最下位ヤクルト2020の『ベストプレープロ野球』のデータを作った

 今年もまた東京ヤクルトが最下位になってしまいましたね(´・ω・`) これで2013年から8年中5回最下位となってしまいました。まさかこれが毎年続くってことはないよね?

 今年も投懐が止まらないヤクルト。次の表はヤクルトの年度別成績。1990年代からの「ヤクルト黄金時代」が明らかに終わったと自分が思う2006年古田監督以降を表にしました。

東京ヤクルトスワローズ年度別チーム成績
年度 監督 勝率 得順 失順
2020 高津臣吾 6 120 41 69 10 .373 468 5 589 6
2019 小川淳司 6 143 59 82 2 .418 656 2 739 6
2018 小川淳司 2 143 75 66 2 .532 658 2 665 6
2017 真中満 6 143 45 96 2 .319 473 6 653 6
2016 真中満 5 143 64 78 1 .451 594 2 694 6
2015 真中満 1 143 76 65 2 .539 574 1 518 4
2014 小川淳司 6 144 60 81 3 .426 667 1 717 6
2013 小川淳司 6 144 57 83 4 .407 577 3 682 5
2012 小川淳司 3 144 68 65 11 .511 499 2 514 5
2011 小川淳司 2 144 70 59 15 .543 484 1 504 5
2010 高田繁
小川淳司
4 144 72 68 4 .514 617 3 621 3
2009 高田繁 3 144 71 72 1 .497 548 3 606 5
2008 高田繁 5 144 66 74 4 .471 583 2 569 4
2007 古田敦也 6 144 60 84 0 .417 596 3 623 4
2006 古田敦也 3 146 70 73 3 .490 669 1 642 4

 見ていただきたいのが、表の右の方が得点順位と失点順位。要するに、失点数がずっとリーグ最下位です。ヤクルト投手陣の弱体ぶりが有名になったのは、2014年の「火ヤク庫打線」で大量得点・大量失点試合を華々しく連発していた頃だと思いますが、その前から投懐状態は始まっています。優勝しそうだった2011年は個人成績を見ると好成績に見えますが、あの年は“統一球”のせいでリーグ全体が投高打低だっただけで、あの頃からすでに怪しかった(2012年も同様)。

 なんでこんなに長いこと投懐状態が続くんでしょう? 狭い神宮球場を本拠地にしているのである程度は仕方ないけど、さすがに5年連続失点最下位はひどい。ドラフトでも投手は取っているのだけど、特に先発がまったく育ってこない。2012年の小川泰弘が最後といってもいい。上位で取った杉浦稔大、竹下真吾、風張蓮、原樹理、寺島成輝、星知弥など、ことごとく引退したり、トレードに出されたり、伸び悩み中だったり*1。リリーフは梅野雄吾や清水昇などがんばっている投手もいるけど、先発陣をカバーするほどではないしなあ。ああ、愚痴が止まらない。

 と言うわけで、今年も『ベストプレープロ野球'00』のヤクルトのデータを作りました。昨年も作ったわけですが、選手は28人中10人も入れ替わっています。これを、若手が出てきていると捉えるか迷走していると見るか。

【2020年東京ヤクルトスワローズ

高津臣吾新監督で臨んだ2020年は、コロナ禍の中、2ヶ月半遅れて開幕した“特別なシーズン”。相変わらずの投懐状態の中、8月まではなんとかこらえていたが、9月以降は借金が膨らみ続け、終わってみれば昨年を下回る勝率で2年連続最下位となった。村上宗隆・青木宣親が高打率をキープする活躍を見せたが、山田哲人坂口智隆石川雅規らの主力は振るわず。中村悠平嶋基宏の捕手2人がシーズンの大半を欠場したのも痛かった。

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; チーム名                  略称         記    球場
  東京ヤクルトスワローズ20  ヤクルト2020 ヤ    明治神宮野球場

; UNIFORM                   SYMBOL       BGM
  S_h          s_v          swallows     swallows

; 監督             タ 投 選 打 バ エ 盗 A 抑
  高津臣吾         +1 +2 +1 +1 -2  0 -1 +1 +2

; 野手             席 タ C 1 2 3 S O 肩 走 眼 実 ス 巧 長 信 左 指数
9 坂口智隆         L  S  - C - - - C  C  C  C  B  B  C  C  0 -1  260
4 山田哲人         R  P  - - B - - -  A  B  B  B  D  D  B  0  0  260
7 青木宣親         L  S  - - - - - C  D  C  A  A  B  C  B +1 -1  320
3 村上宗隆         L  P  - C - D - -  B  C  B  A  A  E  A +1 -1  310
5 西浦直亨         R  P  - - - C B -  B  C  D  D  D  B  C  0  0  250
8 山崎晃大朗       L  S  - - - - - B  C  B  D  D  D  C  E  0 -2  260
6 エスコバー       R  S  - - - C B -  S  C  C  B  A  A  E  0  0  280
2 西田明央         R  P  C D - - - -  C  D  D  D  B  D  C  0  0  250
- 塩見泰隆         R  P  - - - - - C  A  A  D  E  C  E  B -2  0  260
- 中村悠平         R  S  B - - - - -  B  D  E  D  E  D  D  0  0  240
- 荒木貴裕         R  S  - C C - - D  C  C  D  C  C  D  D +1 +2  250
- 宮本丈           L  S  - D B C - D  C  C  C  E  C  C  D  0 -2  260
- 廣岡大志         R  P  - D C C B D  C  B  E  E  C  E  B -1 +1  250
- 雄平             L  P  - - - - - C  A  C  D  B  D  B  D -1 -1  250
- 上田剛史         L  S  - - - - - B  C  A  E  C  E  C  E  0 -2  250
- 濱田太貴         R  P  - - - - - C  C  C  E  E  D  D  C -1  0  250

