3つの配列のメドレータイピング動画
以前の記事でも書いたとおり、ここ数か月、QWERTYローマ字入力と大西配列(ローマ字入力部分のみ)と新下駄配列の3つの配列を併用する試みをやっていました。
その結果は、下記の動画をご覧ください。
というわけで、3つの配列を続けて使用しても、実用上問題ない速度で打つことができました。
「3つの配列の併用」「同じ環境で併用」「使用直後の切り替え」でもこれだけできるのだから、「2つの配列の併用」「自宅と職場など環境を変えての併用」「ある程度時間を置いての切り替え」なんて楽勝ですよ。
3つの配列の併用の記録
大西配列は、前にも書いたとおり2025年の1月から8月までメインで使っていました。その後、いったん完全にやめましたが、新下駄配列に復帰した半月後に意外とまだ打てることに気がついて、せっかくなので3配列併用体験をすることにしました。
3つ配列を併用したといっても、均等に使っていたわけではありません。実用では新下駄配列が一番楽なので、それをメインで使っていました。大西配列は、忘れないように短文を少し入力するか、タイピングゲームを2~3日に1回少しやるくらい。まったく触らなかった日の方が多かったと思います。QWERTYローマ字は、職場では新配列は使えないのでそこで使いつつ、自宅の格子配列キーボードでも大西配列と同じくらい使いました。
大西配列では、マイタイピングの大西配列レッスンをよくやりました。大西配列メインで使っていた時期は大西配列レッスンを、3配列併用の時期は大西配列レッスン【アプリ不要版】を主にプレイしていたので、この2つのスコアを比較すると、それぞれの時期でどれくらいの速度で打てていたかがわかります。
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(大西配列メインの時期) |
(3配列併用の時期) |
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|---|---|---|
| 1 | 4703 | 4657 |
| 2 | 4796*1 | 4856 |
| 3 | 5029*2 | 5279 |
| 4 | 5295*3 | 5552 |
| 5 | 5457 | 5407 |
| 6 | 5461 | 5331 |
| 7 | 4987 | 5139 |
| 8 | 5000*4 | 5054 |
| 9 | 4826 | 4650 |
| 10 | 4573 | 4340 |
3配列併用の時期でも、大西配列をメインで使っていた時期と同じくらいのスコアは出ています。数日おきに少し練習するだけでも、今までの速度を維持するくらいはできたということです。
また、タイプウェルは3配列すべてで時々やりました。大西配列、QWERTYローマ字、新下駄配列それぞれで別のアプリでプレイしたので、それぞれの練習実績を見ることができます。
大西配列での練習実績。



新下駄配列での練習実績。

速さと楽さは同じこと?
タイプウェル国語では、大西配列は、大西配列メインで使っていた時期は基本常用語SAまで行っていましたが、3配列併用の時期は最高でSDにとどまりました。速く打てる部分は同じくらい打てていたと思いますが、400打鍵通して揃えることができませんでした。QWERTYローマ字は大西配列と同じくらいの速度(SC)、新下駄配列はその2つよりはるかに速く打てていました(XC)。
最初に掲載した動画のATC testerのスコアも新下駄配列だけ高く、QWERTYローマ字と大西配列は同じくらい。そして、実用文の入力も新下駄配列が一番楽だと感じました。
「変換なしのタイピングゲームの速度」「変換ありのタイピングゲームの速度」「実用入力の楽さ」は比例するというのは、ずっと昔から自分が思っていたことです。新下駄配列が、タイプウェルでもATC testerでも一番速く、実用入力でも一番楽だと感じたので、今回も当てはまったということです。
ただし、QWERTYローマ字と大西配列の比較では、速度は同じくらいですが、大西配列の方が楽だと感じたので、この点は当てはまらないことになります。大西配列はメインで使えばもっと安定して速く打てるようになると思うので、その予感込みならまだあてはまっているとも言えますが。
併用できる配列の組み合わせは?
