『火吹山の魔法使いふたたび』の謎?

 今回も、『火吹山の魔法使いふたたび』をプレイし終わっての感想・疑問点などをつらつらと書いてみます。

 かなりネタバレなので、まだ読んでいない方は注意して下さい。

火吹山の魔法使いふたたび』の謎

ムースは味方?

 開始直後、いきなり主人公を追いかけて警告を伝えに来るアンヴィルの酒場〈二つの月〉亭の主人ムース。自ら抜き身の剣を片手に走ってくる姿があまりにウソっぽくて、初回のプレイでは無視してしまいましたw その時の彼の心境やいかに……。

 その後、ヤズトロモの偽物の情報を伝えてくれたので(40番)、どうやら信用できそうだということで、次の回はついて行きましたが、闇狩人を倒した時の行動がまた不自然(306番)。

ムースはポケットを空にするだけでは満足せず、闇狩人のブーツを脱がせて振り動かす。折りたたまれた一片の茶色く汚れた紙が地面に落ちる。「俺はそんな臭いものには触らないよ」ムースが笑いながら言う。「あんたが欲しけりゃ、持ってったらいい」

 見事にムースの策略?にはまってザゴールの呪いで技術点-2を食らいました。やられた……。よく考えたら、自分からブーツを探っておいて「そんな臭いものには触らないよ」っておかしくない? やっぱり俺はまだ信用してないぞ。結局、闇狩人の逃走を阻止したのって意味なかったし。

君はランタンを持っているか?

 ディープ・シーの店(116番)で買えるアイテムの一つであるランタンは、買わなくても持っているという解釈でいいよね? ルールにはっきりこう書いてあるのだから……(259ページ)。

装備
冒険の開始時、きみは稼業に必要な基本的なものを持っている。上質の剣、旅にうってつけの服、発見した財宝を入れる背負い袋、行き先を照らすランタンだ。

短剣を手に入れた?

 49・196番では短剣を入手した(306番で手に入る短剣とは別に)という解釈でいいのでしょうか? 文章としてはそう読み取れるけど、どういう経過であれ、306番で入手する短剣は闇狩人が持っていたものなので、たどる経路によって入手できる短剣の本数に差が出るのは不自然ではある。131番の戦闘では短剣の本数は大切なので、ここの解釈は重要。

 あと、131番の戦闘では、ディープ・シーの店で買える銀の短剣も投げていいよね、この際。「投擲用」とは書かれていないけれど、306番で入手できる鋼の短剣も「投擲用」とは書かれていないし。

投擲用ダガー

 ついでにもう一つ短剣の謎。後半、3つのパラグラフで投擲用ダガーをブーツの差し込んでいるかどうかを聞かれるけど*1、ここでいう短剣・ダガーは70・220番で入手できるもののみ有効で*2、闇狩人が持っていた短剣(49・196・306番)やディープ・シーの店で買える銀の短剣を持っていても無効という解釈でいいよね? それらの短剣は「ブーツに差し込む」という描写はないので。131番で「投擲用の短剣」という言葉が出てくるのでややこしくなっている。

 『火吹山の魔法使いふたたび』は登場アイテム数が非常に多く、まったく役に立たないアイテムも多数ある中、この投擲用ダガーは2ヶ所で必須になるという超重要アイテム。

多多益益弁ず

 「多多益益弁ず」って言葉、初めて知ったなあ(316番)。ここでは、要するに「多ければ多いほど良い」という意味か。勉強になります。でも、「少なくとも二つは必要」はミスリードですよね、ヤズトロモさん。

別の剣を見つけるまで技術点-2

 348番で剣を失うと、別の剣を見つけるまで技術点-2となります。この「別の剣」は4ヶ所で入手できます。

  • 355番 ダークブレード・スカルバイダーの剣
  • 190番 ゴブリンの剣
  • 227番 オークの剣
  • 225番 骸骨の剣

 225番以外は技術点2点回復とは書かれていないけれど、225番は忘れないように厚意で書いてくれているだけと解釈して良いでしょう。

 また、343番の戦闘では「剣を持っていないなら、きみは技術点から二点引いて」と書かれているけれど、これも厚意で書いてくれているだけで、348番の技術点-2とは別に引く必要はないでしょう。他にも剣がない状態での戦闘は多数発生するので、ここだけこの記述があるのはかえって不自然。

 剣を失うシーンは後半にもう一つあります(202番)。この際の、340・358番「剣を持っていないなら、この戦闘の間、一時的に技術点を二点減らさなくてはならない」の指示は、202番では技術点を引くという指示はないし、202番以降の(剣を使った)戦闘は340・358番しかないので、必要で妥当な指示です。

目まぐるしい展開

 『火吹山の魔法使いふたたび』で最も印象的なシーンが36番。このゲームブックでは、ただ通り過ぎるだけのパラグラフ(分岐も合流もないパラグラフ)がないように作られているので、様々な出来事が起こるパラグラフがいくつかあります。その最たるものが36番。「パラグラフジャンプ成功」→「ズート・ジンマーのその後」→「同行」→「〈黄金の竜牙〉入手」→「罠発動」→「ショートカットルート終了」と1つのパラグラフで次々と事件が起こるので唖然としてしまう。なんと不幸なズート・ジンマー……。

ダイアモンドとは?

 12番の「思いもかけぬ死」とはいったい……。いずれ無防備な状態でダイアモンド・センティネルに襲われるということだろうか……。このパラグラフを通過した上で任務達成した場合は、どういう気持ちになったらいいのだろう? ここは400番の次のパラグラフを用意してほしかった。

木の球を持っている?

 382番でマインドベンダーの口の中に木の球を詰め込むけれど、木の球なんて持ってましたっけ? 33番で木の球と積み木を入手できるけれど、ここを通らなくてもここまで来る展開もあると思うけど……。鉄の鍵の方とセットで入れておけばよかったのに。

3つの鍵?

 331番。3つの鍵の選択。「お? 火吹山の宝箱の再来か!?」と色めき立ったが、ただの三択だった。なーんだ。でも、ここで1つは正解があるのがリビングストン作品の優しさ。スティーブ・ジャクソン作品だったら、3つ全部体力点-2だったことでしょうw

兜はどこ?

 65番。盾・兜・胸甲を身につけていれば有利になるのだけど、盾と胸甲はわかるけど、兜なんて出てきたかなあ?

