男子カーリング世界選手権2018、team IWAIの奮闘を振り返る

 怒濤のカーリングシーズンもようやく落ち着いてきました。

 平昌五輪直前の2月に日本選手権があって、「SC軽井沢クラブLS北見が出場しない大会だからなあ」と思って軽く見る程度にするつもりが、女子は富士急が、男子はteam IWAIが優勝するという非常に興味をそそられる結果。その翌週には平昌五輪が開幕。「男子と女子の予選リーグは14日からだからしばらくは他の競技をゆっくり見られるな」と思っていたら、ミックスダブルスは開会式の前からすでに試合があるという誤算(でも他の競技も見た)。男子・女子予選リーグが開幕してからは1日1.5試合のペースで連日の中継。それが終わったら一段落付く予定でしたが、女子が銅メダルを獲得したことによるフィーバーが続く。3月半ばのミックスダブルス日本選手権LS北見SC軽井沢クラブのメンバーが出場することが突然決まり、テレビ中継もされることに。それが終わるや否やの3月下旬からは富士急が出場する女子世界選手権。それが終わったと思ったら、翌週の4月上旬からは男子世界選手権。これでようやく終わりかと思いきや、4月下旬のミックスダブルス世界選手権藤澤五月・山口剛史ペアが出場。もう大変(^_^;) 今年になってからはカーリングを見ていた記憶しかない。しかも、まだ終わっていません。5月18日(金)からPACC日本代表決定戦。男子はSC軽井沢クラブ-team IWAI、女子はLS北見-富士急。またまた楽しみで仕方がないカード。

 今シーズンのカーリングはいろいろな名場面があったのに、まだ平昌五輪の女子3位決定戦しか振り返れていないじゃないか。というわけで、ようやく時間が取れたので今シーズンのカーリングの思い出に残るシーンを振り返ってみます。今回は男子世界選手権に初出場したteam IWAIの名場面を見てみます。

アメリカ(赤)-日本(黄) 10エンド アメリカ選手とハイタッチ

 この大会のteam IWAIで目立ったのは、なんと言っても18歳のフォース青木豪のスーパーショットの数々。初戦のアメリカ戦から魅せてくれました。

 日本1点ビハインドで後攻10エンド。最低でも1点取らないと負けてしまうが、アメリカサード2投目で中央のいい位置にナンバー1を取られた。それに触れないままセンターライン上に石が増えていく。

アメリカ(赤)-日本(黄) 10エンド 後攻日本フォース青木2投目

 アメリカスキップ2投目でダメ押しのガードを置かれて(一番手前の赤)ハウス12時方向にある黄を押す道もふさがれる。

 残る手は、左上のガードの黄を押す手しかない。距離も角度もある難しいショット。しかし、この土壇場で青木がこれを決める! 青木、なんとアメリカのティルカ選手とハイタッチ。

 試合は、惜しくもエキストラエンドで1点取られて日本が負けたが、俄然この後の試合が楽しみになりました。

予選 アメリカ-日本
チーム名 H 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11
アメリ   0 0 2 1 0 1 0 0 1 0 1 6
日本 2 0 0 0 0 0 1 1 0 1 0 5

日本(赤)-ノルウェー(黄) 5エンド

日本(赤)-ノルウェー(黄) 5エンド 後攻日本フォース青木2投目

 日本の3試合目。日本2点ビハインドの後攻5エンド。

 ノルウェーのスキップ2投目でハウス内ガードを置かれて(ハウス入り口の黄)、ナンバー1を直接触る道がなくなる。フォース青木の2投目はハウス右上のガードから中に飛ばすランバックしかない。もし、少しずれてハウス入り口の黄に当たってしまうと、ナンバー2の赤だけなくなって2~3点のスチールにもなりかねないショット。

 しかし、その黄をギリギリかわして決める! 赤が1・2を取って2点。リードからずっとピンチの流れのエンドだったが、ラストストーン一発で逆転した。

 しかし、試合は4-8でノルウェーの勝ち。5エンドの他に、2・4エンドでも青木のナイスショットがあって終盤まで食らいついたが、終始ノルウェーのショットの方が決まっていた試合でした。

予選 日本-ノルウェー

チーム名 H 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
日本   0 0 1 0 2 0 1 0 0 - 4
ノルウェー 2 0 0 1 0 2 0 2 1 - 8