「QWERTYローマ字」「大西配列」「新下駄配列」の3配列併用は実現できましたが、昔、別の組み合わせの3配列併用をしようと思ったときはできませんでした*5。なぜ今回はできたのか?
3つの配列の中で、QWERTYローマ字と大西配列の2つに関しては、少しかぶる感触があります。この原因は、母音と子音を分けて打つ行段系配列という点が共通していることに加え、ローマ字入力のルールもほぼ共通していることが大きいと思います。同じ行段系配列でも、「ん」や「っ」を別キーにしたり、連母音拡張や拗音拡張を使う配列なら、共通点が少なくなってより併用しやすいと思います。*6
それでもQWERTYローマ字と大西配列が併用できたのは、大西配列が母音と子音を左右に分けて配置した配列(母子左右分離配列)であり、QWERTYローマ字の配置とまったく異なるからでしょう。
QWERTYローマ字と新下駄配列、大西配列と新下駄配列に関しては、まったくかぶるという感覚はありませんでした。少なくとも「拡張なしのローマ字入力系配列」と「かな配列」は問題なく併用できるということでよいと思います。
打ち始めで混同しやすい
QWERTYローマ字と大西配列で混同しやすいのは、圧倒的に打ち始めです。今回の動画を撮るときも、QWERYローマ字から大西配列に切り替える際には、最初の数打鍵で大西配列でどのキーを打つかを意識しました。これをやらないで無意識で打ち始めると、大西配列のパートに入ってもQWERTYローマ字のキーで打ってしまうミスをやってしまいます。意識するキーは最初の2~3キーで十分で、打ち始めさえ決まってしまえば、あとは無意識でも混同することなく打てます。
また、かぎかっこの入力は、今回の動画では[左手親指下段左キー] + [J]という独自の入力設定を使っていました*7。これはQWERTYローマ字・大西配列共通です。このかぎかっこを入力した後の打鍵で混同することが時々ありました。これも打ち始めに混同するのと同じ意味でしょう。
QWERTYローマ字と新下駄配列、大西配列と新下駄配列に関しては、それさえありませんでした。最初にどのキーから打ち始めるかなんて考えず、問題文を見ていきなり打ち始めても、あるいは思いついた言葉をいきなり打ち始めても、混同することなく打てます。
配列の併用に関しては、まだ良くわからないところもあります。新配列を使用している人の中にはQWERTY(ローマ字、英語)と併用している人も多いと思いますので、できるだけ多くの人の実際の感覚・感想・意見などを知りたいところです。自分でも機会があれば改めて検証したいと思います。
新配列の打ちやすさ
今回、3配列併用をして改めて感じたのが「QWERTYローマ字入力はどう考えても効率悪い」ということです。
この記事の最初に掲載した動画を見ると、QWERTYローマ字だけ指の動きが大きいことがわかります。2倍速にして、右手の動きに注目していただくとわかりやすいと思います。今回タイピングの題材とした「Alternative Typing Contest 2024」の課題文は句読点が少なめです。実際の文章入力では、句読点の入力のために右手下段の[,] [.]を打ちに行く機会がもっとあるので、指の動きはより大きくなるはずです。
大西配列はホームポジションの使用率が高く、指の動きが静か。新下駄配列は3段の範囲は広く使いますが、ホーム段の使用率が高いですし、何より打鍵数は圧倒的に少ないので速度のわりには指の動きは少ないです。
今回の3配列併用の練習として、同じ文章(歌詞タイピングなど)を3つの配列で続けて打つというをよくやりました。同じ文章を打つと、QWERTYローマ字だけ段違いに指の動きが大きいのを実感します。
新配列で“どれくらい”効率が良くなるかって、気になりますか?
