北京五輪カーリング女子、予選リーグの勝敗表(将棋の順位戦風)

 平昌五輪の時に引き続き、北京五輪のカーンリグ女子、予選リーグの順位表をテキスト形式で作ってみました。

女子予選リーグ


■女子┃10朝 10夜 11昼 12朝 12夜 13昼 14朝 14夜 15昼 16朝 16夜 17昼
スイス┃ ○  ○  ○     ○  ○     ●  ○  ○     ○ 
☆ 8-1┃イギ 中国 ROC ―― デン カナ ―― スウ アメ 韓国 ―― 日本
スウェ┃ ○  ●     ○  ●  ○     ○  ○     ○  ○ 
☆ 7-2┃日本 イギ ―― カナ 中国 アメ ―― スイ デン ―― ROC 韓国
イギリ┃ ●  ○  ●     ○  ○     ●  ○  ●     ○ 
☆ 5-4┃スイ スウ 韓国 ―― アメ デン ―― カナ 日本 中国 ―― ROC 
日本 ┃ ●     ○  ○  ○     ○  ●  ●     ○  ● 
☆ 5-4┃スウ ―― カナ デン ROC ―― 中国 韓国 イギ ―― アメ スイ
カナダ┃    ○  ●  ●     ●  ○  ○     ○  ●  ○ 
▼ 5-4┃―― 韓国 日本 スウ ―― スイ ROC イギ ―― アメ 中国 デン
アメリ┃ ○  ○  ○     ●  ●  ○     ●  ●  ●    
▼ 4-5┃ROC デン 中国 ―― イギ スウ 韓国 ―― スイ カナ 日本 ――
中国 ┃ ●  ●  ●     ○  ○  ●     ●  ○  ○    
▼ 4-5┃デン スイ アメ ―― スウ 韓国 日本 ―― ROC イギ カナ ――
韓国 ┃    ●  ○  ○     ●  ●  ○     ●  ○  ● 
▼ 4-5┃―― カナ イギ ROC ―― 中国 アメ 日本 ―― スイ デン スウ
デンマ┃ ○  ●     ●  ●  ●     ○  ●  ‐  ●  ● 
▼ 2-7┃中国 アメ ―― 日本 スイ イギ ―― ROC スウ ―― 韓国 カナ
ROC┃ ●     ●  ●  ●     ●  ●  ○     ●  ● 
▼ 1-8┃アメ ―― スイ 韓国 日本 ―― カナ デン 中国 ―― スウ イギ
■女子┃10朝 10夜 11昼 12朝 12夜 13昼 14朝 14夜 15昼 16朝 16夜 17昼

 左端の国名(3文字表記)の下の数字は、左が現在の世界ランキング、右が勝敗数。世界ランキングは確定し次第予選リーグ通過表記に変える予定(☆は予選通過、▼は予選敗退

 よくある対戦相手を縦軸に取る形式ではなく、将棋の順位戦で採用される形式で作りました。この形式だと、これまでの勝敗の流れと今後の対戦相手が分かりやすく、順位順に並べ替えるのも容易なので、自分はこの形式が好きなのです。

 日程としては、10日から17日の8日間で1チーム9試合。朝(10:05)・昼(15:05)・夜(21:05)の3つの時間帯で試合が行われます*1。「朝・夜」に試合をする日と「昼」に試合をする日が交互に訪れます。ただし、各チーム抜け番が3回あります。よって、1日2試合ある日がある一方、1試合も試合がない日があるチームもあります。日本の場合、12(土)と14(月)が1日2試合、13(日)が試合がない日となっています。

*1:時間は日本時間での試合開始時間。

『ルパン三世ゲームブック さらば愛しきハリウッド復刻版』のテキストマップ

 昨秋に復刊されたルパン三世ゲームブック さらば愛しきハリウッド復刻版』*1のテキストマップを作りました。

 『ルパン三世ゲームブック』は1985~1991年に掛けて19作発売されています。自分は何冊かは持っていますが、1冊も読んだことはありませんでした(^_^;) 今回が初プレイ。

 軽快な読み口で、まさに金曜ロードショーのテレビスペシャルの感じ。19作続く人気シリーズになったのもうなずける。読む前は「ルパンはアニメの動きと声があってこそだろ」と思う気持ちもあったが、読んでみると本当にアニメのルパンを見ている感覚でした。

 それほど難度は高くなく、サクサク進みます。サイコロ要素はなく、記録する必要があるのは体力・武器・情報の3つのポイントのみです*2。後半になっても必要とされるポイントはそれほど高くならないので、序盤でマイナスを食らわなければ、後半はポイントでENDになる可能性は低いです。さらに、ENDになっても〈再チャレンジは○○へ〉と戻るべきパラグラフが用意されている親切設計。*3

 ゲーム的な難度が低いので、展開を想像して、おもしろい選択肢を選ぶというゲームブックの醍醐味が十分味わえます。状況が(数字ではなく)文章によって提示されて、文章の選択肢を選ぶというのがゲームブックの最大の特徴だと思う。最近、デッドエンドになった回数を自慢するようなゲームブックばかりやっていたから新鮮だ。

 以下、ネタバレなのでまだ読んでいない方は注意して下さい。

テキストマップ

 ゲームよりもストーリーを楽しむ面が強いゲームブックなので、イベント選択では大きな分岐はなく、基本的に一本道です。イベント選択の分岐よりも、一つのイベントの中での分岐が多いタイプのゲームブックです。