カナダ(赤)-日本(黄) 2エンド

 日本の7試合目の相手は、ブラッド・グシュー率いる優勝候補のカナダ。1エンドからいきなり縦に重ねるショットがピタリピタリと決まる。カナダ3点先制。解説は山口剛史。

山口「いやー、やられましたね。でも、取られちゃったのはしょうがないですから。2エンド目しっかりここで2点、取りたいですね。目標的には次3エンド目で1点取らせて、2点もう1回取れば、同点ですから」

と、画面のスコアボードに勝手に数字を書き込む山口。

カナダ(赤)-日本(黄) 2エンド 後攻日本フォース青木2投目

 2エンドも日本が厳しい形。カナダのスキップ、グシューの2投目でヒットロールを完璧に決められてハウス内の赤の後ろにナンバー1を作られる。ナンバー1を取るにはボタンにかけるドローしかない。

山口「いやー、これは……嫌ですね。気持ちが嫌になっちゃいます」

 しかし、フォース青木2投目はプレッシャーのかかるこのドローを見事に決める。

山口「スイーパーもすごく良かったです。ウェイトジャッジが素晴らしく良かったです」
実況「似里、宿谷。この2人」

予選 カナダ-日本

チーム名 H 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
カナダ 3 0 2 0 2 2 - - - - 9
日本   0 1 0 1 0 0 - - - - 2

ドイツ(赤)-日本(黄) 5エンド team IWAIの作戦会議

 日本の予選10試合目。team IWAIの話し合いがおもしろかったシーン。

 日本2点リードの先攻5エンド。フォース青木1投目を前に選択肢のある形が残る。投げ手側とハウス側で大声で話し合い。投げ手側にはフォース青木と、スイーパーの青山と宿谷がいる。ハウス側にはスキップの岩井。 解説は平田洸介。

ドイツ(赤)-日本(黄) 5エンド 先攻日本フォース青木1投目

(大声で)
青木「前から行くかい」
岩井「前から行ったら、黄色だけ死んじゃう気がするんだよね」
青木「ああそうか」
岩井「これしかなくなるから。フリーズする?」
青山・宿谷「うん」「OK」
(投げ手側で)
青木「まあまあシビアなんだよね、あの辺がね。……なんだなんだなんだなんだ? ノーマル?」
青山「ノーズで。たぶんノーズで」
(大声で)
青木「いやバンパー」
岩井「バンパー曲がったら怖くない?」
青木「ノーマルでヒットロールも嫌じゃない?」
(投げ手側で)
宿谷「前チップのこと考えたらさ、こうランバしちゃってもおもしろいよね」
(宿谷がブラシを縦に動かす仕草でランバックを提案)
(大声で)
岩井「それやる?」
青木「うん」
(投げ手側で)
宿谷「OK。どこ当たってもいいよ、バーンってやればいいから」
青木「てか別に赤1個消えればいいからね」
宿谷「後ろの黄色消えちゃってもいいしね」
平田「角度を付けて打とうとしています。そっちの方が赤が確実に出やすいのかなという。青木選手の大好きなショットです」

 手前の黄を使ってダブルテイク。赤2つを出して黄は1・2で残るナイスショット。失敗すると黄だけ出てしまう可能性もあるショットだったが、青木のやりたいショットをやらせて大成功。

平田「青木君は勢いのある子なので、彼にそういうショットを選ばせてあげるというのがポイントなのかなと僕は思うんですけども」
実況「そのあたりはスキップの岩井選手も……」
平田「そうですね。彼の良さをうまく引き出せているというか、大人だなと感じますね」

予選 ドイツ-日本

チーム名 H 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
ドイツ   0 1 0 0 1 0 0 1 0 - 3
日本 1 0 0 2 0 3 1 0 1 - 8

スイス(赤)-日本(黄) 4エンド 青木のガッツポーズ

 日本の11試合目。3点ビハインドで後攻4エンド。

スイス(赤)-日本(黄) 4エンド 後攻日本フォース青木1投目

 センターライン上に多数の石がある中でナンバー1の赤をいい位置に持たれて日本ピンチ。サード岩井は2投とも一番手前のガードからランバックを狙ったが、ともに中に当たらず形を変えられない。

 しかし、スイススキップ1投目のセンターガードは、黄のガードとの距離が近くなってやや狙いやすくなった。

 フォース青木の1投目、三たびのランバック狙い。赤の次はセンターライン右側の黄に当てる狙いだったと思うが、やや左にずれて左側の黄を経由して狙いのラインに戻った。ナンバー1の赤をテイクして黄は1・2で残るナイスショット。青木、拳を突き上げるガッツポーズが出た。このエンド、日本は2点を取る。