 ……と思っていたが、まさか、298番の〈混乱の兜〉のことか!? あれば65番の一発死の確率が16.7%下がるのですごく重要だけど、さすがにこれは……。そもそも、運だめしに失敗しないと〈混乱の兜〉を入手するルートに入れないし。文章をよく読むと、一度かぶっただけでその後は外しているので、これではないのかなあ。

 〈混乱の兜〉が入手可能だとしても、『火吹山の魔法使いふたたび』には技術点回復ポイントが数えるほどしかないので、技術点-3は痛すぎる。唯一大きく技術点を回復できるチャンスが167番のプロバブスの幸運のお守りだが、ここまでも技術点が必要な戦闘は多数あるし、ここは体力点の方を回復させたいところだし……。 

盾の出番

 前項で盾はわかると書いたけど、ここで盾の出番が来るというのも結構トリッキーで驚いた。盾は開始直後に入手できるアイテム(82番)。すぐに役立つのでここで出番は終わりと思わせておいて(374番)、終盤に2ヶ所でデッドエンド回避に働く(169・65番)。「火」の箱入手の為に捨ててしまった回もありました(307・67・293番)。

パラグラフジャンプの処理が雑

 335番からのザゴールとのエレメンタル合戦。これまで集めた〈黄金の竜牙〉と『竜の目』のページの情報を使って、パラグラフジャンプを立て続けに4回させる趣向なのだけど、ここの処理がちょっと雑で、正しくないパラグラフジャンプをしているのに正しいと誤解させる余地が生じていると思います。ここはもう少していねいに処理してほしかった。

 趣旨としては――ザゴールが召喚したエレメンタルに対応するエレメンタルを呼び出す必要がある。エレメンタルを呼び出すには4つの〈黄金の竜牙〉を使うのだが、どの牙にどのエレメンタルの力が込められているのかはわからない。〈黄金の竜牙〉には番号が刻印されている。『竜の目』のページに、どの番号の〈黄金の竜牙〉にどの元素が込められていて、どの元素に対して有効かが書かれているので、この情報を元に正しい順番で4つの〈黄金の竜牙〉を使う――というものです。

 しかし、〈黄金の竜牙〉に刻まれている番号がジャンプ先のパラグラフ番号そのものなので、どの〈黄金の竜牙〉を使っても「〈黄金の竜牙〉を使って相手のエレメンタルを攻撃しようとする」という場面にジャンプします。一見すると正しいジャンプをしたように見えてしまいます。文章をよく読めば相手のエレメンタルの元素が異なるのでおかしいことは分かりますが、ここまででプレイヤーが得ている情報量は場合により様々です。〈黄金の竜牙〉や『竜の目』がいくつあるかや、〈黄金の竜牙〉と元素の対応があること、相手の元素に対して有効な元素があることさえ知らずにここまで来てしまう可能性もあります。気がつかずに読み飛ばしてしまう危険は十分あると思います。

 〈黄金の竜牙〉に刻印する番号はジャンプ先ではない数字にして、「現在のパラグラフ番号から使用する〈黄金の竜牙〉に刻まれた番号を加えた(引いた)パラグラフへ進め」などという処理にするべきだったと思います。

 また、『竜の目』のページにどの〈黄金の竜牙〉にどの元素が込められているかが書かれていますが、その〈黄金の竜牙〉の判別方法が刻印されている番号(つまりジャンプ先の番号)なので、〈黄金の竜牙〉を入手していなくても『竜の目』だけでジャンプ先の番号が分かってしまいます。番号が刻印された〈黄金の竜牙〉を持っていないとパラグラフジャンプをしてはいけないのですが、「一見〈黄金の竜牙〉に見えるが実はそうではない」というトラップアイテムがあるので*3それを正しいアイテムと誤解して『竜の目』に書かれた番号へジャンプしてしまう可能性があると思います……というか、自分はそれをやってしまいました。*4

 〈黄金の竜牙〉と元素の対応を特定する方法は、番号の刻印とは別にマークを刻印するなど、パラグラフジャンプに使う番号とは別の情報で行うべきだったと思います。

サイコロ運が必要な主な場面

 後期のリビングストン作品なので覚悟はしていたけれど、やっぱり任務達成には運に頼る場面が多すぎるな。サイコロ運が必要な主な場面は以下の通り。

159番 ドッペルゲンガー
ラウンド勝者が2Dを振りゾロ目が出れば勝ちという特殊ルール。体力点や運点は使えない。つまり技術点9なら勝率50%。偶然性も高いので技術点12でも安心できない。
5番 拷問室のトラップ
必須ルートなのに、2Dで技術点以下を振れないと一発で終了。
231番 ゴルゴンとの戦い
鏡があっても運だめしに失敗すると、1Dで4-6を振ると終了。1-3でも実質技術点12の相手との戦闘になる。運だめしに失敗するとかなりきつい。
  • ゴルゴン 技術点10 体力点8 ※こちらの技術点-2
326番 羊の目大食い大会
サイコロを使う特殊ルールイベントだが、要するに確率的には以下の通り(悪い順)。
  1. 50% バーバリアンとの賭けに負ける → 〈黄金の竜牙〉を取り逃す
  2. 25% 優勝以外でバーバリアンとの賭けに勝つ → バーバリアンとの戦闘に勝つ必要がある
  3. 25% 優勝(バーバリアンとの賭けにも勝つ)
50%で必須アイテムを取り逃し、25%で技術点10の敵に勝つ必要があるという厳しいイベント。
  • バーバリアン 技術点10 体力点10
194番 カオス・ウォリアー戦
倒さないと、必須アイテムの本の一ページ・銀貨2枚・革の鞭を取り逃がす。
  • カオス・ウォリアー 技術点10 体力点10
212番 プレイグ・ベアラー戦
倒さないと、必須アイテムの本の一ページを取り逃す。
  • プレイグ・ベアラー 技術点6 体力点4 ※1ラウンドでも負けたら終了
加えて、ここで「プロバブスの幸運のお守り」での体力点全回復を得ないと体力点が厳しいので、ここで運点9点以上あることが必須に近い。
34番 ゴブリンがレバーを引くのを阻止
2Dで技術点以下を振れないと必須ルートへ行けず終了。
65番 デス・ロードの鋼の球
盾と胸甲があっても1Dで1か2を振ると(確率33%)終了。
27番 ザゴール戦
言うまでもなく必須戦闘。
  • ザゴール 技術点11 体力点18

 サイコロ一発で即死・デッドエンド確定のイベントも多いし、単純に技術点勝負の戦闘も多い。

 今回の推奨能力値は、次の通りとします。

  • 技術点 11点
  • 体力点 24点
  • 運点 12点

 全能力最大の最強モードでもいいくらいですが、さすがにそれは味気ないので技術点だけ1点減らしました。これでも、ゴルゴン、バーバリアン、マミーあたりと戦闘になってしまうと、体力点がかなりきついです。運点は温存して、ゴルゴン、マミーとの戦闘は絶対回避。できるだけ体力点・運点を残した状態で最終決戦にたどり着く必要があります。

