自分が持っているゲームブックリスト(自分のゲームブック遍歴も)

 初めて立ち寄った、昔ながらのたたずまいの古本屋で、ゲームブックが大量に置いてあるのを発見しました! しかも、値段も定価より安いものばかりです。

 これは宝の山だと思って物色し始めましたが、そのゲームブックをすでに持っているかどうか思い出せないことに気がつきました。まあ、もうダブりなんて気にせず全部買っちゃってもいいのかもしれませんが、めずらしく誰もが手に取れる棚にゲームブックがあるのだから、ゲームブックとの出会いの場は残しておきたいなあ。でも、もうこんな機会一生ないかもしれないし……。

 ああ、自分が持っているゲームブックのリストを作っておけばよかったなあ……。


 ……というところで目が覚めるという夢を何回も見たことがあります(^_^;)

 というわけで、少し前に本棚を整理したのを機会に、所有するゲームブックのリストを作って、ついでにアップしておこうと思いました。これなら夢のような事態になった時でもいつでもスマホで持っているか確認できるので安心。あくまで自分のために作ったリストなので、どの情報を載せるかやリストの順番などは自分の好みです。右端の“既読”は、少なくとも1回はクリアしたという記憶があれば“○”としました。途中で挫折したものは空欄のままです。*1*2

所有ゲームブックリストの表の一部

docs.google.com


 なかなか懐かしいリストになりました。これを見ていると、自分のゲームブック遍歴を書きたくなったので以下に書きます。簡単なゲームブック紹介も含んでいますが、読み返したりしないで記憶で書いているので、思い出補正が入っている可能性があります(^_^;)

 マンガ雑誌に掲載されたものや、付録のゲームブックはもっと前に触れた事があると思いますが、一番最初にはっきりゲームブックを読んだと認識したのは、双葉文庫スーパーマリオブラザーズVol.3 マリオ軍団出撃』だと思います*3。いわゆる“双葉の青背表紙”の一つ。マリオ、ルイージ、ピーチ姫のパーティ・プレイ。3人それぞれに体力ポイント・知力ポイント・経験ポイントがあり、さらにルイージはガンとボムの弾数、ピーチ姫は2種類のマジカルロッド(体力回復アイテム)の使用回数とコイン(攻撃アイテム)の枚数を記録するという、管理する数字が多い本格的なゲーム。ランダム要素は使わないのでゲームバランス抜群で最後まで楽しめる。今でも最も好きなゲームブックの1つです。

 そのあとも、よく読んだのは双葉の青背表紙です。「粗製濫造」と言われることがあるけれど、自分はそんな印象はまったくない。むしろ珠玉の名作揃いだと思います。中でも特に好きだった作品をいくつか挙げてみます。

 それと、ファミコン関連ではエニックス文庫のドラゴンクエストも好きでした。当時のエニックスは「ドラゴンクエストIII」の発売後から出版事業に力を入れ始めた(と記憶している)ので、ゲームブックはIII、II、Iの順番で発売されています。特におもしろかったのが、ドラゴンクエストII『上 勇者の末裔たち』『下 激闘! ハーゴンの神殿』)。それまでのとぼけたイメージを覆した、かっこいいサマルトリアの王子の描写は今でも語り草。

 という感じでゲームブックは読んでいたものの、あくまでファミコンものが中心で、社会思想社東京創元社のものなどにはあまり興味はありませんした。テーブルトークRPGには興味があったので、文庫で手に入る「ソード・ワールドRPG」と「トンネルズ&トロールズ」は買い集めていました。なので、T&Tソロ・アドベンチャーはすべてプレイしていました。ゲームバランスが豪快すぎたけど、まあT&Tはそういうものだと思って楽しんでいました。「サルクティの魔除け」(『恐怖の街』収録)は謎解き要素もある本格的な冒険物で、T&Tソロ・アドベンチャーの中では完成度が高い、というか唯一のまともな作品だった気がする(^_^;) 他に、「青蛙亭ふたたび」(『傭兵剣士』収録)、ソーサラー・ソリテア」(『カザンの闘技場』収録)、嘆きの壁を越えて』が好きでした。*5

 そのうちに、双葉文庫青背表紙も、T&Tソロ・アドベンチャーも新刊が途絶え、そのままゲームブックは自分の中でもフェードアウトしてもおかしくなかったのですが……。その状況を一変させるゲームブックとの出会いがありました。

 時期がはっきりとは思い出せないのですが*6、場所は覚えている。神保町の三省堂書店本店*7。入口から入ってすぐのエスカレーターを上がった2階の一角がゲームコーナーになっていて、双葉文庫青背表紙がずらりと並んでいました。その中にあった1冊が『少年魔術師インディ マジカルインフェルノ。当時は主にファミコン原作ものを読んでいたので、なぜこれを買おうと思ったのか思い出せないのですが、買ってプレイしたところ、これが抜群におもしろい! ストーリー、キャラクター、謎解き、すべてが良かった。これは『2』も読みたいなあと思ったけど、確か『2』は三省堂の本棚にはなかったなあ、と思って三省堂を訪れてみると『少年魔術師インディ2 禁断の魔力』が棚に置かれていた! もちろん即購入してプレイしたところ、これが『1』以上におもしろい!*8

 『1』で1つだけ残念だったのが、謎解き要素が強いゲームブックなのに、物語上一番重要な“謎解き”が、物語の進行の中で自動的に解かれてしまったことでした。物語的な盛り上がりはあったけど、ゲーム的にはここが弱かった。それが『2』では、クライマックスも含め、あらゆる謎解きがプレイヤーが能動的に関われるようになっていました。一見ノーヒントに見える選択肢でも、注意深く読んでいると正しい選択ができる。とは言え、そのヒントをすべて読み解くのも難しいので、試行錯誤で解くこともできるし、救済措置の露骨なヒントを入手する手段もある。謎解きの面白さと難度のバランスが絶妙。ゲームブックがこんなにおもしろいなんて!

 それ以来、ゲームブックと名のつくものすべてに興味が出てきて、社会思想社や、東京創元社富士見書房などのゲームブックも読むようになりました。だから、ファイティング・ファンタジー「ソーサリー」ドルアーガの塔」三部作、富士見ドラゴンブックなどの大半は、ゲームブック・ブームは下火になっていて、新作の発売がすでに止まっていた頃に読んだことになります。

 この頃は、書店のゲームブックの棚も縮小されていました。でも、ゲームブックの入手に困ることはありませんでした。なぜなら、ゲームブックは古本屋でいくらでも売られていたから。後期のものはさすがになかなか見つかりませんでしたが、初期のものは100円で売られていることも頻繁にありました。それだけでも読みたいゲームブックは十分入手できました。当初は実際に読みたいものだけを買っていましたが、そのうちに「どうやらゲームブックはこれ以上発売されることはなさそうだ」と思うようになって、ゲームブックはできるだけ集めたくなったので、定期的に神田神保町の古本屋街を巡って買い集めるようになりました。*9

 21世紀に入る頃から、古本屋でもゲームブックを見かける機会は次第に少なくなりました。まあ、それでもすでに十分な量のゲームブックを持っているし、少なくとも「ファイティング・ファンタジー」は書泉ブックマートの2階に全巻揃っているからいつでも入手できるし、と思っていたらいつの間にかそれも無くなっていた(´・ω・`) いま思えば、これが予兆だったかなあ……。これ以降は、古本屋でゲームブックを見かけることもなくなり、ゲームブックの価格は高騰しました。自分の本棚には、創土社などの復刊&新作を買いつつ、近年の『ファイティング・ファンタジー・コレクション』などを加えたのが、今回作ったリストということになります。


 今となっては高値で取り引きされている本もたくさんありますが、当時はこんなことになるなんて思いもしませんでした。ゲームブック・ブームが終焉して投げ売りされているのを目の当たりにしてきましたから。

 以前も書いたことがありますがほしいと思った本は読む時間が無くてもとりあえず買っておくべき、と自分に言い聞かせています(^_^;) いつでも買えると思っていると、いつの間にか買えなくなります。2009年発売のHJ文庫Gの『ハウス・オブ・ヘル』『デストラップ・ダンジョン』『サムライ・ソード』の3作*10は、発売当初はそれほど興味がなくて買いませんでしたが、2015年頃になって「これはそのうち買えなくなるかもなあ」と思って購入しました。その頃でもまだ新品で入手できましたし、古本でも500円以下で売られていました。買っておいて大正解*11。『サムライ・ソード』なんて、2021年頃までAmazonで新品で買えたみたいじゃないですか。そして、新品で買えなくなった途端に高騰。創土社浅羽莢子訳「ソーサリー」四部作や『夢幻の双刃』、新紀元社の『魔法使いディノン(2) 闇と炎の狩人』なんかはまだ新品で入手できるようですが、これらもいつの間にかなくなって、高値で取り引きされるようになるよ、きっと。

