DUMANGキーボード DK6 miniでやってみたこと

 DUMANG DK6 miniを使い始めてからこれまで試行錯誤してきたことなどを書いていきます。何せカスタマイズできるところが多いキーボードなので、すべて書くのはなかなか大変です。かなり長くなったので、キーマップ(論理配列)の変更と、キーボードの机の上への置き方については、別の記事にします。

使ってみたキースイッチ

 各キーユニットのキースイッチはCherry MX 互換スイッチに交換可能です。というわけで、いくつかのキースイッチを試してみました。

CHERRY MXスイッチ RGB茶軸

 自分が買ったDK6 miniに最初からセットされていたキースイッチはこれだと思う。タクタイル。打鍵感は良く、取りこぼしもないんだけど、自分の好みからすると打鍵が重い。もっと軽いキースイッチはないか?

Gateron スイッチクリア軸 - リニア 35g

 大岡さんのブログで軽いキースイッチとして紹介されていたのを見て購入しました。

 打鍵の軽さは期待通りでしばらく使っていましたが、リニアは自分の好みとはやや合わないので使わなくなりました。やっぱり、軽い中にもタクタイル感はほしいなー、と。

Durock White Lotus / Light Tactile

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 軽いタクタイルスイッチらしいので購入。最初からセットされていた茶軸と比べれば軽いし、打鍵感もしっかり安定していて取りこぼしがない。良いキースイッチだと思います。自分が使った中では一番好き。しかし、REALFORCEの荷重30gと比べればまだ重い。自分としては、もう少し軽い方が好きだなー。

KTT Matcha Tactile Switch

 タクタイル。スペック上はDurock White Lotusと同じくらい軽そうだったのでどんなものかと買ってみました。Durock White Lotusよりタクタイル感が少なくて軽い気がしますが、実際にタイピングしてみるとそんなに違いはありません。打鍵の安定感はDurock White Lotusの方がある感じ。

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現在使用しているキースイッチ分布図

 現在使用しているキースイッチは以下の通り。

DK6miniに使用しているキースイッチを色分けで示した図

DK6miniで現在自分が使用しているキースイッチ分布図

 いちおう、人差し指・中指にDurock White Lotus、薬指・小指にKTT Matchaにして変荷重風に。ファンクションキーは重くても構わないのでCHERRY MXスイッチ RGB茶軸にしています。

 小指にGateron スイッチクリア軸を使っていたころは「あこがれの変荷重」*1でしたが、Durock White LotusとKTT Matchaには大した差がないので、使い分けにはあまり意味はありません。微妙に左右対称ではないのは、なんとなく反応が悪いキースイッチを入れ替えているうちに、結果的にこうなったというところです。これなら全部Durock White Lotusでも良かった気がします。もう少し軽いタクタイルスイッチがあると良いのですが……。心当たりがある方がいましたら、ぜひ教えて下さい<(_ _)>

キースイッチは一期一会?

 キースイッチを探していて思ったのですが、キースイッチって商品の入れ替わりが激しいですね。必ずしも同じキースイッチがずっと販売されているわけではない。新商品が次々と発売される一方、しばらく経つと今までのキースイッチは売り切れて販売されなくなってしまう。後継バージョンが販売されている場合もありますが、ない場合もあるし、種類が多すぎてどれがどのキースイッチの後継なのかよくわからん。

 Akko CS Ocean Blueというタクタイルで軽いキースイッチがあるとTwitterで教えていただいて興味あったのですが、自分が探し始めたときにはもう見つかりませんでした(´・ω・`)

 いずれにせよ、「これは」と思ったキースイッチはすぐに購入した方が良いと思いました。

キーの配置(物理配列)

 続いて、キーの物理配置について。これを好きなように換えられるのがDUMANG DK6 miniの醍醐味ですからね。

格子配列と親指キー2段構え

 まず、格子配列にするのが最大の目的なのでそれをやります。

 もう一つやってみたかったのが、親指キーを2段構えにする配置。親指シフトキーボード風に、[スペース]や[変換]がある段(親指上段)のさらに下にキーを設置します(親指下段)。この使い心地がどうか試してみたかった。2段の親指キーの高さが同じだと、親指上段を押す時に親指下段が干渉するので、キーキャップの高さを変える必要があります。親指下段用にDSAプロファイルのキーキャップを用意したのですが*2、親指上段にコルクテープ*3を重ねて貼って5mmかさ上げしたら、付属のキーキャップでも干渉せずに押せました。