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━┓     
┃400『リターン・オブ・ニンジャ』  ┃     
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     
    ↑            ↑      
┏━━━┷━━━┓ ┏━━━━━┓│      
┃315カールゼン ┃←┨395挑戦状 ┃│      
┗━━━━━━━┛ ┗━━━━━┛│      
             ↑   │      
┏━━━━━━━━┓ ┏━┷━━━┷┓     
┃351カーチェイス ┠→┃262大統領  ┃     
┗━━━━━━━━┛ ┗━━━━━━┛     
    ↑                   
┏━━━┷━━┓                
┃271マシュー ┃                
┗━━━━━━┛                
    ↑                   
┏━━━┷━━━━━━┓            
┃150アッシュフォード ┃←──┐        
┗━━━━━━━━━━┛   │        
    ↑          │        
┏━━━┷━━━━━┓ ┏━━┷━━┓     
┃100シャーマン戦車 ┠→┃45武器倉庫┃     
┗━━━━━━━━━┛ ┗━━━━━┛     
    ↑                   
┏━━━┷━━━━━━━━━┓         
┃132『さらば愛しき巴里よ』 ┃         
┗━━━━━━━━━━━━━┛         
    ↑                   
┏━━━┷━━━━━┓             
┃364フィルム保存庫 ┃             
┗━━━━━━━━━┛             
    ↑                   
┏━━━┷┓       ┏━━━━━┓    
┃323侵入 ┃←──────┨130銃撃戦 ┃    
┗━━━━┛      ↑┗━━━━━┛    
    ↑       │  ↑        
┏━━━┷━━━━┓ ┏┷━━┷━━┓     
┃101フィルム倉庫 ┠→┃377傭兵部隊 ┃     
┗━━━━━━━━┛ ┗━━━━━━┛     
    ↑                   
┏━━━┷━━┓                
┃223反撃開始 ┃                
┗━━━━━━┛                
    ↑                   
┏━━━┷━━┓                
┃9ギャグニー ┃←─────┐         
┗━━━━━━┛      │         
    ↑         │         
┏━━━┷━━━━━┓ ┏━┷━┓       
┃117天守閣スタント ┠→┃343毒 ┃       
┗━━━━━━━━━┛ ┗━━━┛       
 ↑  ↑                   
 │┏━┷━━━━━━━━━━━━┓      
 │┃92日本レストラン「OTAFUKU」 ┃      
 │┗━━━━━━━━━━━━━━┛      
 │  ↑         ↑         
┏┷━━┷━━━┓    ┏┷━━━━━━━━┓
┃382五ェ門の薬 ┃←──┐┃115不二子の見舞い ┃
┗━━━━━━━┛   │┗━━━━━━━━━┛
    ↑       │ ↑         
┏━━━┷━━━━┓ ┏┷━┷┓        
┃113水中スタント ┠→┃88入院┃        
┗━━━━━━━━┛ ┗━━━┛        
    ↑       ↑           
┏━━━┷━━━━━━━┷┓ ┏━━━━━━┓ 
┃200石垣スタント     ┃←┨186ワニの餌 ┃ 
┗━━━━━━━━━━━━┛ ┗━━━━━━┛ 
    ↑            ↑      
┏━━━┷━━━━━━━━━━━━┷┓     
┃254キャッシーとミスター・ヤマモト ┃     
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━┛     
    ↑                   
┏━━━┷━━━━━┓             
┃140ガーブスリップ ┃             
┗━━━━━━━━━┛             
    ↑                   
┏━━━┷━━━━━━┓            
┃2グローバル本社ビル ┃            
┗━━━━━━━━━━┛            
    ↑                   
┏━━━┷━━━┓    ┏━━━━━┓    
┃360ハリウッド ┃←───┨63パトカー┃    
┗━━━━━━━┛   ↑┗━━━━━┛    
 ↑  ↑       │   ↑       
 │┏━┷━━━┓  ┏┷━━━┷━━┓    
 │┃195積み荷 ┠─→┃127街の近くで ┃    
 │┗━━━━━┛  ┗━━━━━━━┛    
 │  ↑         ↑   ↑     
┏┷━━┷━━━━━┓ ┏━┷━━┓│     
┃216ドライブ・イン ┠→┃162背後 ┃│     
┗━━━━━━━━━┛ ┗━━━━┛│     
    ↑             │     
┏━━━┷━━━━━━━━┓    │     
┃161アボットコステロ  ┠────┘     
┗━━━━━━━━━━━━┛          
    ↑       ↑           
┏━━━┷━━━━┓ ┏┷━━━━━━━┓   
┃1砂漠の田舎道で ┠→┃380ガラガラヘビ ┃   
┗━━━━━━━━┛ ┗━━━━━━━━┛   

感想など

 以下、プレイした感想などをいくつか。かなりネタバレです。

序盤が難しい

 先ほど「それほど難度は高くなく」と書きましたが、まったく難しいところがないというわけではありません。

 特に難しいのが序盤。このゲームブックで一番難しいのは、最初のいくつかの選択肢だと思います。どちらもありそうな迷う選択肢が続くし、ポイントマイナスも大きい。特に、283番→65番で体力ポイント-2・武器ポイント-1って厳しすぎません? こんな一気にポイントマイナスを食らうのはここだけだし。序盤でこのマイナスを食らうと、162番・52番・350番で〈再チャレンジ〉を使っても先に進めないハマリ状態になる危険が高くなります。

 TBSラジオ「たまむすび」でこの本が取り上げられた際、パーソナリティの赤江珠緒が最速バッドエンドを引いたと聞き「さすが赤江珠緒!(ポンコツ!)」と思いましたが、撤回します(^_^;) このゲームブック、このENDが一番陥りやすいよ!

www.tbsradio.jp

さっそく『ルパン三世』のゲームブックをプレイした赤江さん。いかがでしたか??

赤江:「やったんですけど…ガラガラヘビに噛まれてバッドエンド。たぶん最速な死に方を…(笑)」

さすが赤江さん(笑) ことごとくルパンが選ばなそうな選択を…

謎な選択肢

 なんでこんな選択肢があるんだろう?という箇所が2つあります。

 1つ目。五ェ門に「日本料理を食いに行こう」と誘われるシーン(5番)。当然、日本料理屋に行くのが普通の展開。しかし、ここで「君がもし、日本料理が口に合わず、ついていかないというのなら(ただし情報ポイントが2低下します)」という選択肢が存在します。五ェ門の誘いを断る理由がないし、情報ポイント-2なんてべらぼうなペナルティを払ってこんな選択肢を選ぶわけがない。

 2つ目。アッシュフォードのガードマンに取り囲まれて捕まるシーン(150番)。一度敵に捕まった後に一展開あるというよくあるパターンですが、ここで「どうしても捕まるのがいやなら必死の反撃を試みてみよ(体力ポイント3とひきかえに)」という選択肢が存在します。この状況で反撃するなんて極めて不自然だし、体力ポイント-3というペナルティも厳しすぎて(実際、この後ENDになる可能性が高い)、こんな選択をするわけがない。しかも、この選択肢を選ぶと不二子の登場シーンがすっ飛ばされるので矛盾が生じるし。

 どちらも、この選択を選ぶことは物語的にもゲーム的にも意味がないし、この選択肢を選ぶプレイヤーがいるとは思えない。無くても十分成立するし、無い方が自然。何でこんな選択肢を作ったんだろう?

マシューに会ったことある?

 後半のマシューの登場シーン(135番)で、ルパンはマシューのフルネームを知っていることになっていますが、知る機会あったかなあ?

 パトカーでハリウッドに来た場合はもちろん知っていますが(63番)、それ以外の手段で来る場合もあります。グローバル本社(2番)で、「あの警官」であることはわかりますが、パトカーに乗って来なかった場合は名前はわからない。入院中は、「M・M」に心当たりがなければもちろんわからない(88番)。日本料理屋で銭形がマシューと呼んでいるシーンはありますが(89番)、フルネームはわからない。他にマシューの名前が出てくるシーンはなかったと思うけど……。

35の結末が君を待つ?

 冒頭の「ゲームブックの遊び方」で、「この本では読者のために、それぞれ異なった三十五の結末が用意されています。」と書かれていますが、「END」で終わるパラグラフは37個あったような……。*4

 311番や400番はカウントしないのかな?とも思ったけど、そのあとに「結末のうち、読者を満足させるハッピーエンド、ベターエンドはごくわずかです」とも書かれているし……。

情けないエンド

 それらのENDの中でも自分が大好きなのが355番。あっさり敵の手裏剣の餌食になるなんとも情けないEND。文章が短いのがまたいい。そりゃそうなるよな。

 これまでは選択ミスでENDになる場合でも、その前か後にポイントによる救済がある場合が多かったが、ここでは選択ミス一発でENDになる。ゲーム後半になっていよいよ殺しにきてるなと実感するイベント。

2つのグッドエンド

 もう一つ、印象的なENDが311番。「END」と書かれているが、そのあと400番へ行けるようになっている。自分としては、こちらのルートの方が好きだな。

甘酒進上

 「甘酒進上」という言葉、初めて知ったなあ(206・278番)。要するに「やーい、ここまでおいで」に続けて相手をからかう言葉か。『火吹山の魔法使いふたたび』の「多多益益弁ず」に続いて、ゲームブックは勉強になります(?)。

入院シーンを通らないのはもったいない

 ルパンがケガをして入院するシーン(88番)。謎の花束が贈られてきたり、不二子が謎の行動を取ったりと面白い場面・面白い選択肢が続くこのゲームブック屈指の名シーン。しかし、基本的にポイントが基準以下か、選択ミスで来るシーンなので、最善の選択肢を選んでいると通らない。ここを通らないでクリアできてしまうのはもったいない。

 また、後半の傭兵部隊との銃撃戦のシーン(130番)も、弾倉交換や不発などかっこいい場面が多く、なかなか複雑な分岐をするイベントだが、赤外線警報装置を爆破しようとして敵に気づかれた場合にしか通らない。武器ポイントが3~4の場合しか来られないというレアイベントになっている。

分岐も合流もないパラグラフが多い

 このゲームブックの欠点として指摘しておかなければいけないのが、分岐も合流もないパラグラフがかなり多いこと。つまり、ゲームブックの構造上は分割する必要がないのに複数のパラグラフに分割されている箇所が多い。これをされると、パラグラフを探す回数が無意味に多くなって読む手間が掛かる。こういうパラグラフはできるだけ1つにまとめてほしかった。

 この点は、この本の「資料編2 ゲームブックの作り方」でも書かれて「時間経過や場面転換表現として《中略》演出的に次の項目に移動するのはアリということにはなっていました」(265ページ)とあります。多少はありだと思いますが、それにしても。

一番美しいルート?