 今回のルールは魔法のポーションや食料はないのだけど、今回こそこのルールが必要だったのでは……。

火吹山の魔法使いふたたび』の一番の見所は……

 というわけで、『火吹山の魔法使いふたたび』は、ゲームブックとしての面白さとしては、『ファイティング・ファンタジー・コレクション』に収録された他の作品と比べるといまいちだと思いました。火吹山の内部が『火吹山の魔法使い』と同じ構造だったり、ザゴールの伝説に新たな一幕が加えられたというという背景があってこその作品でしょう。

 そういう意味でも、『火吹山の魔法使いふたたび』の一番の見所は、一番最初、「背景」のこの記述で間違いない。

その一人がザゴールという名で知られた(また、恐れられた)火吹山の悪名高き魔法使いだった。そして、ある勇敢な冒険者が、ザゴールの邪悪な魔術からアランシアを救うために、その手下や死の罠の危険を顧みず火吹山の奥深くに踏み入った。

 これ、真っ赤なウソですよね。『火吹山の魔法使い』にザゴールが「悪名高き魔法使い」なんて書いてなかったし、「ザゴールの邪悪な魔術からアランシアを救うため」って、『火吹山の魔法使い』の主人公って、ザゴールの財宝目的の押し込み強盗だったじゃん。

 400番で、火吹山の宝物をさも当然かのように要求するアンヴィルの村人たちの行動も気になる。この宝物って、別にアンヴィルから盗まれたものではないですよね? やはりムースは信用できん。というか、この物語自体が本当のことだったのかどうか……。

プレイ記録(Twitter

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*1:

  • 257番「ブーツに短剣を差しているなら」
  • 142番「投擲用ダガーをブーツに差し込んでいるなら」
  • 315番「投擲用ダガーをブーツに差し込んでいるなら」

*2:

  • 70番「ブーツの側面に短剣を差し込む」
  • 220番「ブーツの側面に投擲用ダガーを差し込む」

*3:308・253番の〈青銅の竜牙〉と241番の金の竜牙。

*4:てっきり『竜の目』を読んで、消されてしまった〈黄金の竜牙〉の刻印番号を読み解くものだとばかり……。

『火吹山の魔法使いふたたび』のテキストマップ

 『ファイティング・ファンタジー・コレクション』の『火吹山の魔法使いふたたび』をクリアしたので、今回もテキストマップを作ってみました。*1

 当然ながら、ややネタバレなので、未プレイの方は注意して下さい。

テキストマップ

 『火吹山の魔法使いふたたび』はかなり一本道な構造です。2つの大ショートカットルート――ヤズトロモを訪ねず火吹山へ直行するルートと、火吹山前半で縦坑を抜けず落とし格子の方を通るルート―――以外は、大きな分岐はありません。空間的なつながりをそのまま描こうとするとかなり縦長なマップになってしまうので、あまり意味のない部分は縦を詰めるように心がけました。

 火吹山へたどり着くまではオープンフィールドなのでイベントのつながりを示す図で。火吹山の前半は『火吹山の魔法使い』を彷彿とさせる演出が続くので、『火吹山の魔法使い』のテキストマップを生かした空間のつながり重視の地図。ただし、拷問室の天井裏から縦坑を抜けて落とし格子の裏へ出るルートは、空間的なつながりは書きにくかったので、別枠でイベントのつながりを書きました。終盤は空間的なつながりはゲーム的には意味がないので、途中からイベントのつながりの地図に切り替えました。

 途中まで『火吹山の魔法使い』と同じマップなのはおもしろいけど、どうせなら最後まで同じマップにしたら良かったのに、と思う。

混沌と秩序

       ┏━━━━━━━━┓ ┏━━━┓    
       ┃335エレメンタル ┠→┃27決闘┃    
       ┗━━━━━━━━┛ ┗━━━┛    
           ↑               
        ┏━━┷━━┓            
        ┃219裂け目 ┃            
        ┗━━━━━┛            
           ↑←──────┐       
         ┏━┷━━┓ ┏━━┷━━━┓   
         ┃169弓兵 ┠→┃125杖とかご ┃   
         ┗━━━━┛ ┗━━━━━━┛   
           ↑               
         ┏━┷━━┓            
         ┃102衛兵 ┃            
         ┗━━━━┛            
           ↑     【混沌と秩序】   
        ┏━━┷━━┓            
        ┃249マミー ┃            
        ┗━━━━━┛            
           ↑               
      ┏━━━━┷━━━━━┓         
      ┃371マインドベンダー ┃         
      ┗━━━━━━━━━━┛         
           ↑         305女性と少年
          ┃142┃4鉄の扉      ┏━━━┓
    ┏━━───┻■┻─────────┨   ┃
    ┃172     4     373   48□ 305 ┃
    ┃ ┏─────────┐ ┏━━━┫   ┃
    │ │172落とし穴    │ ┃   ┣━━━┛
    │ │         │97□ 222 ┃    
    │ │  222ボードゲーム│ ┃   ┃    
    │ │         │ ┣━━━┫    
    │ │         │ ┃   ┃    
    │ │         │32□ 144 ┃    
┏━━━┫ │360ヴァンパイア  │ ┃   ┃    
┃   ┃ │     ┏━━━┫ ┣━━━┛    
┃ 360 □109│     ┃   ┃ │144大吸虫    
┃   ┃ │     ┃ 60 □151│        
┗━━━┫ │     ┃   ┃ │        
    │ │     ┗━━━┫ ┣━━━┓    
    │ │   60灰色のぼろ│ ┃   ┃    
    │ │         │349□ 194 ┃    
    │ │         │ ┃   ┃    
    │ \─────────/ ┣━━━┛    
     \     304     /194        
      \───┐ ┌───/ カオス・ウォリアー
          │ ┣━━━┓          
          │ ┃   ┃          
      187合言葉│187■ 204 ┃204羊の目大食い大会 
          │170┃   ┃          
          │ ┣━━━┛          
      ┏━━━┷□┷━━━━┓         
      ┃          ┃         
      ┃    337     ┃337胸甲      
      ┃          ┃         
      ┗┯∞┯━━━━┯∞┯┛         
     ┏━┛ ┗━┓┏━┛ ┗━┓        
     ┃     ┃┃  90  ┃90蔵書     
 124穴の道┃  124  ┃┃  38  ┃38謎の道    
     ┃     ┃┃     ┃        
     ┗━┓ ┏━┛┗━┓ ┏━┛        
      ┌┘ └────┘ └┐         
      /    364 216    \         
~~~~~~~~~~~~↑~~~~~~~~~~~~~~
~~~~~~~~~~~~※D ~~~~~~~~~~~~~

