Windows 10の「ファイル履歴」のバックアップが失敗している?

 Windows 10の「ファイル履歴」という機能が、軽くて楽でフォルダ指定も除外指定もできて便利そうだと思ったので使ってみました([Windows] + [I] → 「Windowsの設定」 → 「更新とセキュリティ」 → 「バックアップ」 → 「その他のオプション」)。

 しかし、何日かそのまま使いましたが、まったくバックアップされていない気がします。「FileHistory」フォルダ以下のファイルが1つも増えていない。実験で1つのフォルダだけバックアップしたときはうまくできたのに。

 この問題はあちこちで言及されていました。例えば次のページ。

次の手順で、ファイル履歴でバックアップした記録を確認します。
《中略》
「スタート」ボタンを右クリックし、表示されるメニューから「イベントビューアー」をクリックします。
《中略》
イベントID:201
C:\Users\(ユーザー名)\AppData\Local\Microsoft\Windows\FileHistory\Configuration\Configでユーザー ライブラリの変更のスキャンと変更されたファイルのバックアップを実行できません
この内容が表示される場合、ファイル履歴のデータは正しくバックアップされていません。

 『イベントビューアー』を見ると、確かに「ライブラリの変更のスキャンと変更されたファイルのバックアップを実行できません」というエラーが連発してました。なんで?

原因:
    1つのフォルダの中に、全角と半角カナで区別される同名のファイルが存在する場合
    1つのフォルダの中に、全角と半角英数字で区別される同名のファイルが存在する場合
    1つのフォルダの中に、全角ひらがなと全角カタカナで区別される同名のファイルが存在する場合

上記のフォルダを含むライブラリ単位でバックアップが保存されなくなります。

 要するに、全角と半角、カタカナとひらがななどの違いで同じ名前のファイルがあるとバックアップできないらしい。そのファイルやそのファイルがあるフォルダだけバックアップできないというのではなく、バックアップ全体が一つもできない。ひどい。ファイルもフォルダも無数にあるし、とても調べきれないよ。

 対応策としては、「バックアップ オプション」の「除外するフォルダー」であやしいフォルダを除外フォルダに指定してバックアップできるかどうかを試して、バックアップできるなら除外フォルダを少しずつ外して、問題のあるファイルがあるフォルダを特定していく、という地道な方法しかないようです。

 この方法をとる場合は、G:\FileHistory\(ユーザー名)\MYCOMPUTER\Data(←先頭のドライブ名は適宜読み替えてください)以下のドライブ名の「C」・「D」などのフォルダを削除してから「今すぐバックアップ」を押すと良いと思いました。バックアップ中に「C」や「D」フォルダが作られたらバックアップは行われている、ということです。よって、現在指定しているフォルダは問題ないということなので、すぐにバックアップをキャンセルして次のフォルダ指定に移る。以下、問題のあるフォルダが特定できるまで繰り返し。

 しかし、これは面倒すぎます。問題のあるフォルダは大まかにはわかったけれど、特定しようと思ったら除外指定するフォルダは100や200では足りない。とてもやってられません。せめて、どのフォルダ(ファイルならなお良い)に問題があるかわかれば何とかなるのに。

 あと、今回は初回だからバックアップのファイルがまったく作られていないことは気がつきやすかったですが、これが途中からだったらと思うとぞっとします。今までは普通にバックアップできていたのに、あるときうっかり同名ファイルを作ってしまって、それ以降ひっそりとバックアップに失敗し続けてました……ということになりかねない。バックアップに失敗したなら、イベントビューアにひっそりとエラー出すんじゃなくて、アクションセンターに通知を出しなさいよ。

 せっかく良さそうな機能なのに、これでは安心して使うことはできません。ファイル履歴は補助的な手段として使い、メインのバックアップ手段はほかに用意した方が良さそうです。