 このゲームブックは簡単すぎて歯ごたえがないと思っている方へ。こんな遊び方はいかが?

 以下の項目をすべて達成した上でクリアできるか? なお、〈再チャレンジ〉は使わない。また、ポイントの初期値は最低1(0は不可)で、開始後は0やマイナスもあり得るとします。

  1. パトカーでハリウッドに行く(381番)
  2. 水中スタントを行う(113番)
  3. 入院中に不二子と会う(115番)
  4. 手裏剣でケガをする(157番か212番)
  5. ルパンから「君」への呼びかけを受ける(253番)

 これらのポイントを通るのが物語的に美しいルートだと思う。パトカーに乗らないとマシューとの接点が薄い。水中スタントは前半の難所。入院して不二子と会うシーンはこのゲームブック屈指の名場面。手裏剣でケガをしないと複線を回収できない。400番への道はいくつかあるけど、253番は特別感があるよね。というわけで、これらを通過するルートでクリアしてみようというチャレンジ。

 この遊び方の攻略ポイントを挙げると、最大の難所は天守閣スタント(28番)。ここで体力+武器+情報ポイントが11以下であることが必須となる。12以上あると手裏剣を回避してしまうので「手裏剣でケガをする」が達成できない。よって、序盤はあえてポイントマイナスを食らう・ポイントプラスを取らない選択をする必要がある。

 しかし、ポイントが低ければ良いというものではない。最終的には体力ポイント4以上・武器ポイント6以上が必須となる。28番を合計11ポイント以下で通過した後でこれを実現できるか? 28番以降で体力ポイント-1は確定だし、武器ポイントが高すぎると取れないプラスもある。1ポイントも無駄にはできない。

 序盤の抜け方も難所。基本的に体力ポイントと武器ポイントが不足しがちなので、その2つに初期値を割り振りたいところ。しかし、その2つが高すぎると、ドライブ・イン(294番)の23番で体力+武器ポイント7以上だとトレーラーでハリウッドに行ってしまい「パトカーでハリウッドに行く」を達成できない。しかし、23番を回避して44番へ行くと、その場合は情報ポイントが低いはずなので、44番で情報ポイント3以上ないとENDになってしまう。ここを抜けるには?

 また、水中スタントを経て入院するには、石垣スタント(200番)を抜けた上で水中スタントで武器ポイント3以上(220番)が必須なので、ここでも工夫が必要。

 コツとしては、情報ポイントは序盤から上がりやすく、プラス・マイナスを取るかどうか選べる場合が多いので、ここで調整する。それでも条件はかなり厳しい。最善の選択肢を選ぼうとするプレイではなかなか通らないルートを使う必要もあるので、ひと味違ったプレイにもなると思う。興味のある方はぜひ挑戦して下さい。

*1:ところで、Amazonのページではタイトルが『ルパン三世ゲームブック さらば愛しきハリウッド復刻版 (ゲームブックシリーズ 1)』と、“(ゲームブックシリーズ 1)”がついた形になっています。しかし、“ゲームブックシリーズ 1”は旧版のタイトルであって、確かに復刻版の表紙にも書いてあるけれど、それは旧版の表紙をそのまま取り込んだデザインだから載っているだけであって、復刻版のタイトルとしては“ゲームブックシリーズ 1”は含まれていないですよね? 要するに、Amazonは復刻版が2・3……と続いていくと考えているに違いない(^_^;)

*2:まれに、行動記録メモを取るように指示されますが、記憶に頼っても十分な程度です。

*3:これを使っても先に進めなくなることもありますが……。

*4:「END」で終わる項目番号を列挙しておきます。

  1. 13
  2. 35
  3. 38
  4. 22
  5. 181
  6. 141
  7. 359
  8. 139
  9. 236
  10. 163
  11. 210
  12. 194
  13. 193
  14. 328
  15. 355
  16. 373
  17. 335
  18. 301
  19. 21
  20. 317
  21. 147
  22. 202
  23. 320
  24. 229
  25. 137
  26. 285
  27. 239
  28. 136
  29. 244
  30. 265
  31. 296
  32. 204
  33. 234
  34. 311
  35. 114
  36. 231
  37. 400

『火吹山の魔法使いふたたび』の謎?

 今回も、『火吹山の魔法使いふたたび』をプレイし終わっての感想・疑問点などをつらつらと書いてみます。

 かなりネタバレなので、まだ読んでいない方は注意して下さい。

火吹山の魔法使いふたたび』の謎

ムースは味方?

 開始直後、いきなり主人公を追いかけて警告を伝えに来るアンヴィルの酒場〈二つの月〉亭の主人ムース。自ら抜き身の剣を片手に走ってくる姿があまりにウソっぽくて、初回のプレイでは無視してしまいましたw その時の彼の心境やいかに……。

 その後、ヤズトロモの偽物の情報を伝えてくれたので(40番)、どうやら信用できそうだということで、次の回はついて行きましたが、闇狩人を倒した時の行動がまた不自然(306番)。

ムースはポケットを空にするだけでは満足せず、闇狩人のブーツを脱がせて振り動かす。折りたたまれた一片の茶色く汚れた紙が地面に落ちる。「俺はそんな臭いものには触らないよ」ムースが笑いながら言う。「あんたが欲しけりゃ、持ってったらいい」

 見事にムースの策略?にはまってザゴールの呪いで技術点-2を食らいました。やられた……。よく考えたら、自分からブーツを探っておいて「そんな臭いものには触らないよ」っておかしくない? やっぱり俺はまだ信用してないぞ。結局、闇狩人の逃走を阻止したのって意味なかったし。

君はランタンを持っているか?

 ディープ・シーの店(116番)で買えるアイテムの一つであるランタンは、買わなくても持っているという解釈でいいよね? ルールにはっきりこう書いてあるのだから……(259ページ)。

装備
冒険の開始時、きみは稼業に必要な基本的なものを持っている。上質の剣、旅にうってつけの服、発見した財宝を入れる背負い袋、行き先を照らすランタンだ。

短剣を手に入れた?