地底川まで

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━┓~~~~~~※Dへ ~
┃┏━━━━━┓          ┃~~~~~~~↑~~
┃┃387隠し扉 ┃←┐        ┃ 158渡し舟\158 / 
┃┗━━━━━┛ │  ※Cへ    ┃      │ │ 
┃  ↑     │  ↑     ┃      └□┘ 
┃ ┏┷┓  ┏━┷━━┷━┓   ┃149トログ /   \
┃ ┃13┠─→┃118聞き覚え ┃   ┃ ロダイト│ 149 │
┃ ┗━┛  ┗━━━━━━┛   ┃     │   │
┃  ↑←──────┐      ┃     \┌□┐/
┃┏━┷┓ ┏━━━━┷━━━━━┓┃ ┌────┘ │ 
┃┃347 ┠→┃227オークとドワーフ ┃┃ │      ・ 
┃┗━━┛ ┗━━━━━━━━━━┛┃ │ ┌────┘ 
┃  ↑←─────┐       ┃ │ │      
┃┏━┷━━┓ ┏━┷━━┓    ┃┏┷□┷┓     
┃┃283石像 ┠→┃209土器 ┃    ┃┃   ┃121    
┃┗━━━━┛ ┗━━━━┛    ┃┃ 121 ┃ケイブ・ 
┃  ↑              ┃┃   ┃トロール 
┃┏━┷━━━━┓         ┃┗┯□┯┛     
┃┃314樫の椅子 ┃ 《縦坑の先》  ┃ │ │      
┃┗━━━━━━┛         ┃┏┷□┷┓     
┃  ↑              ┃┃   ┃     
┃┏━┷━━━┓ ┏━━━━┓   ┃┃ 162 ┃ 162骸骨 
┃┃372頭蓋骨 ┃←┨383縦坑 ┃←※B ┃┃   ┃     
┃┗━━━━━┛ ┗━━━━┛   ┃┗┯□┯┛     
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ │ │      
            ┌───────┘ └──┐   
            │            │   
    23鉄格子とレバー└──┐ ┌───────┘   
  ┌────────────┛ ┃           
  │358 253  23  36    3 ┃3古いベンチ      
  └────┓…┏─∞───━━┛           
       │ │ ↑                 
       │ │ ※C                 
       │ ┣━━━┓               
       │ ┃   ┃  ┏━━━━┓       
       │273□ 87 ┃←→┃51天井裏┃→※Bへ    
       │ ┃   ┃  ┗━━━━┛       
       │ ┣━━━┫87かつての拷問室       
       │ ┃   ┃               
       │56□ 226 ┃226かつての武器庫       
       │ ┃   ┃               
       │ ┣━━━┫               
       │ ┃   ┃               
       │37□ 389 ┃389汚泥と鎖          
       │ ┃   ┣━━━┓           
┌──────┘ ┗━━━┫   ┃           
│       281   152□ 210 ┃           
└─┐ ┌────────┨   ┃           
  ■ │         ┗━━━┛           
  ┤ │       210かつての食堂          
  ■ │                        
  ┤ │                        
  ■ │          【地底川まで】       
  ┤ │     140瓶                 
  │ └─────━━┫                
  │   166 221 140■                
  └───┐ ┌─━━┫                
      │ │                    
      /※A \                    

アンヴィルから火吹山へ

┏━━━┓                    
┃71大鷲┠──────→※Aへ ←──────┐  
┗━━━┛                 │  
  ↑                   │  
┏━┷━━━━━━━━┓          │  
┃309ズート・ジンマー ┃←──┐      │  
┗━━━━━━━━━━┛   │      │  
  ↑            │      │  
┏━┷━━━━━┓ ┏━━━━┷━━━━┓ │  
┃182ヤズトロモ ┠→┃116ディープ・シー ┃ │  
┗━━━━━━━┛ ┗━━━━━━━━━┛ │  
  ↑←──────────┐       │  
┏━┷━┓ ┏━━━┓ ┏━┷━━┓    │  
┃11突風┠→┃89転覆┠→┃379老人 ┃    │  
┗━━━┛ ┗━━━┛ ┗━━━━┛    │  
  ↑                   │  
┏━┷━━━━━━━━━━┓        │  
┃112・188・77・292白い鳩 ┃        │  
┗━━━━━━━━━━━━┛        │  
  ↑                   │  
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┃238帆船 ┃                │  
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┃143暗闇 ┃┃95地下室┃┃180眠り草 ┃┃86巨石群┃
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 ┃250 ┠→┃329廃屋 ┠───┘  ┃64オーガー┃
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 ┃120 ┠→┃318赤アリ ┃       ┃19絵┃ 
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 ┃237 ┠─────────────────┘  
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  ↑                      
┏━┷━━━━━┓  【アンヴィルから火吹山へ】 
┃161キノコ売り ┃                
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  ↑←──────────┐          
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 ┃1 ┠→┃341追跡 ┠→┃72闇狩人┃       
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*1:順番でいえば『モンスター誕生』の方が先ですが、『モンスター誕生』は道のりがあまりにも複雑なのできれいに描けず挫折中……。なので『ふたたび』を先に書きました。

『盗賊都市』の謎?

 『ファイティング・ファンタジー・コレクション』の『盗賊都市』をプレイした感想・疑問などをつらつらと書いてみます。

 かなりネタバレですので注意して読んで下さい。

食事はいつ取れる?

 『盗賊都市』のルールで解釈に迷うのが、食事をいつ取ってよいかです。保存食ははじめから10食分持っていて、食べると体力点が4点回復します。『火吹山の魔法使い』では指示があった場合のみ食べることができましたが、『盗賊都市』では任意に食べることができます。ルールには以下のように書いてあります。

戦闘中以外なら、いつでも一息ついて食事をとることができる。一度にとれる食事は一個だ。

問題は「一度にとれる食事は一個だ」の部分です。「一度」とは?

