自転車はどこを走る?

 『新・自転車“道交法”BOOK』という本を読みました。

 この本は、もともとは2012年3月10日発行の『自転車はここを走る!』という本でした。それが再編集されて、2014年2月20日発行の『自転車“道交法”BOOK』になり、そして再・再編集されて2017年5月30日発行の『新・自転車“道交法”BOOK』になりました。2~3年おきに再編集されていることになります。ところどころ最新の情報に更新された部分がありますが、基本的には同じ内容です。私は全部買ったけど。まあ、「ところどころ最新の情報に更新」の部分も大事ですけど。

 本の内容は、『自転車はここを走る!』と『自転車“道交法”BOOK』の冒頭の「プロローグ」に書かれている「自転車の4つの走り方」が一番良く表していると思います。この部分では、日本の交通環境には、自転車の走り方には次の4つがあると書いてあります。

  1. 「法律」で定められた走り方、
  2. 現実的に見える走り方
  3. 安全を担保した「妥協案」としての走り方
  4. ルールと道路整備を行った上での「理想」
自転車“道交法"BOOK (エイムック 2789)

 法律的には、よく言われているように「車道の左端」を通るのが原則です。しかし、実際に自転車で走っていると「この道路、絶対『車道の左端を自転車が通る』ことを想定しないで作っただろ」と思える箇所によくぶち当たります。そういう場面で、法律的にそれほど逸脱せず、安全面を確保して、利便性もそこそこあるという走り方はどのようなものか。この本ではそれを十字路・Y字路・バス専用レーン・駐車車両などのケース別に紹介しています。法律的にどうかだけでなく、「法律的にはグレーだけど現実的にはこう走った方が良い」ということが書いてあるのが本書の最大の特徴だと思います。

 ところが、最新版の『新・自転車“道交法”BOOK』では、今まで冒頭に書いてあった「自転車の4つの走り方」の話が無くなっています! 代わりに、自転車活用推進法の話が入りました。たしかに、自転車活用推進法が成立したのは自転車界にとって大きなトピックだと思います。しかし、この本を読んで知りたいのは、現実的に自転車でどう走るのが良いのかという話です。この法律によって道路の状況が大きく変わるのかもしれませんが、それは変わったら教えてくださいという感じです。自転車活用推進法の話を書いてもいいですが、それは「第5章」を作ってやる話ではないですか? 少なくとも「自転車の4つの走り方」を差し替えてやる話じゃないでしょう。

 前書き部分の「自転車の4つの走り方」の話がなくなってしまったので、今までの経緯を知らずにこの本を初めて手に取った読者には「この本は何を言いたい本なのか?」が伝わりにくくなったと思います(あと、目次も今までより省略されててどこに何が書いてあるかわかりにくい)。

 とはいえ、メインの内容は前版までとほとんど同じなので、今までどおり自転車を走る場合に役に立つ内容なのは間違いないです。


自転車はここを走る! (エイムック 2344)

 実は、自分も自転車に乗るようになりました。かつては自転車を使うのはせいぜい2~3km程度でしたが、ここ5年くらいは10kmくらいなら自転車で行く。ママチャリで(^_^;) クロスバイクを買った方が良いのかもしれないけど、ママチャリでも結構行けるので。自転車で行くにはいくつか条件があって、天気が良いことと、体調が良いこと、目的地に駐輪場があることが確認できていること。5年前というと『自転車はここを走る!』が発売された時期と重なります。この本に触発されて……というわけではないのだけど。自転車で遠出し始めたころによく読んだのは確かです。

 走り始めるにあたって、「道路の左端を走る」と「信号は絶対守る」を心に決めて走り始めたわけですが、実際に走ってみると最初のうちはわからないことがたくさんありました。「“自転車横断帯”があるときはそこを通るの?」「“自転車歩行者専用”信号があるときはそれに従うの?」「左端のレーンが左折専用レーンになっているとき、左折専用レーンを走ったまま直進していいの?」などなど戸惑うことばかり。そんなとき、『自転車はここを走る!』の記述は大変参考になりました。

 当時を思い返すと、「交通ルールのことが全然わかってなかったな」と思います。「自転車は車道の左側を走るのが本来は正しい」というだけでわかったような気になっていましたが、実際に走ってみると迷うことだらけ。よくこんなので自転車に乗ろうと思ったな、と思います。

 最初のうちは「車道を通るのはなんとなく怖いな」と思っていましたが、今では「歩道を自転車で疾走するなんて危険すぎる」という感覚になりました。それと、「自転車は道路の左端を走る」というのは、幹線道路を走るときはもちろんだけど、むしろ車の対面通行がギリギリできる程度の生活道路で安全に走るために必要だと思うようになりました。自転車の交通ルールや安全に走るための知識は、自転車で10km以上移動するような人だけに必要なのではなく、数キロの移動に自転車を使うような人にも必要です。だから、この本の程度の知識は自転車に乗るすべての人に持ってほしい、と思います。

 最後に、自転車を使う人に特に言いたいこと。道路の左端を走ろうというのももちろんですが、それよりなにより信号を守ろうということを第一に言いたい。車や歩行者にも気になる点はありますが、自転車の信号無視を見る頻度はあまりに多い。これはママチャリ、スポーツ自転車を問わず多いです。黄色から赤に変わりかけたところで突っ込むとかならまだわかるけど、完全に赤信号で突っ込むのは理解できない。自分が赤信号で止まっている後ろからでも、なんの躊躇もなく追い抜いていくからね。車も100%ルールを守っているかと言われればそうでもないと思いますが、信号無視をしている車は滅多に見ません。どんなに空いている道でも信号はほぼ100%守っています。自転車も最低限、信号くらい守りましょうよ。実際に待ってみると、信号1サイクルの時間くらいどうってことないですよ。

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