 49・196番では短剣を入手した(306番で手に入る短剣とは別に)という解釈でいいのでしょうか? 文章としてはそう読み取れるけど、どういう経過であれ、306番で入手する短剣は闇狩人が持っていたものなので、たどる経路によって入手できる短剣の本数に差が出るのは不自然ではある。131番の戦闘では短剣の本数は大切なので、ここの解釈は重要。

 あと、131番の戦闘では、ディープ・シーの店で買える銀の短剣も投げていいよね、この際。「投擲用」とは書かれていないけれど、306番で入手できる鋼の短剣も「投擲用」とは書かれていないし。

投擲用ダガー

 ついでにもう一つ短剣の謎。後半、3つのパラグラフで投擲用ダガーをブーツの差し込んでいるかどうかを聞かれるけど*1、ここでいう短剣・ダガーは70・220番で入手できるもののみ有効で*2、闇狩人が持っていた短剣(49・196・306番)やディープ・シーの店で買える銀の短剣を持っていても無効という解釈でいいよね? それらの短剣は「ブーツに差し込む」という描写はないので。131番で「投擲用の短剣」という言葉が出てくるのでややこしくなっている。

 『火吹山の魔法使いふたたび』は登場アイテム数が非常に多く、まったく役に立たないアイテムも多数ある中、この投擲用ダガーは2ヶ所で必須になるという超重要アイテム。

多多益益弁ず

 「多多益益弁ず」って言葉、初めて知ったなあ(316番)。ここでは、要するに「多ければ多いほど良い」という意味か。勉強になります。でも、「少なくとも二つは必要」はミスリードですよね、ヤズトロモさん。

別の剣を見つけるまで技術点-2

 348番で剣を失うと、別の剣を見つけるまで技術点-2となります。この「別の剣」は4ヶ所で入手できます。

  • 355番 ダークブレード・スカルバイダーの剣
  • 190番 ゴブリンの剣
  • 227番 オークの剣
  • 225番 骸骨の剣

 225番以外は技術点2点回復とは書かれていないけれど、225番は忘れないように厚意で書いてくれているだけと解釈して良いでしょう。

 また、343番の戦闘では「剣を持っていないなら、きみは技術点から二点引いて」と書かれているけれど、これも厚意で書いてくれているだけで、348番の技術点-2とは別に引く必要はないでしょう。他にも剣がない状態での戦闘は多数発生するので、ここだけこの記述があるのはかえって不自然。

 剣を失うシーンは後半にもう一つあります(202番)。この際の、340・358番「剣を持っていないなら、この戦闘の間、一時的に技術点を二点減らさなくてはならない」の指示は、202番では技術点を引くという指示はないし、202番以降の(剣を使った)戦闘は340・358番しかないので、必要で妥当な指示です。

目まぐるしい展開

 『火吹山の魔法使いふたたび』で最も印象的なシーンが36番。このゲームブックでは、ただ通り過ぎるだけのパラグラフ(分岐も合流もないパラグラフ)がないように作られているので、様々な出来事が起こるパラグラフがいくつかあります。その最たるものが36番。「パラグラフジャンプ成功」→「ズート・ジンマーのその後」→「同行」→「〈黄金の竜牙〉入手」→「罠発動」→「ショートカットルート終了」と1つのパラグラフで次々と事件が起こるので唖然としてしまう。なんと不幸なズート・ジンマー……。

ダイアモンドとは?

 12番の「思いもかけぬ死」とはいったい……。いずれ無防備な状態でダイアモンド・センティネルに襲われるということだろうか……。このパラグラフを通過した上で任務達成した場合は、どういう気持ちになったらいいのだろう? ここは400番の次のパラグラフを用意してほしかった。

木の球を持っている?

 382番でマインドベンダーの口の中に木の球を詰め込むけれど、木の球なんて持ってましたっけ? 33番で木の球と積み木を入手できるけれど、ここを通らなくてもここまで来る展開もあると思うけど……。鉄の鍵の方とセットで入れておけばよかったのに。

3つの鍵?

 331番。3つの鍵の選択。「お? 火吹山の宝箱の再来か!?」と色めき立ったが、ただの三択だった。なーんだ。でも、ここで1つは正解があるのがリビングストン作品の優しさ。スティーブ・ジャクソン作品だったら、3つ全部体力点-2だったことでしょうw

兜はどこ?

 65番。盾・兜・胸甲を身につけていれば有利になるのだけど、盾と胸甲はわかるけど、兜なんて出てきたかなあ?

 ……と思っていたが、まさか、298番の〈混乱の兜〉のことか!? あれば65番の一発死の確率が16.7%下がるのですごく重要だけど、さすがにこれは……。そもそも、運だめしに失敗しないと〈混乱の兜〉を入手するルートに入れないし。文章をよく読むと、一度かぶっただけでその後は外しているので、これではないのかなあ。

 〈混乱の兜〉が入手可能だとしても、『火吹山の魔法使いふたたび』には技術点回復ポイントが数えるほどしかないので、技術点-3は痛すぎる。唯一大きく技術点を回復できるチャンスが167番のプロバブスの幸運のお守りだが、ここまでも技術点が必要な戦闘は多数あるし、ここは体力点の方を回復させたいところだし……。 

盾の出番

 前項で盾はわかると書いたけど、ここで盾の出番が来るというのも結構トリッキーで驚いた。盾は開始直後に入手できるアイテム(82番)。すぐに役立つのでここで出番は終わりと思わせておいて(374番)、終盤に2ヶ所でデッドエンド回避に働く(169・65番)。「火」の箱入手の為に捨ててしまった回もありました(307・67・293番)。

パラグラフジャンプの処理が雑

 335番からのザゴールとのエレメンタル合戦。これまで集めた〈黄金の竜牙〉と『竜の目』のページの情報を使って、パラグラフジャンプを立て続けに4回させる趣向なのだけど、ここの処理がちょっと雑で、正しくないパラグラフジャンプをしているのに正しいと誤解させる余地が生じていると思います。ここはもう少していねいに処理してほしかった。

 趣旨としては――ザゴールが召喚したエレメンタルに対応するエレメンタルを呼び出す必要がある。エレメンタルを呼び出すには4つの〈黄金の竜牙〉を使うのだが、どの牙にどのエレメンタルの力が込められているのかはわからない。〈黄金の竜牙〉には番号が刻印されている。『竜の目』のページに、どの番号の〈黄金の竜牙〉にどの元素が込められていて、どの元素に対して有効かが書かれているので、この情報を元に正しい順番で4つの〈黄金の竜牙〉を使う――というものです。

 しかし、〈黄金の竜牙〉に刻まれている番号がジャンプ先のパラグラフ番号そのものなので、どの〈黄金の竜牙〉を使っても「〈黄金の竜牙〉を使って相手のエレメンタルを攻撃しようとする」という場面にジャンプします。一見すると正しいジャンプをしたように見えてしまいます。文章をよく読めば相手のエレメンタルの元素が異なるのでおかしいことは分かりますが、ここまででプレイヤーが得ている情報量は場合により様々です。〈黄金の竜牙〉や『竜の目』がいくつあるかや、〈黄金の竜牙〉と元素の対応があること、相手の元素に対して有効な元素があることさえ知らずにここまで来てしまう可能性もあります。気がつかずに読み飛ばしてしまう危険は十分あると思います。

 〈黄金の竜牙〉に刻印する番号はジャンプ先ではない数字にして、「現在のパラグラフ番号から使用する〈黄金の竜牙〉に刻まれた番号を加えた(引いた)パラグラフへ進め」などという処理にするべきだったと思います。

 また、『竜の目』のページにどの〈黄金の竜牙〉にどの元素が込められているかが書かれていますが、その〈黄金の竜牙〉の判別方法が刻印されている番号(つまりジャンプ先の番号)なので、〈黄金の竜牙〉を入手していなくても『竜の目』だけでジャンプ先の番号が分かってしまいます。番号が刻印された〈黄金の竜牙〉を持っていないとパラグラフジャンプをしてはいけないのですが、「一見〈黄金の竜牙〉に見えるが実はそうではない」というトラップアイテムがあるので*3それを正しいアイテムと誤解して『竜の目』に書かれた番号へジャンプしてしまう可能性があると思います……というか、自分はそれをやってしまいました。*4