 「1パラグラフにつき1個。ただし戦闘が発生するパラグラフでは不可」と考えるとルールとしては明快です。しかし、ゲームバランス的には甘すぎる気がします。また、短時間で複数回食事が取れることになってしまうので現実的にもおかしな感じがします。

 1つのイベントにつき1個という解釈は、現実的にもゲームバランス的にも妥当です。しかし、どこからどこまでが1つのイベントかは判断がつきにくい場合もあります。屋敷や海賊船、下水道、ザンバー・ボーンの塔などは全体で1つのイベントとするのか、いくつかに分割できると考えるのか……。もっと現実的に、文章を読んでみて食事を取る時間がありそうならOKという考え方もありますが、ルールとしてはどんどんあいまいになっていきます。

 自分としては、「食事を取って体力点回復」というのは極めてゲーム的な処理なので、現実感は無視して、確実に1通りの解釈ができる「1パラグラフにつき1個。ただし戦闘が発生するパラグラフでは不可」でいいと思います*1。そして、本来は食事を取れる場所はゲーム側で指示があるべきだと思います。

鎖帷子を手に入れると技術点マイナス2?

 FFルールで常に議論になる技術点増減の処理。ルールには次のように書かれています。

技術点、体力点、運点は追加であたえられることもあるが、これまでの点数と新たに加えられた点数の合計がそれぞれの原点を超えることはできない。ただし、ごく稀にだが、指定のページで超えられるような指示があった場合は除く。
特に指示のあった場合を除いて、技術点の合計は原技術点を超えることはできない。

実際、たまに「原技術点を増やす」と指示されることもあるので、「技術点を加える」というような指示では原点を超えるアップはできないというのは、ルール上は明らかです。

 しかし、ルール通りに解釈すると現実的に納得いかない場面が数限りなくあります。「魔法の剣を手に入れたのに技術点アップなしかよ(´・ω・`)」とか。

 特に、『盗賊都市』では鎖帷子の処理が納得できない。46番で鎖帷子を入手すると「技術点を二点加える」と指示されます。しかし、この時点で技術点が原点と同じだった場合は、ルール上、この技術点プラスを得ることはできません。そして、その後11番に行くと鎖帷子を脱ぐことで「技術点を二点失う」を食らいます。つまり、鎖帷子を入手したために技術点が2点減ってしまうのがルール上は正しい処理ということになります。どう考えても理不尽です。

 現実的には、11番では「鎖帷子入手時に技術点アップを得ていた分だけマイナスする」というのが妥当な解釈でしょう。しかし、そうするためには技術点アップの要因をいちいち記録する必要があることになります。アップした時点では、その後何を失うかなんてわからないですから。

 また、ルールを無視して「優れた装備品入手の技術点アップは原技術点アップだ」と解釈してしまうという方法もあります。現実的な納得感はありますが、しかし技術点は1点の違いでも戦闘などへの影響は大きいので、ゲームバランスが崩壊する可能性があります。*2

 技術点に関しては他にも、優れた装備品によって技術点にまつわるすべてがアップするのはおかしいという問題もあります。技術点は戦闘だけでなく、鍵開けや崖を飛び越えるなど、技能が要求される場面で使う場合があります。魔法の剣を入手して技術点がアップしたことで鍵開けが成功しやすくなるというのは変な話です(原点でも原点でなくても)。

 ルール上の正しさ、ゲームバランス、現実的な妥当性・納得感、プレイしやすさ(記録の簡潔さ)。あちらを立てればこちらが立たずという関係で、うまい解決方法が見当たりません。自分としては、ルール上の正しさとゲームバランスの維持を重視して、「鎖帷子を入手したために技術点-2を食らう」という処理でやむを得ないと思います。

 優れた装備品による効果としては、技術点ではなく攻撃力*3アップである場合もあります*4。これなら技術点が原点でも恩恵を受けられるし、技術点自体はそのままなので、ルール上の正しさ、現実的な妥当性・納得感も満足できます。この方が妥当な処理だと思います。優れた装備品の効果は攻撃力アップに統一すれば良かったのにね。まあ、それでもゲームバランスの問題は残りますが……。

持っているアイテムを失う?

 148番などで失うアイテムは、387番で入手する銅のブローチでも良いのだろうか?という疑問。金のブローチと銀のブローチはアイテムとして身につけている=入手しているという描写がされています(273番・13番・8番・132番)。よって、148番で失うアイテムとして選択して良いし、その場合はブローチの効果を失うと解釈するのが妥当だと思います。だとすると、銅のブローチにも同じ解釈を適用できると思うけど、さすがにご都合主義で気が引ける。

 似たような意味で、354番売れるアイテムの中に「サソリのブローチ」があるけれど、銅のブローチを売っても良いのか……。

銀のブレスレット?

 ついでに、354番で売れるアイテムの中に「銀のブレスレット」があるけれど、そんなアイテムは出てこなかったような……。

「竜殺し」? 名剣?

 初回プレイ時のこと。「背景」を読むに、『盗賊都市』の主人公は「竜殺し」の高名な冒険者のようだが、そのわりにはいつも通りの技術点1D+6なの? それと、「背景」でもらう広刃の剣が、これまでにない丁寧な描写で書かれていて格好いいのだけど、技術点にボーナスないの?

 ……と思って始めたら、開始早々の126番でその広刃の剣を手放すことになって、技術点-1を食らった(´・ω・`) 名剣込みで技術点1D+6かよ。「竜殺し」も大したことないな。

空き巣・強盗

 そして、その126番でずいぶん殊勝なことをする主人公だなと思ったが、その後は空き巣、強盗のオンパレードだった……。このときの義務感とは何だったのか。しかも、ゲーム的には空き巣・強盗をした方が有利な場面が結構多い。まあ、お互い様ではあるけれど。これがポート・ブラックサンド流か……。

 395番では強盗をしたことで「運点を四点失う」という強烈な罰を食らうが、これ以外にもたくさんあっただろ! 「深い罪悪感を覚えつつ」って、今さらそんな事を言われても。

勝手にお金を払わないで

 これも初回プレイ時のこと。364番で「(男は)「金貨二枚で居場所を教えてやる」と言う。きみは男を信じて情報に金を払うことにする。」って勝手に払うなよ! だって俺、いま金貨持ってないぜ! ちょうど屋台で全品買ったところだったので……。このゲーム、金貨0枚になる可能性って結構あると思うんだけど……。

 なお、341番と160番でも同様の事態に陥りました(´・ω・`) いいのかな?

魔法のポーション? 魔法の鎧?

 187番で衛兵に渡す「魔法のポーション」は359番で入手する〈精神操作の飲み薬〉でもいいのだろうか? あと、魔法の鎧でも可と書いてあるけど、魔法の鎧なんて出てきたっけ? 鎖帷子は魔法の品ではなさそうだし……。

刺青屋はどこ?

 『盗賊都市』において唯一難しい謎だと思うのが、刺青師の店の場所。文章をきちんと読んでいないとスルーしていることに気がつかないので、繰り返せば繰り返すほど見つからない。結構はまった。これってわざとやってるの? 社会思想社版はクリアしたはずなのだけど、まったく覚えていなかった……。

金貨を隠し持つ?