 というわけで、『ファイティング・ファンタジー・コレクション ~火吹山の魔法使いふたたび~ 再生産版』は2024年2月16日予約分までの受注生産品となっているので、みなさんお買い逃しのないように(^_^;)

 

*1:読んだ記憶はあるけどクリアはしていない気がするゲームブックもいくつか……。『甦る妖術使い』とか『ゼルダの伝説 神々のトライフォース』とか……。

*2:さらにその右の数字は、自分用の並び替え番号です。

*3:「Vol.3」とありますが、ファミコンの「スーパーマリオブラザーズ3」のゲームブック版というわけではありません。そもそも発売が「3」より前ですし。

*4:自分はファミコン版はクリアしていないのだけど、本書のプロローグってもしかして、ファミコン版のこれ以上ないすさまじいネタバレだったのでは……。

*5:ソード・ワールドのソロ・アドベンチャーが発売されるという予告を見た記憶があるのですが、結局発売されなかったので残念。

*6:1990年代前半だとは思う。

*7:現在建て替え工事中。

*8:なお、そのあと何度も三省堂に足を運びましたが、『少年魔術師インディ3 異境の呪術師』が棚に並ぶことはなく、やがてゲームブックコーナーは消滅しました。『3』はだいぶあとになって古本で入手しました。

*9:二見書房の「ドラゴン・ファンタジーグレイルクエスト)」や勁文社のアドベンチャーヒーローブックスなどがあまり入手できていないのは、古本屋では主に文庫の棚ばかりを探していたので、新書サイズの本は目に入らなかったからだと思います。「グレイルクエスト」は、インターネットで「マーリンの呼び声」を読むまで存在自体知らなかったと思う。ソード・ワールドのリプレイ(たぶん)で「14へ進め」という冗談がでてきたとき、意味がわからなかったもの。

*10:いわゆる“萌えFF”。

*11:高値が付いたからということではなく、おもしろかったから。

スマホの文字入力はどうする? ~「Super ATOK ULTIAS」と「Gboard」~

 スマホ奮闘記の続きです。今回は文字入力に関する話です。やはり文字入力は、自分にとっては一番の関心事ですからね。キーボードなしではどうしても限界はありますが、それでもできるだけ快適に文字入力できるようにしたいところです。

 arrows Weの日本語入力(IME)は、Super ATOK ULTIASが標準搭載されています。自分はWindowsではATOKを使っていて大好きなのでこれは嬉しい。「ATOK」という名前は付いていますが、サブスク商品となっている「ATOK for Android」(ATOK Passportの一部)とは異なるアプリのようです。

pr.fujitsu.com

www.itmedia.co.jp

 しかし、Googleが開発した「Gboard」もインストールして使っています。「「Gboard」? 「Google 日本語入力」じゃないの?」と思いましたが、自分がスマホに入る少し前に、スマホでは「Gboard」に統一されたということのようです。

play.google.com

pc.watch.impress.co.jp

アンドゥはGboardにもSuper ATOK ULTIASにもある!

Gboardにはアンドゥがあると聞いて……

 そもそも、Gboardを使おうと思った最大の理由は、Gboardにはアンドゥがあると聞いたからです。前回の記事でも書いたとおり、アンドゥがないというのはAndroidスマホの大きな不満でした。

 インストールしてみると、アンドゥはGboard上の操作だけでなく、文字入力全般に対して利くことがわかりました。つまり、いま入力した文字を取り消すだけでなく、削除ボタンなどで消した文字を元に戻すこともできます。元に戻せるのは文字入力に関することだけなのでWindowsと比較すれば不十分ですが、これだけでもあるとだいぶ助かります。

 Windowsでは、間違って消してしまったら、当然[Ctrl] + [Z]ですぐに元に戻せます。IMEによってこれが利かないなんて考えられない。これがなかったら、消した内容を思い出して再び同じ文字を入力するしかありません。

 Windowsだと最悪「保存せずに閉じて、前に保存したところからやり直す」という手がありますが、Androidの場合「保存」という概念がなく(?)常に上書き保存されるので、その手も使えない。アンドゥがないと、消し過ぎは致命的な損失になってしまいます。*1

Super ATOK ULTIASの説明書をよく読むと……

 というわけで、どちらかというとGboardをメインに使っていましたが、GboardにもSuper ATOK ULTIASもどちらも一長一短で決め手に欠ける……。それぞれの良い点を上げると、以下の通りです。

 ……という記事をこのブログに書こうとしていて、ほぼ完成していました。いちおう、投稿する前に書いたことに誤りがないか確認しようと、Super ATOK ULTIASの説明書*2を読んでいたところ、以下の記述があることに気がつきました。

(8) カーソルの左側の文字を削除※3

《中略》

※3 文字確定後に上フリックでカーソル右側の文字削除、左フリックでカーソルの左側の文字全削除を行います。下フリックで削除した文字を戻します。

 「下フリックで削除した文字を戻します。」!? そんな機能があるとは聞いてなかったんですけど!

Super ATOK ULTIASの12キー。右上の削除キーの上フリックはCLR、左フリックはALL、下フリックは戻す。

Super ATOK ULTIASのアンドゥ

 さっそく試してみると、確かに右上の[BackSpace]に相当するキーの下フリックに「戻す」と表示されるていることに気がつきました。やってみると、Gboardのアンドゥとほぼ同じ機能でした。Super ATOK ULTIASでの入力した文字だけでなく、削除した文字を元に戻すのにも使えるのも同様。

 気がつきにくかった原因の1つは、アンドゥが利かない場面(アンドゥするものが何もない場面)では「戻す」は表示されないことです。自分が最初に一通り試した時は、上フリックのCLR(1文字削除。Windowsでの[Delete]相当)、左フリックの「ALL」(カーソルより前の文字すべて削除*3)しか表示されていなかったと思います。

 もっと大きな原因は、アンドゥがない(と思い込んでいた)ことです。先ほども書いたとおり、アンドゥがないと消し過ぎは致命的な損失になります。削除キーは押しっぱなしにするとキーリピートが働いて連続してザザザーっと消してしまいます。間違って左フリックの「ALL」なんてやってしまった日には目も当てられない。

 だから、削除キーを押す時は、消す部分を凝視しながら、ちょんちょんと、間違ってもキーリピートやフリックにならないように慎重にタップしていました。だから「戻す」と表示されていても見えていなかったのでしょう。これからは、アンドゥがあることがわかったので、キーリピートを使ってガンガン消せるぞ。

 ……ということに昨日、つまり前回の記事を書いたあとに気がつきました(^_^;) 大前提がひっくり返ってしまった……。キーリピートがSuper ATOK ULTIASにもあるんだったら、Gboardの大きなアドバンテージがなくなってしまったなあ……。Super ATOK ULTIASも、なんでこんな良い機能を※印のあとにこっそり書くんだろう。

 とは言え、Gboardの方が良い点もあるので、それぞれの良い点を以下に書いておきます。

Super ATOK ULTIASの良い点

数字を確定文字で入力できる

Super ATOK ULTIASのテンキーの設定画面

「数字は確定入力」の設定

 Super ATOK ULTIASには「数字は確定入力」という設定があります。これをONにすると、数字は確定ボタンをタップしなくても、入力と同時に確定することができます。

 Gboardだと、確定ボタンをタップしないといけないので、数字を入力するたびに1タップ余計にかかります。これはかなり影響が大きい。

 これは、WindowsATOKではおなじみの機能です。かなり昔から「テンキーからの入力を必ず半角にする」と「確定文字で入力する」という設定がありました。「Microsoft IME」ではテンキー入力を必ず半角にすることはできましたが、確定文字で入力することはできなかったので、ここはATOKのアドバンテージの一つになっていました。

 でも、Google日本語入力ではATOKと同じく必ず半角確定文字で入力することはできます。なら、Gboardでもできていいと思うのだけど……(´・ω・`)

QWERTYキーボードで、上フリックで大文字が入力できる

Super ATOK ULTIASのQWERTYキーボード画面。gの上にG、下に%

上フリックで大文字を入力

 Super ATOK ULTIASのQWERTキーボードでは、単にタップすると小文字を入力しますが、上にフリックすると大文字、下にフリックすると記号・数字を入力できます。これは便利。いちいちシフトボタン(大文字/小文字切り替えボタン)をタップする必要がなくなるので、小文字・大文字混じりの入力がかなり楽になります。

 Gboardでも同様の機能はあるのですが*4、入力する場所によってはなぜか利かないことがあるので安定感に欠けます。Super ATOK ULTIASだと、自分の経験では利かなかったことはありません。

Gboardの良い点

文字の範囲選択を1文字単位で操作できる

Gboardのテキスト編集画面

Gboardのテキスト編集

 Gboardには「テキスト編集」ボタンがあります。これを使うと画面上の矢印ボタンをタップすることで、カーソルを1文字ずつ移動させることができます。

 中央の「選択」をタップした状態にすると同時にテキストを選択状態にできるので、選択範囲も1文字ずつ調節できます。

 スマホはタッチパネルで操作できるのが特徴ですが、タッチパネルの操作はやはり細かい部分は操作しづらい。文字選択は「ここ」という1点にカーソルを動かしたい場合が多いので、この機能はかなり助かります。


 というわけで、それぞれに良いところがあります。それゆえに、一方を使っている時に「これができない!」とちょっとしたことでストレスがたまり続け、いまだにスマホの文字入力には苦手意識があるという状態です。Super ATOK ULTIASにアンドゥがあることがわかったので、これからはこちらを使うと思いますが、Gboardの方が良いところもあるんだよなあ……。

 これらの問題は、ATOK for Androidを使えばすべて解決するのでしょうか? だとしたら導入を検討したいですが……。

atok.com

かぎかっこや中黒(・)をどうやって入力する?