 キーの段の配置は、ファンクションキー1段、文字キー4段、親指キー2段で計7段となります。ファンクションキー段と親指下段はベースボードからキーユニット半分はみ出た状態で設置しています。これでも普通にタイピングする分には問題ありません。

DK6miniの物理キー配列を示した写真

DK 6miniの現在のキーの物理配列。ほぼ格子配列と親指キー2段構えが特徴

 矢印キー(カーソルキー)は、通常のキーボードのように右下に確保しました(矢印キーは[スペース] + [E][S][D][F]にも配置しています。詳しくは「DUMANGキーボード DK6 miniのキーマップ」に書きました)。その上に、[Home][End][PageUp][PageDown]も四角く配置しています。やはり、これらのキーは単打でも押せた方が使いやすいです。

 このため、右手側のベースボードはキーを横8.25u幅にわたって配置しています(DK6miniで設置できる最大)。左右の端のキー([6][T][H][N]の列と、[PageUp][PageDown][→])はベースボードから半分はみ出た設置となっています。これも普通にタイピングする分には問題ありません。

小指だけカラムスタッガード

 文字キーはほぼ格子配列ですが、小指担当キーだけ縦に1/4キー下にずらすカラムスタッガードを採用しています*4。小指キーをずらす幅は、ずれなしや1/2キーずれも試しましたが、1/4キーだけずらすのが一番しっくりきました。あっさり書きましたが、これを簡単に試せたのはDUMANG DK6 miniならではではあります。*5

キーユニット追加とキーキャップ入れ替え

 DK6 miniのセットに含まれているキーユニットは1u・1.25u合わせて計82個ですが、設置可能なキーユニットの数は、1つのベースボードで最大44個*6、計88個です。自分はキー数の多いキーボードの方が好きなので、別売りのキーユニットを購入して、最大の88個設置しました。

キーキャップが売ってない?

 キーユニットを追加したら、適切な形のキーキャップが足りなくなったので買おう思いました。

 しかし、OEMプロファイルのように各段の形が異なるキーキャップは、あまりバラ売りされていないんですね……。それに、104キーボードに存在するキーの形以外のキーキャップはほぼ販売されていない。OEMプロファイルの1.25u幅のR2(上段)・R3(ホーム段)のキーキャップが欲しいのだけど、そういうものは見つかりませんでした。

 また、各段の形が同じDSAプロファイルなどは無刻印のキーキャップが販売されていて、バラ売りもされてますが、それでも1u幅以外のものはやや入手しづらい印象です。販売されていても売り切れだったり、色が限定されていたりします。

 仕方ないので、OEMプロファイルの安い透明のキーキャップを1セット購入して、そこから必要な部分だけ拾って使うことにしました。1.25u幅は下段の形の物(R4)しか存在しないため、それ以外の段に使うと段の形がややいびつになります。まあ仕方ないか……。妥協できないほどのいびつさではない。

 1u幅のキーキャップは、もともと同梱されていたキーキャップの中に、段の形と刻印がそのキーに合っている物があればそれを、なければ購入した透明キーキャップを使っています。*7

キーリピートとモディファイヤの問題(のどか関連)

 左右のベースボードは別のキーボード扱いとなります。そのため、キーリピートの挙動が通常のキーボードとは異なることがあります。それでも、普通の使い方をする限りは問題ないのですが、「のどか」のモディファイヤが絡むところでやや問題が発生します。

appletllc.com

 まず、左右のボードをまたぐモディファイヤを押しっぱなしにしてもキーリピート扱いされません。実際のキー入力はキーリピート風に連続で入りますが、「のどか」のログを見るとキーリピートを示すモディファイヤ「R-」が付いていません。よって、キーリピートした場合だけ別の設定にするということができません。