 サワベリーとファットノーズに金貨を巻き上げられる際に金貨を1枚隠し持つのはえらいが(367番)、このあと金貨が必要な場面はないのでゲーム上は意味がない。なんでわざわざこんな描写を……。

扉を体当たりで壊すと……

 ザンバー・ボーンの塔の扉を体当たりで壊した場合のペナルティ(365番)。社会思想社版では体力点-1だったが、コレクション版では技術点-1になっている。社会思想社版が誤っていたのでしょう。

 そしてこの後の使用人のセリフが秀逸。「このように劇的な入場をされる必要が本当にあったのでしょうかね?」。返す言葉もありません……。

スピリット・ストーカーの倒し方

 任務達成した後で読み直して気がついたんですが、スピリット・ストーカーの倒し方は「背景」に書いてあったんですね。気がつかなかった。てっきりザンバー・ボーンを倒すためのアイテムだと思っていた。回収できるなんて思わなかったし……。

3つの道の選択

 最初の3つの道、〈カギ通り〉〈市場通り〉〈時計通り〉の選択。どの道にも必須アイテムはないのでどれを選択してもクリア可能ですが、どの道を通るのが有利か?

 このゲームの最大の難関はムーン・ドッグ戦なので、そのために攻撃力アップアイテムを入手しておくことが重要です。よって、攻撃力アップのアイテムがない〈カギ通り〉は選びません。

 〈市場通り〉は金貨が増えるイベントが多く、街を通り抜けるには一番有利だと思います。しかし、64番で運だめしに成功して狼との戦闘を回避してしまうと*5、次の技術チェックに失敗すると屋敷に入れないので、攻撃力+1の立派な盾を入手し損ねます。これは痛い。

 というわけで、確実なクリアを狙うなら〈時計通り〉がオススメ。そして、攻撃力+1アイテムの魔法の兜(376番)を入手しておきます。運だめし一発で金貨をすべて失ってしまう可能性があるのが厳しいように見えますが(247番)、ここで金貨を失っても対策を取っておけば金貨は足ります。ポイントは、オーガーから宝石を入手しておくことと(324番)、パイプ夫人から保存食2食分で金の花をもらっておくこと(145番)。

ムーン・ドッグ

 このゲームの最難関、ムーン・ドッグ戦(217番)。技術点11の敵に自力で勝つ必要がある。「たった一つの成功への道」をうたっているゲームブックにはあるまじき強敵。「たった一つの成功への道」の記述は以下の通り。

「たった一つの成功への道」のリスクは最小であり、最初のキャラクター作成時のサイコロの出目がどんなに低くても比較的簡単に通り抜けることができるだろう。

真っ赤な嘘と言わざるを得ない。

 しかし、イラストなしで、単なる戦闘で勝っても何ももらえないし描写もあっさりしているので印象薄い……。「背景」では詳しく語られているけど、“盗賊都市”とは関係ないので繰り返しプレイするうちに忘れ去られている(^_^;)

『盗賊都市』の魅力とは?

 このムーン・ドッグ戦があるので、技術点は10点はないと厳しい。それでも道中で攻撃力+1のアイテムを手に入れてやっと攻撃力互角。運だめしも絡めれば、まあ何とかなるというレベル。技術点9でも体力点と運点が高ければ運だめしで逆転できるという考え方もありますが、サイコロ勝負になるのでそんなに面白くないと思う。

 あと、ザンバー・ボーンに遭遇した際に運だめしに失敗すると一発ENDだし(203番)、老魔女の髪を入手する際も、ベイズ・ボールで技術チェック失敗して(〈精神操作の飲み薬〉が入手できない。168番)、さらに運だめし失敗でデッドエンドになります(390番)。最善手を選んでもサイコロ頼みなのでかなり怖い。

 というわけで、『盗賊都市』の推奨能力値は、次の通りとします。

  • 技術点10
  • 体力点19
  • 運点11

 というような感じなので、『盗賊都市』は“ゲームとしては”自分はあまり好きではありません。上に書いたように技術点勝負や運だめしなどのサイコロ運も必要だし、他の選択でも、ほぼ当てずっぽうで正解を引かないとデッドエンドというものがある。道中も、最初の3つの道の以外はほぼ一本道だし、個々のイベントも「そのイベントに関わるか、スルーするか」しか選択できない場合が多く、プレイヤーが考える余地があまりない。探し物がある以上、初見でスルーするという選択はあり得ない。展開を想像して選択肢を選んだり、サイコロを振るにしても有利になるように戦術を考えるという楽しみが少ない。

 それでもこのゲームブックが魅力的で、『ファイティング・ファンタジー・コレクション』に収録された理由は、ファンタジー界随一の名都市、ポート・ブラックサンドを描ききったからでしょう。街中ではデッドエンドはそれほどないし、特に技術点の高い敵もいない。また、かなりのイベントはスルーできる。街を通り抜けるだけなら、能力値が低くても容易です。街中を観光する気分で、景色を見たり、冷やかしで店に入ったり、思わぬトラブルに遭遇したり。この街をうろついているだけで楽しい。

 それにより、全体のストーリーがどうでもいい、街を出た後の話がつまらない、ラスボスが印象薄い、という欠点をまた生み出してもいるとも言えますが……。オープニングは危機感迫る描写で格好よかったのにね。街中の面白さと比べると、街を出た後の展開は蛇足です。これなら、街を出た次のパラグラフで「こうしてポート・ブラックサンドで必要な品を入手した主人公は、その後、黒い塔で〈夜の王〉を打ち倒し、シルバートンに平和な日々が訪れました。めでたしめでたし」で終わらせて、その分ブラックサンド内のイベントを充実させた方が良かったんじゃない?