 〈黄金の竜牙〉と元素の対応を特定する方法は、番号の刻印とは別にマークを刻印するなど、パラグラフジャンプに使う番号とは別の情報で行うべきだったと思います。

サイコロ運が必要な主な場面

 後期のリビングストン作品なので覚悟はしていたけれど、やっぱり任務達成には運に頼る場面が多すぎるな。サイコロ運が必要な主な場面は以下の通り。

159番 ドッペルゲンガー
ラウンド勝者が2Dを振りゾロ目が出れば勝ちという特殊ルール。体力点や運点は使えない。つまり技術点9なら勝率50%。偶然性も高いので技術点12でも安心できない。
5番 拷問室のトラップ
必須ルートなのに、2Dで技術点以下を振れないと一発で終了。
231番 ゴルゴンとの戦い
鏡があっても運だめしに失敗すると、1Dで4-6を振ると終了。1-3でも実質技術点12の相手との戦闘になる。運だめしに失敗するとかなりきつい。
  • ゴルゴン 技術点10 体力点8 ※こちらの技術点-2
326番 羊の目大食い大会
サイコロを使う特殊ルールイベントだが、要するに確率的には以下の通り(悪い順)。
  1. 50% バーバリアンとの賭けに負ける → 〈黄金の竜牙〉を取り逃す
  2. 25% 優勝以外でバーバリアンとの賭けに勝つ → バーバリアンとの戦闘に勝つ必要がある
  3. 25% 優勝(バーバリアンとの賭けにも勝つ)
50%で必須アイテムを取り逃し、25%で技術点10の敵に勝つ必要があるという厳しいイベント。
  • バーバリアン 技術点10 体力点10
194番 カオス・ウォリアー戦
倒さないと、必須アイテムの本の一ページ・銀貨2枚・革の鞭を取り逃がす。
  • カオス・ウォリアー 技術点10 体力点10
212番 プレイグ・ベアラー戦
倒さないと、必須アイテムの本の一ページを取り逃す。
  • プレイグ・ベアラー 技術点6 体力点4 ※1ラウンドでも負けたら終了
加えて、ここで「プロバブスの幸運のお守り」での体力点全回復を得ないと体力点が厳しいので、ここで運点9点以上あることが必須に近い。
34番 ゴブリンがレバーを引くのを阻止
2Dで技術点以下を振れないと必須ルートへ行けず終了。
65番 デス・ロードの鋼の球
盾と胸甲があっても1Dで1か2を振ると(確率33%)終了。
27番 ザゴール戦
言うまでもなく必須戦闘。
  • ザゴール 技術点11 体力点18

 サイコロ一発で即死・デッドエンド確定のイベントも多いし、単純に技術点勝負の戦闘も多い。

 今回の推奨能力値は、次の通りとします。

  • 技術点 11点
  • 体力点 24点
  • 運点 12点

 全能力最大の最強モードでもいいくらいですが、さすがにそれは味気ないので技術点だけ1点減らしました。これでも、ゴルゴン、バーバリアン、マミーあたりと戦闘になってしまうと、体力点がかなりきついです。運点は温存して、ゴルゴン、マミーとの戦闘は絶対回避。できるだけ体力点・運点を残した状態で最終決戦にたどり着く必要があります。

 今回のルールは魔法のポーションや食料はないのだけど、今回こそこのルールが必要だったのでは……。

火吹山の魔法使いふたたび』の一番の見所は……

 というわけで、『火吹山の魔法使いふたたび』は、ゲームブックとしての面白さとしては、『ファイティング・ファンタジー・コレクション』に収録された他の作品と比べるといまいちだと思いました。火吹山の内部が『火吹山の魔法使い』と同じ構造だったり、ザゴールの伝説に新たな一幕が加えられたというという背景があってこその作品でしょう。

 そういう意味でも、『火吹山の魔法使いふたたび』の一番の見所は、一番最初、「背景」のこの記述で間違いない。

その一人がザゴールという名で知られた(また、恐れられた)火吹山の悪名高き魔法使いだった。そして、ある勇敢な冒険者が、ザゴールの邪悪な魔術からアランシアを救うために、その手下や死の罠の危険を顧みず火吹山の奥深くに踏み入った。

 これ、真っ赤なウソですよね。『火吹山の魔法使い』にザゴールが「悪名高き魔法使い」なんて書いてなかったし、「ザゴールの邪悪な魔術からアランシアを救うため」って、『火吹山の魔法使い』の主人公って、ザゴールの財宝目的の押し込み強盗だったじゃん。

 400番で、火吹山の宝物をさも当然かのように要求するアンヴィルの村人たちの行動も気になる。この宝物って、別にアンヴィルから盗まれたものではないですよね? やはりムースは信用できん。というか、この物語自体が本当のことだったのかどうか……。

プレイ記録(Twitter

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*1:

  • 257番「ブーツに短剣を差しているなら」
  • 142番「投擲用ダガーをブーツに差し込んでいるなら」
  • 315番「投擲用ダガーをブーツに差し込んでいるなら」

*2:

  • 70番「ブーツの側面に短剣を差し込む」
  • 220番「ブーツの側面に投擲用ダガーを差し込む」

*3:308・253番の〈青銅の竜牙〉と241番の金の竜牙。

*4:てっきり『竜の目』を読んで、消されてしまった〈黄金の竜牙〉の刻印番号を読み解くものだとばかり……。

『火吹山の魔法使いふたたび』のテキストマップ

 『ファイティング・ファンタジー・コレクション』の『火吹山の魔法使いふたたび』をクリアしたので、今回もテキストマップを作ってみました。*1

 当然ながら、ややネタバレなので、未プレイの方は注意して下さい。

テキストマップ

 『火吹山の魔法使いふたたび』はかなり一本道な構造です。2つの大ショートカットルート――ヤズトロモを訪ねず火吹山へ直行するルートと、火吹山前半で縦坑を抜けず落とし格子の方を通るルート―――以外は、大きな分岐はありません。空間的なつながりをそのまま描こうとするとかなり縦長なマップになってしまうので、あまり意味のない部分は縦を詰めるように心がけました。

 火吹山へたどり着くまではオープンフィールドなのでイベントのつながりを示す図で。火吹山の前半は『火吹山の魔法使い』を彷彿とさせる演出が続くので、『火吹山の魔法使い』のテキストマップを生かした空間のつながり重視の地図。ただし、拷問室の天井裏から縦坑を抜けて落とし格子の裏へ出るルートは、空間的なつながりは書きにくかったので、別枠でイベントのつながりを書きました。終盤は空間的なつながりはゲーム的には意味がないので、途中からイベントのつながりの地図に切り替えました。