スイス(赤)-日本(黄) 7エンド 「また出た」

 先ほどの場面と同じ試合の7エンド。まだ日本3点ビハインドで後攻。

スイス(赤)-日本(黄) 7エンド 後攻日本フォース青木1投目

  サード岩井1投目でコーナーガードを置いたが、スイスは構わずセンターガードを置いてきた。ナンバー1の赤に触れないままセンターライン上を固められて日本ピンチ。

 こんなときは例によって青木のランバック。フォース青木1投目、距離がある難しいショットだったが、赤のガードをギリギリかわしてガードの黄を飛ばし、フリーズ状態の黄からナンバー1の赤をテイクして黄が1・2を取る。誰かが「また出た」とつぶやく声が聞こえた。

 こうなると、センターへのドローの道がふさがっているスイスが逆に困った。スイススキップ2投目はハウス近くのガードの赤からランバックを狙うが中に当たらない。青木2投目は簡単なドローを決めて3点。日本がこのエンドで一気に同点に追いついた。

スイス(赤)-日本(黄) 9エンド 似里のカムアラウンド

 さらに試合は進んで9エンド。9エンド後攻で1点ビハインドは互角の形勢。

スイス(赤)-日本(黄) 9エンド 後攻日本セカンド似里1投目

 セカンド似里の1投目、コーナーガードの裏でギリギリハウスにかかるカムアラウンドを決める。

 このあと、スイスセカンド2投目は左と中央の黄2つのダブルテイクを決めるが、こうなるとこのドローで置いた黄が光ってくる。セカンド似里2投目のヒットステイで、きれいな2点パターン。このあと、フォース青木1投目でさらにコーナーガードの裏にドローしてこのエンド日本3点。7-9と最終エンドを前にしてついに逆転して2点リードを奪った。試合後、解説の両角友佑はこの場面をポイントとなったシーンに挙げた。

 しかし、試合はこのあとスイスに10エンドに2点取られ、エキストラエンドで1点スチールされて、日本は再逆転負け。非常に惜しい試合でした。

予選 スイス-日本
チーム名 H 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11
スイス 2 0 2 0 0 2 0 1 0 2 1 10
日本   0 1 0 2 0 0 3 0 3 0 0 9

日本(赤)-スウェーデン(黄) 4エンド

 日本の12試合目の最終戦は、このあとこの大会で優勝するスウェーデンが相手。もちろん格上の相手ですが、結構チャンスはありました。そのチャンスを自ら手放してしまった印象があります。

日本(赤)-スウェーデン(黄) 4エンド 後攻日本サード岩井1投目

 日本2点ビハインドの後攻4エンド。

 サード岩井の1投目を前にして、ハウスを広く使って1・2を持っているという、後攻としては絶好の形。しかし岩井1投目のドローはハウス内で平行に3つ置くのを狙ったはずだが、ウェイトがまるで足りずハウスにも届かない。このまま3つ目を置き続ければ3点チャンスだし、ダブルテイクされたとしても2点パターンは作れる形だったのに。

 結局このエンド、日本は1点に終わる。

日本(赤)-スウェーデン(黄) 6エンド

 さらに同じ試合の6エンド。日本の1点ビハインドで先攻。

 このエンドはスウェーデンのショットがいまいち。サード岩井の2投、センターガードとドローがともにナイスショットで、ハウス内4フットでいい形を作った。このままセンターガードを置き続けて、ラストストーンでドローを投げさせればスチールも期待できる。

日本(赤)-スウェーデン(黄) 6エンド 後攻日本フォース青木1投目

 しかし、フォース青木1投目のガードはハウス内の石が隠せていない。この後、スウェーデンのスキップ、ニクラス・エディンの1投目でダブルテイクを決められ、このエンドはブランクになる。解説は清水徹郎。

清水「(スウェーデンに)珍しいミスもあって、日本にいい流れが来てたので、1点取らせるか1点スチールもちょっと見えていただけに、ブランクになってしまったのはスウェーデンとしては良かったんですけど、日本としては今のエンドは点を動かしたかったですね」

