアー』を見ると、確かに「ライブラリの変更のスキャンと変更されたファイルのバックアップを実行できません」というエラーが連発してました。なんで?

原因:
    1つのフォルダの中に、全角と半角カナで区別される同名のファイルが存在する場合
    1つのフォルダの中に、全角と半角英数字で区別される同名のファイルが存在する場合
    1つのフォルダの中に、全角ひらがなと全角カタカナで区別される同名のファイルが存在する場合

上記のフォルダを含むライブラリ単位でバックアップが保存されなくなります。

 要するに、全角と半角、カタカナとひらがななどの違いで同じ名前のファイルがあるとバックアップできないらしい。そのファイルやそのファイルがあるフォルダだけバックアップできないというのではなく、バックアップ全体が一つもできない。ひどい。ファイルもフォルダも無数にあるし、とても調べきれないよ。

 対応策としては、「バックアップ オプション」の「除外するフォルダー」であやしいフォルダを除外フォルダに指定してバックアップできるかどうかを試して、バックアップできるなら除外フォルダを少しずつ外して、問題のあるファイルがあるフォルダを特定していく、という地道な方法しかないようです。

 この方法をとる場合は、G:\FileHistory\(ユーザー名)\MYCOMPUTER\Data(←先頭のドライブ名は適宜読み替えてください)以下のドライブ名の「C」・「D」などのフォルダを削除してから「今すぐバックアップ」を押すと良いと思いました。バックアップ中に「C」や「D」フォルダが作られたらバックアップは行われている、ということです。よって、現在指定しているフォルダは問題ないということなので、すぐにバックアップをキャンセルして次のフォルダ指定に移る。以下、問題のあるフォルダが特定できるまで繰り返し。

 しかし、これは面倒すぎます。問題のあるフォルダは大まかにはわかったけれど、特定しようと思ったら除外指定するフォルダは100や200では足りない。とてもやってられません。せめて、どのフォルダ(ファイルならなお良い)に問題があるかわかれば何とかなるのに。

 あと、今回は初回だからバックアップのファイルがまったく作られていないことは気がつきやすかったですが、これが途中からだったらと思うとぞっとします。今までは普通にバックアップできていたのに、あるときうっかり同名ファイルを作ってしまって、それ以降ひっそりとバックアップに失敗し続けてました……ということになりかねない。バックアップに失敗したなら、イベントビューアにひっそりとエラー出すんじゃなくて、アクションセンターに通知を出しなさいよ。

 せっかく良さそうな機能なのに、これでは安心して使うことはできません。ファイル履歴は補助的な手段として使い、メインのバックアップ手段はほかに用意した方が良さそうです。