; 投手             投 タ 球速 切 制 安 質 術 ス  回 指数
P 小川泰弘         R  A+  144  B  A  E  E  A  B  22  200
P 高梨裕稔         R  A+  144  B  B  C  D  D  C  20  200
P 石川雅規         L  D   134  B  A  C  D  A  C  22  200
P スアレス         R  A   146  C  D  B  B  E  C  16  200
P 吉田大喜         L  A   145  B  C  C  D  E  C  22  200
P 高橋奎二         R  B   146  C  D  D  C  E  C  22  200
P 星知弥           R  A+  144  D  D  D  D  E  C  26  200
P マクガフ         R  B   148  C  B  D  B  D  D  30  200
P 梅野雄吾         R  A+  146  C  C  C  C  D  D  26  200
P 長谷川宙輝       L  B   148  C  E  D  C  E  E  28  200
P 清水昇           R  B+  145  B  B  A  D  E  E  30  200
P 石山泰稚         R  A+  144  B  A  B  A  C  E  26  200

 COM監督に任せた場合の打順の再現はあきらめた。山田2番とか無理。打順の他にも、投手能力で球速の影響が大きすぎること、タイプの分類がしっくりこない、先発投手の完投数や継投のタイミング、「勝利の方程式」が再現できないなど、さすがに現在のプロ野球観とは合わない部分が多くなってきています。ここはぜひ、現在の野球観に合わせた新作が登場してほしいところ。


 以下、今年も現実のヤクルトに対する今期の感想と来期への期待などを書きます。今回は、自分が独断で選ぶ敢闘賞と残念賞を2名ずつ選出してみました。

独断で選ぶ敢闘賞

高梨裕稔

 先発陣が苦しい中、先発回数・投球回数ともにチーム2位のイニングイーターとして貴重な活躍。ピッチング以外でも、マルチヒットで初勝利で打率5割越え、盗塁死、2死三塁でライトゴロなど、グラウンドいっぱい使ってファンを楽しませてくれた。これなら秋吉亮を出して取ったのも納得だ。

エスコバー

 MLBゴールドグラブの実績をひっさげて来日した新外国人。バックハンドから強肩を生かした一塁送球はさすがと思いましたが、他は正直それほどでも……。守備範囲が狭いし、球際もいまいち弱い。シーズン後半はサードに回って、ショートは西浦が守ることが多くなりました。

 しかし、打撃の方で戦力。青木宣親と村上宗隆以外の打率が上がらない中、2割8分前後をキープして打線から外せない存在となりました。実際に打撃を見ていると、そんなに良いとは思えないんだけど……。器用そうでもないし、四球少ないし、パワーもないし。ぱっと見、2割5分以下とかでもおかしくない感じだけど、実際は.273。なんでこんなに打率を残せるのか不思議だ。

 と思ってたら自由契約だそうで……。確かに長打も四球少ないとチームへの貢献度は低いので、他の外国人を探したくなるのはわかるけど。西浦直亨や廣岡大志がエスコバー以上に打てるところを見せてくれれば問題なかったのだけど……。

独断で選ぶ残念賞

小川泰弘

 8月15日にノーヒットノーラン達成! その後もしばらくはクレバーな投球スタイルでチームが苦しい中でも勝ち星を積み重ねて「ようやくライアン小川の真の姿が見られた!」と思っていたのだけど……。

 9月後半以降の成績があまりにひどい。最多勝を取りそうな勢いだったのに、結果はよれよれで何とか10勝。規定投球回数も届かず。3.05まで行っていた防御率もみるみる悪化して終わってみれば4.61。高梨より悪いじゃねーか。来年は今年前半の投球を1年間続けてほしい。

村上宗隆

 打率.307、28本塁打OPSセ・リーグ1位。昨年の打率.231から飛躍したシーズンとなった。

 なんだけど、今年はずっと打率3割3分前後をキープしていたので、自分としてはこの打率を最後まで維持してほしかったという気持ちが強い。打率は、3割あればいいというものではなく、高ければ高いほどチームへの貢献度は高いのだから。9月30日に.330あったのに、1ヶ月でこんなに落ちるとは。本塁打を狙って打率を下げたように見えた。結局本塁打王取れなかったし。

 まあ、来年を待つことなく、今年の間にさらに一段階のレベルアップを狙った結果と捉えて、来年のさらなる飛躍に期待しよう。

*1:杉浦稔大日本ハムで復活傾向で良かったですね。