 この大会の日本は、青木のスーパーショットのような難しいショットを何回も決めた反面、このスウェーデン戦の2つのエンドに象徴されるように、簡単なショットが決まらないという場面も多くありました。この大会、日本は3勝9敗で13チーム中11位という結果に終わります。あれだけスーパーショットが出ていながらこの勝敗数になってしまうあたりに、それが現れていると思います。アメリカ戦、ロシア戦、スイス戦は勝つチャンスがあった。 それに勝つだけでも、もうプレーオフ圏内に入れたかもしれないのに。

予選 日本-スウェーデン

チーム名 H 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
日本   0 1 0 1 0 0 0 1 0 - 3
スウェーデン 1 0 2 0 0 0 3 0 1 - 7

お茶目なteam IWAI

 試合の局面の名場面はこんな感じですが、これ以外にもteam IWAIの会話などで面白い場面がありました。ちょっととぼけた感じのサードスキップ岩井と、大会最年少18歳なのに物怖じしないクールな青木を中心に、独特の空気がありました。SC軽井沢クラブとはわけが違う。

 というわけで、team IWAIの見ていておもしろかったシーンをまとめて紹介します。

アメリカ戦3エンド 「まったく見えてないわ!」

 アメリカがセカンド2投目でコーナーガードの裏へカムアラウンドを決めて、サード岩井の1投目。最初はコーナーガードをかわして直接テイクする手を狙っていたが、いざハックから見るとコーナーガードの裏に完全に隠れているようだ。バイススキップの青木は外から曲げてのテイクを指示するが……。

岩井「まったく見えてないわ!」
青木「?」(左耳に手を当てる)
岩井「見えてない!」
青木「?」(右耳に手を当てる)
岩井「見えない! 石が見えないの! 見えない!」

 結局、岩井の声は伝わらず、青木が手招きで岩井を呼んで、岩井がハウス側に言って直接話すことになりました。

アメリカ戦10エンド さっさと投げろ

 10エンド、日本が1点ビハインドで後攻、ハウス内に石が多く点在する際どい場面。先ほど紹介した青木のスーパーショットが出る前のシーン。

 サード岩井の2投目を前に、残り時間2分を切っているのに4人集まってのんびり話し合うteam IWAI。話の中で残り時間の話も出ていたので忘れていたわけではないと思うが……。心配そうな顔の日本コーチ陣。しばらく話し合った後、タイムアウトを取る。画面に映っていた時計には残り時間1:13と表示されていた。

 J.D. リンドコーチが降りてくるが、二言三言指示を出してすぐに去って行く。爆笑するteam IWAIの面々。時間がないのでさっさと投げろということか。解説は両角友佑。

友佑「このショットしかないよということで、チームも納得しやすいので。真面目に考えていないわけではなくて、スッと終わらせて。グタグタ話をしてもダメな時もあるので、すごくいいコーチングだったと思いますけど」

オランダ戦5エンド フリーガードゾーンルール

 日本(赤)後攻リード青山2投目を前に、ハウスすぐ近くのセンターライン上に黄、すぐ左にハウスにかかって黄、という形。ハウス側のスキップ岩井と投げ手側のリード青山の間でこんなやりとり。

岩井「入ってる」(と左の黄を指し、その黄からセンターライン上の黄とのダブルテイクする仕草)
青山「(青山から見て)左、入ってなくない?」
岩井「ん?」
青山「こっち入ってないでしょ」
岩井「入ってない」
青山「出せないよ」

 岩井、投げ手側を指さし「それだ」という仕草。ざわめくデリバリー陣。

 なお、フリーガードゾーンルール忘れはスイス戦の9エンドでもやらかしてますw 

オランダ戦11エンド 念力

 試合はエキストラエンド。先攻日本。4フット左側にナンバー1を持ったまま迎えたフォース青木の2投目は、その赤を守るガードを置きにいく。解説は両角公佑。

「ちょっとタイトだわ」
「待ちたい待ちたい待ちたい」
「あるあるあるある」
「2、3。2、3」
「待てる待てる待てる」
「ちょっとオーバーカールしちゃう!」
「ウェイトはもっとちょっとほしいんだよね」
「イエス!」
「ウォー!」
「行きすぎない行きすぎない行きすぎない」
「いい、いい」
「セット! セット!」
「セット!」
「ダーッ!!」(宿谷がブラシで石を指して力を入れて震わせる仕草)
実況「(笑)止まってくれという感じでした」
公佑「そうですね。気合いで何とか」

 ハウス内の赤を隠す最高の場所に止まりました。このガードが利いてオランダのラストストーンは惜しくも決まらず、日本スチール。本大会初勝利となりました。

カナダ戦4エンド なんの話?