新配列というものの存在を知って、QWERTY配列から乗り換えようか迷っている方は、新配列を使うことで“どれくらい”効率が良くなるのか? それは新配列を覚えるコストと見合うのか? という点が気になる方も多いと思います。
しかし、自分がQWERTYローマ字・JISかな入力から親指シフト(NICOLA)に乗り換えたときのことを考えると、その点はあまり興味なかったな、と思い出しました。
なぜなら、「QWERTYローマ字入力はどう考えても効率悪い」から。打ちやすいキーの使用率が低く、ホームポジションから外れたキーの使用率が高く、長音符で最上段まで使う。指の移動が大きく、同じ指を続けて使うなど運指も悪い。こんな配列から改善できないわけがない。
仮に、大西配列が標準配列の世の中だったとしたら、それを捨てて新下駄配列を作ったかというと、微妙だと思うんですよ。自分は大西配列より新下駄配列の方が良いと思っていますが、大西配列も十分良い配列だと思います。そこから新下駄配列へと乗り換える、ましてや新下駄配列を作るなんていう未知のことに手を出していたかと考えると、踏み出せなかった可能性もあると思います(それでもやっていた気もするけど)。
しかし、現実には標準配列はQWERTYローマ字です。スタート地点がこれなら、ここからなら絶対改善するという確信がありました。どの程度改善できるかは未知数でしたが、わずかでも改善できれば、十分元は取れると思いました。その差は生涯積み重なっていくのだから。
だから、「親指ひゅんQ」の存在を知ってから親指シフト(NICOLA)を使い始めるまではすぐだったんですよね。そして、新配列を覚えるのもわりとできるということがわかってしまったので、そのあと月配列と行ったり来たりするのも迷いなく。その後、文字キー同時打鍵をやりたくて月配列に手を加えて下駄配列を作り、配列を作ることさえできることがわかってしまったので新下駄配列を作った……というのは先ほど挙げた記事の続きなどに書いたとおりです。
QWERTYローマ字から乗り換えて20年強、新下駄配列を作ってから15年強。自分としては、新下駄配列を作って本当に良かった、元が取れるどころか十分得をしたと思っています。PCでテキストで何か書くということに「面倒だな」と思う気持ちがなくなったよね。遅筆な自分がSNS全盛の世の中でいまだにブログを続けていたり、カーリングやゲームブックなどのメモを書き続けていられるのは、新下駄配列のおかげだと思います。
配列を一から作るなんて、時間と手間がかかる作業をしてもそう思うのですから、新配列を一つ覚えてQWERTYローマ字から乗り換えるくらいのコストなんて、簡単に取り返せますよ。
*1:3配列併用時期に4888を記録。
*2:3配列併用時期に5341を記録。
*3:3配列併用時期に5520を記録。
*4:3配列併用時期に5081を記録。
- ローマ字入力はどの配列とも併用できる夢のような配列 : ローマ字入力でもなく、かな入力でもなく
https://kouy.exblog.jp/4957773/
*6:過去に、けいならべを使用していたときは、QWERTYローマ字との併用は問題なかったので。
- ローマ字入力はどの配列とも併用できる夢のような配列 : ローマ字入力でもなく、かな入力でもなく
https://kouy.exblog.jp/4957773/
*7:かっこのまとめ入力。「」を入力して、確定して、カーソルをかぎかっこの間に移動するまでを行う。
- DUMANGキーボード DK6 miniのキーマップ - 紙とエンピツ_ブログ版
https://y-koutarou.hatenablog.com/entry/2025/06/06/000738#%E3%82%AD%E3%83%BC%E3%83%9E%E3%83%83%E3%83%97%E8%A6%AA%E6%8C%87%E4%B8%8B%E6%AE%B5%E5%B7%A6%E3%81%8B%E3%81%A3%E3%81%93%E9%A1%9E%E3%81%AE%E3%81%BE%E3%81%A8%E3%82%81%E5%85%A5%E5%8A%9B%E3%81%A8%E5%9B%B2%E3%81%BF%E5%85%A5%E5%8A%9B