女子プロ野球の女王決定戦を見に行ってきた

 この前見に行った試合はあっさり終わって納得いかなかったので、10月7日(日)に再び女子プロ野球(JWBL)を観戦してきました。場所は再び川口市営球場。

 試合は女王決定戦の京都フローラ-愛知ディオーネ。女王決定戦というのは、NPBでいう日本シリーズのような試合です。年間総合順位1位と2位の対戦で2勝先取ですが、1位の京都には1勝のアドバンテージがあります。つまり、京都は2試合のうち1試合勝てばOK、愛知は2連勝が必要ということです。

 今回は、スコアは差が付きましたが、自分的には見るべき点は多くて満足できる試合内容でした。というわけで、見所をいくつかご紹介します。

厚ヶ瀬美姫のファインプレー

 1回裏、ディオーネ遊撃・厚ヶ瀬美姫がセンター前に抜けそうなハーフバウンドの打球を好捕。さすが。やはり今でも守備は厚ヶ瀬が一番か。

 ときに、厚ヶ瀬美姫と言えば、忘れられないプレーがあります。2013年、自分がJWBLを見始めたころ。ボテボテのゴロに対して、バウンドに合わせるなどまったくせずに全力で突っ込んでいって、ハーフバウンドになった打球を体の横で捕った。「これはすごい!」と、その後もJWBLを見るきっかけとなったプレーです(忘れられないと言いつつ思い出補正がかかっている可能性あり(^_^;))。2013年は『ベストプレープロ野球'00』でJWBLのデータを作ったのですが、厚ヶ瀬美紀の遊撃に、守備能力では唯一のAを付けました。

スクイズ! ウエスト!

 2回表はディオーネ打線がつながって、5-0とリードを大きく広げる。なお1死1・3塁で打者は4番只埜榛奈。ここで初球スクイズ! フローラバッテリーはウエスト! しかし、只埜は飛びついてなんとかバットに当ててファウル。

 左バッターボックスより外くらい大きく外した投球だったが、バットを放り投げて当てた。バットに当たった瞬間はすでにバットから手が離れていた。

 自分は、5点リードで打者4番でまさかスクイズがあるとは思わず、びっくりしているうちに、すべてがまさにあっという間に終わってしまった。あとで調べたら、只埜のスクイズはこれまでも何度かあったようです。だからフローラも読んでウエストしたのでしょう。*2

ベテラン?のナイスピッチ

 4回表、フローラ植村美奈子の投球。植村は2回途中から登板。「相変わらずボール球多いなあ」と思って見ていた4回表。スコアはすでに7-0と大きなビハインドという状況で、先頭打者は打ち取った打球が内野手の間に落ちて無死1塁、続いて四球で無死1・2塁。「また大量失点か」と思った。

 ところが、5番中田友実の投ゴロを冷静にさばいて併殺。2死3塁。6番強打者の寺部歩美は四球で2死1・3塁。7番の榊原梨奈をボールカウント1-1からズバッと内角へ2球続けて三振。何事もなく無失点で切り抜ける。さすが、JWBL発足2年目から所属しているベテラン。落ち着いた投球。

ライトゴロ狙い

 6回表、ディオーネ只埜榛奈のライト前の打球に対して、フローラの右翼・中村茜がライトゴロ狙いで一塁へ送球。間に合わなかったが、ライトゴロは女子野球の見所のプレー。

力の入った勝負

 6回裏、フローラみなみの打席。ディオーネ投手は笠原優子。2死1塁。0-7と大差は付いているが、まだ2イニングあるし、もちろんあきらめることはない。みなみは本塁打を前年は3本、今年は2本打っている長打力のある打者。フルカウントからのファウルが4球続く。3塁線への強い打球やレフトへの大きな当たりのファウルもあって、力の入ったいい勝負になりました。最後の見逃し三振は残念でしたが……。それほど厳しいコースでもなかったし。


 試合の方は、そのまま7-0で愛知ディオーネが勝利。女王決定は翌日の試合にもつれ込みました。それで、翌日の試合も気になったので「女子プロ野球ライブTV」の1dayチケットを購入して観戦しました。この試合は接戦で力は入ったけど、おもしろいシーンはそれほどなかったかな。3回表、ディオーネ1塁走者の三浦由美子が、ライトへのファウルフライでタッチアップして2塁へ行ったシーンは良かった。結果はこの試合もディオーネが勝って逆転で年間女王になりました。

www.jwbl-live.jp

 この1dayチケット、当日の試合を見られるだけかと思いきや、その1日の期間内なら最近行われた試合(おおよそ1週間のようです)の見逃し配信の動画も見られるのですね。というわけで、上で紹介した見所シーンは、見逃し配信で前日の試合の動画を確認して書きました。このサービスは初めて使ったけれど、動画の再生速度が4倍~0.5倍まで9段階で選べるのはいいね。セルフスロー再生がすぐできる。

 また、このサービスの見逃し配信の期間が終わったものは、順次ニコニコ動画の女子プロ野球チャンネルの方に回される(有料)。無料のハイライト動画などは翌日以降にYouTubeの日本女子プロ野球リーグチャンネルにアップされる……という流れのようです。

*1:試合速報のページのタイトルタグの部分が「<title>日本女子プロ野球リーグ JWBL</title>」になっているのは頂けませんな。タイトルはちゃんとどの試合かわかるように付けてほしい

*2:ところで、この「ウエスト」という言葉を、盗塁やスクイズを阻止するための投球を指して使うのは誤りだそうです。ですが、あまりにも広く使われているし、「ピッチアウト」という言葉はまだしっくりこないなあ。という感覚があるので、今回は「ウエスト」という言葉を使いました。