プレイ記録(Twitter

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*1:似たような意味で、体力のポーションなどは、ルールに「いつでも使用することができる」と書かれているのだから、本当にいつでも、戦闘中でも代償なしで使える、と解釈しています。

*2:『盗賊都市』では後述のムーン・ドッグ戦があるので、むしろこの処理の方がゲームバランスは取れている気もしますが……。

*3:戦闘時に使う、技術点+サイコロ2個の値のこと。

*4:『盗賊都市』では、340番の「立派な盾」、376番の「魔法の兜」が攻撃力アップになっています。

*5:ここの運だめしは、失敗した方が確実に屋敷に入れるので有利。

『盗賊都市』のテキストマップ

 『ファイティング・ファンタジー・コレクション』の『盗賊都市』をクリアしたので、今回もお手製マップとテキストマップを公開します。

 ……と言いたいところですが、社会思想社版の『盗賊都市』を本棚から引っ張り出してみたら手描きマップは挟まっていなかった(>_<)*1 というわけで、今回はテキストマップのみです。

 今回もややネタバレなので、未プレイの方は注意して下さい。

テキストマップ

 ポート・ブラックサンドの地図は、空間的なつながりとイベントのつながりを半々で表現した感じです。実際のポート・ブラックサンドの地図とはだいぶ異なりますが、道のつながりやその建物が道のどちら側にあるかなどは再現しつつ、イベントの遭遇箇所は見た目で分かるようにしました。

 『盗賊都市』の特徴の一つに、大半のイベントをスルーできることがあります。それを地図上で示したかったので、パラグラフ番号の配置を、スルーできないイベントは道の真ん中に・スルーできるイベントは道から外れたところに置くようにしました。所々で道が広くなっている箇所がありますが、スルーできるイベントを表現するためのものです。必ずしも実際の道幅が広くなっているわけではありません。

 また、《154赤い家》・《64屋敷》・《399海賊船》・《321下水道》の4つの大型イベントは別枠の地図を作りました。

ポート・ブラックサンド

                               ┏━━━┓       
                               ┃ 182 ┃182刺青師   
                               ┗┳□┳┛       
                           160果物売り│ │        
                           ━━━──┘ └────    
                       ※Aへ←  307  160 133        
                           ━━━──────┐ ┌    
                        307近衛兵 〈粉屋通り〉 │ ┣━━━┓
                                    │ ┃   ┃
                ┏━━ 《321下水道》━━┓    370公園│222 370 ┃
                ┃ 265老魔女──┐   ┃       │ ┃   ┃
                ┃  ↑    │   ┃       │ ┣━━━┛
 ┏━━ 《399海賊船》━━━┓ ┃ 356大ネズミ→│   ┃   115脱獄犯┃ ┃    
 ┃  ┌────────┐┃ ┃  ↑  ↑ ↓   ┃       ┃115┃    
 ┃271寝棚←→232風呂  │┃ ┃※→321  104・174─┐┃  25鍛冶場 ┃ ┃    
 ┃   ↑ ↑  └─→│┃ ┃  ↓  ↓ ↑  ↓┃  ┏━━━┓│ │    
 ┃ ┌→50船室←84甲板 │┃ ┃ 118大ムカデ→│ 205へ┃  ┃   ┠┘ │    
 ┃ │ ┌───→↑└→│┃ ┃  ↓    │   ┃  ┃ 25 □ 76│    
 ┃87縄ハシゴ 294渡し板 │┃ ┃ 377鉄格子──┘   ┃  ┃   ┠┐ │    
 ┃  ↑     ↑└→│┃ ┗━━━━━━━━━━━┛  ┗━━━┛│ │    
 ┃  └──399 ─┘  │┃         ┌───────────┘ │    
 ┃     ↑     ↓┃         │     348 ||  30 333│    
 ┃     ※    78へ┃         │ ┌──┓ 251┏───┐ │131   
 ┗━━━━━━━━━━━━┛         │ │  ┗━━┛   │ │貴婦人 
                        │ │    251鉄橋  │ ┣━━━┓
     320漁師の妻         〈塔通り〉│ │         │ ┃   ┃
     ┏━━┓               │ ┗┓177老人     │372□131 ┃
     ┃ 320┃    241蝋燭屋 213銀細工師│ 177┃        │ ┃   ┃
     ┃256 ┃     ┏━━━┳━━━┓ │127 ┃ 《321下水道》※│ ┣━━━┛
     │ ┌┘     ┃   ┃   ┃ │ ┏┛      ↑ ┃ ┃    
     │ │  72少年 ┃ 241 ┃ 213 ┃ │ │98癒しの飲み薬│ ┃44┃44   
     │ │  ┏━━┓┃   ┃   ┃ │ │ ┏━━┓  ↓ ┃ ┃ならず者
     │ └──┛ 72┗┻━□━┻━□━┻─┘ └─┛ 98┗────┘ │    
     │78 369  216    317   280    100   246   363●205  │    
     │ ┌──────────────────────────────┘    
     │ │   〈木靴通り〉       〈厩舎通り〉┏━━━┓        
 /─\  │ │ 344馬車     332物乞い         ┃   ┃40ベイズ・ボール
│  │ │ │┏━━┓     ┏━━┓  113老婆のケンカ┃ 113 ┃   ┏━━━┓
│  │┌┘ └┛ 180┗─────┛332 ┗─────────┻━□━┻───┛   ┃
│ 399││171   344    124    91       238    139  375il|│ 40 ┃
│※ │└────────┓ ┏─────┐ ┌──┐ ┌─────────┓   ┃
│  │   〈港通り〉 ┃ ┃     │ │ ┏┷□┷┓〈ろうそく通り〉┗━━━┛
└──┘         ┃ ┃326野犬  │ │ ┃   ┃             
《399海賊船》       ┃326┃     │ │ ┃ 27 ┃27死のゲーム       
             ┗━┛     ┃ ┗┓┗━━━┛             
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~┃329 ┃329ニカデマス ~~~~~~~~~~~
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~│ 364┃~~~~~~~~~~~~~~~~~~
       〈ナマズ川〉   〈歌う橋〉│31┏┛364橋                
┏━━《64屋敷》━━━━┓        │ ┣━━━┓ 【ポート・ブラックサンド】 
┃     258主人 ─┐┃        │ ┃   ┃               
┃      ↑   │┃        │117□188 ┃188雨宿り           
┃  ┌─→60ペット │┃   〈橋通り〉│ ┃   ┃               
┃107 │   ↑└─→│┃        │ ┣━━━┛               
┃奥の部屋←159屋敷  │┃┏━━━━━━━┛ ┗━━━━━━━┓           
┃   └──↑──→│┃┃        ↑        ┃           
┃64犬小屋→353玄関  │┃┃        200←──→ 394占い┃           
┃  ↑    └─→↓┃┃        ↑        ┃           
┃  ※      304へ┃┃      52雑貨屋台      ┃           
┗━━━━━━━━━━━┛┃        ↑        ┃           
 ┏━ 《154赤い家》━┓ ┃        398←──→ 378砲丸┃           
 ┃80リザーディン─┐┃ ┃        ↑        ┃           
 ┃  ↑     │┃ ┃     287食べ物屋台←→ 3音楽家┃           
 ┃154ブローチ   │┃ ┃        ↑        ┃           
 ┃  ↑ └──→↓┃ ┃      148晒し台       ┃〈マーケット広場〉  
 ┃  ※    334へ┃ ┃        ↑        ┃           
 ┗━━━━━━━━━┛ ┗━━━━━━━┓ ┏━━━━━━━┛ 247待ち伏せ     
          ┌──────────┘ └──────────━━━─┐    
          │    227    103 304 196 24   396    247  │    
      362ブーツ│ ┌─┓ 362┏───┐ ┌┳━□━┳━□━┳─━━┓ │    
          │ │ ┗━━┛   │ │┃   ┃   ┃   │ │    
          │ │   《64屋敷》│ │┃ 336 ┃ 145 ┃   │ │    
          │ │   ┏━━━┓│ │┃   ┃   ┃   │ │    
          ┃ ┃   ┃   ┣┘ │┗━━━┻━━━┛   │ │    
       334衛兵┃334┃   ┃ 64 □ 105│336宝石商 145パイプ夫人│ ┗┓   
          ┃ ┃   ┃ ※ ┣┐ │            │ 119┃   
          │ │   ┗━━━┛│ │        119発泡水│282 ┃   
          │ │        ┃ ┃            │ ┏┛   
          │ ┣━━━┓    ┃296┃296追いはぎ       │ │    
          │ ┃   ┃    ┃ ┃            │ │    
    《154赤い家》│112□ 154 ┃    │ ┣━━━┓        │ │    
          │ ┃ ※ ┃    │ ┃   ┃   245オーガー│ │    
          │ ┣━━━┛    │93□ 62 ┃    ┏━━━┫ │    
          │ │    250薬草店│ ┃   ┃62酒場 ┃   ┃ │    
          ┃ ┃    ┏━━━┫ ┣━━━┛    ┃ 245 □161│    
       300射手┃300┃    ┃   ┃ │        ┃   ┃ │    
          ┃ ┃    ┃ 250 □116│〈市場通り〉  ┗━━━┫ │    
          │ │    ┃   ┃ │            │ │    
          │ │    ┗━━━┫ │    ┏━━┓96狂人 │ │    
          │ └────────┘ └────┛ 86 ┗────┘ │    
          │     95     74      17        │    
          └───┳━□━┳──┳…┳──────────────┘    
        〈カギ通り〉┃   ┃  ┃ ┣━━┓〈時計通り〉          
              ┃ 224 ┃  ┃ 1□ 151┃                
          224錠前屋┃   ┃  ┃ ┣━━┛151地下牢            
              ┗━━━┛  1正門                    