 Androidスマホの文字入力で一つ困っているのが、かぎかっこや中黒/中点(・)の適当な入力方法がない事です(Super ATOK ULTIASでもGboardでも)。

 「?」や「!」や「…」は右下のボタンのフリックで入力できるのですが、この中にこれらの記号はありません。記号一覧から選択すれば入力できますが、かぎかっこや中黒のために一覧を表示するのはスマートさに欠ける。Gboardだと「・」はテンキーの4の右フリックで入力できますが、入力モードを切り替えるのでは手間がかかるのは同じです。

 自分がやっている方法は、かぎかっこは「や」の左右フリックで丸かっこを入力して変換、「・」は「、」を入力して変換です

 かぎかっこや「・」は日本語の記号なのだから、ひらがな入力モードの12キーだけで入力できるべきだと思うんですよ*5。左下の「小文字/大文字、濁点/半濁点」を切り替えるボタンのフリックが使われていない部分があるので、ここに配置すればいいと思うんだけど……。何か不都合ありますか?*6

前回の記事

y-koutarou.hatenablog.com

*1:だから、消す操作は慎重にならざるを得ず、「とりあえず消してみて消しすぎたら元に戻す」ということもできないので、操作の快適さがますます失われます。

*2:正確には、arrows Weの説明書の文字入力に関する部分。

*3:行単位ではありません。「すべて」です。

*4:Super ATOK ULTIASとは逆で、上フリックが記号・数字、下フリックが大文字入力になります。

*5:「◎」とか「★」が入力できないのは納得できるけど、かぎかっこと中黒はPCでは1キーで入力できる記号なのだから。

*6:「や」の左右フリックで丸かっこが入力できるのは、空いている部分を有効活用してすごく良いと思う。これを初めて作った人はすごいね、えらいね。

ずっとガラケーを使っていた自分がスマホの使い方でつまずいたこと

 みなさんはスマホを使いこなしていますか? 自分はさっぱりです! そもそも、スマホを使い始めたのも、2022年の初めくらいにauの3Gサービスが終了するという話を知ってからです。それまではガラケーで十分じゃん。電話もできるしメールもできるし画像も送信できるし写真も撮れるし。他に何か必要なことある?と思っていました。

 そうは言っても、もうスマホの所有は当然という時代だし、使ってみれば便利なこともあるかもしれない。これを機会にと、乗り換えキャンペーンでarrows Weという機種を使い始めました。しばらくは本格的に使うという気が起こりませんでしたが*1、それでも徐々に使い始め、とまどいながらもなんとかやっているところです。

 そんな自分がこれまでの短いスマホ使用経験から、つまずいたこと、気がつくのにだいぶ時間がかかったことなどを書いておきます。

指紋認証でロック解除できない?

 arrows Weは、背面に指紋センサーがついています。これを使えば暗証番号を入力しなくてもロック解除ができるとのことなので、さっそく使ってみました。「指紋管理/FASTフィンガーランチャー」で指紋を登録するところまではすぐにできました。

指紋管理/FASTフィンガーランチャー:指紋にアプリを登録と表示される

指紋にアプリを登録する?

 しかし、その指紋認証を使ってロックを解除する方法がわかりません。「指紋管理/FASTフィンガーランチャー」で指紋を登録した指の登録画面を開くと「指紋にアプリを登録」と出てきます。へー、指紋はロックを解除するだけではなく、アプリを立ち上げるランチャーとしても使えるんだー、と思いました。それも便利かもしれないけど、とりあえずアプリはいいから「ロックの解除」を登録したいなあ、と。

 ところが、アプリの一覧は表示されるのですが、その中に肝心の「ロックを解除する」という項目が見つかりません。それに、アプリを登録しても、指紋認証してもそのアプリが立ち上がることはありせん。センサーに触っても無反応です。なにこれ? 意味わからん。というわけで、ここで詰まって放置していました。

 ある時、スマホを手に取ったら、指紋認証に登録したアプリが立ち上がった状態になっていました。スリープ状態になっていたはずなのに、暗証番号も入力せずにロックが解除されてアプリが立ち上がっている。不思議な現象だ。なんで? もしかして、センサーにたまたま触ってしまったからか?

 ということがあってやっと気がつきました。つまりこういうことです。

  • ロック解除は「指紋管理/FASTフィンガーランチャー」で指紋を登録すればその指紋で行える。アプリを登録したかどうかは関係ない
  • アプリを登録すると、指紋認証でロック解除したと同時にそのアプリが立ち上がる。あくまで「ロック解除と同時に」立ち上げる機能あって、普通にスマホを使っている時にそのアプリを立ち上げる機能ではない

 そういえば、本体を手に取ると、スリープ状態でも時々ぶるっと震えるなーとは思っていたんですよね。これはたまたま背面の指紋センサーに触っていたからなんですね。

 これに気がつくのに半年くらいかかりました(^_^;) これ、便利だわーw

指紋認証をするために電源キーを押す必要はない

 以上のような経緯で指紋認証の便利さに気がついたので、自動的に次のことに気がつきました。

 暗証番号でロックを解除する場合は、まず電源キーを押して、次に上にスワイプして暗証番号を入力する画面に行き、そこで暗証番号を入力します。指紋認証はこの過程でも行なうことはできます。

 しかし、指紋認証でロック解除する場合は、電源キーを押してスリープを解除しなくても、スリープ状態からいきなり指紋センサーに触ることでも指紋認証は行えます

 これまで、「電源キーを押す」→「上にスワイプ」→「暗証番号入力」→「アプリを立ち上げる」の4ステップだったものが、「指紋センサーに触れる」の1ステップになりました。これは大きい。これに気がついてから、スマホを起動するハードルがかなり下がって俄然使う気が起きてきました。

指紋認証に成功したかどうかで震え方が異なる

 ちなみに、指紋認証に失敗した場合は「ブブ」と2回震えますが、指紋認証に成功した場合は「ブ」と1回震えます。

 指紋認証は失敗することもたびたびあります。触り直せば良いのですが、スリープ状態から指紋認証した場合は、失敗したとは表示されないので*2、失敗したことがすぐはわかりません。

 これに気がついてから、失敗したことが瞬時にわかってすぐに触り直せるようになったので、指紋認証の快適度が少し上がりました。

「■」はスクリーンショットを撮るボタン?

 多くの場合、画面下に「(左向きの)▲」「●」「■」の3つの記号が表示されています(3ボタンナビゲーション)。このボタンの効果は? 「(左向きの)▲」が「1つ戻る」、「●」が「ホーム画面を表示」なのはすぐにわかりましたが、「■」の効果がいまいちわかりませんでした。

Androidのタスク管理画面。画面下部に「スクリーンショット」と表示されている

■はスクリーンショットを撮るボタン?

 「■」をタップすると現在使っていたアプリの画面が一回り小さく表示されて(サムネイル)、画面下に「スクリーンショット」と出てきます。ということは「■」はスクリーンショットを撮るためのボタンなのかな??? そんなにスクリーンショットなんて撮るかなあ? でも、スマホはそういう文化なのかもなあ。そういえば、Windows 10では、[Windows] + [Shift] + [S]というショートカットが追加されるなど、近年スクリーンショットを撮る機能は強化されています。これはそういう流れを受けてのものだったのか……。などと思っていました。

 あるとき、「■」をタップした先の画面を見ていて気がつきました。これ、もしかして今まで使っていたアプリが全部表示されている? 右にスワイプしたら、いままで使っていたアプリの画面が次々と出てきました。それをタップするとそのアプリのその状態に移行できるではないか。

 つまり、「■」はアプリを切り替えるボタン、Windowsでいう[Alt] + [Tab]相当のボタンだったのか。俺がWindowsで一番好きなショートカットだ。これがスマホにもあったのか! これも気がつくのに半年くらいかかりました(^_^;)

「■」ボタンを2回押すと1つ前のアプリに戻る

 というわけで、「■」を押した先の「タスク管理」画面でいろいろできることに次々と気がつきました。

 まず、「■」2回続けて押した場合、元のアプリに戻るのではなく、1つ前に使っていたアプリに戻ります。よって、2つのアプリを切り替えながら使う場合はスワイプする必要はありません。タップを2回するだけで何回でも2つのアプリが入れ替わります。