 途中まで『火吹山の魔法使い』と同じマップなのはおもしろいけど、どうせなら最後まで同じマップにしたら良かったのに、と思う。

混沌と秩序

       ┏━━━━━━━━┓ ┏━━━┓    
       ┃335エレメンタル ┠→┃27決闘┃    
       ┗━━━━━━━━┛ ┗━━━┛    
           ↑               
        ┏━━┷━━┓            
        ┃219裂け目 ┃            
        ┗━━━━━┛            
           ↑←──────┐       
         ┏━┷━━┓ ┏━━┷━━━┓   
         ┃169弓兵 ┠→┃125杖とかご ┃   
         ┗━━━━┛ ┗━━━━━━┛   
           ↑               
         ┏━┷━━┓            
         ┃102衛兵 ┃            
         ┗━━━━┛            
           ↑     【混沌と秩序】   
        ┏━━┷━━┓            
        ┃249マミー ┃            
        ┗━━━━━┛            
           ↑               
      ┏━━━━┷━━━━━┓         
      ┃371マインドベンダー ┃         
      ┗━━━━━━━━━━┛         
           ↑         305女性と少年
          ┃142┃4鉄の扉      ┏━━━┓
    ┏━━───┻■┻─────────┨   ┃
    ┃172     4     373   48□ 305 ┃
    ┃ ┏─────────┐ ┏━━━┫   ┃
    │ │172落とし穴    │ ┃   ┣━━━┛
    │ │         │97□ 222 ┃    
    │ │  222ボードゲーム│ ┃   ┃    
    │ │         │ ┣━━━┫    
    │ │         │ ┃   ┃    
    │ │         │32□ 144 ┃    
┏━━━┫ │360ヴァンパイア  │ ┃   ┃    
┃   ┃ │     ┏━━━┫ ┣━━━┛    
┃ 360 □109│     ┃   ┃ │144大吸虫    
┃   ┃ │     ┃ 60 □151│        
┗━━━┫ │     ┃   ┃ │        
    │ │     ┗━━━┫ ┣━━━┓    
    │ │   60灰色のぼろ│ ┃   ┃    
    │ │         │349□ 194 ┃    
    │ │         │ ┃   ┃    
    │ \─────────/ ┣━━━┛    
     \     304     /194        
      \───┐ ┌───/ カオス・ウォリアー
          │ ┣━━━┓          
          │ ┃   ┃          
      187合言葉│187■ 204 ┃204羊の目大食い大会 
          │170┃   ┃          
          │ ┣━━━┛          
      ┏━━━┷□┷━━━━┓         
      ┃          ┃         
      ┃    337     ┃337胸甲      
      ┃          ┃         
      ┗┯∞┯━━━━┯∞┯┛         
     ┏━┛ ┗━┓┏━┛ ┗━┓        
     ┃     ┃┃  90  ┃90蔵書     
 124穴の道┃  124  ┃┃  38  ┃38謎の道    
     ┃     ┃┃     ┃        
     ┗━┓ ┏━┛┗━┓ ┏━┛        
      ┌┘ └────┘ └┐         
      /    364 216    \         
~~~~~~~~~~~~↑~~~~~~~~~~~~~~
~~~~~~~~~~~~※D ~~~~~~~~~~~~~

地底川まで

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━┓~~~~~~※Dへ ~
┃┏━━━━━┓          ┃~~~~~~~↑~~
┃┃387隠し扉 ┃←┐        ┃ 158渡し舟\158 / 
┃┗━━━━━┛ │  ※Cへ    ┃      │ │ 
┃  ↑     │  ↑     ┃      └□┘ 
┃ ┏┷┓  ┏━┷━━┷━┓   ┃149トログ /   \
┃ ┃13┠─→┃118聞き覚え ┃   ┃ ロダイト│ 149 │
┃ ┗━┛  ┗━━━━━━┛   ┃     │   │
┃  ↑←──────┐      ┃     \┌□┐/
┃┏━┷┓ ┏━━━━┷━━━━━┓┃ ┌────┘ │ 
┃┃347 ┠→┃227オークとドワーフ ┃┃ │      ・ 
┃┗━━┛ ┗━━━━━━━━━━┛┃ │ ┌────┘ 
┃  ↑←─────┐       ┃ │ │      
┃┏━┷━━┓ ┏━┷━━┓    ┃┏┷□┷┓     
┃┃283石像 ┠→┃209土器 ┃    ┃┃   ┃121    
┃┗━━━━┛ ┗━━━━┛    ┃┃ 121 ┃ケイブ・ 
┃  ↑              ┃┃   ┃トロール 
┃┏━┷━━━━┓         ┃┗┯□┯┛     
┃┃314樫の椅子 ┃ 《縦坑の先》  ┃ │ │      
┃┗━━━━━━┛         ┃┏┷□┷┓     
┃  ↑              ┃┃   ┃     
┃┏━┷━━━┓ ┏━━━━┓   ┃┃ 162 ┃ 162骸骨 
┃┃372頭蓋骨 ┃←┨383縦坑 ┃←※B ┃┃   ┃     
┃┗━━━━━┛ ┗━━━━┛   ┃┗┯□┯┛     
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ │ │      
            ┌───────┘ └──┐   
            │            │   
    23鉄格子とレバー└──┐ ┌───────┘   
  ┌────────────┛ ┃           
  │358 253  23  36    3 ┃3古いベンチ      
  └────┓…┏─∞───━━┛           
       │ │ ↑                 
       │ │ ※C                 
       │ ┣━━━┓               
       │ ┃   ┃  ┏━━━━┓       
       │273□ 87 ┃←→┃51天井裏┃→※Bへ    
       │ ┃   ┃  ┗━━━━┛       
       │ ┣━━━┫87かつての拷問室       
       │ ┃   ┃               
       │56□ 226 ┃226かつての武器庫       
       │ ┃   ┃               
       │ ┣━━━┫               
       │ ┃   ┃               
       │37□ 389 ┃389汚泥と鎖          
       │ ┃   ┣━━━┓           
┌──────┘ ┗━━━┫   ┃           
│       281   152□ 210 ┃           
└─┐ ┌────────┨   ┃           
  ■ │         ┗━━━┛           
  ┤ │       210かつての食堂          
  ■ │                        
  ┤ │                        
  ■ │          【地底川まで】       
  ┤ │     140瓶                 
  │ └─────━━┫                
  │   166 221 140■                
  └───┐ ┌─━━┫                
      │ │                    
      /※A \                    

アンヴィルから火吹山へ

┏━━━┓                    
┃71大鷲┠──────→※Aへ ←──────┐  
┗━━━┛                 │  
  ↑                   │  
┏━┷━━━━━━━━┓          │  
┃309ズート・ジンマー ┃←──┐      │  
┗━━━━━━━━━━┛   │      │  
  ↑            │      │  
┏━┷━━━━━┓ ┏━━━━┷━━━━┓ │  
┃182ヤズトロモ ┠→┃116ディープ・シー ┃ │  
┗━━━━━━━┛ ┗━━━━━━━━━┛ │  
  ↑←──────────┐       │  
┏━┷━┓ ┏━━━┓ ┏━┷━━┓    │  
┃11突風┠→┃89転覆┠→┃379老人 ┃    │  
┗━━━┛ ┗━━━┛ ┗━━━━┛    │  
  ↑                   │  
┏━┷━━━━━━━━━━┓        │  
┃112・188・77・292白い鳩 ┃        │  
┗━━━━━━━━━━━━┛        │  
  ↑                   │  
┏━┷━━┓                │  
┃238帆船 ┃                │  
┗━━━━┛                │  
  ↑←─────┐←────┐      │  
┏━┷━━┓┏━━┷━┓┏━━┷━━┓┏━━┷━┓
┃143暗闇 ┃┃95地下室┃┃180眠り草 ┃┃86巨石群┃
┗━━━━┛┗━━━━┛┗━━━━━┛┗━━━━┛
  ↑      ↑     ↑      ↑  
 ┏┷━┓ ┏━━┷━┓   │  ┏━━━┷━┓
 ┃250 ┠→┃329廃屋 ┠───┘  ┃64オーガー┃
 ┗━━┛ ┗━━━━┛      ┗━━━━━┛
  ↑←─────┐            ↑  
 ┏┷━┓ ┏━━┷━━┓       ┏━┷┓ 
 ┃120 ┠→┃318赤アリ ┃       ┃19絵┃ 
 ┗━━┛ ┗━━━━━┛       ┗━━┛ 
  ↑                   ↑  
 ┏┷━┓                 │  
 ┃237 ┠─────────────────┘  
 ┗━━┛                    
  ↑                      
┏━┷━━━━━┓  【アンヴィルから火吹山へ】 
┃161キノコ売り ┃                
┗━━━━━━━┛                
  ↑←──────────┐          
 ┏┷┓ ┏━━━━┓ ┏━┷━━┓       
 ┃1 ┠→┃341追跡 ┠→┃72闇狩人┃       
 ┗━┛ ┗━━━━┛ ┗━━━━┛       

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*1:順番でいえば『モンスター誕生』の方が先ですが、『モンスター誕生』は道のりがあまりにも複雑なのできれいに描けず挫折中……。なので『ふたたび』を先に書きました。

『盗賊都市』の謎?