 また、左右のボードをまたぐワンショットモディファイヤが正常に作動しないことがあります。例えば、[スペース] + [K]を押して離したときは、[K]でテンキーの5が入力され、スペースは入力されないのが意図した挙動です。しかし、DK6 miniでこの操作をすると、テンキーの5が入力された上で、[スペース]を離したときにスペースも入力されてしまうことがあります。必ずそうなるのではなく、たまにそうなります。*8

 公式掲示板のユーザーサポートのスレッドに似たような事例の投稿があって、結論としては解決策はない、ということのようです。*9

jbbs.shitaraba.net

 「のどか」ではなくDUMANG Appのレイヤー機能で実装すればよいのかもしれませんが、そうすると「のどか」でしか実装できない機能は手放すことになるので、それはできないなあというところです。

たまにキーが反応しないことが……

 DK6 miniを使っていると、たまにキーが反応しないことがあります。ベースボードの縁に半分はみ出すように設置したキーはズレやすいので、その場合はズレを直せば良いのですが*10、他のキーに囲まれたキーでもたまに反応しなくなることがあります。いったんベースボードから外して、底を拭いて戻せばたいていの場合は直ります。他にも、たまに打鍵を取りこぼしたり、キーが二重に入力されることがあります。

 常にそうなるというなら、キーユニットやキースイッチを交換すれば良いのですが、たまにそうなるのが悩ましいところです。ベースボード・キーユニット・キースイッチとパーツがいろいろあるので、原因がなかなか特定できません。それでも、なんとなく不具合が起こることが多いキーユニットやキースイッチを交換しているうちに、不具合が起こる頻度はだいぶ少なくなりました。しかし、それでもゼロにはなりません。このへんの安定感はさすがにREALFORCEには及ばないなあ、という感想です。

関連する記事

y-koutarou.hatenablog.com

【DUMANGキーボード DK6 mini 目次】

*1:いままで使っていたREALFORCE108UHがAll 45g108USがAll 30gで、ともに等荷重でした。それはそれで良かったけど、変荷重の方が合理的だとは常々思っていました。

*2: 

www.talpkeyboard.com

*3:最近のダイソーでは売ってないような……(´・ω・`)

*4: 

*5:本来のカラムスタッガードは、他の列のキーも指の長さに合わせて縦にずらすものですが、自分のDK6 miniの使い方だと縦幅の余裕がないので試していません。DK6 miniのベースボードはあまり大きくないので、キー数を多く配置するとスペースに余裕がなく、物理配列の自由度は狭くなります。「ファンクションキーはいらない。文字キーは3段あれば良い。独立した矢印キーの島は必要ない」という方なら、もっといろいろ試せるのでしょうが……。

*6:DuMangアプリの設定でOverload ModeをONにすると45個以上設置できるそうですが、試していません。

*7:[Home]と[PageUp]にはテンキーの[7]と[9]のキーキャップを使っています。段の形が合っていて、ちょうど「Hm」「PU」と刻印されているので……。

*8:[K]を離したときに、(1)すぐに[スペース]を離せば「U-Space」しか入力されないのでワンショットモディファイヤの効果でスペースは入力されません。(2)しかし、少し[スペース]を離すのが遅れた場合は、「D-Space/U-Space」が入力されてスペースが入力されます。(3)ところが、さらに[スペース]を離すのが遅れた場合は、「D-R-Space」が入力されて、「key R-*Space = &Ignore」の効果でスペースの入力が無効になります。つまり、[スペース] + [K]を押し下げて、[K]を離した直後の、D-Spaceが始まってD-R-Spaceが始まる前の絶妙なタイミングで[スペース]を離した場合だけスペースが入力される……ということな気がします。

「のどか」のログウィンドウ。DK6miniで左右のボードをまたぐワンショットモディファイアが働かない原因?のログ

*9:続いて「&Prefix で別 KeyMap としたらうまく行けました。」との投稿がありますが、正直、&Prefixは使い方が理解できていない……。

*10:この場合は、キーユニットのLEDが消えているのでわかりやすいです。しかし、LEDが点灯していてもキーが反応しないことはあります。