 これも[Alt] + [Tab]っぽい。好きな挙動です。

アプリを終了させる

 「■」を押した先の「タスク管理」で、アプリの表示を上にスワイプすると、そのアプリを終了させることができますAndroidでは「戻る」ボタンなどを押してそのアプリ画面が閉じられたように見えても、終了はしていないことが多い。終了させるにはこの操作などをする必要があります。

 とはいえ、普段はいちいち終了させる必要はないようですけど。「なんかアプリの挙動がおかしいな」という時にこの操作でアプリを終了させたら復活できたことがありました。

分割画面

Androidの分割画面

分割画面の使用例

 「■」を押した先の「タスク管理」で、アプリ画面の表示ではなく、その上のアイコンをタップすると、「上に分割」というメニューが選択できます(できないアプリもあります)。続いて別のアプリを選択すると、画面の上半分と下半分で別のアプリを表示できます。

 外でゲームブックをプレイする時に、上半分でサイコロアプリを開いて、下半分でメールアプリ(キャラクターシートの代わり)を開くとすごく便利です(^_^;)

 しかし、下記のサイトの説明などでは、境界線を上下することで表示する面積を調節できると書いてありますが、自分はできたことがありません(´・ω・`) もしかして、arrows Weは画面サイズの調整はできないのか?

stepsとは?

 電源ボタンを押した時に表示されるロック画面の中に「0 steps」という表示があることが気になっていました。stepというからには歩数かなとは思うけど、歩数にしては数が少なすぎるし、ロック画面以外に表示される場所がないようだけど……。

歩数計を利用する

歩数のカウントを開始するかを設定します。

歩数計利用」をONにすると、歩数情報を利用するアプリやウィジェットが使用できるようになります。

「自分からだ設定」で身長と体重を設定すると、より正確な歩数情報が取得できます(?こちら)。

 説明書に直接の記載は見つからなかったのだけど、やはり歩数計のようですね。本体の機能としては標準装備だけど、歩数情報の利用は他のアプリなどにおまかせで、設定などでは過去の履歴さえ見ることはできない、ということのようです*3。だとしたらわざわざロック画面に表示するほど情報か? 自分の使用環境ではカウントも怪しいので使わないかな。

モバイルSuicaを使うためにアプリを起動する?

 そんな自分も少しはスマホの使い方に慣れてきて、モバイルSuicaアプリをインストールして、スマホをかざして自動改札を通過できるようになりました! 初めてスマホで改札を通過したときの緊張感は忘れられないね(^_^;)

 しかし、モバイルSuicaアプリって立ち上がるの遅いんですよね。立ち上げるたびに認証が必要だし、円がくるくる回って時間がかかる。駅に到着する少し前からアプリを立ち上げて準備しておく必要があるのが面倒だなあ。……と、しばらく思っていたのちに気がつきました。

 モバイルSuicaを使う時にモバイルSuicaアプリを起動する必要はありません。電源が入っていればOKです。アプリの起動はおろか、ロックを解除する必要さえありません。使うときに電源ボタンを押してスリープを解除するだけで十分です。電源が入っていない状態でも使えるという話もありますが、それを信じてやったら通過できなかったことがあるので、スリープは解除するようにしています。

残る疑問・問題点

 というわけで、なんとか使っていますが、まだまだわからないことがたくさんあります。自分がスマホを使っていて疑問に思っている点や、問題だと思っている点を書いておきます。

アンドゥがない?

 Androidを使っていて一番困るのが、アンドゥがない事です。文字入力に関しては「Gboard」を使えばできることはわかりました(その後「Super ATOK ULTIAS」でもアンドゥはできることに気がつきました。詳しくは次回の記事で)。

 しかし、それで問題解決とはならない。Windowsでのアンドゥは、文字入力だけでなく、移動したファイルを元の場所に戻したり、リネームしたファイルを元の名前に戻すのにも使えますし、表計算ソフトでも画像編集ソフトでも音声編集ソフトでも、あらゆるソフトのあらゆる操作に対して、共通の[Ctrl] + [Z]というショートカットで「なかったこと」にできる機能です。これがあるから、多少の操作ミスは瞬時に元に戻せますし、試しにやってみて気に入らなかったら元に戻して微修正する、ということも簡単にできます。PCの作業を快適に効率よく行なうための、最も重要な機能の一つだと思います。

ブラウザの「進む」ボタンがない?

 AndroidGoogle Chromeには「進む」ボタンがないですね。「戻る」は画面下の「(左向きの)▲」でいけるけど……。

まず第一に、AndroidChromeアプリの「進む」ボタンは実は存在しています。ブラウザの右上にある3点アイコンをタップして、進む方向を指している矢印を探してください。

 画面右上の、「(縦の)…」のアイコンをタップしたら、確かに「→」のボタンはありました。

 しかし、そういう問題ではない。「進む」は「戻る」と並んでブラウザの操作において最も重要な操作。だからこそ、自分はPCで5ボタンマウスを使っていて、すごく便利。また、キーボードで操作する場合も、「進む」のショートカットがないブラウザなんてあり得ない。

 AndroidGoogle Chromeの開発者は、スマホブラウジングにおいて「進む」という操作は2タップかけて行なうのが妥当だと思っているのでしょうか? だとしたら、この一点だけをとっても、AndroidWindowsと比べて操作性は格段に劣ると言わざるを得ないです。

スクロールバーがつかめない?

 Androidの操作で面倒だと思うのが、スクロールの操作です。さっと指で払うとさささーっと画面がスクロールしていくのはタッチパネルならではの気持ちいい操作ですが、それでも縦長のページだと一番下まで移動するにはかなり時間がかかります。また、ページの中の特定の場所に確実に移動するのが難しいです。

 Windowsだと、[Ctrl] + [Home] / [End]で一番上/下まで移動することは一瞬でできます。また、[PageUp] [PageDown]で一定の量スクロールさせることができるので、特定の場所まで移動させることも簡単にできます。Androidではこのような操作はできないのでしょうか?

 また、スクロールバーらしきものが画面右に表示される事がありますが、これは全体の中の現在地を表示するものであって、PCのようにドラッグして移動できるものではないようです。せめて、これをつかんでスクロールできれば……と思います。

ショートカットのアイコンの名前が変更できない?

 よく見るサイトのショートカットをホーム画面に作ろうとしました。名前も変更できるようだけど、とりあえずデフォルトままで作ってあとで変えればいいや、と思ってショートカットを作成するところまではできました。

 しかし、そのアイコンの名前を変更する設定が見つからないのだけど……。

恐らくですが、WindowsmacOSとことなるので、ショートカット名は作成時に命名したあとは通常だと変更できないと思います。

昔の機種や一部の機種では長押しタップすると編集があるものもあるようですが、手元のPIxelやAQUOASなどのAndroid13では編集できないようなので、今一度新規で作り直して作成時に名称を設定しています。

 なんと、Androidの機能としては変更できないそうです。アプリのアイコンの名前が変更できないのはそうなのかな?と思ったけど、ウェブサイトのショートカットは、作る時は自由に名前をつけられるので、これが変更できないとは思わなかった。

次回の記事

y-koutarou.hatenablog.com

*1:基本的に、外で何か作業をするということがないので……。使えるなら、どう考えてもPCの方が使いやすい。画面の大きさ、操作性、処理速度、通信の安定性、どれを取ってもデスクトップPCの方が大差で優れている。

*2:そもそも、画面が点いていないのだから。

*3:歩数計の全履歴削除」という項目はあるのに。

『トカゲ王の島』のテキストマップ

 FFC第4弾の『ファイティング・ファンタジー・コレクション 40周年記念~スティーブ・ジャクソン編~「サラモニスの秘密」』。発売日が、当初の予定では今日*1でしたが、2024年2月16日に延期されるとの発表が先日ありました。残念ではありましたが、第3弾のうち、『トカゲ王の島』がまだ1回任務達成しただけで、『雪の魔女の洞窟』が手つかずだったので、ちょっとほっとしたかも(^_^;)

 同時に、第1弾の「ファイティング・ファンタジーコレクション~火吹山の魔法使いふたたび~」が限定再生産されることが発表されたので、まだ買っていない人は買いましょう。

www.4gamer.net

 というわけで、ようやく『トカゲ王の島』です。今回は内容の詳細については書いていないので、ネタバレ度は低いです。

テキストマップ

 いつものようにテキストマップを作りました。『トカゲ王の島』は社会思想社版もクリアしたはずなのですが、恒例の手描きマップは残っておらず、内容もほとんど覚えていませんでした。序盤で大ガニに○○○○○○○た(※ネタバレ防止のため伏せ字)こと以外はまったく記憶にない(^_^;)