〈夜の王〉の塔

              ┃           ┃
              ┃    207屋上    ┃
            ┏━┻ ↑ ┳━━━━━━━━┫
            ┃ 197甲冑□ 122掃き溜め  ┃
       ┏━━━━┻━┓ ↑ ╋━━━━━━━━┫
       ┃96金の頭蓋骨□ 65 □ 319棺     ┃
       ┗━━━━━━╋ ↑ ╋━━━━━━━━┫
              │310 □ 263暗闇    ┃
  ┏━━━━━━┓    ├ ↑ ╋━━━━━━━━┫
  ┃259塔の玄関 ┠──┐ │ 77 □ 292ヴァンパイア┃
  ┗━━━━━━┛  │ ├ ↑ ╋━━━━━━━━┫
     ↑      │ │ 21 □ 288ベッド   ┃
┏━━━━┷━━━━┓ │ ├ ↑ ┻━━━━━━━━┫
┃217ムーン・ドッグ ┃ └→■   189・228盾   ┃
┗━━━━━━━━━┛   ┗━━━━━━━━━━━┛
     ↑                     
   ┏━┷━━┓                  
   ┃201手紙 ┃←※A     【〈夜の王〉の塔】  
   ┗━━━━┛                  

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*1:地図を書いた記憶はあるのだけど……。下書きをした段階であまりに一本道で地図を書くのが面白くなかったので清書しなかった、気がする……。

2021年セ・リーグ本塁打王争いの折れ線グラフ

※このページの折れ線グラフは随時更新していました。2021/11/2


 今年のプロ野球セ・リーグはいつになく首位打者争いが熱い!

 ……と、つい先日まで思っていたら首位打者争いの方は差が付いてきて、今度は本塁打王争いの方が混戦になってきました。

2021年セ・リーグ本塁打王争い
(10月17日現在)
選手名 本塁打 残り試合 所属チーム
村上宗隆 39 8 東京ヤクルト
岡本和真 39 4 巨人
鈴木誠也 38 7 広島
山田哲人 34 8 東京ヤクルト

 岡本和真と村上宗隆がトップを争う中、山田哲人が何とかついていく。この形で終盤までずっときていました。五輪休止期間以降、山田がやや置いていかれて岡本と村上のマッチレースになっていましたが、ここに来て2人ともやや停滞。

 その間に、鈴木誠也が猛追。8月25日の時点では1位の岡本に16本差、2位の村上にも15本差ありました。しかし、9月3日から9日の5試合で7本塁打を放ち山田に追いつき、本塁打王争いに参戦。ここ数試合も量産。10月17日の2本塁打で、ついに岡本・村上に1本差まで迫ったというところまでです。岡本は残り試合が少ないのでやや不利ですが、1試合2本塁打ということもあるのだから、まだまだ分かりません。

docs.google.com

 加えて、鈴木誠也は所属チームの広島がクライマックスシリーズ進出が掛かってきました。9月23日の時点では広島は6位。3位巨人と14ゲーム差ありましたが、そこから巨人が急落。10月5日からは10連敗継続中。逆に、広島は10月6日からの10試合で9勝1敗とハイペースで勝ち星を重ね、3位巨人と2.5ゲーム差まで迫ってきました。

 巨人はすでに勝率5割を割っています。最終的に両チームがゲーム差なしになる可能性もあります。勝率5割未満でゲーム差なしで並んだ場合は、勝率計算の分母が大きい方=引き分けが少ない方が勝率は上になるので*1、この点では広島の方が有利です。最近の調子を見ると十分可能性はあります。

 チームに具体的な目標があることは、鈴木誠也のモチベーションにも好影響を与えるでしょう。まあ、それは岡本にとっても同じはずですけど……。

参考にしたデータ


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*1:この理屈は「1勝1敗は5割に近づく」と考えると分かりやすいと思います。分母が多いのに貯金・借金数が同じということは、多い分の試合を1勝1敗で消化したということです。1勝1敗すると勝率は5割に近づくので、勝率5割より上では1勝1敗すると勝率が下がる=引き分けが多い方が有利、勝率5割未満では1勝1敗すると勝率が上がる=引き分けが少ない方が有利。となります。