 『ファイティング・ファンタジー・コレクション』の『盗賊都市』をプレイした感想・疑問などをつらつらと書いてみます。

 かなりネタバレですので注意して読んで下さい。

食事はいつ取れる?

 『盗賊都市』のルールで解釈に迷うのが、食事をいつ取ってよいかです。保存食ははじめから10食分持っていて、食べると体力点が4点回復します。『火吹山の魔法使い』では指示があった場合のみ食べることができましたが、『盗賊都市』では任意に食べることができます。ルールには以下のように書いてあります。

戦闘中以外なら、いつでも一息ついて食事をとることができる。一度にとれる食事は一個だ。

問題は「一度にとれる食事は一個だ」の部分です。「一度」とは?

 「1パラグラフにつき1個。ただし戦闘が発生するパラグラフでは不可」と考えるとルールとしては明快です。しかし、ゲームバランス的には甘すぎる気がします。また、短時間で複数回食事が取れることになってしまうので現実的にもおかしな感じがします。

 1つのイベントにつき1個という解釈は、現実的にもゲームバランス的にも妥当です。しかし、どこからどこまでが1つのイベントかは判断がつきにくい場合もあります。屋敷や海賊船、下水道、ザンバー・ボーンの塔などは全体で1つのイベントとするのか、いくつかに分割できると考えるのか……。もっと現実的に、文章を読んでみて食事を取る時間がありそうならOKという考え方もありますが、ルールとしてはどんどんあいまいになっていきます。

 自分としては、「食事を取って体力点回復」というのは極めてゲーム的な処理なので、現実感は無視して、確実に1通りの解釈ができる「1パラグラフにつき1個。ただし戦闘が発生するパラグラフでは不可」でいいと思います*1。そして、本来は食事を取れる場所はゲーム側で指示があるべきだと思います。

鎖帷子を手に入れると技術点マイナス2?

 FFルールで常に議論になる技術点増減の処理。ルールには次のように書かれています。

技術点、体力点、運点は追加であたえられることもあるが、これまでの点数と新たに加えられた点数の合計がそれぞれの原点を超えることはできない。ただし、ごく稀にだが、指定のページで超えられるような指示があった場合は除く。
特に指示のあった場合を除いて、技術点の合計は原技術点を超えることはできない。

実際、たまに「原技術点を増やす」と指示されることもあるので、「技術点を加える」というような指示では原点を超えるアップはできないというのは、ルール上は明らかです。

 しかし、ルール通りに解釈すると現実的に納得いかない場面が数限りなくあります。「魔法の剣を手に入れたのに技術点アップなしかよ(´・ω・`)」とか。

 特に、『盗賊都市』では鎖帷子の処理が納得できない。46番で鎖帷子を入手すると「技術点を二点加える」と指示されます。しかし、この時点で技術点が原点と同じだった場合は、ルール上、この技術点プラスを得ることはできません。そして、その後11番に行くと鎖帷子を脱ぐことで「技術点を二点失う」を食らいます。つまり、鎖帷子を入手したために技術点が2点減ってしまうのがルール上は正しい処理ということになります。どう考えても理不尽です。

 現実的には、11番では「鎖帷子入手時に技術点アップを得ていた分だけマイナスする」というのが妥当な解釈でしょう。しかし、そうするためには技術点アップの要因をいちいち記録する必要があることになります。アップした時点では、その後何を失うかなんてわからないですから。

 また、ルールを無視して「優れた装備品入手の技術点アップは原技術点アップだ」と解釈してしまうという方法もあります。現実的な納得感はありますが、しかし技術点は1点の違いでも戦闘などへの影響は大きいので、ゲームバランスが崩壊する可能性があります。*2

 技術点に関しては他にも、優れた装備品によって技術点にまつわるすべてがアップするのはおかしいという問題もあります。技術点は戦闘だけでなく、鍵開けや崖を飛び越えるなど、技能が要求される場面で使う場合があります。魔法の剣を入手して技術点がアップしたことで鍵開けが成功しやすくなるというのは変な話です(原点でも原点でなくても)。

 ルール上の正しさ、ゲームバランス、現実的な妥当性・納得感、プレイしやすさ(記録の簡潔さ)。あちらを立てればこちらが立たずという関係で、うまい解決方法が見当たりません。自分としては、ルール上の正しさとゲームバランスの維持を重視して、「鎖帷子を入手したために技術点-2を食らう」という処理でやむを得ないと思います。

 優れた装備品による効果としては、技術点ではなく攻撃力*3アップである場合もあります*4。これなら技術点が原点でも恩恵を受けられるし、技術点自体はそのままなので、ルール上の正しさ、現実的な妥当性・納得感も満足できます。この方が妥当な処理だと思います。優れた装備品の効果は攻撃力アップに統一すれば良かったのにね。まあ、それでもゲームバランスの問題は残りますが……。

持っているアイテムを失う?

 148番などで失うアイテムは、387番で入手する銅のブローチでも良いのだろうか?という疑問。金のブローチと銀のブローチはアイテムとして身につけている=入手しているという描写がされています(273番・13番・8番・132番)。よって、148番で失うアイテムとして選択して良いし、その場合はブローチの効果を失うと解釈するのが妥当だと思います。だとすると、銅のブローチにも同じ解釈を適用できると思うけど、さすがにご都合主義で気が引ける。

 似たような意味で、354番売れるアイテムの中に「サソリのブローチ」があるけれど、銅のブローチを売っても良いのか……。

銀のブレスレット?

 ついでに、354番で売れるアイテムの中に「銀のブレスレット」があるけれど、そんなアイテムは出てこなかったような……。

「竜殺し」? 名剣?

 初回プレイ時のこと。「背景」を読むに、『盗賊都市』の主人公は「竜殺し」の高名な冒険者のようだが、そのわりにはいつも通りの技術点1D+6なの? それと、「背景」でもらう広刃の剣が、これまでにない丁寧な描写で書かれていて格好いいのだけど、技術点にボーナスないの?

 ……と思って始めたら、開始早々の126番でその広刃の剣を手放すことになって、技術点-1を食らった(´・ω・`) 名剣込みで技術点1D+6かよ。「竜殺し」も大したことないな。

空き巣・強盗

 そして、その126番でずいぶん殊勝なことをする主人公だなと思ったが、その後は空き巣、強盗のオンパレードだった……。このときの義務感とは何だったのか。しかも、ゲーム的には空き巣・強盗をした方が有利な場面が結構多い。まあ、お互い様ではあるけれど。これがポート・ブラックサンド流か……。

 395番では強盗をしたことで「運点を四点失う」という強烈な罰を食らうが、これ以外にもたくさんあっただろ! 「深い罪悪感を覚えつつ」って、今さらそんな事を言われても。

勝手にお金を払わないで

 これも初回プレイ時のこと。364番で「(男は)「金貨二枚で居場所を教えてやる」と言う。きみは男を信じて情報に金を払うことにする。」って勝手に払うなよ! だって俺、いま金貨持ってないぜ! ちょうど屋台で全品買ったところだったので……。このゲーム、金貨0枚になる可能性って結構あると思うんだけど……。

 なお、341番と160番でも同様の事態に陥りました(´・ω・`) いいのかな?