 今回マップを作ってみて、納得しました。ほとんど一本道です。『盗賊都市』や『死の罠の地下迷宮』も実質的に一本道という箇所は結構あるのですが、『トカゲ王の島』はそれと比べても道のりの選択が少ない。空間的なつながりを書く地図も作りにくいし、冒険の舞台も多少変化はあるものの、基本的には南国の島のオープンフィールドばかり。あまりにも単調でおもしろいマップになりそうもなかったので書くのをやめてしまったのでしょう。

 今回のテキストマップでは、その『トカゲ王の島』の特徴を表現するため、イベントの並びを単純に縦につなげる箇所を多くしました。いつもなら、似たような場所のイベントが続く場面などでは横につなげて、縦スクロールが少なくなるようにするのですが、今回はあえて無理に縦を詰めないことにしました。

                    ┏━━━━━━┓                    
                    ┃203 トカゲ王┃                    
                    ┗━━━━━━┛                    
                       ↑                        
    ┏━━━━━┓         ┏━━┷━━━┓                    
    ┃353 研究室┠────────→┃82黒ライオン┃←─┐                 
    ┗━━━━━┛         ┗━━━━━━┛  │                 
       ↑                      │                 
     ┏━┷━━┓                   │                 
     ┃312 倉庫┃                   │                 
     ┗━━━━┛                   │                 
       ↑                      │←────┐           
    ┏━━┷━━┓ ┏━━━━━┓          ┏┷┓ ┏━━┷━┓         
    ┃395 拷問室┃←┨227 木の扉┠─────────→┃84┠→┃195 看守┃         
    ┗━━━━━┛ ┗━━━━━┛          ┗━┛ ┗━━━━┛         
               ↑              ↑                 
           ┏━━━┷━━━┓ ┏━━━━┓   │                 
           ┃268 独房の老人┃←┨279 襲撃┠───┘      《収容所》      
           ┗━━━━━━━┛ ┗━━━━┛                     
                       ↑                        
                ┏━━━━━━┷━━━━━━┓                 
                ┃350 サーベルタイガーと少女┃      《谷》        
                ┗━━━━━━━━━━━━━┛                 
                       ↑                        
                     ┏━┷━━┓                     
                     ┃291 サル┃                     
                     ┗━━━━┛                     
                       ↑                        
                     ┏━┷━┓                      
                     ┃218 棘┃                      
                     ┗━━━┛                      
                       ↑                        
                     ┏━┷━━┓                     
                     ┃139 騎獣┃                     
                     ┗━━━━┛                     
                       ↑                        
                   ┏━━━┷━━━┓                    
                   ┃168 橋の警備兵┃←───┐    《峡谷》       
                   ┗━━━━━━━┛    │               
                       ↑        │               
                    ┏━━┷━━┓ ┏━━━┷━━━┓           
                    ┃249 呪術師┠→┃397 六個の試練┃           
                    ┗━━━━━┛ ┗━━━━━━━┛           
                       ↑                        
                    ┏━━┷━━┓                     
                    ┃178 石の円┃                     
                    ┗━━━━━┛                     
                       ↑←───────┐               
                   ┏━━━┷━━━┓  ┏━┷┓              
                   ┃303 火山の裾野┠─→┃48卵┃   《火山》       
                   ┗━━━━━━━┛  ┗━━┛              
                       ↑←───────┐               
                      ┏┷━┓  ┏━━━┷━━┓            
                      ┃269 ┠─→┃59穴居人の女┃            
                      ┗━━┛  ┗━━━━━━┛            
                       ↑                        
                     ┏━┷━━┓                     
                     ┃65カモメ┃                     
                     ┗━━━━┛                     
                       ↑                        
                    ┏━━┷━━━┓                    
                    ┃30丘トロール┃                    
                    ┗━━━━━━┛                    
                       ↑←────┐                  
                      ┏┷━┓ ┏━┷┓                 
                      ┃212 ┠→┃72印┃                 
                      ┗━━┛ ┗━━┛                 
                       ↑             《岩場》       
                    ┏━━┷━━━┓                    
                ┌──→┃197・27 野営┃←─┐←──────┐         
             ┏━━┷━━┓┗━━━━━━┛ ┏┷━┓ ┏━━━┷━━━┓     
             ┃379 水の壁┃         ┃399 ┠→┃282 吊された袋┃     
             ┗━━━━━┛         ┗━━┛ ┗━━━━━━━┛     
                ↑             ↑←──────┐         
              ┏━┷━┓  ┏━━━━┓  ┏┷━┓  ┏━━┷━┓       
              ┃228 蚊┃←─┨201 歓喜┠─→┃376 ┠─→┃100 果実┃       
              ┗━━━┛  ┗━━━━┛  ┗━━┛  ┗━━━━┛       
               《川》     ↑     《藪》                
                    ┏━━┷━━━┓                    
        ┌──────────→┃121 奴隷解放┃                    
        │           ┗━━━━━━┛                    
        │            ┏━┓                        
      ┏━┷━━┓      70落盤┃70┃                        
      ┃161 変装┃         │ │        386転倒             
      ┗━━━━┛         │345└────────━━┓             
        ↑            │175 68 172 213 378  383┃             
     ┏━━┷━━━┓        │ ┌───┐ ┌──━━┛┏━┓          
     ┃223 強制労働┃        │ │   │ │     ┃19┃19縦穴       
     ┗━━━━━━┛ 278行き止まり┃278┃   │226│     ┃ ┃          
        ↑            ┗━┛   │ │     │ │          
      ┏━┷━━┓    ┏━━━───────┘ 4└─━━━─┘135│          
      ┃315 足音┃←───┃47 274  147 44   28  101 361  321│          
      ┗━━━━┛    ┗━━━──┐ ┌──────━━━─┐57│          
                47・274梯子  ↑  101・361岩ウジの穴│ │          
                    ┏━━┷━━━━┓      ┃ ┃          
                    ┃14リザードマン┃      ┃39┃39グラニット    
                    ┗━━━━━━━┛      ┗━┛          
                       ↑             《鉱山》       
                   ┏━━━┷━━━━┓                   
                   ┃390 ぼろを着た男┃                   
                   ┗━━━━━━━━┛                   
                       ↑                        
                     ┏━┷━━┓                     
                     ┃387 ワニ┃                     
                     ┗━━━━┛                     
                       ↑                        
                     ┏━┷━┓                      
                     ┃170 筏┃           《川》        
                     ┗━━━┛                      
                       ↑                        
                   ┏━━━┷━━━━┓                   
                   ┃222 豚のロースト┃                   
                   ┗━━━━━━━━┛                   
                       ↑←──────┐←───────┐       
                      ┏┷━┓ ┏━━━┷━━━┓ ┏━━┷━┓     
                      ┃196 ┠→┃128 鉄砲ガエル┠→┃92池の水┃     
                      ┗━━┛ ┗━━━━━━━┛ ┗━━━━┛     
                       ↑             《草原》       
                   ┏━━━┷━━━┓                    
                   ┃325 巨大トカゲ┃                    
                   ┗━━━━━━━┛                    
                       ↑←──────┐                
                      ┏┷━┓ ┏━━━┷━━━┓            
                      ┃119 ┠→┃41かぎ煙草入れ┃ 《谷》        
                      ┗━━┛ ┗━━━━━━━┛            
                       ↑←──────┐                
                   ┏━━━┷━━┓ ┏━━┷━┓              
                   ┃362 谷の入口┠→┃83丘の上┃   《丘》        
                   ┗━━━━━━┛ ┗━━━━┛              
                    ↑    ↑                      
                  ┏━┷━┓┏━┷━━━━━━┓               
          ┌──────→┃37ヒル┃┃235 人食い獣の巣┃               
          │       ┗━━━┛┗━━━━━━━━┛               
          │         ↑    ↑           《沼地》       
    ┏━━━━━┷━━━━━┓ ┏━┷━━━━┷━━━┓ ┏━━━━━┓          
    ┃158 スライム・サッカー┃←┨7 マーシュ・ホッパー┃←┨71密林小人┃          
    ┗━━━━━━━━━━━┛ ┗━━━━━━━━━━┛ ┗━━━━━┛          
                       ↑          ↑             
                       │      ┏━━━┷━━━┓         
                       │      ┃224 緑色の水晶┃         
                       │      ┗━━━━━━━┛         
                       │          ↑             
        ┏━━━━┓        ┏┷━┓     ┏━━┷━━━┓         
        ┃102 逃走┠───────→┃113 ┃     ┃375 大トンボ┃         
        ┗━━━━┛        ┗━━┛     ┗━━━━━━┛         
          ↑ ┌───→┌────→↑          ↑←──────┐     
        ┏━┷━┷┓ ┏━┷┓ ┏━━┷━━┓      ┏┷━┓ ┏━━━┷━━━┓ 
        ┃171 儀式┃←┨337 ┃←┨81首狩り族┠─────→┃105 ┠→┃286 粗末な足場┃ 
        ┗━━━━┛ ┗━━┛ ┗━━━━━┛      ┗━━┛ ┗━━━━━━━┛ 
                       ↑                        
                     ┏━┷━━┓                     
          ┌─────────→┃391 休息┃←──┐      《密林》       
          │          ┗━━━━┛   │                 
       ┏━━┷━┓ ┏━━━━┓ ┏━━━━┓ ┏━┷━━┓              
       ┃198 小屋┃←┨211 浜辺┃←┨1 火山島┠→┃340 海賊┃   《砂浜》       
       ┗━━━━┛ ┗━━━━┛ ┗━━━━┛ ┗━━━━┛              

おすすめの能力値はズバリこれ!