「この試合の勝敗当てたら4890ドルってこと? 48万9000円ですか。マジか」

 なんだこの会話は。これ、本当にteam IWAIのメンバーの会話だったのかな? セカンド宿谷1投目の直前、もうデリバリーに入るくらいのタイミングだったし。

ドイツ戦5エンド 「7まで!7まで!7まで!」

 リード青山1投目。ハウス内へドローを狙うが、やや短い。宿谷と青木が全力スイープ。

宿谷「5」
青木「ないわ」

 スキップの岩井が引き次いで全力スイープ。

岩井(32歳)「うぉー!」
青木(18歳)「7まで!7まで!7まで!」
岩井(32歳)「いや、無理でしょ(笑)」

 結局、5くらいの位置で止まりました。解説はSC軽井沢クラブリザーブでチーム最年少の平田洸介。

平田「青木選手、いいことだとは思うんですけど、年上とかあんまり関係なく(笑)いろいろされるので。ちょっと僕は怖くてできないです、そいうことは」

スウェーデン戦7エンド 年上相手でも遠慮なし

 先攻、フォース青木1投目を前に4人で作戦会議でこんな会話。年上相手でもまったく物怖じしない青木の性格が良く表れた場面。

青山「来てもまあこことか?」
青木「いやー、それだとここで簡単に2点取られちゃうんだよね。ここガードするとランバックしかなくなっちゃうから」
青山「赤1でしょ?」
青木「でもここ黄色1でもいいんだよ別に。だったらここ置いて、もし押されても次うちらが押し返せば全然」
青山「うんうんうん」
岩井「ここ置いとけば、どうにかなるからね。半分以上隠せれば」
宿谷「これピールされたら?」
青山「そんなここ曲がって強いウェイトで来ないと思うよ」
青木「これだけ見えてるから」
宿谷「これだけピールされたらやばいんだよね」
青山「ああー」
岩井「ここ置いとけばさ、別に、これだけ死んで」
宿谷「ここまでくっつけたいね、できればね」
青木「ここくっつけた方がいいよ。これピールされても別にもう1回押せば自分がここで1・2で持てるから」
宿谷「やばいのでも、これでハックとかで割られちゃうのが怖いからね」
青木「割られてもじゃない? 別にここで広がる分にはこうもできるし」
宿谷「まあね」
青木「ハックぐらいならたぶんここまで押されて、こっちからこうボーンとできるし」
岩井「OK」
青木「若干タップはありで。相手もしガードしてきたら、こっちガードしてきて1点やってもいいし」

最下位回避

 ところで、世界選手権の出場枠は前回・今回・次回でシステムが変わることになっています。前回までは12チーム出場でアジア枠は2でした。今回は13チーム出場で、アジア枠が暫定的に1つ増えて3になりました。

 次回からは、13チーム出場はそのままで「世界選手権最終予選枠」が2枠設けられることになりました。その2枠がどこからくるかというと、1つは暫定的に3だったアジア枠が2に戻る。もう1つは、前回大会で最下位になった国が属する枠が1つ減らされることになりました。

 つまり、今回の大会で日本が最下位になってしまうと、来年の世界選手権のアジア枠が1になってしまうところでした。今回の世界選手権に五輪代表チームであるSC軽井沢クラブが出場できなかったのは、今回の世界選手権の成績は次回の五輪出場に影響しないから、他のチームに経験を積ませることを優先したということだと思います。しかし、もしこの大会で日本が最下位になっていたら、この判断はどうだったのかという話になるところでした。team IWAIはなんとしても最下位を回避しなければならないというプレッシャーとも戦っていたわけです。その中で初出場ながら3勝をあげて最下位を回避したのは、本当によくやったと思います。

 まあ、自分としては、最下位になったらなったでいいやと思ってましたけど。パシフィック・アジアカーリング選手権(PACC)で優勝できなくても、最終予選には出場できるだろうし、そこで2位以内に入ればいいんだし。むしろ、試合が増えて楽しいじゃない。やる選手は大変でしょうけど。アジア枠が2枠あったとしても、PACCで3位になってしまう可能性はあるので、どっちにしろ世界選手権最終予選に回る覚悟はしておかないといけないのだから。 


別冊付録 平昌オリンピック 女子カーリング メモリアル

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