魔法のポーション? 魔法の鎧?

 187番で衛兵に渡す「魔法のポーション」は359番で入手する〈精神操作の飲み薬〉でもいいのだろうか? あと、魔法の鎧でも可と書いてあるけど、魔法の鎧なんて出てきたっけ? 鎖帷子は魔法の品ではなさそうだし……。

刺青屋はどこ?

 『盗賊都市』において唯一難しい謎だと思うのが、刺青師の店の場所。文章をきちんと読んでいないとスルーしていることに気がつかないので、繰り返せば繰り返すほど見つからない。結構はまった。これってわざとやってるの? 社会思想社版はクリアしたはずなのだけど、まったく覚えていなかった……。

金貨を隠し持つ?

 サワベリーとファットノーズに金貨を巻き上げられる際に金貨を1枚隠し持つのはえらいが(367番)、このあと金貨が必要な場面はないのでゲーム上は意味がない。なんでわざわざこんな描写を……。

扉を体当たりで壊すと……

 ザンバー・ボーンの塔の扉を体当たりで壊した場合のペナルティ(365番)。社会思想社版では体力点-1だったが、コレクション版では技術点-1になっている。社会思想社版が誤っていたのでしょう。

 そしてこの後の使用人のセリフが秀逸。「このように劇的な入場をされる必要が本当にあったのでしょうかね?」。返す言葉もありません……。

スピリット・ストーカーの倒し方

 任務達成した後で読み直して気がついたんですが、スピリット・ストーカーの倒し方は「背景」に書いてあったんですね。気がつかなかった。てっきりザンバー・ボーンを倒すためのアイテムだと思っていた。回収できるなんて思わなかったし……。

3つの道の選択

 最初の3つの道、〈カギ通り〉〈市場通り〉〈時計通り〉の選択。どの道にも必須アイテムはないのでどれを選択してもクリア可能ですが、どの道を通るのが有利か?

 このゲームの最大の難関はムーン・ドッグ戦なので、そのために攻撃力アップアイテムを入手しておくことが重要です。よって、攻撃力アップのアイテムがない〈カギ通り〉は選びません。

 〈市場通り〉は金貨が増えるイベントが多く、街を通り抜けるには一番有利だと思います。しかし、64番で運だめしに成功して狼との戦闘を回避してしまうと*5、次の技術チェックに失敗すると屋敷に入れないので、攻撃力+1の立派な盾を入手し損ねます。これは痛い。

 というわけで、確実なクリアを狙うなら〈時計通り〉がオススメ。そして、攻撃力+1アイテムの魔法の兜(376番)を入手しておきます。運だめし一発で金貨をすべて失ってしまう可能性があるのが厳しいように見えますが(247番)、ここで金貨を失っても対策を取っておけば金貨は足ります。ポイントは、オーガーから宝石を入手しておくことと(324番)、パイプ夫人から保存食2食分で金の花をもらっておくこと(145番)。

ムーン・ドッグ

 このゲームの最難関、ムーン・ドッグ戦(217番)。技術点11の敵に自力で勝つ必要がある。「たった一つの成功への道」をうたっているゲームブックにはあるまじき強敵。「たった一つの成功への道」の記述は以下の通り。

「たった一つの成功への道」のリスクは最小であり、最初のキャラクター作成時のサイコロの出目がどんなに低くても比較的簡単に通り抜けることができるだろう。

真っ赤な嘘と言わざるを得ない。

 しかし、イラストなしで、単なる戦闘で勝っても何ももらえないし描写もあっさりしているので印象薄い……。「背景」では詳しく語られているけど、“盗賊都市”とは関係ないので繰り返しプレイするうちに忘れ去られている(^_^;)

『盗賊都市』の魅力とは?

 このムーン・ドッグ戦があるので、技術点は10点はないと厳しい。それでも道中で攻撃力+1のアイテムを手に入れてやっと攻撃力互角。運だめしも絡めれば、まあ何とかなるというレベル。技術点9でも体力点と運点が高ければ運だめしで逆転できるという考え方もありますが、サイコロ勝負になるのでそんなに面白くないと思う。

 あと、ザンバー・ボーンに遭遇した際に運だめしに失敗すると一発ENDだし(203番)、老魔女の髪を入手する際も、ベイズ・ボールで技術チェック失敗して(〈精神操作の飲み薬〉が入手できない。168番)、さらに運だめし失敗でデッドエンドになります(390番)。最善手を選んでもサイコロ頼みなのでかなり怖い。

 というわけで、『盗賊都市』の推奨能力値は、次の通りとします。

  • 技術点10
  • 体力点19
  • 運点11

 というような感じなので、『盗賊都市』は“ゲームとしては”自分はあまり好きではありません。上に書いたように技術点勝負や運だめしなどのサイコロ運も必要だし、他の選択でも、ほぼ当てずっぽうで正解を引かないとデッドエンドというものがある。道中も、最初の3つの道の以外はほぼ一本道だし、個々のイベントも「そのイベントに関わるか、スルーするか」しか選択できない場合が多く、プレイヤーが考える余地があまりない。探し物がある以上、初見でスルーするという選択はあり得ない。展開を想像して選択肢を選んだり、サイコロを振るにしても有利になるように戦術を考えるという楽しみが少ない。

 それでもこのゲームブックが魅力的で、『ファイティング・ファンタジー・コレクション』に収録された理由は、ファンタジー界随一の名都市、ポート・ブラックサンドを描ききったからでしょう。街中ではデッドエンドはそれほどないし、特に技術点の高い敵もいない。また、かなりのイベントはスルーできる。街を通り抜けるだけなら、能力値が低くても容易です。街中を観光する気分で、景色を見たり、冷やかしで店に入ったり、思わぬトラブルに遭遇したり。この街をうろついているだけで楽しい。

 それにより、全体のストーリーがどうでもいい、街を出た後の話がつまらない、ラスボスが印象薄い、という欠点をまた生み出してもいるとも言えますが……。オープニングは危機感迫る描写で格好よかったのにね。街中の面白さと比べると、街を出た後の展開は蛇足です。これなら、街を出た次のパラグラフで「こうしてポート・ブラックサンドで必要な品を入手した主人公は、その後、黒い塔で〈夜の王〉を打ち倒し、シルバートンに平和な日々が訪れました。めでたしめでたし」で終わらせて、その分ブラックサンド内のイベントを充実させた方が良かったんじゃない?

プレイ記録(Twitter

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*1:似たような意味で、体力のポーションなどは、ルールに「いつでも使用することができる」と書かれているのだから、本当にいつでも、戦闘中でも代償なしで使える、と解釈しています。

*2:『盗賊都市』では後述のムーン・ドッグ戦があるので、むしろこの処理の方がゲームバランスは取れている気もしますが……。

*3:戦闘時に使う、技術点+サイコロ2個の値のこと。

*4:『盗賊都市』では、340番の「立派な盾」、376番の「魔法の兜」が攻撃力アップになっています。

*5:ここの運だめしは、失敗した方が確実に屋敷に入れるので有利。