 『トカゲ王の島』を一番楽しむための推奨能力値は、ズバリ、これしかない。

  • 技術点:10
  • 体力点:24
  • 運点:12

 技術点11の敵に2回勝たないといけないので、かなり高い能力値が求められます。しかし、『死の罠の地下迷宮』と比べればやや緩いし、強化アイテムも入手できるので*2、技術点は10でなんとかしたい。

 それより大きな特徴は、冒険が長いことです。大きな分岐がなく、1回の冒険でかなり多くのイベントに遭遇して進むことになるので、とにかく体力点を消費します。技術点で勝っている敵との戦闘でも少しはダメージを受けてしまうし、イベントでの体力点減もあります。食事での体力点回復はできますが、保存食を消費するイベントもあります*3。体力点減が積み重なったところで技術点11の敵との戦闘が来るとひとたまりもない。考えなしにイベントをこなしていると体力点24でも結構厳しいはずです。

 このゲームブック、任務達成のために必要なアイテムや情報の入手はそれほど難しくありません。これまでのファイティング・ファンタジーでは「たった一つの真実の道」を探すことがゲームの中心に据えられていましたが、『トカゲ王の島』ではその要素は薄いです。

 その代わりに『トカゲ王の島』で求められるのがリソース管理です。先ほども書いたとおり分岐が少ないので、強敵との戦闘や、体力点・運点の回復・消費ポイントがいつ来るかは読みやすいです。必要ない戦闘は避け、回復ポイントを把握して運だめしや保存食を効果的に使い、なんとか最後までたどり着く。このギリギリ感を味わってほしいのです。

 そして、この面白さを一番味わえるのが、さきほど書いた能力値です。技術点が9点以下だとそもそもクリアが難しい。11点以上だと互角以上の戦闘ばかりになるので、リソース管理をそれほどシビアにやらなくてもクリアできてしまいます。正しい道のりを探すという要素が薄い本作でこの状態になると、やや単調な味になってしまうと思います。

 技術点10・体力点24・運点12なら、戦闘は厳し過ぎず楽勝過ぎず、運点の増減ポイントを把握して狙った運だめしを成功させ、大量の体力点を消費させつつ最後までもたせる。というようなギリギリのプレイが楽しめると思います。

プレイ記録(旧Twitter

リンク集

リプレイ

紹介・攻略・感想など

*1:2023年12月15日。

game.watch.impress.co.jp

*2:技術点アップは、ルール通り原点までしかできないとします。

*3:保存食の消費は太字では書かれていないので見落とさないように注意(見落とした方が有利ですが(..;))。

新下駄配列でタイプウェル国語K総合XAを出すためにやったこと:後編(細かい話)

 いままで自分が新下駄配列で「タイプウェル国語K」をどのようにプレイしてきたか。後編では、細かい話までできるだけ記しておきます。

y-koutarou.hatenablog.com

adventar.org

新下駄配列に関連すること

「やまぶきR」のタイマーの設定をどうするか

 新下駄配列でタイプウェル国語Kをプレイする方法はいくつかありますが、自分はほぼ「やまぶきR」を使っています。設定ファイルは下記の記事にあります。

y-koutarou.hatenablog.com

 やまぶきRでタイピングゲームをプレイする場合、タイマーの設定をどうするかは難問です。日常文の入力なら、適当に設定してあとはミスしない程度の速度で打つ、くらい調整で十分ですが、タイピングゲームでできる限り速く打ちたいとなると、悩ましい問題となってきます。

 やまぶきRで設定するべき項目は、「文字キー同時打鍵シフト」タブの「文字キー同士が同時打鍵と判定される時間範囲」です。

やまぶきRの設定画面:文字キー同時打鍵シフトタブ。連続シフトはチェックなし、文字キー同士が同時打鍵と判定される範囲は75

やまぶきRの設定:「文字キー同時打鍵シフト」タブ

 まず、この数字の意味を確認しておきます。やまぶきRのmanualには次のように書かれています。*1

・やまぶきRの場合

 この時間範囲の決め方にはいろいろな方法がありますが、やまぶきRでは、「文字キーを押した時点を0、その文字キーを放すか別のキーを押した時点を100として、どれくらいの時間範囲を同時打鍵と判定される時間範囲とするかユーザーに設定してもらう」という方法をとりました。
 たとえば、「親指シフトが同時打鍵と判定される時間範囲」を60に設定したとすると、文字キーが押されてからそのキーが放されるか別のキーが押されるまでの時間の前半60%以内で親指シフトキーが押されていれば、同時打鍵とみなされてその文字にシフトがかかります。

 図にすると、次のようになります。

   キー00     60   100       :判定          
    [A]┣━━━━━╋━━━┫                    
(ア)[B]     ┣━━━━━━━━━┫  :[A]と[B]の同時打鍵   
(イ)[B]       ┣━━━━━━━━━┫:[A]と[B]はそれぞれの単打
(ウ)[B]       ┣━┫        :[A]と[B]の同時打鍵   

 「文字キー同士が同時打鍵と判定される時間範囲」を60として、[A]と[B]を打鍵した場合。まず、「[A]押す」を0、「[A]放す」を100とします。そして、「[B]押す」が60以内なら同時打鍵と判定されます(ア)。「[B]押す」が60を越えていれば[A]は単打と判定されます(イ)*2。ただし、「[B]放す」が「[A]放す」より前の場合は設定の数字に関係なく同時打鍵と判定されます(ウ)。

 要するに、数字を大きくするほど同時打鍵判定されやすくなります。設定を100にすれば少しでもかすっていれば同時打鍵となりますし、0にすると[A]を押し下げている時間に[B]が丸ごと入っていた場合のみ同時打鍵になります。

 数字を大きくした方が同時打鍵は入りやすくなりますが、同時打鍵のつもりではないのに前に押したキーが放せていなくて同時打鍵扱いされてしまうという、いわゆる“ロールオーバーミス”も起こりやすくなります。

 難しいのは、高速打鍵できるようになった場合に、設定をどう変えれば効果的かです。一見すると、熟練するにつれて同時打鍵をより“同時”に近いタイミングで打鍵できるようになる、つまりキー[B]をより早いタイミングで打鍵できるようになるでしょうから、数字を小さくすれば良いように思えます。同時打鍵を時間で判定するアプリケーションの場合はそれでいいのですが、やまぶきRの割合による判定の場合は、そうとも限りません。

 なぜなら、熟練するにつれてキー[B]を早く打鍵できるようにはなるでしょうが、キー[A]を放すまでの時間も短くなるかもしれないからです。たとえば下記の図の場合、より早いタイミングでキー[B]を打鍵できるようになったにもかかわらず、設定が60のままだと逆に単打判定されてしまいます。この打鍵で同時打鍵と判定させるには、判定割合の数字を大きくする必要があります。

  00     60   100                          
[A]┣━━━━━╋━━━┫                          
[B]     ┣━━━━━━━━━┫[A]と[B]の同時打鍵と判定される      
        ↓                              
   熟練して打鍵間隔と共に押し下げ時間も短くなったとすると……         
        ↓                              
  00  60 100                               
[A]┣━━╋━┫                               
[B]    ┣━━━━┫       [A]と[B]はそれぞれの単打と判定されてしまう

 割合判定のメリットは、ゆっくりの打鍵にも高速打鍵にも対応して救済してくれることです。しかし、タイピングゲームで個別のミスが起こらないように設定しようとすると、ベストの設定は試行錯誤して探るしかないと思います。同時打鍵キーの組み合わせや前後のキーのによっても打鍵タイミングは変わりますし、同じキー、同じワードでも常に一定のタイミングで打鍵できるわけではないので、一筋縄ではいきません。

自分の場合の設定

 自分の考えは「少しでもかすっていれば同時打鍵」が基本なので、まずは100を基準にするべきだと思います。その上で、「同時打鍵のつもりがそれぞれの単打と判定される」ことがないところまでは数字を下げられます。その範囲であれば、タイマーのおかげで救済される得があるだけで、損をすることはないからです。

 日常文を打つときの設定は、かなり昔から70でずっと変えていません。

 しかし、タイピングゲーム用の設定は、その時の感覚によって何回も変更しています。50にしたこともありますし、90にしたこともあります。現在は75にしていますが、これも今のところこのくらいだろうというくらいで、これがベストだと確信できるようなものではありません。同時打鍵のつもりが同時打鍵と判定されないミス、同時打鍵でないつもりが同時打鍵と判定されてしまうミス、どちらも起こります。

「やまぶきR」のタイピングゲーム用設定への変更

 やまぶきRでタイピングゲームをプレイする際に、いちいち配列定義ファイル(.yab)やタイマーの設定を変更するのは面倒なので、あらかじめタイピングゲーム用の設定ファイル(.ypr)作っておきます。配列やタイマーは設定ファイルごとなので、タイマーの設定を日常文の入力とタイピングゲーム用とで分けることができます。*3

やまぶきRの通知領域のアイコンを右クリックして表示されるメニューの上にさらにメニューが表示されている。

やまぶきRの右クリックメニューでさらに右クリックすると

 さらに、やまきぶRの通知領域のアイコンを右クリックした際に表示されるメニュー上でさらに右クリックすると、設定ファイルを選択する項目を追加することができます。これで、タイピングゲーム用の設定への変更が2クリックでできるようになります。*4

 タイピングゲームをプレイするのに手間がかかると、その一手間がおっくうになってタイピングをするモチベーションが下がってしまいます。できるかぎり工夫して、その一手間を軽減しておくというのは、長い目で見れば記録を出す上でも重要だと思います。

新下駄配列から見るモードごとの特徴

 タイプウェル国語Kには4つのモードがあります。総合成績レベルを上げるためにはすべてのモードが重要ですが、モードによって日常文にはない特徴があり、得意・不得意があります。新下駄配列としては、得意モードが基本常用語と漢字苦手モードがカタカナ語と慣用句・ことわざです。

 まず、タイプウェル国語Kの各モードのかな出現率(1gram)とかな連なり出現率(2gram)の一覧表を示しておきます。元のデータはtken@配列オタさんのTypeWell_n-gramデータを使わせていただきました*5。さらに、自分が集めた100万字データでの順位で、かな出現率は10位ごと、かな連なり率は100位ごとに色分けし、右端列に100万字データでの順位を載せました。比較すると、タイプウェル国語Kの各モードの文字の出現率が、日常文と比較してどのくらい異なるかがわかると思います。

docs.google.com

基本常用語

 基本常用語は総合ポイントが他のモードの2倍加算されるので、総合成績レベルの向上をめざすなら他のモードの2倍重要です。

 基本常用語の「かな出現率」の表を見ると、上位は紫や赤のマス目=100万字データの順位で20位以内のかなで占められています。それだけ日常文に近いということであり、新下駄配列にとって打ちやすいということになります。「かな連なり率」の表でも、上位の多くは紫色のマス=100万字データの順位で100位以内の連なりです。日常文と比較すると、句読点が出現しない、助詞で使われる文字の出現率が低い、「ー」の出現率が高いなどの特徴はありますが、まずまず日常文に近いといえるでしょう。

 基本常用語の特徴の一つに、繰り返し言葉が多いというものがあります。「たまたま」「さくさく」「こうこう」など、2音以上の繰り返しになっているワードが多数登場します。繰り返し言葉は、打ちやすい場合はそのまま加速ワードになりますし、打ちにくい場合でも事前に準備できているかどうかでタイムに大きく差が出ます。最適化ができる場合はその効果も大きい。

 というわけで、「マイタイピング」でタイプウェル国語で出題される繰り返し言葉を集めたタイピングを作って、これで練習したりしました。

typing.twi1.me

カタカナ語

 カタカナ語は新下駄配列にとって苦手なモードの一つです。「かな出現率」「かな連なり率」の表を見ても、100万字データの順位とはかけ離れているのがわかると思います。カタカナ語は日常文の中で占める割合としてはそれほど多くない上に、出現率・連なり率もカタカナ語特有なので、どうしてもあと回しになってしまいます。

 カタカナ語の最大の特徴は、「ー」(長音符)の多さです。カタカナ語で出現する文字の10%以上が「ー」となっています。新下駄配列の「ー」は、[Q]というそれほど打ちやすくないキーに配置されています。本来あまり多用することを想定していない小指上段を多用するので難しい運指も多くなります。

 また、「ーす」という連なりがカタカナ語ではよく出現します。新下駄配列では「す」が[Z]に配置されているので、「ーす」が[Z][Q]という非常に打ちにくい運指となります。これはどうしようもない。事前に準備してがんばって打つしかありません。

 さらに、長音符は体感的に一拍より短い感覚があるため(?)急いで打つとロールオーバーして同時打鍵扱いになってしまうミスが起こりがちです。特に「こー」[I][Q]、「がー」[O][Q]が引っかかりやすいので、ここは意識して少し速度を落とします。

漢字

 漢字は新下駄配列にとって最も得意なモードです。新下駄配列に限らず、「かな出現率」「かな連なり率」を考えて作られた新配列なら、漢字は得意モードになるはずです。「かな連なり率」の表の上位がずらりと紫のマスで占められているのが打ちやすさを示しています。

 漢字モードは漢字の音読みが多く出題されます。漢字の音読みは文字の出現パターンがある程度決まっています。具体的には、音読みの2音目は必ず「い」「う」「つ」「く」「ち」「き」「ん」のいずれかになります*6。特に「い」「う」「ん」であることが多いです。また、ローマ字で書いた時に「AI」「EI」「OU」となる連なりが多いです。

 日常文でも漢字の音読みは非常に多く出現する上、出現した場合のパターンがある程度決まっているので、日常文を打ちやすくしようとして配列を設計すれば、必然的に漢字の音読みは打ちやすくなります。

 さらに言うと、漢字の音読みでは拗音*7も多く出現しますが、この拗音も新下駄配列は大得意です。2gramで断トツの「ょう」が[I][J]または[O][J]と非常に打ちやすい*8。新下駄配列で漢字モードを打っていると、得意ワードばかり連発するボーナスステージのような状態になることもしばしばあります。 

 なお、自分は画面下のかな表記の部分しか見ていないので、漢字が読めないという問題は発生しません。

慣用句・ことわざ

 慣用句・ことわざは、句読点はないものの、短文の形になっているワードが多いので、4モードの中で最も日常文に近いように思えるかもしれません。しかし、そうではありません。「かな出現率」では100字万データではそれほど上位ではない「る」と「を」が1位・2位を占めています。「かな連なり率」の表を見ても、実は日常文とはそれほど近くないことがわかります。慣用句・ことわざは漢字の音読みが少なく、日常文ではあまり使わない言葉遣いも多いので、新下駄配列にとっては苦手なモードです。

 特に、新下駄配列としては「を」[AL]を含むワードが苦手です。「を」は文節の切れ目なので、日常文を打つ場合には次に打つキーのことをあまり考慮しなくて良いのですが、タイプウェルではそんな事は関係なく打つ必要があります。小指と薬指の同時打鍵でリズムが取りにくく、次の打鍵につなげにくいので難しくなります。

 対策としては、基本通り「指の動き」と「先読み」の意識をしっかりするということに尽きます。ワードが難しいほど「指の動き」と「先読み」の意識ができているかどうかの影響は大きくなります。

スペースのモディファイヤを無効にする

 新下駄配列とは直接は関係ありませんが、自分の「のどか」を使ったキーカスタマイズでは、「[スペース]を押しながら文字キー」などにさまざまな機能を割り当てています*9。しかし、これはタイプウェルでのスペースの入力に多大な悪影響があるので、タイプウェル上では自動的に無効になるように設定しています。*10

新下駄配列での最適化

 新配列に詳しい方なら、「新配列はホームポジションを中心とした標準運指を前提に設計されているはずだから、最適化は必要ないのではないか?」と思うかもしれません。確かに標準運指を前提にしていて、最適化の効果が少なくなるとは思いますが、最適化が必要ないということはありません。どんなにうまく配列を設計しても、日本語で出現するすべての文字列を打ちやすくするというのは不可能なので、最適化した方が良い部分は必ず残ります。日常文の入力では最適化は必要ないと思いますし、タイピングゲームでも、日常文入力の練習くらいのプレイなら、最適化はしなくていいと思います。しかし、ある程度記録が煮詰まってきて、それでももっと良い記録を出したいという段階まで来たら、最適化を考える価値はあると思います。

 とはいえ、自分は最適化はあまり取り入れていません。やはり最適化は難しい。単純に指の動きが難しいということもありますし、最適化できるワードが来ることを事前に察知して準備しないと打てない。最適化する部分に気を取られてその前後がガタガタになることも多い。

 ある程度やっているのが、同じ手の人差し指の連続を、中指→人差し指(逆もある)で打つ最適化です。人差し指の方は標準運指で、その人差し指に引っぱられて中指も自然に動くので取りやすい。同指異鍵という悪運指が人差し指と中指という最強アルペジオに変わるので、効果も抜群です。

 というわけで、タイプウェル国語Kで人差し指単打の連続を中指・人差し指で打つ最適化ができるワードをピックアップして表にしてみました。

docs.google.com

 まずはるんるん[V][F][V][F]と「つんつん」[B][F][B][F]です。繰り返し言葉なので非常に効果が大きい。かなりもたついても、ミスさえしなければ標準運指で打つよりは速いくらいです。

 次に取りやすいのが「たて」[M][N]。特に慣用句・ことわざでは「めくじらをたてる」「かおをたてる」「はらをたてる」「ききみみをたてる」などなど「たてる」の形で出てくるワードが多数あります。ワードの後半に出てくるので準備をしやすい。「たてる」「たてやま」「たてをつく」など先頭に出るワードもありますが、これも7割くらい取れます。

 「くう」[H][J]も、「たて」と同じく、慣用句・ことわざで「ひやめしをくう」「おなじかまのめしをくう」「とばっちりをくう」など、ワード後半で出てくるワードが多数あります。

 他に取れるのは「つる」[B][V]、「つっ」[B][G]、「っつ」[G][B]くらいまで。シフト側絡みではわずかに「むんむん」[VK][F][VK][F]、「ぬる」[BL][V]が取れることがあるくらいで、まだまだできることは多いという感じです。

人差し指同時打鍵の設定を削除する

 新下駄配列では、[F] + [G]のような、同じ手の人差し指担当キーの同時打鍵に記号などを割り当てています。しかし、これがあると上記のような最適化を行なう際に悪影響があるので、タイピングゲーム用の新下駄配列の設定ファイルではこれらの設定は削除しています。

新下駄配列とは関係ないこと

「タイピング練習論」を読む

 『タイピングProfessional』の「タイピング練習論」は読むことは重要です。

typing.github.io

 タイピングの要素を認識・組立・動作に分解して捉えているのがこの文章の最も重要なことだと思います。自分が前回書いた「「指の動き」と「先読み」を意識する」という話も、これを元にもっと具体的に、もっとポイントを絞って自分なりの解釈したものです。

 ほかにも、タイピングがうまく行く要因・減速する要因や、タイプウェルでの実践の仕方、練習方法からモチベーションの保ち方まで、タイピング速度が向上するヒントがちりばめられています。読み返すたびに発見があり、ともすればひたすらトライアルを繰り返すということになりがちなタイピングを、目的を持った充実した時間にしてくれます。

タイプウェル国語K」の設定

タイプウェル国語Kの、メニューバーの「オプション」をクリックして文字・画面サイズ設定にマウスカーソルを合わせた状態の画面

文字・画面サイズ設定:中
たしか、自分がタイプウェルを始めたころは、この設定はなかったと思うんですよね……。この設定ができてからも、「最大」でもまだ小さいと思ったので、この設定は「中」のままで、「拡大鏡」で200%に拡大してプレイしています。*11

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流れる文字設定:流れる文字を表示しない
漢字交じりの表記よりかな表記の方が見やすいのと、動いている文字を目で追うのが難しいと思ったので、流れる文字は非表示にした上で、画面下のワードの読みが表示される部分を見ています。行の変わり目が難しいことはありますが、やむを得ない。
「読み」の表示設定:すべてひらがなで表示する
漢字をひらがなで表示する以上、カタカナもひらがなで表示する方が一貫性があって好ましいと思いました。ひらがなでも違和感なく読めましたし。
カウントダウン設定:1秒後にスタート
3秒は長すぎますが、「すぐにスタート」ではスタートが出遅れるので1秒に。
ミスの音設定:音を出さない
余計な要素はできるだけない方が良いので音なし。
目標設定:なし
経過タイム:表示しない
経過ラップタイム:表示しない
経過ミス回数:表示しない
緊張したり、余計なものが目に入ってミスするのを防ぐため、経過を示すものは表示しない。目標設定を「なし」にすれば、目標インジケーターも表示されません。ミス回数だけ表示していた時期もありましたが、やはりトライアル中に見るメリットはないので表示しなくなりました。

[スペース]はずっと左手

 [スペース]を押す指は左手親指です。タイプウェルを始めてからずっと左手です。なぜなら、タイプウェルを始める前から[変換]を[Enter]に変更するというキーカスタマイズをやっていて、[スペース]は左手親指、[Enter]は右手親指という割り当てがすでに確立していたからです*12*13タイプウェルの時だけ[変換]キーを[スペース]にするというカスタマイズもやろうと思えばできますが、そこまでする必要性を感じませんでした。

「やり直してスタート」キー

 「のどか」で、[変換]の位置のキーを押しながら[スペース]を押すと、[Esc] → [スペース]を押したことになるように設定しています。いちいち遠い[Esc]を押しに行く手間が省けるのでタイム向上に好影響があった、かも。

風呂上がり効果

 タイパーには有名な話だと思いますが、お風呂に入ったあとでタイピングをすると、普段より指がよく動いて速くタイピングできます。それで必ずうまく打てるというわけではないですが、効果は確実にあります。実は、漢字でXSを出して記念すべき総合レベルXAに達したトライアルも、風呂上がり効果を使ったものでした。

 ただし、自分の場合は、風呂上がりすぐだと指が乾燥して感覚がおかしくなったり、かといってハンドクリームを塗るとクリームで滑ってうまく打てなかったりして、調節が難しい面もありました。

爪を切る

 日常文をタイピングするときは気にならないのですが、タイプウェルをプレイするときは爪の長さは非常に気になります。自分の爪を切るペースは、普段は1週間に1回くらいですが、タイプウェルを集中的にやるときは週2回~1日おきくらいのペースで切っています。

手首を置く台 

 手首は、日常文でもタイプウェルでも机の上に置きます。ただし、キーボードの手前に手首を置くための台を設置しているので、手首の位置はキートップの面よりやや高くなります。その台は以前のブログ記事に書いたとおりです。両面テープは何回か貼り替えていますが、台自体はずっとそのままです。

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椅子の上に正座する

 タイプウェルをプレイするときは、椅子の上に正座することが多いです。椅子の高さ自体も、日常文を打つときよりも高くして、足が机の下に入るギリギリまで上げます(正座しない場合でも)。上体の位置を上げて、上から打ち下ろす?方が安定して速度が出る感じがします。

 しかし、実は漢字でXSを出して総合レベルXAに達したトライアルでは正座ではなく普通に座っていました。足がしびれて足を崩した途端にいい記録が出ることもしばしばあったので、実際はあまり関係ない気もします。ビシッと姿勢を正して座ってさあやるぞと言う気持ちの問題かも?

現在の記録

 総合成績レベルXAに到達して以降のタイプウェル国語K@新下駄配列の記録更新履歴を表にしておきます。

 総合レベルXAを出した後もしばらくは良い状態で新記録樹立も4回ありました。それが限界という感じでもなかったのですが、それ以降は調子が落ちて、現在はちょっと新記録が出る感じではない状態です。それでも、ラップ単位くらいならいい記録が出ることもあるので、集中して心身ともに打ち込める状態が作れれば、というところです。

タイプウェル国語K@新下駄配列の記録更新履歴(2023年5月13日以降)
年月日 基本常用語 更新幅 カタカナ語 更新幅 漢字 更新幅 慣用句・ことわざ 更新幅
現在 34.283 -0.667 37.012 -0.597 33.421 -0.000 38.275 -0.674
2023/07/17 - - 37.012 -0.597 - - - -
2023/06/26 - - - - - - 38.275 -0.674
2023/06/05 34.283 -0.639 - - - - - -
2023/05/22 34.922 -0.028 - - - - - -
それ以前 34.950 - 37.609 - 33.421   38.949  

タイプウェル国語Kの総合成績画面。1102726ポイント 23.07.17 レベルXA Machine

タイプウェル国語K@新下駄配列:総合成績

*1:この説明は「親指シフトが同時打鍵と判定される時間範囲」についてのものですが、文字キー同時打鍵についても同じです。

*2:[B]の判定は、[B]の次に打鍵したキーなどによります。

*3:便利な場合が多いと思いますが、逆に、同じ設定にしたい場合は両方の設定ファイルで変更しないといけないので注意が必要です。

*4:そして、自分は「のどか」を使って、[変換] + [F7]でタイピングゲーム用の設定(かな入力)になるように設定しています([変換] + [F6]で通常モードに戻す)。

*5: 

*6: 

*7:「イ段のかな」+「ゃ・ゅ・ょ」の音。「きゃ」「じゅ」「りょ」など。

*8:[I]と[O]は左手の何かとの同時打鍵。

*9: 

*10:下記のリンクの、『のどか』設定ファイルの真ん中あたりに書かれている、「 ■『タイプウェル』4種」のウインドウごとの設定で無効にしています。

*11:「拡大鏡」が現在のアプリケーションになる前は画面解像度を変更していました。

*12: 

*13:さらに言うと、それ以前から[スペース]は左手親指だったと思います。理由ははっきりとは覚えていません。新配列に触る以前はかな入力(JISかな)を使っていたので右手の担当範囲が広い上に、右手は[BackSpace]や[Enter]、右側のカーソルキーやテンキーを押しに行くので、ホームポジションにいない可能性が高いから、という気がします。